NDSコラム

仕事 2021/06/29
【最新】介護事業所のICT導入に活用したい2021年度の「ICT導入支援事業」や「IT導入補助金」とは

日本の経済は今後の見通しとしてITテクノロジーを有効に活用していくことが大きな課題となっています。もちろん介護事業所も例外でありません。また慢性的な人材不足が続く介護業界がICTを活用していくことは業務を効率化し介護職員の業務負担を減らしながら効率的に介護の生産性を高めていくためにも必要であるといえます。
ICT機器の導入にかかる費用が心配という事業所のために、国は「ICT導入支援事業」や「IT導入補助金」といった様々な支援策を展開して積極的なICT導入を推進しています。
介護事業所が活用できる2021年度最新の「ICT導入支援事業」「IT導入補助金」とはどのようなものであるかを解説します。

必要性がますます高まる介護事業所のICT導入

介護事業所が今後経営を続けていくにおいてICT導入の必要性がますます高まっています。介護分野は高齢者や障がいのある方を主なサービスの対象としています。昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、介護事業所は従来の感染予防対策だけでは完全に拡大を防ぐことは難しく、介護事業所でのクラスター発生も見られました。その結果事業所間の往来を制限するなどで多職種間の十分な連携を図ることができないという弊害も見られました。この状況を打破するために非接触を可能にするICT機器の積極的な活用が期待されているのです。

また介護業界は慢性的な人材不足からくる業務負担が介護職員の大きな心身の負担になり離職理由のひとつになっていることや、業務に時間を取られ利用者へのサービスの質が低下してしまうことが挙げられています。これらを解決するためには業務負担をいかに減らすかが重要な視点です。人員が不足している中で業務負担を軽減し生産性を高めていくためには業務の効率化が有効であり、業務の効率化を図るには現場に則したICT機器を積極的に活用していくことが必要とされ、厚生労働省は介護事業所の積極的なICT導入を推奨しているのです。人材確保、業務負担の軽減、サービスの質の向上といった介護業界の課題の解決にICT導入は大きな期待を寄せられています。ICT導入支援事業は各自治体によって内容が異なることがございますので、必ず該当する自治体の情報を確認しましょう。

介護現場で活用が期待されるICTとは

介護現場で活用が期待されているICT機器の一例には以下が挙げられます。

・介護記録ソフト

利用者情報やケアの記録、介護計画書など業務に関する記録をパソコンやタブレット端末で入力、管理できるソフトです。手書きに比べ記録を書類ごとに転記する手間がかからない、保管に場所を取らない、閲覧やデータ管理が容易、情報分析に役立てやすい、介護請求ソフトと連携してレセプト業務が効率化されるなどICT化することで事務作業等の大幅な業務効率化、負担軽減に繋げられることが期待できます。

・ICTを使った見守り機器

介護施設等において利用者の見守りは非常に神経を使う大切な業務です。特に夜間帯は介護職員の人員が限られているためさらに見守りにかかる負担は大きいといえます。
ICT機器を活用したベッドセンサーや見守りカメラ等で見守り業務の一部を機械化することで介護職員の見守りにかかる時間が大幅に減少することがパイロット事業での検証結果からも立証されています。令和3年度介護報酬改定ではICTを活用した見守り機器を導入している場合、夜間の人員基準を一部緩和する方向です。

・デジタルインカム

職員間の情報共有を円滑にするためのICT機器としてデジタルインカムの活用は非常に有効です。介護の仕事において質の良いサービスを提供するためにはチーム間での情報共有が欠かせません。共有すべき情報には利用者のその日の状態や業務上の注意事項など非常に多岐に渡ります。これらを逐次申し送りノートなどに書くとなると手間もかかりますし全員が閲覧できているかが分かりません。ICTを活用したデジタルインカムはスマートフォンなどをインカムとして活用し、離れた場所にいる職員間でも音声と文字で情報のやり取りができるため迅速な情報共有を可能にします。

・テレビ電話やオンライン会議

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、日本でも接触を最大限に減らすためにテレワークの実施や非接触式のオンライン会議などを積極的に推進してきました。介護業界は事業所内だけでなく他事業所の専門職とも連携して利用者へのケアにあたる必要があります。その際に行うケアカンファレンスや情報提供をICTを活用したテレビ電話やオンライン会議で行うと接触せずに済むため感染の心配はありません。またオンライン面会なども行えるため利用者の認知症進行予防など質の高いサービスにも繋がることが期待されます。

・勤怠管理や給与管理等の基幹業務

毎月の勤怠管理や給料計算は事業所の規模によっては非常に業務負担の大きい仕事です。ICT機器を活用してタイムレコーダーを電子化してしまうことで勤怠管理、給料計算のほとんどを機械化することができます。さらには給与明細をオンライン明細にすることで業務負担の大幅な効率化だけでなく経費の削減にも繋げることができます。

ICTを導入しやすくするための取り組み

介護事業所の大幅な業務効率化、業務負担の軽減に大いに役立つICT機器ですが、導入には一定の費用が必要です。決して安い出費ではないため躊躇してしまう介護事業所もいることでしょう。

国は、事業所が積極的にICT機器を導入し運営に役立てていけるよう「ICT導入支援事業」や「IT導入補助金」といった支援を展開しています。

ICT導入支援事業

ICT導入支援事業は厚生労働省が介護現場のICT化に向け、各都道府県に設置されている地域医療介護総合確保基金を活用した導入支援として補助金の交付を実施しています。
補助金の対象は
・介護ソフト
・スマートフォン
・タブレット
・wi-fi購入・設置費(通信費は含まない)
・業務効率化に資する勤怠管理
・シフト表作成等の介護ソフト(一気通貫等の 要件は満たす必要あり)
などとなっています。

事業規模に応じて100~260万円までが助成されます。助成率は通常50%ですが、「LIFEにデータを登録する体制が取れている場合」「標準仕様を活用してサービス提供票(サービス計画・サービス実績)を事業所間/施設内でデータ連携している場合」など一気通貫を要件に75%以上が助成される場合があります。各都道府県で実施状況が異なるため、必ず該当の都道府県情報を確認しましょう。

IT導入補助金

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