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介護施設のおやつの役割とは?高齢者向けのおやつレシピも紹介!

2021/07/28

介護施設を利用する高齢者にとって、食事とは大きな楽しみのひとつです。中でもおやつの時間は非常にたくさんの意味を持ちます。介護職として利用者には少しでも楽しんでいただきたいものですよね。しかし、そのおやつの選び方など注意しなければならない点もあり、せっかくのおやつが逆に利用者のためにならないことも。
今回は、介護施設を利用する高齢者にとっておやつの役割と提供時の注意点の解説と、利用者も一緒に作ることができる高齢者向けのおやつレシピを紹介します。

介護施設を利用する高齢者におやつは重要

介護施設を利用する高齢者は日常的に介護が必要な方が多く、頻繁に外出するのは困難であることが実情です。そのため施設内や施設近辺で過ごすことが多い高齢者にとって、食事の時間は空腹を満たすためだけでなく生活の中で大きな部分を占める楽しみとなります。特におやつは昼食から夕食の間の余暇時間、一日の中でも活動的な時間帯です。このおやつの時間を有意義なものにできると、利用者は生活の中で大きな楽しみを得ることに繋がるのです。

おやつの役割

おやつはあくまでも食事と食事の間に行う補食的な要素が強いものですが、介護施設を利用する高齢者にとって、非常に大きな役割を持ちます。

・エネルギー、水分補給

一食あたりの食事摂取量が減少しがちな高齢者には、一日を活動的に過ごすためのエネルギーが足りない場合があります。エネルギーをしっかりと摂取できないことにより活動意欲の減少、筋力低下などを引き起こすおそれもあります。また同様に水分もこまめに摂取する必要がありますが水分だけ飲むことは避ける高齢者もおられます。

おやつは食事に比べて軽い感覚で食べることができ、水分も同時に摂取してもらいやすいためエネルギーと水分補給に非常に適しています。

・足りない栄養を補う

おやつはエネルギーだけでなく種類によって様々な栄養を含みます。タンパク質やビタミンなど、食事で摂取しきれなかった重要な栄養素でもおやつを通して摂取していただける場合があります。

・気分を落ち着かせる

おやつには比較的甘いものが多くあります。甘いものを食べると気分が落ち着くことが知られており、認知症の方が夕方になると不穏になる黄昏症候群など落ち着きがない状態であってもおやつを食べることで気持ちが落ち着き、リラックスして穏やかになることがあります。

・一日のメリハリをつける

日本において「3時のおやつ」という言葉は広く知られています。元々は江戸時代で3時を表す「八つ刻」(やつどき)を丁寧にしたものが「おやつ」の由来との説があります。それほど歴史のある言葉ですので高齢者にとってもおやつは時間を知る道具にもなるのです。一日の中で時間をしっかりと認識することで正しい生活リズムを刻み、規則正しい生活を送ることが期待できます。

・コミュニケーションを円滑にする

おやつの時間はホッと一息つくリラックスした時間です。落ち着いた雰囲気でおいしいおやつを食べると気持ちが前向きになり、他者とのコミュニケーションが進みやすくなります。介護職はおやつを大切なコミュニケーションの時間と捉えて落ち着いた雰囲気を演出できるようにしたいですね。

高齢者向きのおやつとは?

おやつとひと言でいってもたくさんの種類がありますよね。高齢者にはどのようなおやつが向いているのでしょうか。おやつも食事同様に個人の嗜好が非常に大きく影響してくるため一概にはいえませんが高齢者施設で提供されることが多いおやつには以下のものがあります。

・果物

みかん、バナナ、梨、柿など果物は糖分、ビタミンなど豊富な栄養を含み、かつ食べやすい柔らかさのものが多いため好まれる傾向です。特に高齢者が慣れ親しんだ果物を提供すれば抵抗なく食べていただけるでしょう。最近になって国内に流通した果物は敬遠されてしまう場合があります。

・プリン、ゼリー類

プリン、ゼリーなどは咀嚼があまりいらずに飲み込みやすい形状のためどのような高齢者であっても食べやすいため介護施設では多く提供されます。また、特にゼリーはゼラチンや寒天などを使って自分たちで作ることが比較的容易なため果物を入れたものなどアレンジしたオリジナルゼリーを作れることもいいですね。水分補給も兼ねることができるため、夏には特におすすめのおやつです。

・煎餅、おかき類

高齢者は自身の経験上和菓子を好まれる方が比較的多くいらっしゃいます。中でも煎餅やおかきを好まれる方が多く喜んで食べていただきやすいのですが、利用者の歯の状態やおやつの固さによっては歯や歯茎を傷めてしまうこともあるので注意が必要です。しかし煎餅やおかき類は歯ごたえがあり、噛むことで脳への活性化も期待できます。本人の口腔状態や嗜好によってはおすすめできるおやつです。

・蒸しパン、ケーキ類

ふわふわして噛みやすいパンやケーキ類も高齢者のおやつに適しているといえます。種類によっては甘くないものやフルーツ、豆類が入ったものもありバラエティに富んでいるのも飽きがこなくておすすめです。しかし、口腔内の水分を奪いやすいものもありますので摂取の際には必ず水分と一緒に食べていただくようにしましょう。

おやつ選びの注意点!

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おやつ選びの注意点!

高齢者におすすめのおやつをご紹介しましたが、おやつはいくつかの注意点もあります。しっかりと守らないとせっかくの楽しいおやつの時間は逆に高齢者を苦しめてしまうことにもなりますので気を付けましょう。

・疾病、服薬による制限や禁忌を確認する

高齢者は数種類の疾病にかかっていることが多く、服薬もそれに応じて増えていきます。それぞれの疾病や服薬には糖尿病などカロリー制限がある方やカルシウム拮抗薬や血流の薬の影響などで禁忌として食べてはいけないものがある方がおられます。不用意に提供してしまえば重大な健康被害を及ぼすおそれがありますので、利用者ごとにどのような制限、禁忌があるかを必ずカルテ・記録に記載されている情報や医療職に確認して提供するようにしましょう。

・飲み込みにくいものは避ける

高齢者は口腔周辺の筋力が衰えやすく、それに伴い飲み込む力も低下しがちです。飲み込む力が低下すると、食道ではなく気道に流れ込んでしまう「誤嚥」や食道入り口に詰まってしまう「窒息」を引き起こしてしまうおそれがあります。
飲み込みにくい形状とは、唾液と混ぜることができずにパサパサしたもの(乾いたパンなど)や弾力、粘度があり一個の大きさが大きく高齢者の噛む力では噛み切れないもの(大きな餅や大福など)です。
提供は極力避けることが望ましいですが、もし提供する場合は必ず水分から先に飲んでいただく、一口の量が多くならないように切るなどの対応をして提供するようにしましょう。

三食の食事に影響しないようにする

おやつには大切な役割があることは先ほどお話ししましたが、栄養摂取はやはり食事から摂ることが望ましく、おやつを食べすぎたことにより食事が食べられないという結果は避けるべきです。おやつはあくまで補食であることを念頭に置き、食事に影響しない範囲の量を摂取していただくようにしましょう。

おやつレクで楽しもう

介護施設を利用する高齢者にとっておやつは大きな役割をもつことは先述いたしましたが、さらに高齢者におやつの時間を楽しんでいただくのに最適なものが「おやつレク」です。
これは高齢者と職員が一緒におやつを作って食べるもので、おやつの時間とレクリエーションを一体的に行えます。   おやつを自分たちで作って食べることは様々な効果が期待できます。   ・自分たちで作る楽しみや完成した達成感
・料理の音や匂い、器具を扱う集中力など脳や五感に刺激
・協力しながら作っていくのでチームコミュニケーションが取れる
・自分の役割を自覚できる
・果物や食材で四季を感じることができる
  自分たちで作ったおやつですので、美味しさもまた違う格別なものとなるでしょう。
口に入るものですので必ず手袋(素材のアレルギーを確認)、マスクをする、手指や器具を消毒するなど衛生に十分配慮したうえで、ぜひおやつレクを積極的に取り入れていきたいですね。

おやつ作りのおすすめレシピ

おやつレクで楽しめるレシピをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
食材の準備や調理は、できるだけ利用者にお任せできるよう職員は声掛けとみまもりを行っていくことが楽しいおやつレクになりますよ。

☆たこ焼き器で作るホットケーキ☆

材料:市販のホットケーキミックス、卵、牛乳、お好きな具材   【作り方】 ① ホットケーキミックスをボウルにあけ、卵、牛乳を入れて混ぜます。分量はホットケーキミックス通りだとやや硬く仕上がりますので牛乳を100mlほど多めに入れると高齢者が食べやすい形状に仕上がります。
② たこ焼き器を熱し、バターや油をしきます。
③ 十分に熱したら、おたまで①を流し込んでいきます。
④ お好きな具材を中に入れていきます。何も入れなくてもふわふわとおいしく仕上がりますが、潰したバナナや小さなチョコ、チーズなどを入れるとよりおいしくなります。
⑤ 固まってきたら竹串で円を描くようにひっくり返します。
⑥ 何度かひっくり返し、全体に焼け目がついたら完成です。
⑦ そのまま食べてもいいですし、チョコチップや粉糖をふりかければ高齢者向けスイーツになります!

☆餃子の皮で作る簡単スイーツ☆

材料:餃子の皮、バター、チョコ・チーズ・バナナなどお好みの具材   【作り方】 ① 餃子の皮にお好きな具材を入れます。チョコやクリームチーズを入れるほか、薄くスライスしたバナナや、レンジで温めて柔らかくしたリンゴを入れても美味しいですよ。和風の味がお好みの利用者にはあんこを入れてもOKです。閉じていく際に皮が破れないよう、量が多くなりすぎないようにしましょう。
② 餃子の皮のフチを水で濡らし、具材を閉じていきます。中身が溢れないようにしっかりと水で濡らし、端を指で強く押さえるようにしましょう。
③ ホットプレートを熱し、バターを溶かします。
④ ②を並べて焼いていきます。両面に焼き目がつけば完成です。
⑤ お皿に盛り、お好みで粉糖や生クリーム、ヨーグルトなどをかければ彩りも良くなります。

 

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まとめ

介護施設を利用する高齢者にとって食事とは一日の大部分を占める楽しみです。特におやつは甘いもので気分が落ち着く、エネルギーや水分の補給ができる、一日のメリハリができるなどとても大きな役割があります。さらにおやつ自体をレクリエーションとして利用者に作ってもらうおやつレクは協力して作業していく達成感や役割の自覚、音や匂いの刺激など脳にもいい刺激が期待できます。高齢者の食事と同様、気を付けるべき注意点を守りながら、提供者全員で利用者の状況を把握した上で、ぜひ楽しいおやつの時間を提供できるようにしましょう。

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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