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NDSコラム

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介護業界の人材不足解消に期待のリファラル採用成功のポイント

2021/08/06

増加し続ける介護ニーズに対応するためには介護業界で働きたいという人材を多く確保し、さらに長く働き続けてもらう必要があります。しかし実際のところでは介護業界は求人があまり多いとはいえず、離職率も比較的高い水準にあります。
そこで介護業界の求人でも期待されているのが「リファラル採用」です。リファラル採用はそのメリットから介護業界の人材不足解消に役立てることが期待されていますが、そのためには介護事業者がリファラル採用を成功させられる環境を整備しておく必要があります。今回は、介護業界の人材不足解消に期待が寄せられるリファラル採用のメリット、デメリットとリファラル採用を成功させるためのポイントを解説します。

深刻化する介護業界の人材不足

介護業界は以前から人材不足が慢性的な悩みとなっています。昨年は新型コロナウイルス感染症が経済に打撃を与えた影響もあり失業者、転職希望者が幾分か介護業界に流れてきた経緯は見られましたが、やはり依然として有効求人倍率は他産業と比較しても高い水準にあり、人材不足が根本的に解決したとはいえない状況です。

介護業界が抱える人材不足の理由として圧倒的に多い意見が「採用が困難である」ことが挙げられており、続いて「離職率が高い」ことが挙げられています。つまり、介護業界がいかに人材を確保しようとしても求人の多さに対して求職者が少ないということ、採用に至っても長く続かずに離職してしまうことが慢性的な人材不足の背景にあると考えられます。 この状況を改善していくために注目を集めているのが「リファラル採用」です。

リファラル採用とは

リファラル採用のリファラルとは「推薦・紹介」を意味しており、つまりすでに働いている人に人材を紹介してもらい採用するシステムがリファラル採用です。介護業界においていうならば事業所に勤める介護職員が他の介護職員の転職先として自身の事業所を紹介する、介護の仕事に興味を持っている人を紹介するといった形になります。 リファラル採用は従来の求人や採用方法のマイナス面が払拭されることが期待されており、採用が困難であることが人材不足の最たる理由となっている介護業界において従来の求人方法で効果が得にくいという点を改善できるのが強みです。

リファラル採用のメリット・デメリット

介護業界の人材不足解消に期待されるリファラル採用を導入するには、メリットと同時にデメリットも存在します。

メリット

採用コストがかからない

リファラル採用のメリットはなんといっても採用にかかるコストがほとんどかからないことといえます。従来の求人方法で紹介業者や広告業者に支払っていた募集のための費用がほぼ不要となりますので大幅なコスト削減が可能になります。

ミスマッチが少ない

リファラル採用では、介護事業所に勤めている職員からの紹介が主な採用ルートになります。そのため、紹介される人材は仕事内容や事業所の雰囲気が合うかどうかを介護職員が見極めての紹介になると思われますので、実際に働いてみると合わなかった、求めていた人材ではなかったなどといったミスマッチが少なくなります。

離職率が下がることが期待できる

リファラル採用は必然的に知人や友人、縁故者が対象となるため相談しやすい環境などが構築しやすく離職率が下がる傾向があります。業務内容を覚える段階で色々相談できる介護職の存在があることは採用する側にとっても大きなメリットです。採用率が上がり離職率が低下することは介護業界にとっても大きなメリットといえるでしょう。

従来の求人では見つかりにくい人材が見つかる

リファラル採用は介護職員の周りの求職者に対してリーチをかけることになります。中には介護業界に興味はあるけどなかなか踏み切れない求職者もいるかもしれません。従来の求人方法では応募にまで至らなかった方でも実際に働いている介護職員に誘われてという経緯であれば面接に臨みやすくなりますし、介護事業者側にとって思わぬ力を発揮してくれることもあります。

デメリット

紹介待ちになるので時間がかかる

リファラル採用は基本的に介護職員からの紹介待ちが求人のスタイルとなります。そのため採用の計画がスムーズに運ぶかどうかの算段を立てにくいことがデメリットといえます。

紹介者との関係性の悪化リスク

介護職員が紹介してくれた人材と面談した結果、人物像や希望条件などが合わずに採用に至らない場合も考えられます。その際に紹介してくれた介護職員との関係性が悪化しないよう配慮が必要です。事前に不採用となる場合もあることなどを了承してもらうよう十分に話し合うことが必要です。

縁故者の関係性が逆効果の場合もある

実際に採用に至った後に紹介者である介護職員が離職してしまうようなことがあった場合、紹介された側の職員が居づらくなり離職してしまう場合があります。縁故者が主な採用ルートであるリファラル採用ではこのような事態が起こりうることも想定し、いかに離職を減らしていくかの手立ても重要といえます。

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リファラル採用成功のポイント

リファラル採用は介護業界との親和性が非常に高く、介護事業所の人材不足解消に繋がる可能性を秘めています。しかしリファラル採用が有効に機能し人材確保と離職防止を同時に図っていくためには介護事業所が意識しておく必要のあるポイントがいくつか存在します。まず何よりも現在働いている職員にとって事業所が働きやすい職場である、介護職員のことを考えてくれている事業所であると思ってもらえないと、自分の知人を紹介したいと思わせることはできません。新たな人材を確保したいと考えるならば、まずは今働いている介護職員に事業所を認めてもらうことがリファラル採用を導入する際に最も重要なことといえます。「この事業所なら自信を持って紹介できる!」と認められれば優秀な人材を紹介してもらいやすくなるだけでなく、本人が離職するリスクも少なくなるでしょう。

リファラル採用を成功させるため、介護職員に紹介したいと思わせる魅力的な事業所づくりのポイントを以下に挙げます。

・教育システムの整備

介護業界で働く方々にとって長続きせずに離職してしまう理由に、「職員によって言っていることが違う」「まともに業務を教えてもらえなかった」などがよく挙がります。実際に働いてもらっても教育システムがしっかりしていないから自信を持って紹介できないと感じられてしまっては、リファラル採用は成功しません。事業所内での介護方法の統一や業務の進め方のマニュアル化など教育システムをしっかりと構築していくと新人や若者でも働きやすい、信頼ある事業所となるでしょう。

・研修制度などの充実

介護業界は介護保険の改正により運営に変更が生じたり、経験したことのない利用者の対応などを求められたりと変化の大きい仕事です。その際に1人で考えて動くことを強いられては大きなプレッシャーとなり仕事へのモチベーションを失うおそれがあります。事業所内で定期的に勉強会や研修会を開催したり、研修プログラムを整備したりして事業所全体で学んでいく環境を整備しておくと、働いている介護職員は不安なく働くことができるほか介護職員全員のケアの統一にも役立つことでしょう。

・介護の理念に沿ったケア

介護職員の離職理由の上位に挙がるものに「事業所の運営方針、理念が合わない」といった理由があります。介護業界を離職した方の話では「利用者をないがしろにした姿勢が合わない」という声をよく聞きます。やはり介護の仕事とは利用者のためのケアという姿勢を事業所全体で共有できることが介護職員にとっても意欲的に働ける職場であるといえます。業務に追われて利用者のケアの時間が取れないという状況では介護職員はやる気を失ってしまいがちです。事業所全体の業務を見直して効率化や適正化で改善し、利用者のための質の高いケアを実施できる事業所であるとアピールできれば自信を持って働ける、紹介できる職場になるでしょう。

・介護職員の風通しを良くする

介護業界の離職理由で最も挙がる理由が「職場内の人間関係」です。介護現場はチームケアを行うことが重要ですが、介護職員同士の風通しが悪い状態だとチームケアは有効に機能しません。介護職員同士の人間関係を良好にするには先述した介護の理念に沿ったケアの意識を全職員で統一することと、そのためのコミュニケーション方法の工夫が重要です。良好なコミュニケーションはケアに対しての高い目的意識を皆で共有し、チームケアを行っていくために大きく役立ちます。介護職員全員が同じ方向を向いてケアを提供できれば職場内の人間関係はおのずと良いものになっていることでしょう。

・常に業務改善を図る姿勢

先述した通り、介護現場は法改正や利用者対応などで常に変化を求められます。その都度介護現場では新たに必要な書類ができたり新たな業務ができたりなど対応に追われることが少なくありません。それに対し何も手立てがない状態だと、業務量のみが増えて利用者にケアにあたる時間が削られていくばかりになります。それは介護職員の大きなストレスとなり離職に繋がることとなります。介護事業所は常に業務改善の視点を持ち、ICTの活用や介護ロボットの導入など柔軟に対応していくことが介護職員の満足度を高めリファラル採用の活性化、離職率低下に繋げていくことが必要です。

リファラル採用を成功させる環境づくりを

リファラル採用を成功させるポイントはまず既存の介護職員が働きやすい、紹介したいと思える事業所をつくることでした。そしてそのために業務改善を図る、業務の効率化を図ることは介護職員が働きやすくなるだけでなく利用者へのケアの質を高めることにも繋がり、離職を防ぐことにも繋がるもので介護事業所にも職員にも大きなメリットがあります。 教育システムの整備・介護事業所の業務改善・ケアの質を高める・職員のコミュニケーション方法を効率化していくにはICTを活用していくことで大きな効果を得ることができます。 NDソフトウェアはICTを活用した「ほのぼの」シリーズでリファラル採用を成功させるための様々な環境整備を可能にします。

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また介護計画書においてはAIで分析した改善の高いケア方法を提示する「AIケアプラン」を活用して質の高い介護計画の作成の補助にお役立て可能です。質の高い介護を提供することで介護職員の満足度向上に繋がります。

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介護職員同士のコミュニケーションを最適化するにはスマートフォンをデジタルインカムとして活用する「ほのぼのTALK++」が役立ちます。首にかけるネックスピーカーとスマートフォンを連動させることで離れた場所でも声と文字でコミュニケーション及び情報共有を、両手を塞ぐことなく行えるようになります。分からないことや聞き逃したことでも文字で確認できるためフォローアップが容易に行えます。

業務改善のためには記録類を電子化し効率化することが非常に有効です。「Care Palette」「ほのぼのNEXT」は介護現場の記録類のほとんどをタブレット端末やパソコンで一元入力・管理し転記の手間や介護保険請求の作業などを大幅に削減します。業務の時間を効率化できることで働きやすい環境をつくるとともに利用者へのケアを提供する時間を確保し、質の高いケアを提供できる体制を整備することができます。

事業所様のリファラル採用の成功、介護職員にとっての働きやすい職場づくりには「ほのぼの」シリーズで幅広いサポートが可能です。ぜひお役立てください。

まとめ

深刻な人材不足に悩む介護業界において有効な求人方法と離職の防止は重要な課題です。注目が集まるリファラル採用を活用していくことは介護業界の人材確保の手立てとして非常に有効であるといえ、大きな期待が寄せられていますがリファラル採用を成功させるためにはまず既存の介護職員に紹介したいと思わせる事業所であることが大切です。ICTを活用した業務改善や環境整備を推進し、質の高い事業所をつくることで人材不足の解消と離職率の低下を図っていきましょう。

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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