NDソフトウェア株式会社
NDSコラム

介護支援ソフト「ほのぼの」シリーズのNDソフトウェアです。介護業界・障がい福祉業界の、トレンドや情報を発信しております。

介護ソフトの費用や事業形態別での比較

2022/12/23

介護事業所の業務効率化として多くの事業所で活用されているのが介護ソフトです。記録などを電子化、システム化する介護ソフトは今後ますます増加する介護ニーズに質の高いサービスで応えていくためには必須ともいえ、今まさに導入を考えている事業所もあるでしょう。しかしいざ導入となると自分の事業所にはどのような介護ソフトが適していて、導入することで何が変わるのか具体的なイメージが持てない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は事業所ごとに適した介護ソフトを比較してみました。

NDソフトウェアの介護ソフト「ほのぼのNEXT」

NDソフトウェアがお届けしている「ほのぼのNEXT」は介護事業所のケアの記録や利用者の基本情報、さらには介護報酬請求などのバックヤード業務といった記録、事務に関わる多くの業務を紙媒体ではなくパソコンやタブレットといった機械で入力、管理を行う介護ソフトです。

手作業に比べ入力を手軽にできるだけでなく、情報を見やすく管理できることも業務の効率化に役立つでしょう。またほのぼのNEXTは介護事業所の事業形態に応じて様々なソフトと連携することで事業所のニーズに応じた業務の効率化をさらに推進することが可能であることも大きな特徴です。

介護事業所が電子化を行う目的とは

介護業界の記録を電子化する流れは、2000年に介護保険制度がスタートしたことが大きな契機となりました。民間企業の参入、サービスの拡大により介護事業所数は爆発的に増え、それに伴って以前から存在した病院等医療機関のカルテを電子化した「電子カルテ」を介護業界の記録類にも用いようとする動きが加速しました。介護保険制度がスタートした頃はまだまだ手書きで記録を取る事業所、介護保険請求の電子化に伴い請求業務の部分のみ介護ソフトを導入する事業所が多い中、介護記録や介護計画書なども一緒に電子化してしまおうと先駆けて介護ソフトを導入した事業所もありましたが、結局は手書きの書類と併用することになる等、効率的な運用ができていなかったところが多数であったかと思います。

効率的な運用ができなかった背景には、記録等の業務を電子化することでどのように運用したいのかの検討があまりなされていなかったことが大きいのではないかと思います。電子化=便利、効率的になるのではなく、時間がかかる、情報整理が困難な手書きの業務を電子化することでどのように解決するのか、解消したいのか、そのためにはどのような運用が望ましいかを検討することがまずは大事です。さらに、介護事業所に介護ソフトを導入する最終的な目的は、効率化できたことによりできた時間を利用者へのケアの向上にどのように活かしていくのか。こうした効果を検討して必要な部分を電子化することで業務の効率化という手段は初めて目的を得ることになるのです。

現在はITが進歩し電子化できる業務や記録業務に関わる機能が大きく向上しています。利用者へのケアの質を向上させることを最大の目的とし、現状でそれを妨げている要因はなんなのか、それを解決するために電子化で解決できる部分はどこなのか、効率化により確保した時間をどのように利用者に活用していくのを事業所全体で充分に検討することが求められます。

では、事業形態ごとに検討したい機能について以下を見てみましょう。

ほのぼのNEXT活用法を事業所ごとに比較

特別養護老人ホーム

従来型、ユニット型問わず多くの入所者に対し毎日のケアを提供していく特別養護老人ホームでは、ベッド管理や入所者の健康管理、提供したケアの記録など直接ケア以外の事務作業や記録業務が多くあります。ほのぼのNEXTはそれらの業務にデジタル化を取り入れるすることで時間の削減が期待できます。さらにはアセスメントから介護計画書の作成支援、日々のモニタリングなど、サービスの提供に必須の業務や各種加算の管理に必要な記録も事業所の特色に応じた形式に設定ができます。パソコンだけでなく、スマホやタブレットで日々の記録業務を入力できる「Care Palette」はなかなか事務所で記録する時間が取れない現場職員には嬉しい点ですね。さらにバイタル機器と情報連携させることで利用者のバイタル測定結果を自動で転記する機能や、標準搭載されている音声入力システム「Voice fun mobile」で記録を声で入力するなど、現場の記録業務をもっと手軽に行えるようになります。

老人保健施設

介護を必要とする高齢者の在宅復帰に向け医療と介護を一体的に提供する老人保健施設では、それぞれの職種が専門性を活かして利用者を観察、分析し多職種と緊密に連携することが求められます。そういった意味では特別養護老人ホームと比較すると、日常的なケアにより医療的な方向性での記録が必要になってきます。老人保健施設で行うべきケアの理念に沿ったケア提供システムとして広く浸透している方式が「R4」と呼ばれるケアマネジメントシステムです。老人保健施設に介護ソフトを導入する時はこのR4システムに対応しているか否かがとても重要な点になるでしょう。

ほのぼのNEXTは老人保健施設向けとしてR4システムに完全対応しており、ケアプランの作成からリハビリ計画書の作成、アセスメント結果を基にADL比較一覧を作成できるなど老人保健施設が利用者へのケアを提供するにあたり重視すべき内容をパソコン上で一括作成、管理が行えます。利用者のADLの変化を一覧で比較できることはどこが向上したかを視覚的に捉えられるだけでなく、目標に向けての達成度を計りやすくなるのが非常に便利ですね。また、記録系アプリ「Care Palette」でR4システムが参照できる機能が強化されました。ケアのその場で計画書参照が可能となるため、計画書に沿った、より質の高いケアの実施や記録が実現できます。

通所系、その他のサービス

介護ソフトの導入に際して確認しておきたいことは、事業所の形態により当然違ってくる業務のニーズにしっかりと対応しているかどうかが挙げられます。例えば通所介護では毎日の送迎はぜひとも効率化していきたいニーズとして上位に挙がってくるでしょう。小規模多機能やショートステイでは空床の管理を効率化することは経営に直結する重要な業務です。介護ソフトを導入する際は必ずこういった点をクリアできているかどうかを確認しないと、導入後に「思っていたものと違う」という事態に陥りがちです。

ほのぼのNEXTでは通所介護の運行管理、送迎ルートや送迎車両の管理などの機能が揃っています。また、ベッドの空床管理や食費、部屋代の請求業務も毎日の記録と情報連携して簡単に行えるなど、介護事業所の悩みに手が届く機能が充実しています。

訪問系

訪問介護や訪問看護といった利用者の居宅へ伺いサービスを提供する事業所では、施設系サービスとは違った業務スタイルになります。大きな違いのひとつは職員の管理です。訪問系サービスは利用者宅に直接訪問するスタイルのため、「いつ」「どこへ」「誰が」「何を」「どのように」「どれくらい」といったシフトを作り上げていく必要があります。また利用者宅でサービスを提供するため、どのようなケアを提供したかを職員間で情報共有しにくいことも事業所の悩みといえるでしょう。

つまり訪問系サービスに介護ソフトを導入する際に重視したいポイントは記録そのものの電子化だけでなく、訪問系ならではのニーズに対応できるかどうかが重要です。 ほのぼのNEXTでは訪問系サービスに特化したアプリである「Care Palette Home/Nurse」があります。このアプリはシフトを作成するサービス提供責任者や管理者、直接サービスを提供する訪問スタッフ双方に嬉しい機能が満載です。まずケアの提供記録そのものはスマートフォン、タブレットから直接入力するため手書きに比べ労力が少ないのはもちろんのこと、オンラインで即座に情報共有できる点がとても便利です。訪問系によくある悩みである利用者、職員の急な予定変更も画面上で変更すれば即座に全スタッフへ通知が届くため、電話連絡の手間や情報の行き違いを防ぐことができます。事業所と利用者宅という遠隔でのサービス提供が前提となる訪問系サービスにおいて、情報共有の便利さは何よりも重視したい点ですね。

その他の介護ソフト導入例

様々な事業所に応じた介護ソフト導入例を紹介しましたが、今現在介護ソフトはさらに充実した機能が多数展開されています。利用者のケアに関わる機能だけでなく、事業所の運営に関わる機能などが該当しますね。例えば財務会計関する業務や給与計算等の経理業務は利用者に直接関係はなくとも非常に事務負担の大きい業務です。これらの業務も介護ソフトと連携して活用していくことで複雑な計算やシフト入力などの手間を省くことができ、事務方と現場の管理者との情報共有の効率化にも繋がります。事業所の効率化したい業務の全体像を把握して介護ソフトを検討することで事業所のみならず法人全体の効率化を図ることにも繋がることを意識していきたいですね。

介護ソフト導入は規模に応じて費用が変わる

介護ソフト導入の際によく出る意見が「導入したいけど、費用が高いから」という意見です。やはりシステムの導入に一定の投資が必要であることは否めません。しかし介護事業所は小さな事業所から全国展開しているような大きな法人まで様々な規模の法人が存在します。

多くの事業所が介護ソフトを導入できるよう、事業規模や導入するシステム次第で費用についても大きく差が出ます。ここでも重要なことは、事業所のどこをシステム化することで業務を効率化できるのか、スモール導入からすべてを電子化するなど規模や予算に応じた導入方法が用意されているのかです。無理のない範囲からシステム化し、必要に応じて機能を強化していけることが事業所にとってもメリットといえますので、後々の機能の追加、変更が可能かどうかも導入の際には検討しておきたい事項でしょう。

ほのぼのNEXTでは小さな事業所であれば、請求業務やスケジュール管理のみ、中規模事業所であれば記録業務の電子化や職員間のコミュニケーションツールとなるインカムなどを含めたシステム導入をするなど実情に合わせた導入ができ、後々の機能追加や事業所の追加も可能です。さらに大規模となればクラウド型を導入することで遠隔サーバーに情報をまとめて管理することもできます。各々の事業所に独自でサーバーを構築するよりもより効率的かつ災害などに備えた安全な運用が可能です。

費用については事業所の規模の合わせて変動しますのでお気軽に相談してみましょう。

介護ソフト導入はあくまでも手段

介護事業所の業務効率化のための介護ソフトについて説明してきましたが、導入の際に事業者が最も意識したいことは介護ソフトを導入すること自体を目的にしてはならないということです。先述の通り、ひと昔前は介護記録を電子化を導入したもののうまく業務効率化に寄与できず余計に業務が煩雑になってしまったという事業所が多くありました。これは「手書きを電子化にすること」のみが目的になってしまった例といえます。

重ねて言うことですが大切なことは介護ソフトを導入することでどのように業務を効率化したいのか、そしてそれが利用者へのケアの質、事業所の質を向上させるためという最大の目的にどう還元できるのか、そのための手段のひとつとして介護ソフトを導入することが解決の手段になるのかという点の熟考です。あくまでも介護ソフトは皆さまの事業所の業務を効率化する手助けに過ぎません。「ケアの質、働きやすい事業所としての質を上げたい。そのためにはもっと事務作業や記録作業を効率化する必要がある。そうするにはどうすればよいか」を解決する、実現させる手段のひとつが介護ソフトなのです。

例でいえば、介護ソフトはパソコンやタブレットを活用するスタイルが主流のため、当然電子機器の取り扱いに一定の理解が求められます。事業所で働く職員の大多数が電子機器に不慣れな場合「介護ソフトを導入したから業務効率化ができた」とは即座に言えないことは想像に難くないと思います。こういった場合は「介護ソフトを導入する」という目的に対し「介護スタッフがシステムに対応できるスキルを身に付けられるように対策する」ことは重要な手段です。介護業界も比較的従事する職員の年齢層が高いのが特徴ですので、システムに慣れるための研修を実施できるか、介護ソフト会社のサポートは受けられるのかといった点も考慮することが必要でしょう。

事業規模だけでなく、働くスタッフの実情に応じてタブレットの導入や記録の音声入力機能、インカムの活用などをスタッフの意見もしっかりと汲みながら臨機応変に導入していくことで事業所の業務にシステムを自然と組み込めていくことに繋がるでしょう。

まとめ

介護ソフトは今後の介護業界において業務の効率化、ひいては利用者へ質の高いサービスを提供するために欠かせないものとなります。自身の事業所のどこを効率化したいのか、介護ソフトでそれがどう実現できるのかをしっかりと検討したうえで、そのニーズをすべて満たす介護ソフトを導入していきましょう。ほのぼのNEXTでは様々な事業所のトータルサポートや臨機応変な導入方法がありますので気になる方はお気軽に相談してみましょう。

当コラムは、掲載当時の情報です。

ほのぼのNEXT

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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