“貪欲さ”が力を引き出す
金田剛監督インタビュー

まだまだ伸びしろがある
2020年度、NDソフトは目標としていた2度目のニューイヤー駅伝出場を果たしました。しかし順位は35位。出場決定後「ここで止まってはいけない」と常に言ってきましたが、みんなどこか浮ついた部分があったと思いますね。今回現場を肌で感じた上で「もっと上に行くんだ」という気持ちを大事にしてほしいです。このチームは能力的にはおもしろい選手ばかりなんです。生まれ持った能力をここで100%、それ以上絞り出してほしい。私自身もその力を引き出して上位に食い込むチームにしていきたいと改めて感じました。まだまだ伸びしろがあって、とても夢のあるチームです。

足りないのは“貪欲さ”
最近「運が良ければニューイヤー駅伝に出場したい」ではなく「なんとしてもニューイヤー駅伝に出場する」という雰囲気に変化してきました。本当にまだまだではありますが、少しずつ想いが強くなっているのでしょう。選手たちと話している中で言えば、どうやらいま齋藤諒あたりが脱皮しようとしているのを感じます。ただジレンマを抱えている。なんとか殻を脱ぎ捨てようとしているけど、思ったようにいかないと立ち止まってしまうんですね。それは仕方ないことではあるのですが、立ち止まる時間がなく常に前を向いて挑戦していくことができればもっと伸びるでしょう。走れる期間というのは限られています。その中で自分の力を全て出し切るためには、もっともっと貪欲に前を見据えていかなければなりません。選手たちはまだまだ貪欲さが足りないと思います。


自分の能力を信じて
ルーキーの3人はそれぞれおもしろい部分をもっていますが、何より自分の力をまだ出し切れていないと信じているのがいいところです。その気持ちをずっと持ち続けてくれれば間違いなく3人とも強くなる。本当に戦力になってくれるでしょう。陸上はチームスポーツと違い、自分の限界に近いところでの努力を一人で継続する必要があります。粘り強くやってくれる子が多ければ多いほど全体に緊張感が生まれ、高まっていく。チームのレベルを高めるのは一人ひとりの意志力です。ルーキーの「なんとしても自分を高いところにもっていこう」という気持ちが強ければ先輩たちも煽られ、いい形になっていくでしょう。
昨年よりも“いいチーム”へ
今年の目標は昨年よりもいいチームを作ることです。今チームはエース不在ですからこれまで以上に選手一人ひとりの足で立たなくてはならないわけですが、そのことをみんながしっかりと自覚できるなら、昨年より数段いいチームになるでしょう。年長者の渡邉君には悪いけど、渡邉君が駅伝メンバーに入れないくらいのレベルになってほしいですね。でも渡邉君は絶対に簡単には譲らないでしょうから相乗効果が生まれる。そういうチームを目指していきます。
