自分に負けるな
新キャプテン・熊倉優介インタビュー

キャプテン就任の経緯を教えてください。
昨年の東日本実業団駅伝は、アスリートクラブ創立以来もっとも低い18位という結果で終わりました。終わってから一週間くらい「なんで負けたんだろう」って考えていて。そのうち夢にも出てきて。本当に悔しい、悔しいというか情けないという気持ちでいっぱいで、何かを変えないといけないと感じました。今後の目標を立てる中で逃げ道を作りたくなかったんです。自分を変えて、その力でこのチームも変えていきたいという気持ちが沸き、「僕にキャプテンをやらせてください」と監督に自ら立候補しました。
昨年、熊倉さんが変えたことは?
まず誰よりも早く起きて体を動かすことを始めました。5時半に家を出て、寮集合のときは家から走って向かいます。公園集合のときは30分ほど早く着いて、先に何周か走っておくようにしています。今のところ疲れなどはなく、むしろ調子がいいです。


熊倉選手にとって、昨年はどんな一年だったのでしょうか。
不完全燃焼というか突き詰められなかった一年間で、振り返ってみて「もっとがんばれた」「もっとできた」という後悔が残っていたので、今年はやり残しなく、後悔しない一年にしていきたいと思っています。挑戦する気持ちと負けたくない気持ちが養われた年ではありました。
今、チームはどんな局面を迎えているのでしょうか。
よくもなるし、悪くもなる。すごく重要な時期じゃないかと僕は思っています。チームが進んでいく中で、「俺はこのくらいでいいや」って殻にこもる人が1人いると結果が全然違ってくる。必要なのは責任と覚悟だと思います。また、駅伝は選手みんなが同じ方向を向いていなければ結果は出てきません。一人ひとりが決断できるのか、その方向がチーム全体で同じになっているのか。これからだと思います。

今年の目標は?
トラックでは、日本人トップクラスの選手と並ぶことです。10000mは27分台、5000mは13分40秒を目指します。あと今年マラソンを本格的に始めようと思っているので、マラソン練習もしっかりしていきたいです。チームとしては、みんなで勝ちに行きたい。東日本実業団駅伝では1区か3区という重要区間で、キャプテンとして責任のある走りをしたいと思っています。
熊倉選手にとって「いい走り」とは?
「自分に負けない走り」だと思います。諦めたり、身体がきつくなって動かなくなるのは自分に負けているってことだと思うので。でも「試合当日だけ無理して自分に勝てばいい」というのは絶対に不可能なんですよ。日々の練習の中で、自分と向き合い続けてはじめて試合でも同じことができる。練習で自分に制限をかけている人は、やっぱり試合当日も必ずその制限がかかるんです。
今、熊倉選手は絶好調と聞いています。
いや、まだ絶好調じゃないです。まだまだこんなもんじゃない(笑)。