ランニングを始めよう!
浅野美奈弥 × 三原勇希 × 渡邉清紘 × 竹内竜真
座談会


モデル、タレントとして活躍する傍らランニングコミュニティ「GO GIRL」を主宰し、国内外のマラソン大会に積極的に出場する浅野美奈弥さんと三原勇希さん。GO GIRLの活動を通して多くの女性ランナーを勇気づけてきたお二人を豪華ゲストにお迎えし、「ランニングを始めたい」と思っている方に向けて、“走り”を知る座談会を実施しました。NDソフトからはチームきってのストイックさを誇り、記録を更新し続ける渡邉清紘選手と竹内竜真選手が参加。それぞれの立場から走りと向き合う4名が語り合います。
PROFILE
- GO GIRL
- ランをベースにした、アクティブなライフスタイルを送る女性のためのフラットなコミュニティ。月に2〜3度セッションを行うほか、ヨガ、プロギング、登山、トークショー、料理教室などのトレーニングやイベントを定期的に開催する。目標はメンバーみんなでマラソンへ大会に出場すること。中村優をコーチに迎え、三原勇希と浅野美奈弥が主宰を務める。
- 浅野 美奈弥
- モデル・ELLEgirl Creator・料理家
1991年3月3日生まれ。北海道出身。学生時代からモデル活動を始め、DJなど幅広く活動。2016年に体調を崩したことをきっかけに、スポーツと食で健康的な生活を見直すことを決意し、料理家を目指す。2019年7月、ケータリング「美菜屋」を始める。ヘルシーでバランスの良い食を提案している。
- 三原 勇希
- タレント・モデル・ラジオDJ
1990年4月4日生まれ。大阪府出身。14歳でティーン誌「nicola」モデルとしてデビュー。音楽鑑賞・マラソン・釣り・ゴルフなどアクティブな趣味を生かし、レポーターやインタビュアー、MCとしても活動。現在スペースシャワーTV「スペシャのヨルジュウ」、J-WAVE「ROPPONGI PASSION PIT」、FM NACK5「N-FIELD」、Spotify 「POPLIFE The Podcast」でパーソナリティーを務める。
走り始めて変わったこと
三原さんと浅野さんはどうしてマラソンを始めたんですか?
- 浅野
- きっかけはお仕事で、5年くらい前に「ハーフマラソンを走らないか」という話をいただいて。どうせ走るなら、と思って自分から「フルマラソンでお願いします」と言いました。ちょうど体調を崩したり仕事がうまくいかなかったりで、変わりたいなと思っていたタイミングだったので、フルを走り切ることで自分が変われるんじゃないかという期待もありました。
変化はありましたか?
- 浅野
- 自信がすごくつきました。全然運動しないタイプだったので、まさか自分がフルマラソンを走れると思ってなかった。走れたことで何でもできそうな気持ちになって、日常的に挑戦することが増えました。それで今の会社も立ち上げたんです。「走れたし、会社もできるかも」みたいな。
- 一同
- (笑)。
- 三原
- 私は8年くらい前に友達が急に痩せて、聞いたら「走っている」と言うので、その次の日からその子と一緒に走り始めました。そのうち走るのが気持ちよくなってきて、徐々に大会に出るようになって。でも全然痩せはしなくて、かなり筋肉がつきましたね。消費カロリーが摂取カロリーを追い越すぐらい走らないと痩せはしないみたいです。
- 渡邉
- 走りすぎると筋肉が痩せるんですよ。筋肉を消費してエネルギーに変えていく状態で。でも、そこまでいくと走りすぎで、実業団選手とかは多分寿命も削っている(笑)。健康的なレベルがおすすめです。
- 三原
- 相当走りこまないとアスリートの美脚にはならないですよね。みなさん見た目にそれがにじみ出ていて本当にかっこいいなと思います。

三原さんは走り始めて変化はありましたか?
- 三原
- やっぱり自信はつきましたね。フルマラソンを走ったあとのやりきった事実で無敵モードになれます。そもそも走っているだけで「すごい」って言われるんですよ。それだけでも自信になるじゃないですか。「すごいんだ!」って(笑)。日々走っていることとか、大会で足が出ないときも諦めなかったこととか、そういう小さな自信が積み重なって、他のことにおいても自信がもてる自分になったと思います。
竹内選手、渡邉選手も走りを始めてから変わったことってありますか?
- 竹内
- 僕たちは学生時代からずっと走っているから何が変わったかはちょっと難しいのですが…、でも箱根駅伝とか実業団駅伝とか、大舞台を経験して悔しい思いをしたり、「このままじゃダメだ」と気がついたり、その度に自分が高まっていく感じはありますよね。
- 渡邉
- そうですね。陸上をやっていたら伸び悩む時期が必ずあって、そういった時期に今までと違う方法を取り入れたり、他の人を参考にしたりって、結果を出すために自分の視点を変えていくということ自体を学んだっていうのはありますね。
ランナーズハイってどんな感じ?
「ランナーズハイ」って本当にあるんですか?
- 三原
- 私はめちゃくちゃあります。日によりますけど、大体8 km地点からかな。楽しいっていうよりは楽になる感じ。ペースがつかめて、リズムに乗れて、走っていることを忘れるような感じです。
- 浅野
- 私はないときのほうが多いですが、その日の気持ちやテンションによってたまにあります。音楽とか一緒に走っている人とか、いろんな条件が重なったときに、わー! ってなる感覚があって、それはすごく楽しくて「最高…」ってなります。
試合でもありますか?
- 渡邉
- ありますよ。試合の方があるかもしれない。ただ年に一回あるかどうか。
- 一同
- (笑)。
- 渡邉
- そのときは、全然きつくないんです。練習では絶対そんなペースでいけてないんだけど、その日はなぜかいけてしまう。


それって突然入るんですか?
- 渡邉
- 突然っていうか…。
- 竹内
- 最初からですよね。
- 渡邉
- そう、よ~いドン!から。「今日はきつくない!」っていうのがあります。
- 竹内
- ありますね。あれはなんなんですかね。あと疲れていたりして、めちゃくちゃ走りたくないなって思っていても、最初の1、2km越えると結局20kmとか走っちゃって、走ってよかったなあ、みたいなことも結構ありますよね 。
理想の選手像は?
- 三原&浅野
- ある。
- 竹内
- あんなに「疲れた」とか「行きたくない」とか言いながらもいざ走り出しちゃったら。
- 渡邉
- もうちょっと行こう、もうちょっと行こう、って。
- 竹内
- リズムにハマってくるって感じですよね。
つらさの乗り越え方
マラソンなど長距離走に挑む中で、つらい時間というのは避けては通れないと思います。
つらさはどうやって乗り越えますか?
- 浅野
- 大会は毎回本当にしんどくて、出るたびに「また出てしまった…」って思います。でも、やっぱりゴールした後の達成感ですかね。3年前からGO GIRLのメンバーみんなで大会に出るようになって。自分だけでなく周りの子達も達成しているのを見ると、よかったな、また来年もやろうと思います。
ゴールの達成感やチームのみなさんのことをつらいときに思い出す?
- 浅野
- いや、つらいときは本当につらくて。「もうやめよっかな」って感じなんですけど、終わったあとですね。
- 渡邉
- 僕もそれは一緒ですね。
- 三原
- 走っている最中はつらいですよね。でも大人になって、生活も感情も自分でコントロールできる日々の中で、大会では非日常を感じられますね。私の場合大会に出るのは年1回くらいなので、こういう試練をたまに自分に課して、そこでいかに諦めないかって挑んでいくのは結構楽しいですね。
- 竹内
- 僕は「その日ごとにベストを尽くす」というのを自分のモットーとしてやっていて。というのも実業団は結局タイムの世界で、当日にタイムが出なかったらそれまでの努力は評価されないじゃないですか。しっかりやらないと結果が出ないと自分でわかっているので、後悔しないように。つらさを乗り越えるのはその気持ちですかね。

走りのモチベーション
走るためのモチベーションになるものはなんですか?
- 竹内
- 周りの応援です。駅伝やマラソンで、いろんな人に名前を呼んでもらったり、応援してもらったりするとすごいうれしいです。大会後もこれまで携わってきた方々から連絡をもらったりして、それがモチベーションかも。
- 三原
- 基本的に週2、3回くらい走りたいときに走っているので、モチベーションは常にあるんですけど、長期的なことになるとやっぱり仲間の存在は大きいですね。GO GIRLのみんなで「今月は100 km走ろう」とか決めて、その日何キロ走ったかをみんながインスタのストーリーにアップしてくれるんですけど、仕事後に10 km走っていたりするのを見ると、自分もがんばろうと思う。あとは大会に申し込むというのもモチベーションになっていますね。
- 浅野
- 私もやっぱり一番は大会ですね。最初のほうは、ランニングを習慣化するために大会を年に3回とか4回設定して、なんならトライアスロンとかも入れて…。
- 渡邉
- トライアスロンも?(笑)。
- 浅野
- 一回走り切った、あの達成感と自信が本当に最高で。大会に申し込んで、練習をするっていうのを繰り返しているうちに習慣化されたっていう感じなので、大会がないとしっかり走り込めないかなと思います。あとは自分たちで楽しいことを企画するとか。例えばビールを飲みに行くとか、お風呂、サウナランとかそういうイベントっぽいことを設定することがモチベーションになっているかも。
- 三原
- そういうのがあると15kmとか余裕で行っちゃうよね。
- 渡邉
- モチベーション…難しいですね。試合は仕事だから、そういう感覚は薄れていたというか、言われてみればというか…。
- 竹内
- そうですね。今聞いていて、たしかに試合があるとき、そういう心の動きになっているのかってハッとしました(笑)。
- 渡邉
- うーん。何に対しても目標をもつことですかね。レースもそうですけど、練習も、その日の練習の目的をちゃんと決めるとか。休みの日も、例えば家から山形市内まで20kmちょい走って、家の人に迎えに来てもらって帰りにおいしいもの食べて帰ってくるとか。なんの目標もなく漠然とがんばっても身にならないような気もしますね。
仲間の存在
仲間の存在という話が出ましたが、渡邉選手、竹内選手も仲間がいるってプラスに働きますか?
- 渡邉
- もちろんです。つらい練習が何回もある中でその苦しみを共有できる仲間がいることはその練習の支えになりますし、同じ目標に向かってがんばる仲間がいることは高め合う存在として、本当に頼もしいと思います。
- 竹内
- そうですね。やっぱり同じ設定の練習を1人でやるのと、5人でやるのとでは全然きつさが違うんですよ。1人でやるよりいいことばっかり。もちろん1人でやることでその厳しさが自分の身になるということもありますが、キツさを共有できたり、気分が乗らない日でも一緒に走りに行こうって言える仲間がいることは大きい。仲間がいたからここまで来れました。
- 浅野
- あと「自分の体験」だけじゃなくなったのが、すごく新しくて。今までは自分が大会に出て、完走して、達成感!だったんですけど、会員のみんなが達成しているのを見て感動が倍になったというか。
- 三原
- そうだね。自分のランニングでは泣かないけど、みんなが走っているのを見るとめっちゃ泣きます。


いろいろなランニングを楽しもう
- 渡邉
- 東京って走りやすいですか? 街中を走るんですか?
- 三原
- うーん、街中だと浅草とか銀座とか渋谷とか走ったりもします。でも公園が多いですね。皇居とか緑道とか。長くて広くてずっと信号のない道、みたいなのはないですね。
- 渡邉
- 山形はいくらでもありますね(笑)。
- 三原
- いろんな場所を知れるリサーチ感覚で走ったりもします。街を楽しむランみたいな。「ここに今度お店できるんだー」とか 。
- 渡邉
- ああ、僕は京都楽しかったですね。琵琶湖マラソンに出場したときに京都に泊まって、走って神社巡りしました。
- 三原
- わ、神社巡りわたしたちも金沢でやったよね。夜中まで飲みまくって「むくみとりラン」って。
- 一同
- (笑)。
- 三原
- あと移動手段としてもたまに使うね 。
- 浅野
- 走りながら打ち合わせするのもいいよね。ポジティブな話になる。気づいたら10 km 近く走っていて。
- 三原
- あれ、めっちゃよかったね。
- 竹内
- えー(驚)、すばらしいですね。

応援メッセージ
これから走りを始めたいなと思っている方に向けて、応援メッセージをお願いします。
- 渡邉
- まずは自分のできるところからですね。プロのレースを見て「こんなのできない」という先入観がある方もいると思うのですが、陸上は自分のペースで始められるし、ジョギングは話しながらでもできるので。誰か一緒に連れて行って会話をしながら、ジョギングから始める。そこからきっかけを作っていけたらいいんじゃないかなと思います。
- 竹内
- 今いろんなメーカーが、かわいいランニングシューズやウェアをたくさん出しているので、まずはそれを調べてみて「あ、かわいいな」と思ったらとりあえず買って、形から入ってみるのもいいんじゃないかな。気に入ったものを身につければ楽しくなってくると思うから。一度でも走り出せば前の日までの自分とは全然違うと思います。
- 三原
- 体を動かしたいと思うならランニングが一番ハードル低いと思うんです。一人でできるし、タダでできるし、どこででもできるし、何時でもできるし。一番おすすめのスポーツです。天気の良い日とかに。しんどくなったら、ゆっくり走る。一度気持ちいい体験ができたら、もう1回走ろうって思えるんじゃないかな。
- 浅野
- 渡邉さんもおっしゃったけど、走る仲間を見つけるのがいいと思います。友達でもいいし、GO GIRLみたいなコミュニティでもいいし。一緒に走る人がいると初心者でも続けやすいかなって。気になる人とか好きな子がいたら「走ろうよ」って誘ってもいいですよね。「ごはん行こう」よりハードル低い。
デートラン!
- 三原
- 朝だしね。
- 浅野
- 健全だね。