ニューイヤー駅伝へ向けて
戦う準備は整った!

2026年の元旦に開催される全日本実業団対抗駅伝競走大会(通称ニューイヤー駅伝)に2年ぶりの出場を目指すNDソフトアスリートクラブに、荒生実慧と東海林宏一の2人が新たに加入となった。山形県出身の両名が、チーム内にこれまで以上の競争心や集中力をもたらしている。これまでチームを牽引してきたエースの竹内竜真とニューイヤー駅伝ではエース区間である3区を快走した下條乃將を加えた4人に、アスリートクラブの“イマ”とこれからについて語り合っていただきました。
PROFILE
- 竹内竜真
- 得意競技:マラソン
自己ベスト:2時間08分38秒(マラソン)
- 東海林宏一
- 得意競技:10000m
自己ベスト:28分46秒30(10000m)
- 荒生実慧
- 得意競技:マラソン
自己ベスト:2時間08分05秒(マラソン)
- 下條乃將
- 得意競技:オールラウンド
自己ベスト:1時間02分11秒(ハーフマラソン)
ここ数年で若いランナーからの突き上げを感じてきたと思います。さらに強力な2名が新加入となり、これまで所属してきた選手たちの中でやるべきことへの意識改革はありましたか?
- 竹内
- 2022年にチームに加入してから現在では、チームの雰囲気はガラリと変わっています。その中でも下條や江口たちがチームの中心選手として成長しているので、自分自身の負担が減ったというか気持ちが軽くなってきていました。さらに、荒生実慧と東海林宏一が加わったことで、チーム全体が「自分達は戦える集団になった」という雰囲気に変わりつつあります。若手の選手全員が上を目指している姿を少し離れた場所から見守りながら、私自身が目指している走りや挑戦したい部分により集中できる環境になりました。
- 下條
- 戦える集団という点では、みんな危機感をもって臨めています。強い2人が加入して、もっとやらないと簡単に抜かれてしまうし、もう抜かれているかもしれないという気持ちが出てきているのを感じます。本当に負けないように頑張らないといけないという空気がチーム全体にできています。これまで駅伝の走行区間は、所属選手の中で誰がどの距離を走るのかが予想できていましたが、今年はその選択肢が大きく広がっていると実感しています。僕自身も、これまでとは違う“つなぎ”の区間で攻めるというチャレンジもできます。もちろん、今まで以上に実力をつけていくことが大前提です。

新加入の2人にとって、NDソフトアスリートクラブはどんな印象のチームでしたか?
- 荒生
- 地元である山形県酒田市の会社で働いていた時は、NDソフトアスリートクラブの人たちには絶対に負けたくないというのがモチベーションの一つになり結果も残せていました。実際に加入してみると、とてもチームの雰囲気が良いと感じました。和気藹々としている中にも、しっかりと自分達の課題に取り組み、競技に対して真剣なランナーが集まっていて、自分も成長できる環境だと確信しました。
- 竹内
- 山形縦断駅伝にも荒生は昔から参加していたので、強い選手なのは分かっていたのですが、本当にフルタイムで働きながらここまで自分を高めていけるのはすごいと思ったし、実業団選手として負けられないと毎年帰りの車中で盛り上がっていました。昨年はちょっと速すぎたので、アスリートクラブに加入してほしいとも話していました(笑)。
- 下條
- 僕は同学年ですけど、中学時代から全国的に名前が広まっていたほどトップの成績を残していました。チームメイトになって本当にタフで強いランナーがチームにやってきたなというのが率直な感想です。
- 東海林
- 荒生さんは中学、高校と県内では、本当に敵なしの選手でした。僕は学年が2つ下になりますが、県大会に行くと必ずトップを走って活躍していた印象があります。
- 竹内
- 東海林は10歳くらい年齢が離れていますが、高校生の頃から山形で頑張っていて高校記録を更新していたのを覚えています。彼が大学で苦しんだ時期に連絡をもらい色々と話しをしていたこともあります。こうして山形に戻ってきて、伸び伸びと競技を楽しんでいる姿を見られるのは嬉しいですね。
- 東海林
- 学生時代に見ていた山形県の5000mの高校記録保持者が竹内さんで、色々な大会でも記録保持者として名前があり、すごい選手だと思っていました。山形縦断駅伝で声をかけてもらって、そこから今でも目指すべき憧れの選手です。


- 竹内
- 私の高校記録を更新して行ったのが荒生で、その記録をさらに更新したのが東海林です。
- 荒生
- 自分が中学2年生の時に、竹内さんと一緒に全国男子駅伝に出場しました。その時は色々お話しさせていただきましたが、携帯電話も持っていなかったので連絡先は交換できませんでした。アスリートクラブに加入する際に、ちょうどマラソンを本格的にやりたいと考えていて、竹内さんの練習や競技に対する向き合い方を勉強したいと思ったことも入部を決めたきっかけの一つです。
- 下條
- 荒生は中学高校の頃から全国的にも有名で、競技への向き合い方がストイックなイメージで、今でもパワフルに練習に取り組んでいます。全体の朝練前には1時間走り込むなど、自分が取り組みたいと思っている練習量を大きく超えています。
- 竹内
- フルタイムで働きながらの練習で、すごい走りを見せていましたから、さらに練習時間が増えたら、やはりこれくらいやれるということを証明していますね。
- 荒生
- 疲労などを加味して、朝練習に集中して体を休める時間を長く取るなど、試行錯誤をしながらやっています。いま、本当に走るのが楽しいからこそできていると思います。
ニューイヤー駅伝出場へ向けて取り組むべきことはありますか?
- 竹内
- 今年は絶対に東日本実業団対抗駅伝を突破し、ニューイヤー駅伝の出場権を獲得しないといけないとチーム全体でも意識しています。2人が加入するよりも前に、それぞれが到達しないといけないラインをイメージし、試行錯誤しながら達成を目指していました。
- 東海林
- 怪我などもあり、大学時代はチームの主軸として戦う実感を味わえずにとても悔しい思いをしました。NDソフトアスリートクラブに入部してからは、自分の走りでチームをニューイヤー駅伝へと導きたいという意識が芽生えています。その強い気持ちが今シーズンの成績にも表れています。このチームだからこそ戦える。そういった気持ちが引き出されていると感じています。
- 荒生
- まず実業団に所属していないと、ニューイヤー駅伝に出場することはできません。そして予選会を突破できなければニューイヤー駅伝には出場できないという厳しい状況で戦えることに、責任を持って取り組んでいきたいです。
- 下條
- 荒生と東海林が入部すると聞いた時には、出番がなくなるかもしれないと思ったのが正直な感想です。それは今も変わりませんが、走りのタイプも違いますし僕にしかできない部分もある。お互いの得意なところを伸ばしていき、チーム全体としてレベルアップしていきたいです。

- 竹内
- 1月に荒生が加入して、一緒に3月の東京マラソンに出場しましたが、まさか荒生が自分のベストタイムを超えてくるとは思わず、本当にショックを受けましたが、この結果はチームとしては絶対にプラスです。33歳になった私が駅伝へ出場できなくなったら、競技者として最終フェーズだと思っています。まだ数年は若い選手たちに負けない水準のタイムで、5000mも10000mも走れると思っていますし、マラソンがメインであることに変わりませんが、各メンバーが出場を目指してモチベーションを上げていく中で、必要とされる区間で出場したいです。
- 東海林
- モチベーションが上がる区間、やっぱり自分は1区にこだわりたいです。チームの中には1区を目指している方が他に何名もいるとは思いますが、自分が走ることで、チームをニューイヤー駅伝出場へ導いていけると思いながら練習に取り組んでいます。
- 荒生
- 自分は東日本実業団対抗駅伝ではエース区間である3区を走ると思って、11月まで練習を続けていきますし、強豪たちの中で我慢の走りができたからこそ、ニューイヤー駅伝の出場権が獲得できたと言われる走りをしたいです。
- 下條
- 僕はチームのみんなが認めてくれるのならば、距離の短い区間をフルパワーで勝負してみたいという気持ちがあります。山形で競技を続けてきて、山形縦断駅伝などに出場していると、たくさんの人に沿道から声援をいただいているのを感じますし、NDソフトアスリートクラブを応援してくれているのを実感しています。
- 東海林
- 私は自分のために頑張ることが苦手です。そんな自分が走る姿を応援してくれる人がいて、結果で喜んでくれる人がいます。その姿を見るのが嬉しくてモチベーションになっています。山形に帰ってきて走れているというのも、皆さんの応援のおかげです。
- 竹内
- チームの雰囲気も良く勝ちたい気持ちが溢れていますので、応援しがいのあるチームになってきています。後押ししてくれている人たちに感謝の気持ちを持って、良い結果を報告できるよう頑張っていきたいと思います。