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NDSコラム

介護支援ソフト「ほのぼの」シリーズのNDソフトウェアです。介護業界・障がい福祉業界の、トレンドや情報を発信しております。

介護現場のICT利用を促進!ICT導入支援事業とは

2021/06/10

介護の仕事は、利用者へのケアだけでなく情報を扱う仕事が非常に多くあります。利用者に提供したケア記録や実施記録は目的に応じて多職種連携のために情報提供する必要もありますし、介護保険への請求のために提供票の管理や食事の管理など職種を問わず様々な業務で情報が必要になります。これらの情報管理は介護の業務には外すことのできない非常に重要な仕事でありその量も膨大で、人材不足が常々の課題となっている介護業界の大きな業務負担となっています。
厚生労働省は解決のためにICTの利用を促進しており、平成30年から「情報連携の標準仕様」を整備するなど方策を打ち出しています。
ICT導入支援事業とはどのような内容なのか、また介護事業所にどのようなメリットがあるのかを解説します。

介護現場でICT利用が促進されている

介護現場の業務には、利用者のケアに必要な情報や介護保険請求に必要な情報などの管理が必要です。これらの情報は事業所内だけでなく利用者に関わるすべての業種や事業所で共有する必要があります。

ケアマネジャーは利用者のケアプランや毎月の提供票を各事業所に配付し、事業所はサービスの利用実績をケアマネジャーに書類で報告する業務が必要です。事業所間においても利用者の状態やケアに必要な情報をやり取りしなくてはなりません。これらの業務は介護保険事業の運営に必須であり、介護現場の業務負担を大きくしているひとつの要因でもあります。

介護業界は以前から人材不足であることが課題として挙げられており、人材確保の手段を講じると同時に職員の離職を防ぐために様々な取り組みを行っています。そのひとつが業務負担の軽減であり、その手立てとしてICTを利用した業務の効率化を促進しています。
ICTを活用することで従来人の手で行っていた業務の多くを機械化し作業の手間を減らすとともに、職員間や事業所間の情報のやり取りを効率化することができるため利用者のケアの質の向上、介護の生産性向上にも寄与することが大いに期待されています。
介護現場の業務を効率化し、負担を減らしICTを積極的に活用・導入しやすくしようという試みとして「ICT導入支援事業」があります。

ICTの導入を支援する「ICT導入支援事業」とは?

ICT支援導入事業とは、介護事業所の業務効率化を通じて介護職員等の負担軽減を図ることを目的に、ICTを活用した介護記録ソフト、タブレット、スマートフォン、インカム、クラウドサービスなどを導入した際の補助金を助成する制度です。これらICT機器は有効に活用することで業務の大幅な効率化、業務負担の軽減を図れることが実証されており、積極的な導入が求められています。

令和2年度からはWi-Fi機器、シフト管理や勤怠管理といったバックオフィスソフトも対象になりました。補助率は都道府県が設定しますが、令和2年度の補正予算案による補助金額上限は10人以下の事業所で100万円、31人以上の事業所で260万円です。

このICT導入支援事業を利用するにはいくつかの要件が設けられています。

その要件は
・記録、情報共有、請求の各業務が一気通貫になる
・ケアマネ事業所とのデータ連携に標準仕様の活用
・LIFEによる情報収集に対応
・導入事業所による他事業者からの照会対応
・事業所による導入効果報告 等
となっています。

事業所間の連携をスムーズにする「情報連携の標準仕様」とは?

ICT導入支援事業を利用するための要件である「ケアマネ事業所とのデータ連携に標準仕様の活用」とありますが、これは平成30年から始まった「居宅介護支援事業所と介護事業所間」のデータ連携の効率化を図るために介護ソフトのデータの標準仕様を定めるものです。

従来は居宅介護支援事業所と介護事業所で異なるメーカーの介護ソフトを使用している際は事業所間でデータの互換性がなく、せっかく介護ソフトを使っているにも関わらず居宅介護支援事業所と介護事業所間における提供票や利用実績のやり取りはFAXや郵送、手渡しで行われていました。これでは業務の効率化は有効に図れているとはいえません。
そこで厚生労働省は介護ソフトを提供している各メーカーのデータの標準仕様化という、いわば「標準的に決まった形のデータ構造」を定めました。これによりメーカーが異なっても介護ソフトが標準仕様に対応しているならば事業所間でデータのやり取りが行えるようになりました。この標準仕様がさらに広がっていくことで、居宅介護支援事業所と介護事業所間で予定と実績のやり取りがデータで行えるようになり、利用者情報の共有など情報の連携を効率的に図ることができます。またFAXや郵送、手渡しで行っていた際と比較するとペーパーレスに繋がり、長期的な郵送代やFAX代のコスト削減、印刷、封詰め、FAX送信、事業所間の移動など、人件費の大幅な削減に繋がります。さらに、業務負担の軽減に繋がるとともに利用者の情報連携がスムーズに行われることでより効率的なケアにも繋がることが期待されています。

令和3年度介護報酬改定でもICT利用の促進が議論されている

令和3年度介護報酬改定においてもICTの活用をさらに促進させていく方向性で議論が進められており、新しいデータベースである「LIFE」にデータを提供し、フィードバックを受けることでPDCAサイクルの推進や、ケアの質の向上を図る事業所を評価する仕組みの構築を評価する加算が新設されています。
またICTを活用している場合に居宅介護支援事業所のケアマネジャーが受け持てる件数を引き上げることができます。
ケアマネジャーは利用者の受け持ち件数が40件を超えると超過数に応じて報酬が減る逓減制が定められています。この件数を、ICTを活用している場合などは45件に緩和しようというものです。ICTを活用し業務の効率化と情報連携を図ることでケアマネジャーの事務負担を大幅に減らしつつ事業収入を増加させることが可能になるのです。

ICTを利用して業務の効率化を図ろう

令和3年度介護報酬改定でもICTの活用を推進していこうという動きはますます活発になっています。介護事業所はICTの導入を積極的に進めていき、事業所間の情報連携や事務作業の効率化、LIFEへのデータ提供・フィードバックを受けケアの質を向上させていくことが業務負担の軽減を図るとともに評価の高い事業所になるために重要になることと思われます。

NDソフトウェアの「ほのぼのNEXT」は情報連携の標準仕様に対応しているだけでなく介護事業所様の業種に応じ便利な機能を搭載した介護支援ソフトです。ほのぼのNEXTは令和3年度の法改正への対応はもちろん、LIFEのデータ提供にも対応しています。また、トータルラインアップであるため、記録から請求、情報共有が一気通貫で行えるため大幅な業務効率化を図ることができるとともに、ICT導入支援事業の要件にも対応しています。

ほのぼのNEXT

まとめ

介護事業は事業所運営と利用者へのケアに必要な事務作業や書類のやり取りが多く、大きな業務負担に繋がっていました。厚生労働省はICTの利用促進に積極的に取り組んでおり、ICTの導入を支援する事業として「ICT導入支援事業」で補助金を交付しています。ICT支援事業を利用するためには介護ソフトがメーカーの違いに関わらずに情報のやり取りができる「標準仕様」に沿っていることなどが要件として定められています。
弊社の「ほのぼのNEXT」はすべての要件に完全対応していますので、導入をお考えの際はぜひご相談ください。

当コラムは、掲載当時の情報です。

参考URL

▼居宅サービス事業所における ICT 機器・ソフトウェア導入に関する手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000535305.pdf

▼令和3年度介護報酬改定の主な事項について
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000753776.pdf

ほのぼのNEXT

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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