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NDSコラム

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ケアプランに沿った介護記録を書く目的

2018/09/19

介護記録は、ケアプランの内容に沿ったサービスが適切に提供されているかどうか、常に確認できるよう記載しなければいけません。記録を残すことで、利用者との契約内容が履行されたことを証明するだけではなく、介護サービスの質を保ち、利用者の個別のニーズや目標に見合った支援内容を検討しやすくなります。
また、どのような視点で利用者を観察したら良いか明確になるため、必要な情報をスピーディーに記録へ反映できるようになるでしょう。ここでは、そんなケアプランに沿った介護記録を書く目的などを紹介します。

ケアプランとは?

介護施設や事業所では、利用者一人ひとりに作成される「ケアプラン(介護サービス計画書)」の内容に沿ってサービスが提供されます。 ケアプランには、利用者のニーズや心身機能、日常生活の自立または社会参加を妨げる問題を総合的に勘案した上で掲げられる、長期目標や短期目標が記載されます。それとともに、目標を達成するために必要なサービスが、いつ、誰によって提供されるかが詳しく記載されています。  

ケアプランに沿った介護記録を書く目的

介護に携わった人が作成した介護記録の内容は、ケアプランに記載された介護内容や頻度と合致している必要があります。万が一、それが記録から証明できない場合は、利用料の返還や賠償責任を問われる場合もあるため十分な注意が必要です。 また、ケアプランの内容を意識しながら介護記録を記載することによって、より利用者のニーズに寄り添った介護を実現しやすくなります。利用者が抱える課題の解決にフォーカスされた記録は、職員間のコミュニケーションを円滑化し、チームアプローチを強化する上で欠かせないものです。しかも、介護記録に記載すべき内容が明確になるため、作業時間の短縮化にもつながります。  

ケアプランに沿った介護記録の書き方

ここでは、ケアプランに掲げられた短期目標が「介助なしで、安全に食事を完食できる」であった場合を例に、実際にどのような内容を介護記録に記載すれば良いかを見ていきましょう。

食事の状況

短期目標に「介助なしでの自立」が掲げられている場合、単に「食事中は終始笑顔で他利用者と談笑し……」、「食べ残しなくスムーズに完食」などと記録するのは不十分です。 「酢の物を口にする度に、むせ込みが見られた」、「2/3の量を摂取すると、箸の動きが遅くなり声がけを要した」、「適量を口に運んでいる」など、食事自立に向けて、何が問題になっているか、または何が利点となっているかを具体的に記載することが大切です。

食事訓練の様子や変化

食事の自立に向けて、作業療法士による個別訓練が実施されている場合は、食事場面だけではなく、個別訓練の様子も介護記録に記載しておくと良いでしょう。実施した訓練項目に沿って、利用者がどのような動作で努力を要しているかなどを記載するほか、実際の食事場面で介護者が注意して観察すべき点やスムーズに咀嚼(そしゃく)するためのポイントなど、周知したい情報があれば漏れなく記載します。

介助時の様子、介助の内容

食べこぼしやむせ込みが見られ介助を要した場合は、そのときの様子や介助内容を記載します。介助をする直前の様子(何を食べてむせたのか、どんな姿勢で座っていたのかなど)も記載しておくことで、自立に向けた課題を再確認できます。 ほかにも、介護者がどんな声がけをしたのか、利用者からどんな反応が返ってきたのかも記載します。なかなか自分一人で食べるのが難しい段階では、声がけしても一言、二言返すのが精一杯であった利用者も、自立度が上がるにつれて、周囲との会話を楽しむようになっているかもしれません。その変化を残すためにも、職員との会話や反応について記載しておくようにします。

その他

掲げられた短期目標の内容が、利用者のニーズや身体状況に合っていないように感じたり、これまで見聞きされなかったことを観察できた事項を記載します。これらの内容は、現行のケアプランの見直しや、新しいケアプランの作成時に役立てられます。 ケアプランの内容を意識しながら介護記録を作成することで、利用者だけではなく、介護者自身もさまざまなメリットが得られます。利用者のニーズや課題の解決に向けて、より具体的な記録を作成するよう習慣づけていきましょう。

当コラムは、掲載当時の情報です。

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