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NDSコラム

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LIFEの新システム移行でやるべきことをわかりやすく解説

2024/06/14

科学的介護情報システム(LIFE)は、2024年8月1日より新LIFEシステムに移行します。
移行に伴い、「どのような作業が必要になるのか」や「LIFE加算のデータ提出はどうなるのか」など、不安に感じている介護施設の経営者や担当者も多いでしょう。
そこで、本記事ではLIFEの新システムへの移行でやるべきことをわかりやすく解説します。

新LIFEシステムへの移行スケジュール

移行直後から新LIFEシステムをスムーズに利用するには、移行スケジュールを把握しておくことが大切です。新旧のLIFEシステムの移行スケジュールは以下のとおりです。

引用:厚労省「令和6年度介護報酬改定を踏まえた科学的介護情報システム(LIFE)の対応について」
https://www.mhlw.go.jp/content/001227783.pdf

すでに4月10日で旧LIFEシステムの通常稼働期間がおわっており、4月22日から7月31日まで新LIFEシステムへの移行期間となります。8月1日から10月10日までは遡り入力対象期間となり、10月11日から新LIFEシステムの通常稼働の予定です。

移行スケジュールのポイントは、4月11日以降に旧LIFEシステムが停止することと、移行期間に新LIFEシステムの利用に向けた対応が必要であることです。

なぜ新LIFEシステムに変わるの?

旧LIFEシステムは、「入力画面がわかりにくい」や「操作方法が難しい」などが課題として指摘されていました。 そこで令和6年度介護報酬改定において、旧LIFEシステムの課題を改善し利便性の向上や質の高い情報収集・分析を目的に、新LIFEシステムへの移行が決まりました。

新LIFEシステムの変更点

新LIFEシステムは利便性の向上のために、管理画面の操作性に加えて、以下の項目が変更されています。

項目 旧LIFEシステム 新LIFEシステム
利用開始登録方法 利用案内の申請が必要 電子請求受付システムのID・パスワードで利用可能
管理ユーザーのパスワードリセット方法 ヘルプデスクへの問い合わせが必要 電子請求受付システムのID・パスワードでリセットが可能
様式情報登録 操作職員のみ登録可能 操作職員と管理ユーザーが登録可能
問い合わせ機能 ヘルプデスクへの問い合わせ内容・回答状況は、メールの送受信履歴で確認 ヘルプデスクへの問い合わせ内容・回答状況をLIFE上で確認

ほかにも、操作をしなければ自動でログアウトする機能や、登録されていない端末からログインするとアラームで通知する機能などが追加されています。

新LIFEシステムへの移行期間でやるべきこと

新LIFEシステムへの移行にあたり、先に紹介した4つの期間でやるべきことやできることを押さえておく必要があります。とくに、新LIFEシステムへの移行期間と遡り入力対象期間で重要なポイントが多くあるので、しっかりと確認しましょう。

旧LIFEシステムの通常稼働は4月10日まで

旧LIFEシステムは、4月10日を最後に稼働が停止しました。4月11日以降に旧LIFEシステムでできることは、稼働停止までに入力したデータの参照のみです。データの参照機能についても7月31日のサービス終了にともない、8月1日以降は使えなくなります。

4月11日以降は、旧LIFEシステムで一時保存の様式情報の登録や変更、未作成のフィードバック帳票の作成やダウンロードはできません。一時保存の様式情報や未作成のフィードバック帳票があったとしても、新LIFEシステムで作成をし直す必要があります。

また、4月11日以降にADL維持等加算を算定する場合は、新LIFEシステムでADL維持等情報の登録や利得計算を行う必要があります。

4月22日から7月30日まで:新LIFEシステムへの移行期間

4月22日より新LIFEシステムの一部の機能が利用できるようになりました。利用可能な機能は、利用者情報登録・ADL維持情報登録・利得計算機能です。 4月22日から7月30日の移行期間中にやるべき8つのポイントを紹介します。

※7月31日はメンテナンス日となりシステムが停止する予定です。

ポイント1.移行に必要なものを準備する

新LIFEシステムを利用するには、必ず電子請求受付システム(介護)にログインする必要があります。
事業者の管理者は、電子請求受付システム(介護)のアカウント(ログインIDとパスワード)を持っているかを確認してください。アカウントがない場合は、国民健康保険団体連合会に利用申請をします。

次に電子請求受付システム(介護)でセキュリティコードを設定している場合は、セキュリティコードを確認してください。

さらに、電子請求受付システム(介護)でセキュリティ用メールアドレスの設定が必要となるので、利用できるメールアドレスを用意します。

つまり、移行に必要なものをまとめると以下の3点です。

  • 電子請求受付システム(介護)のログインIDとパスワード
  • 電子請求受付システム(介護)のセキュリティコード
  • セキュリティ用メールアドレス

ポイント2.旧LIFEシステムのバックアップファイルを出力する

旧LIFEシステムから新LIFEシステムに個人情報を移動するために、旧LIFEシステムで個人情報のバックアップを出力します。

手順は、管理ユーザーが旧LIFEシステムのトップ画面から「個人情報入出力」をクリックします。次に「バックアップ」をクリックして、バックアップファイルを保存して完了です。

管理ユーザーとは、操作職員や利用者の情報を登録・管理できるユーザーを指します。

ポイント3.事務所管理者が新LIFEシステムの利用手続きを行う

新LIFEシステムを利用するには、事務所の管理者が利用手続きを行う必要があります。 利用手続きの手順は以下のとおりです。

(1)新LIFEシステムにアクセスする
(2)トップ画面の「新規登録」をクリックする
(3)電子請求受付システム(介護)のログインIDとパスワードでログインする
(4)セキュリティコードを入力して「認証」をクリックする
(5)メールで送られてくるワンタイムパスワードを入力して「認証」をクリックする

利用手続きが完了すると、「管理者情報登録更新」の「パスワード初期化」をクリックして、管理ユーザーのパスワードを初期化します。 さらにLIFEの起動アイコンをダウンロードして、管理ユーザーにログインIDと初期パスワード、起動アイコンを渡してください。

ポイント4.管理ユーザーが移行作業を行う

管理ユーザーは、事務所の管理者から渡された起動アイコンをダブルクリックして、新LIFEシステムへアクセスします。ホーム画面の「ログイン」からログインIDとパスワードを入力してください。

次に、「個人情報入出力」を選択し、ポイント2で出力した個人情報のバックアップファイルを取り込みます。

ポイント5.操作職員が使用するための設定をする

管理ユーザーは移行作業の後、操作職員が利用できるように設定します。操作職員とは、利用者の様式情報を登録できるユーザーのことです。

メニュー画面で「操作職員情報登録更新」をクリックし、対象の操作職員のユーザーIDを選択します。対象の操作職員のパスワードを初期化して、操作職員に起動アイコン・初期パスワード・バックアップファイルを渡します。

ポイント6.操作職員が移行作業を行う

操作職員は管理ユーザーからログイン情報や起動アイコンを渡されると、起動アイコンをダブルクリックしてLIFEにアクセスしてください。 ログインIDは旧LIFEシステムで使用していたIDを入力し、パスワードは管理ユーザーから渡された初期パスワードを入力します。

次に、メニュー画面の「個人情報入出力」から個人情報のバックアップファイルを取り込みます。これで操作職員の新LIFEの移行作業は完了です。

ポイント7. ADL維持等加算の情報を提出する

新LIFEシステムへの移行期間中でも、新LIFEシステムでADL維持等加算の情報登録、利得計算ができます。そのため、4月以降にADL維持等加算の評価対象者がいる場合、新LIFEシステムで情報の提出が必要です。
新LIFEシステムでLIFE関連加算の情報の提出が8月1日以降しかできないことと、混同しないように注意してください。

ポイント8.利用している介護ソフトの対応方法を確認する

LIFEを活用するために介護ソフトを利用している介護施設も多いでしょう。新LIFEシステムへの移行に伴い、介護ソフトでも対応が必要な場合があります。そのため、お使いの介護ソフトの対応状況は確認しましょう。

8月1日から10月10日まで:遡り入力対象期間

4月11日から7月31日までは、利用者情報およびADL維持等情報以外のデータ提出ができません。4月から7月にLIFE関連加算の算定をした場合は、10月10日までに入力できなかったデータの提出が必要です。

10月10日までに提出できない場合は、過誤請求を行わなければならないため、期間内に必ずデータを提出してください。

また、8月1日から新LIFEシステムは本格的に稼働しますが、8月分のデータについても10月10日までの提出が認められています。

10月11日から:新LIFEシステムの通常稼働

9月分から新LIFEシステムでのデータ提出は翌月10日までです。そのため、10月10日の遡り入力対象期間が終了すると新LIFEシステムの通常運用の開始となります。

また、10月ごろから新LIFEシステムに登録されたデータをもとにした新たなフィードバックが提供される予定です。

新LIFEシステムへの移行作業は早めの対応がおすすめ

新LIFEシステムへの移行には、必要なものの準備から利用申請、移行作業などの多くのやるべきことがあります。さらに事務所の管理者や管理ユーザー、操作職員などの複数人の作業が必要となるため、想定したよりも時間がかかることも考えられます。そのため、新LIFEシステムへの移行作業は早めに対応しましょう。

また、システム移行に伴い介護ソフトの対応が必要な場合もあります。介護ソフトを導入してLIFEを活用している介護施設は、介護ソフトメーカーに対応状況について確認してみてください。

ほのぼのNEXTでは7/31まで現行「LIFE」メニューで登録が可能で、7月末の改正版アップデートにてそれまで入力したデータも新LIFEに変換できる対応を予定しております。ご不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター モミジ丸 介護福祉士として、障がい者支援・高齢者支援に10年間携わる。
社会福祉実習指導者や施設主任の経験を活かし、現在は介護関係の記事を執筆するWebライターとして活動中。

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