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【2025年版】ショートステイの減算を受けずに安定運営を!最新動向もあわせて解説
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2025/12/08
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2024年度の介護報酬改定で、ショートステイ(短期入所生活介護)の「減算」はこれまで以上に複雑になりました。特に長期利用者減算の強化は、特養の空床対策や施設の稼働率に直結する重要な変更点です。
制度の改正に対し、- 減算ルールが複雑で算定ミスが不安
- 長期利用者が減り、稼働率の維持が難しい
このような悩みを抱える施設も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、施設管理者や請求担当者向けに、2025年現在の最新動向も踏まえ、ショートステイの減算ルールについて詳しく解説します。安定した施設運営を実現するために、ぜひ最後までお読みください。
目次
2024年介護報酬改定:ショートステイの5つの変更点
まずは、2024年の介護報酬改定における、ショートステイ関連の変更点を解説します。主な変更点は以下の5つです。
- 1. 基本報酬の引き上げ
- 2. 長期利用の適正化
- 3. 看取り連携体制加算の新設
- 4. 生産性向上推進体制加算の新設
- 5. BCP・虐待防止など運営基準減算の新設
ひとつずつ見ていきましょう。
1.基本報酬の引き上げ
物価高騰や光熱水費の上昇、介護職員の処遇改善などに対応し、安定的なサービス提供を維持するため、基本報酬が引き上げられました。具体的には、要介護1以上の方の基本単位が8〜10単位、要支援の方は5〜6単位増加しています。
2.長期利用の適正化
実質「入所待ち」のような長期利用を抑制し、本来の目的である短期利用を促すため、減算が強化・新設されました。具体的には、要介護の方の連続61日目以降の減算区分が新設され、要支援では連続31日目以降で新たに減算が適用されます。特養の入院や退所でできた空床を、ショートステイの長期利用で対応しているケースでは、事業所(施設)側は利用日数の管理に一層注意が必要です。
3.看取り連携体制加算の新設
在宅や施設での看取りニーズの高まりに応え、医療機関と連携して看取り期の利用者を受け入れる体制を評価する「看取り連携体制加算(64単位/日)」が新設されました。医師が回復の見込みがないと診断した利用者が対象で、看取りに関する指針の策定、利用者や家族の同意、24時間連絡できる医療機関との連携体制構築などが主な算定要件となります。
4.生産性向上推進体制加算の新設
深刻な人材不足に対応するため、ICT機器等を活用し業務改善に取り組む体制を評価する「生産性向上推進体制加算(I:100単位/月、II:10単位/月)」が新設されました。
見守り機器等の導入(II)に加え、データ活用による成果の確認や複数機器の導入(I)が要件です。単なる機器導入だけでなく、業務改善のPDCAを回すことが求められます。
5.BCP・虐待防止など運営基準減算の新設
利用者の安全確保のため、これまで努力義務だった項目が「義務化」され、未対応の場合は減算対象となりました。具体的には、以下の項目です。
- BCP(業務継続計画)の未策定
- 虐待防止措置の未実施
- 身体的拘束等の適正化の未実施
これらが未実施の場合は介護報酬が1%減算となります。
ショートステイの「長期利用者減算」を理解しよう
ショートステイの請求業務において、算定ミスはそのまま施設の減収や返戻につながるため、正確に理解する必要があります。ショートステイに関係する減算には、以下の項目があります。
- 定員超過利用減算
- 人員配置基準減算
- 夜勤職員の勤務条件基準を満たさない場合
- 身体拘束廃止未実施減算
- 高齢者虐待防止措置未実施減算
- 業務継続計画未策定減算
- 長期利用者減算
ここでは、特に注意が必要な「長期利用者減算」について、くわしく解説します。
長期利用者減算とは
長期利用者減算とは、ショートステイの連続利用が一定日数を超えた場合に、所定単位数を引き下げるルールです。本来は一時利用者を対象にしたサービスであるにもかかわらず、特養の空床ができるまで長期間利用するケースが多く見受けられたため、2024年度の介護報酬改定では、ルールがさらに強化されました。ショートステイの長期利用で空床対策をしていた施設は、減算になると収益に直結するため、より日数の管理が大切となっています。
長期利用者減算の日数ごとの単位
以下は、長期利用者減算の日数ごとの単位をまとめた表です。
| 利用日数 | 報酬の扱い | 単位(1日につき) |
|---|---|---|
| 1日目~30日目 | 通常算定 |
所定単位数 【単位数】併設型・ユニット型個室の場合 要介護1:704単位 要介護2:772単位 要介護3:847単位 要介護4:918単位 要介護5:987単位 |
| 31日目 | 保険給付対象外 | 全額自費 |
| 32日目~60日目 | 長期利用者減算 | 所定単位数から−30単位 |
| 61日目~ | 長期利用の適正化 |
新設された減算単位(さらに低い単位数)を適用 【単位数】併設型・ユニット型個室の場合 要介護1:670単位 要介護2:740単位 要介護3:815単位 要介護4:886単位 要介護5:955単位 ※特養と同じ単位 |
もともとショートステイは、入退所の手間や利用者の状況把握が必要なため、特養の単位より高く設定されています。しかし、長期利用になるとその手間が減るため、61日目以降は特養と同等の単位数に調整されることになりました。
たとえば、併設ユニット・要介護3の方が5月1日に入所した場合、以下の表のようになります。
減算を覚悟で長期利用を受け入れるか、日数を管理して他の方に利用してもらうか、施設の経営者は検討する必要があります。
2025年のショートステイ最新動向
2024年度介護報酬改定により、ショートステイの長期利用を適正化する方向性が示されました。この変更を受け、短期・中期利用や専門的ニーズへの対応といった、新たな役割を求められる事業所も出てきています。ここでは、2025年現在のショートステイの運営における傾向について解説します。
傾向1:長期利用の抑制と、短期・中期利用へのシフト
長期利用による安定収益が見込みにくくなった今、多くの事業所が、安定経営のための新たな柱として、短期間でも専門性の高いケアへの対応を強化しています。在宅での看取りが困難なケースや、医療的ケアが必要な利用者を短期間集中的に受け入れることなどが挙げられます。これまでは受けてこなかったケースも積極的に受け入れていく姿勢が、選ばれる施設となるために重要です。
傾向2:ケアマネジャーと連携し稼働率を維持
利用者の入退所サイクルが短くなることで、施設の稼働率を安定させるには、ケアマネジャーとの連携がこれまで以上に重要になっています。施設側は、利用者の退所によって生じる空床をいかに迅速に埋めるかが経営課題となります。一方でケアマネジャー側も、在宅生活を支えるため、緊急時やレスパイトといった利用者のニーズに応じて確実にベッドを確保したいと考えています。
施設側は、単にFAXで空床情報を流すだけでなく、「看取り対応可能」といった具体的な受け入れ基準をケアマネジャーに伝える必要があります。また、退所時に利用者の情報を的確にフィードバックすることも、信頼関係の構築につながります。
ショートステイで減算を回避するための3つのポイント
ここでは、意図しない減算や請求返戻を避け、安定経営を維持するために不可欠な、運営管理上の3つのポイントを解説します。
ポイント1:長期利用減算への「施設方針」の明確化
長期利用減算を経営判断として「受け入れる」か、「短期・中期利用にシフトする」か、それぞれのメリットとデメリットを理解して、施設としての方針を明確にすることが重要です。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 減算を受け入れる |
|
|
| 減算を回避する |
|
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実際にどのように利用するかは、利用者や家族の意向によることが多いでしょう。しかし、施設としても長期利用による減算をどう考えていくかを検討する必要があります。
減算を回避するためには、短期で利用する方を確保するため、ケアマネジャーとの連携がより大切になります。また、減算を受け入れる場合でも、以下のように基準を決めておくと、収入の大幅な減少を防ぎ、現場も対応しやすくなります。
- 特養への入所が前提
- 他に利用者がおらず稼働率が低下する場合
- ⚪︎床までなら長期利用の方も受け入れてよい
ポイント2:返戻を招く「起算日」の管理
長期利用減算を確実に回避し、請求返戻を防ぐには「起算日」の管理が必須です。連続利用が60日を超えると自動的に減算対象となり、この把握ミスが返戻に直結します。起算日がいつからカウントされるか、「31日目」や「61日目」が具体的に何月何日になるのかをケアマネジャーと確認し、ポイント1で決めた施設の方針に沿って対応しましょう。
ポイント3:算定ミスを防ぐ「介護ソフト」の活用
減算ルールが複雑化する一方で、生産性向上が謳われているように、ICTの活用が強く推奨されています。
- 長期利用減算の日数カウント(リセット含む)
- 送迎実施の有無
- 記録を振り返る際の検索機能
これらは、手作業やExcelでの管理では限界があります。算定ミスによる減算や返戻を防ぎ、請求業務を効率化するために、信頼できる介護ソフトの導入が不可欠な時代になっています。
NDソフトウェアが提供する介護ソフト「ほのぼのNEXT」 では、こうした現場の課題に対応する機能を搭載しています。
まとめ
本記事では、2024年度の介護報酬改定で変更されたショートステイの減算、特に影響の大きい「長期利用減算」について、最新動向と具体的な対策を解説しました。安定運営には、施設方針の明確化と、返戻に直結する起算日の厳密管理が要となります。しかし、複雑な日数カウントや請求業務を手作業で管理するには限界があり、算定ミスのリスクが伴います。
NDソフトウェアの「ほのぼのNEXT」 は、こうした複雑な日数管理から日々の記録、請求業務までを一元化し、現場の負担を軽減します。減算や返戻を確実に防ぎ、安定した施設運営を実現したいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
当コラムは、掲載当時の情報です。
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