今後ますます重要になるケアマネジメント。多職種連携、チームアプローチをより充実させていくために必要な取り組みとは

2021/11/05

日本は今後ますます高齢化が進み、2025年には超高齢化社会に突入すると見られています。高齢者の方々に介護が必要となった場合には、生活を支えていくためのケアマネジメントが重要となりますが、ケアマネジメントを図っていくには様々な職種の関わりによる多職種連携、チームアプローチが欠かせません。これからも増加が見込まれる高齢者の生活を守り支えていくためにはさらなるケアマネジメント、多職種連携、チームアプローチの質の向上が必要です。より一層充実した支援のために必要な取り組みを解説します。

高齢者の生活を守るために必要なケアマネジメント

今や日本の高齢化率は28%を超え、2025年には30%に到達するであろうとの推計が出されています。出生率の低下から労働生産人口が減少に転じる中、高齢者への支援のあり方がますます重要になってきています。

高齢者は加齢とともに心身の機能が低下する、疾病等により心身に障がいが出る等などから日常生活に介護が必要な状態となりやすいです。生活の多くに支援の手が必要となった高齢者は自身の望む生活を自身で叶えられないという事態に陥ります。その結果自身が慣れ親しんだ地域から離れて暮らさざるを得ない、自宅にいても豊かな社会生活を送れない等の弊害が出てしまい、QOL、ADLを大幅に低下させてしまいます。

介護が必要な状態になっても高齢者自身が望む生活を守り支えていくためには計画的に生活を支えるケアマネジメントがとても重要になります。高齢者の生活像、ニーズを把握し本人の望む生活を叶えていくために必要な支援を導き提供していくことが高齢者の生活を守ることにつながるのです。

質の高いケアマネジメントには多職種連携のチームアプローチが必須

ケアマネジメントは高齢者の生活に関する要望や解決するべき課題を明確にし、ケアプランをはじめとする計画を作成し必要な支援を過不足なく提供する必要があります。質の高いケアマネジメントを図っていくためにはアセスメントをしっかり行い課題を明確にすることなども当然として含まれますが、何より重要になるのが支援にあたる専門職同士の連携です。

介護を必要とする高齢者の生活に関する要望や課題は、介護職や医療職単体の関わりで解決できないものがほとんどです。日常生活の支援には介護の関わりが重要ですが、安定した日常生活を送るためには日常的な医療との関わりも欠かせません。一人の高齢者の生活には介護、医療の専門職だけでなく自治体、地域住民、家族など様々な方の力を結集して支えていく多職種連携、チームアプローチがとても重要です。それぞれの分野がそれぞれの力を発揮することで高齢者の生活を守ることができるのです。

業種ごとの多職種連携

介護を必要とする高齢者の支援には多職種連携、チームアプローチが必要ですが、それは特別養護老人ホームといった同一事業所内に多職種が働いている場合もあれば在宅サービス事業所、医療機関などそれぞれ独立した事業所間の場合もあります。またチームアプローチには同じ職種同士で事業所内外を問わず連携することも重要です。どのような場合においても支援に必要な情報をお互いに共有することが質の向上には欠かせません。 

多職種連携ではどのような情報共有が求められるかを見てみましょう。

介護事業所と医療事業所

介護事業所は主に日常生活に係るケアを提供し、医療事業所は高齢者の介護が必要になった原因疾患に対する管理や療養に係るケアを提供します。双方ともに高齢者の健康と安全を守っていくためには不可欠です。

介護職は医療、福祉サービスにおいて最も高齢者と顔を合わせる機会の多い職種です。そのため高齢者の日常の状態を観察できる環境にあるのは介護職が最も適任だといえます。介護事業所で働く介護福祉士や生活相談員、訪問介護事業所のサービス提供責任者は医療機関で働く医師や看護師に対し日々観察した状態や気になる点などの情報を提供することや、高齢者の生活に対するニーズを提供することで医療職は治療の方針をより具体的に検討することができるのです。

また高齢者が療養するうえでの気をつけるべき点や発生しうるリスクなどを介護事業所に対し提供してもらうことも日常のケアを行っていくために重要です。

事業所間のみで情報共有を図るのではなく、ケアマネージャーを中心に情報共有を図ることを意識することで効率良くチームアプローチが可能になります。

高齢者のリハビリに係る情報

高齢者は老化の影響や疾病、障がいの影響などでADLが低下しやすくなります。

機能の回復、ADL向上にはリハビリ職の関わりが必須です。またリハビリ効果を高めるためには口腔ケア、栄養ケアも非常に重要で、それらのケアに関わる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士は高齢者のケア計画に関して連携を強化し一体的に進めていくことが求められています。各リハビリ職やそれに関わる介護職等の多職種にそれぞれの専門領域のケアの内容と成果について情報共有を図ることが大切です。

自治体との連携

高齢者への支援は専門サービスだけでは不十分な場合もあります。特に一人暮らしの高齢者に対して支援の充実を図る場合は社会福祉協議会や民生委員、生活保護に関する部署などと連携することも求められます。

そのような自治体と密接に連携を求められるのがケアマネージャー、社会福祉士、精神保健福祉士といったソーシャルワーカーです。

介護事業所は高齢者のADLの面だけでなく多角的に観察を行い生活全体のニーズを把握し本人の希望を各専門職へと情報提供することが求められます。

 

多職種連携、チームアプローチでもっとも重要となる情報連携

高齢者の生活を支え守っていくためには非常に多くの職種が関わり多職種連携、チームアプローチを図っていくことになりますが、そのうえでもっとも重要になるのが情報の連携です。いくら多くの職種や機関が関わったとしても、情報の連携や共有が有効に行われなければ質の高いケアマネジメントを提供できているとはいえません。

高齢者のニーズに合わせて必要な職種が専門性を発揮するだけでなく、その情報を関係する職種で共有できて初めて多職種連携、チームアプローチができるのです。

サービスがそれぞれ点として高齢者に関わるのではなく、点と点をつないで面を作り包括的に高齢者を支援していくことが重要です。そのためには情報連携の効率化が今後ますます増加する高齢者を支援するための課題といえるでしょう。

令和3年度介護報酬改定で本格始動した「LIFE」

令和3年度介護報酬改定で、科学的介護を推進するためのデータベース「LIFE」が本格的に稼働を開始しました。「LIFE」は全国から高齢者のデータを集め分析することで改善率の高いケアを役立てる、事業所のPDCAサイクルを推進しケアの質を高めることに大きな期待が寄せられています。「LIFE」はICTを活用した記録ソフトの活用が有効で、記録に関する業務の大幅な効率化を図ることができるため、事業所間、事業所内問わず情報連携や情報共有の質を高めることにもつながることが期待されます。

「LIFE」を活用した情報連携がケアマネジメントの質を高める

令和3年度介護報酬改定ではケアマネジメントの質を高めることを目的として、医療と介護の連携や職種間の連携など、多職種連携の強化が随所に図られる形となりました。多職種連携については従来、全国老人保健施設協会が開発した「R4システム」がありこのシステムはケアにかかわる職種が同じ指標を用いてADLを評価・共有できるもので多職種連携に大きく寄与していました。この度「LIFE」においてもリハビリ、口腔ケア、栄養ケア、個別計画の帳票類をひとつにまとめた一体型帳票が公開されており、ひとりの高齢者の支援計画を多職種で共有することがことさらに強調された形となっています。ICTを活用し同じ情報を関連する職種で共有していく情報連携の在り方は効率的かつ有効な支援につながりますので今後の多職種連携、チームアプローチの新たな形として活用が大いに期待できます。

また「LIFE」を活用することが前提となる加算は今後も新たに新設されていくと見られます。高齢者への質の高いケアマネジメントを図り効率的な多職種連携、チームアプローチを実践していくためには「LIFE」に対応したシステムを積極的に活用していくことが望ましいと言えます。

 

NDソフトウェアでは様々な事業所様に応じたケアマネジメントに役立つシステムをご用意しております。ICTを活用しパソコン、タブレットで情報を入力していくことで「LIFE」への対応はもちろん記録業務や計画書作成、情報管理といったバックヤード業務の大幅な効率化のお手伝いをいたします。質の高いケアマネジメント、効率的な多職種連携を図り時代のニーズにマッチした事業所様づくりを応援いたしますのでぜひご相談ください。

全老健認証済 R4システム

老健カルテシステム

介護老人保健施設様向けシステム

介護老人福祉施設様向けシステム

まとめ

今後も増加する高齢者の生活を守っていくためには質の高いケアマネジメントが必要であり、高齢者を支えるためには医療、介護、自治体など様々な機関、事業所、職種による多職種連携、チームアプローチが必須です。情報連携を効率化し、素早く確実な情報共有を図っていくことは今後のケアマネジメントの質を高めるための大きな課題となります。「LIFE」に対応したシステムを積極的に活用し、業務の効率化を図るとともに高齢者への質の高いサービスにつなげていくことが今後の事業所運営において大切になるでしょう。

当コラムは、掲載当時の情報です。

参考URL

令和3年度介護報酬改定の主な事項について

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