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【老健】科学的介護LIFE解説
介護老人保健施設編

2022/01/13

令和 3 年度介護報酬改定を読む科学的介護 LIFE で変わる介護老人保健施設をテーマに解説します。

 

解説者 : 株式会社ナレッジ・マネジメント・ケア研究所/統括フェロー  石垣 修一

医療法人昌平会 大山リハビリテーション病院 事務次長、
医療法人養和会 養和病院・老人保健施設仁風荘 事務長、
社会福祉法人こうほうえん 副本部長兼総合企画部長を経て
理事・評議員 社会福祉法人 若竹大寿会 法人本部 本部長・理事を経て現職に至る

なぜLIFEがはじまったのか

まずはじめに、厚生労働省はなぜLIFE加算を始めたのでしょうか。

いちばんの理由は医療のように汎用性のあるデータベースを作り出したかったのです。つまりLIFEで実現したかったことは医療のようなEBMつまりエビデンスベースメディスン同様に(下図)データベースを作り、「経験と勘の介護」から、データに基づく「科学的な介護」へと進化させたかったわけです。

しかし、科学的介護とEBCという言葉だけ先行して、これまではデータベースをきちんと作られてきませんでした。いろんな団体でいろんな方法論が語られ、各団体でバラバラなEBCというようなものが作られたのですが、結果として医療のような科学的なデータベースが作られなかったことになります。

そこで、平成 30 年の改定では厚生労働省主導で先行版が作られました。それが、VISITや CHASEになります。VISITやCHASEはリハビリや介護の改善、具体的にはADLや介護状態の維持改善に資するデーが集めたかったのです。しかし、実際データベースを提供する事業者にとってはかなり負担が大きく、つくったものの活用が全然進まなかったという状態でした。

令和3年ではVISITとCHASEを統合したLIFEという新しい概念が作られました。そして、新設加算の算定条件にLIFEのデータ提出やフィードバック活用を義務付け、LIFEを運用して、PDCAをまわしていかなければ点数は取れないという点数による利益誘導を行い、有用なデータベースを作り上げていこうということとなりました。

現在の加算はデータを入力することだけがもとめられ、ケアを提供した結果は問われていません。つまり、入力することで加算という考え方ですが、将来的には、当然結果による評価となる可能性が高く、提供したケアによって状態が改善していくとプラス評価という流れが出てくると考えられます。

介護老人保健施設のLIFE加算について

では、介護老人保健施設のLIFE関連加算についてご説明いたします。

100床を想定しますと、入居者の状況もありますが、1回限度のものも含め約年間950万円見込まれます。経営にとっては、不可欠な収入となってくるかと思われます。

では、どのように取り組んだら良いでしょうか。LIFE加算は「ステップバイステップ」の順で進めることをおすすめします。

「ステップバイステップ」とは、科学的介護推進体制加算は多職種の入力がどうしても必要になってきますので、下記図のステップに合わせて、取得が難しくない加算、リハビリテーションマネジメント計画情報提供加算や褥瘡マネジメント、排せつ支援加算から始めることをお勧めます。

介護保険の財源は総額は一定であるため、何かが増えれば他が減ります。

今回厚労省はかなり本気で、5年の中期スパンでLIFEをみていますが、データ収集が集まらなければ、次回改定で1回でも点数を上げてでもデータ収集することが考えられます。しかし、LIFE加算が増えれば、当然他が減らされるため、LIFE加算を取っていく必要は不可欠になります。

入力するデータ様式とは?

以下の表がLIFE加算で提出を求められるデータ様式です。まずは、入力することによって点数が加算されますので入力を進めることが先決です。

介護老人保健施設を改定前後の収支シミュレーションを行ってみました。

多床室で入所者100名でターミナルケア加算で死亡日以前31~45日も算定する、LIFEデータ提出を要する加算については褥瘡マネジメント加算、排泄支援加算のみ算定という前提でのシミュレーションとなります。

※介護処遇改善加算1加算率は3.9%、特定処遇改善加算は2.1%、食費は2020年度は1,392円/日、2021年度は¥1,445/日、居住費は377円/日

単位数合計としては若干のマイナスですが、食費が上がったことにより全体としてはプラスになっています。LIFE関連加算を取らなければマイナス、ここではLIFE加算を2つしか取っていないため、これを積極的にとっていけばプラスになっていくことがお分かりいただけるかと思います。

NDソフトウェアではこうしたシミュレーションツールをご用意しております。下記までお問い合わせください。

 

▼ Excel ツール サンプル例

LIFEへの取組みについて

LIFEに取り組むにあたり、重要なことは、施設の経営に関する影響を職員にきちんと伝えることです。今後の経営にとっても避けて通れないことを理解していただくことが重要になります。  

具体的には加算が収支・収益に影響する事をシミュレーション等用いて説明し、経営にとって不可欠ということを理解していただくこと。また、特養では今5割から 7 割ぐらいが算定を始めているLIFE関連ですが、当初は施設で算定しやすいものから算定しているとの状況があるので、どのように取り組んでいくとよいかをスタッフ間で話し合っていくことが必要です。

その上で、きちんとタイムスケジュールをたて、今すぐに取れなくても、3ヶ月、半年、1年先であったとしても必ず加算を取 るんだという合意のもと取得までのプロセスを設定していくことが大切です。 

そのためには、「推進リーダー」を各セクションに作り、同時にきちんと取得のためのプロセス工程を管理していくタイムキーパー役も任命していくことが大切です。そのためには、スタッフにとれとれということだけではなく、法人においても、環境整備を意識し、ICTを活用した電子化の推進を行い、業務負荷軽減も図っていく必要が重要になります。 

ICTの一例

まとめ

各点数の中でLIFE関連の占める割合はある程度大きいと言えます。

5年後の令和6年以降の改定ではLIFEが主軸となり、アウトカム評価となる可能性もございます。

LIFEへの取り組みをこれから予定されている施設では、タイムキーパー役を配置し、確実にLIFEを進めていくことが必然です。LIFEへの取り組みは、スタッフの育成にもつながります。

また、LIFEへの取り組みは、また環境整備も同時に検討が必要です。いわゆるDXの導入です。現場での取り組み、DXの導入など、施設全体の方向性をまとめ、LIFEへの取り組みをぜひご検討されてみてはいかがでしょうか。

Dx ツールの具体例

当コラムは、掲載当時の情報です。

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