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NDSコラム

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【通所リハ】科学的介護LIFE解説 収益への影響は?

2022/01/25

令和 3 年度介護報酬改定を読む科学的介護 LIFE で変わる通所リハビリケーションをテーマに解説します。

 

解説者 : 株式会社ナレッジ・マネジメント・ケア研究所/統括フェロー  石垣 修一

医療法人昌平会 大山リハビリテーション病院 事務次長、
医療法人養和会 養和病院・老人保健施設仁風荘 事務長、
社会福祉法人こうほうえん 副本部長兼総合企画部長を経て
理事・評議員 社会福祉法人 若竹大寿会 法人本部 本部長・理事を経て現職に至る

なぜLIFEがはじまったのか

まずはじめに、厚生労働省はなぜLIFE加算を始めたのでしょうか。

いちばんの理由は医療のように汎用性のあるデータベースを作り出したかったのです。つまりLIFEで実現したかったことは医療のようなEBMつまりエビデンスベースメディスン同様に(下図)データベースを作り、「経験と勘の介護」から、データに基づく「科学的な介護」へと進化させたかったわけです。

しかし、科学的介護とEBCという言葉だけ先行して、これまではデータベースをきちんと作られてきませんでした。いろんな団体でいろんな方法論が語られ、各団体でバラバラなEBCというようなものが作られたのですが、結果として医療のような科学的なデータベースが作られなかったことになります。

そこで、平成 30 年の改定では厚生労働省主導で先行版が作られました。それが、VISITや CHASEになります。VISITやCHASEはリハビリや介護の改善、具体的にはADLや介護状態の維持改善に資するデーが集めたかったのです。しかし、実際データベースを提供する事業者にとってはかなり負担が大きく、つくったものの活用が全然進まなかったという状態でした。

令和3年ではVISITとCHASEを統合したLIFEという新しい概念が作られました。そして、新設加算の算定条件にLIFEのデータ提出やフィードバック活用を義務付け、LIFEを運用して、PDCAをまわしていかなければ点数は取れないという点数による利益誘導を行い、有用なデータベースを作り上げていこうということとなりました。

現在の加算はデータを入力することだけがもとめられ、ケアを提供した結果は問われていません。つまり、入力することで加算という考え方ですが、将来的には、当然結果による評価となる可能性が高く、提供したケアによって状態が改善していくとプラス評価という流れが出てくると考えられます。

通所リハビリケーションのLIFE関連加算について

通所リハビリテーションで月の利用者が100名の場合、最大740万円程度が見込まれます。

特に大きなものはリハビリテーションマネジメント加算の AとBが大きいです。
リハマネジメント加算A(イ)の要件は、これまでのリハマネジメント加算Ⅱと同じです。リハビリマネジメント加算A(ロ)は、これまでのリハビリマネジメント加算Ⅱに加え、下記2点の要件が加わっています。

  1. 1.利用者毎のリハビリテーション計画書の内容等の情報を厚生労働省に提出し、リハの提供にあたって必要な情報を活用していること(データ提出とフィードバックを活用)
  2. 2.リハビリテーション計画書の項目についてLIFEへデータ提供する場合の必須項目と任意項目を設定すること

リハマネジメント加算Bは医師が行う要件があるため、実際に算定するのは難しいと考えます。しかしながらリハビリマネジメント加算Aにはリハビリスタッフでも可能な部分になりますので、リハマネジメント加算A(ロ)の取得を目指していきましょう。

では、リハマネジメント加算A(ロ)の状況を見てみましょう。

一番大きな条件は、赤字の部分です。要するに厚労省に対してデータ提供を求めフィードバックして活用するというようなものがリハマネ加算A(ロ)については必要なわけです。また必須項目と任意項目を設定することもここでリハマネ加算A(ロ)には求められております。

LIFE関連加算が取れる・取れないは、リハビリマネジメント加算がとても大きく収益に影響します。確かにA(イ) もA(ロ)も点数的にはそう大きく差があるように見えないかもしれませんが、実際はやはり運営上今後の事を考えた場合、LIFEベースが基本となると考えればA(ロ)が大切だということがお分かりになると思います。

介護保険の財源総額は一定で、何かが増えれば何かが減るといった構造になっています。LIFE関連加算は強化されるので、結果的には他の報酬に必要な財源は減少するということになります。そのため、LIFE関連加算を取っていかなければなりません。

厚生労働省のLIFEは始まったばかりですので、データベースが整うまでは厚生労働省は5年程度を見込んでいるので、次回改定では収集状況によっては単位数をアップしてでもデータの収集に力を入れていくものと予想しています。

では、実際にどのようなデータを入力して、提出すればよいのでしょうか?
関連加算で提出を求めるLIFEデータの様式をしては以下のものがあります。

これからのデータ様式を提出するにあたり、利用者1名1日あたりの利益が自動で計算できるエクセル表があります。

NDソフトでは利用者1名あたりの1日の単価が自動計算できるシミュレーションツールをご用意しております。選択する加算を変更することで経営がどのように変わるかがわかりますので、ご興味がございましたら下記までお問合せください。

LIFEへの取組みについて

LIFEに取り組むにあたり、重要なことは、施設の経営に関する影響を職員にきちんと伝えることです。今後の経営にとっても避けて通れないことを理解していただくことが重要になります。  

具体的には加算が収支・収益に影響する事をシミュレーション等用いて説明し、経営にとって不可欠ということを理解していただくこと。また、特養では今5割から 7 割ぐらいが算定を始めているLIFE関連ですが、当初は施設で算定しやすいものから算定しているとの状況があるので、どのように取り組んでいくとよいかをスタッフ間で話し合っていくことが必要です。

その上で、きちんとタイムスケジュールをたて、今すぐに取れなくても、3ヶ月、半年、1年先であったとしても必ず加算を取 るんだという合意のもと取得までのプロセスを設定していくことが大切です。 

そのためには、多忙な主任ではなくスタッフの中から「推進リーダー」を各セクションに作り、同時にきちんと取得のためのプロセス工程を管理していくタイムキーパー役も任命していくことが大切です。そのためには、スタッフにとれとれということだけではなく、法人においても、環境整備を意識し、ICTを活用した電子化の推進を行い、業務負荷軽減も図っていく必要が重要になります。 

Dx ツールの具体例

記録の電子化、ICT化は

当コラムは、掲載当時の情報です。

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