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NDSコラム

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「自宅で最期を迎えたい」を支える。
在宅看取りに必要な医療と介護の連携に期待される在宅医療PA、在宅診療PAとは

2022/02/01

日本は超高齢化社会に突入しており、今後もますます高齢者の数は増加していくと見込まれています。それに伴い必要になる病院は人材不足もあり十分な供給体制を確保することは困難ではないかと懸念されています。また高齢者自身の「自宅で最期を迎えたい」というニーズは高く、病院ではなく自宅で過ごしたいというニーズに応えるために在宅医療、在宅診療が提供されていますが在宅診療には診察する以外にも看取りに向けた様々な連携や調整が必要になり、医療職だけで対応するのは困難です。
そこで期待されるのが在宅医療、在宅診療の「PA」と呼ばれるアシスタント職です。自宅での看取りを希望する方に必要な連携や調整を行う在宅医療、在宅診療PAとはどのような役割であり円滑な在宅看取りにはどのような対応が必要になるのかを解説します。

高齢化に伴い多様化する医療・介護ニーズ

現在の日本の総人口における高齢者の割合は28%を超えており、高齢化社会に対応した医療・介護の体制の構築が急がれます。また平均寿命も年々延伸を続けており、長期間の医療を要する方や介護が必要な方は今後も増加すると見込まれています。そこには老後をどのように暮らしたいかだけでなく介護が必要になったらどのような介護を受けたいか、長期間の療養が必要になった際にはどのような療養を望むのかといった高齢者個人のニーズが存在し、高齢者自身の選択を尊重するために医療福祉サービスは様々な対応が求められています。中でも「住み慣れた家、地域で最期まで生活したい」という希望は非常に多く、その人らしい生活を支える尊厳の保持の観点からもニーズに応えるためのサービスが整備されてきました。

自宅での療養に必須の在宅医療・在宅診療

長期の療養が必要になった場合でも病院に入院せずに自宅での生活を続けたいというニーズは高齢者自身の生活への希望として非常に根強いものです。在宅療養を可能にするためには自宅で定期的な医療サービスを受けることが必要です。通院せずとも医師、看護師が自宅に来訪し診察や療養指導を行う在宅診療は高齢者の望む生活を支えるために必須の医療サービスです。

特に近年はターミナル期、終末期における看取りを病院以外の場所で迎えたい、最期まで自分らしく生きたいというニーズが高まっています。ターミナル期、終末期状態にある方は医療の関わりが大変重要なため一人暮らしの方や高齢者のみの世帯といった定期的な通院が困難な方は医療機関への入院が必要になるケースがほとんどでした。しかし通院が困難であったとしても最後まで自宅で生活したいと希望する高齢者は多く、そのニーズに応えるためにも在宅医療、在宅診療は欠かすことができません。

在宅看取りに必要になるチーム

在宅での看取りを希望する高齢者に必要なサービスは在宅診療だけではありません。ターミナル期、終末期状態にある方は診療以外にも日常の療養管理、状態の観察が必要になり、これは健康状態によって必要な頻度が大きく異なってきます。そのため病院からの訪問だけでなく、医師の指示により必要な医療サービスを看護師が提供する訪問看護サービスが大変重要な位置づけのサービスなります。

またターミナル期、終末期は医療依存度と比例して介護の必要性が高くなります。疾患によっては日によっての体調変動が大きく、日常生活に多くの支援が必要な状態になるため訪問介護や訪問入浴などの介護サービスは欠かすことができません。日常生活に深く関わるため看取り期において最も近くで高齢者と接する機会の多い職種であるともいえます。 その他にも最期まで自分らしく生きることを支えるためにはADLの維持や向上の視点も重要です。自宅で生活を続ける方のADLにアプローチするには訪問リハビリの果たす役割も大きいでしょう。

訪問サービス以外でも在宅看取りにおける家族の介護負担を軽減するためのショートステイやデイサービスも看取りの際のチームに加わることもあります。このように在宅での看取りには複数の事業所や職種が関わることがとても大切で、必要なチームが揃わない場合、在宅看取りは困難になってしまいます。

またすでに介護サービスを利用している方がターミナル期、終末期に入る以外にも、すでに在宅医療を受けている方が長期間の療養から介護が必要になることもあります。その際は在宅医療の段階から患者の生活や看取りのニーズを把握することが必要で、近年その役割を期待されているのが在宅医療・在宅診療の「PA」です。

在宅医療・在宅診療PAとは

PAとは「フィジシャン・アシスタント」といい、在宅医療・在宅診療における医師のアシスタントを行う職種です。医師や看護師といった医療職としての資格がなくても始められることもあり近年注目が集まっています。

仕事内容は医師の監督のもとで簡単な診断や薬の処方を行うほか診察の補助としてカルテや医療機器の準備、バイタルチェックなどを行います。そしてPAの仕事として本人が自宅で暮らすために必要なニーズを把握することや看取り期において最期までどのように生きたいかといった希望を把握することも挙げられます。

従来は訪問診療を行う医師や看護師がPAと同様のニーズの聞き取りなどを行っていますが、在宅医療ニーズが拡大することで医療職の業務負担となってしまい、必要なサービスが必要な方に行き届かないおそれがあります。そこでPAが診察の補助として関わることで医師は診察に全力を傾けることができ、患者は十分な対話を通じて自分らしい生き方へのニーズを理解してもらうことができます。

PAは高齢化による医療サービス不足、在宅療養や在宅看取りのニーズの拡大に対応できる職種であるといえますね。

また生活の中で福祉用具を導入したい、看取り期に入ってからもやりたいことを実現したいなどのニーズに対しても本人の話に耳を傾けその実現のために多職種と連携していくこともPAの大きな仕事です。利用者のニーズを聞き取ることは介護サービスにおいても同様のことをしている場合も多いでしょうが、PAは医療サービス側からも同様のアプローチをし、最期までその人らしく生きるために積極的な連携を図るため介護サービス側としても非常に助かる存在といえるでしょう。

緊密な情報連携が重要

患者が自宅で療養を続けながら最期まで生活することを支えるPAと最期まで自宅で生活するために日常生活上の介護を提供する介護サービスは双方が独立して動いてしまっては意味がありません。一人の支援のために多職種が緊密に情報連携することで本人の希望を叶えるために提供するべきサービスは何なのか、自分たちはどういった役割を果たすべきなのかを正しく認識することが重要です。多職種同士で連携を密にしていくためには、情報管理を適切に行い情報提供しやすくすることや、事業所内のチーム間で等しく情報を共有することが必要です。

PAから得た情報をチーム間で共有することは利用者へのよりよい支援へと繋がり、日常的に関わる介護サービスから提供される情報はPAにとって有益な情報となります。その結果利用者が最期まで自分らしく生きることを支えるために多職種が一丸となって取り組むことが可能となるでしょう。

情報連携を適切に行っていくためにはICTを活用したシステムの利用が便利です。NDソフトウェアの訪問系サービスアプリCare Palette Home/Nurse(ケアパレット ホーム ナース)はスマホ、タブレットを用いて予定管理やサービス提供記録が行えるため事業所内での情報連携、情報共有がスムーズに行えます。訪問系サービスに幅広く対応しているので訪問看護事業所様や訪問介護事業所様でも有効に活用できます。

また事業所内チーム間での情報連携には「ほのぼのTALK++」がおすすめです。ほのぼのTALK++はスマホアプリを活用したデジタルインカムで、離れた場所にいても音声で報告・連絡・相談が行えるので情報を素早く共有することが可能です。また音声だけでなく文字情報のやり取りも可能なため聞き逃した連絡事などを確認するのに便利です。

事業所内、多職種間の情報連携をより効率化し、利用者様への質の高いサービス提供のためにぜひご活用ください。

▼Care Palette Home/Nurse

▼ほのぼのTALK++

▼ほのぼのTALK++ネックスピーカー型デバイス

まとめ

高齢化やライフスタイルの多様化に伴い医療・介護が必要になっても最期まで自宅で生活したいと願う方々は今後も増加することが見込まれています。医師の在宅診療の補助として活躍が期待されるPAは患者の自宅での生活を支えるための連絡調整役としても期待されており、介護サービス側にとっても医療サービスとの連携において非常に重要な立ち位置になると思われます。ICTを活用して情報連携、情報共有しやすい体制をつくりPAをはじめ多職種と積極的な連携を図ることは高齢者に対しての質の高いサービスを提供することにも繋がります。その人らしさを最期まで支えるために適切な情報提供体制を整えていきましょう。

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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