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介護現場でのLIFE、加算って?活用できている?メリットは?

2022/11/07

令和3年度の介護報酬改定で本格的に始動した科学的介護推進体制加算、通称『LIFE』は、2025年以降の爆発的な介護ニーズ増大に対し、介護の質を向上させるためと効率化を図るために大いに役立つことが期待されています。しかし介護現場で実際にケアを提供する職員からは『LIFE』の意味について疑問視する声も聞かれます。

『LIFE』とはそもそもどのような加算で、どのように活用していくべきでしょうか。『LIFE』を最大限活用することによってどのようなメリットがあるかを解説します。

『LIFE』の現状

2025年に訪れる超高齢化社会に伴う介護ニーズの増大に向け、介護現場の質の向上やPDCAサイクルの推進などを目的に誕生した新たな加算が『科学的介護推進体制加算』で、通称『LIFE加算』と呼ばれています。

利用者のADLや認知症の状態、栄養状態などのデータを『LIFE』へ報告、共有を行うことで算定できる当加算は多くの事業所が積極的に算定している様子で、2021年度では算定予定も含めると特別養護老人ホームで88.2%%、老人保健施設で93.1%、通所介護で78.1%と非常に高い算定率であることが分かります。

また科学的介護推進体制加算そのものではなく、排せつ支援加算や栄養マネジメント強化加算等多くの加算の算定要件に、科学的介護推進体制加算を算定していることと定められており、安定した運営のためにも科学的介護推進体制加算を算定する介護事業所が多いと見られます。

『LIFE』の必要性

多くの事業所で算定されている『LIFE』加算ですが、一部では「本当に必要なのか」との声も聞かれます。中でも「入力に手間がかかる」「現場の業務に関係がない」「業務負担が増えている」といった声です。

たしかに『LIFE』は介護現場にとっては今まで馴染みのないシステムであり「加算取得のためだけに入力するもの」と理解してしまっては必要性を感じることは困難といえるでしょう。しかし『LIFE』はただ入力することを目的とした加算ではありません。

先述した通り今後ますます増大する介護ニーズにおいて、慢性的な人手不足の中でも介護の質を向上させることを大きな目的として活用が期待されている加算なのです。そのためにはただ漫然とデータを入力するのではなく、『LIFE』は今後の介護現場において活用するのがスタンダードになっていくものであると考えることが必要です。そして『LIFE』の活用が前提となっていくと考えるには、『LIFE』の活用にはどのような効果があり、その効果を最大限発揮するためには介護現場にどのように『LIFE』を浸透させていくかを介護職員も含めて介護事業所全体で話し合い取り組んでいくことが重要となります。

『LIFE』を活用する意義

では『LIFE』を活用する意義を以下に見てみましょう。

利用者の全体像を把握するためのツールになる

介護の現場では、利用者を正しく理解することが質の高いケアに繋がります。利用者の疾病や障がいの部分だけを見ていても、利用者の性格面だけを見ていても良いケアは提供できません。利用者にどのようなケアが必要であるのかを分析していくためには様々な情報を統合して全体的に利用者を見ることが大切です。

『LIFE』には利用者の様々な情報を入力する必要があります。それだけを見ると非常に手間がかかるものという思いを抱くのも無理はありませんが、多くの情報が必要なだけに介護職員一人ひとりでは気付けなかった面に気付くことができるツールとして活用が期待できます。

利用者を客観的に評価する意識づけになる

科学的介護推進体制加算の「科学的」とは「客観性、事実に基づいたデータ」のことです。『LIFE』に入力する情報はすべて利用者に対する主観的な「~と思う」という情報ではなく客観的な「~である」といった情報です。つまりはすべて誰の目に見ても明らかな事実をデータとして入力しているのです。

この科学的データは、利用者像の分析だけでなく自分たちが行ったケアの結果も正直に表します。『LIFE』を活用していくこととは、介護職員が行ったケアを主観的に捉えるのではなく行ったケアに対して出た結果を客観的に評価するために大いに役立つことが期待できます。慣れないうちは入力が面倒で必要性を感じることも少ないかもしれませんが、続けているうちに「この情報は必要な情報だ」と認識できるようになっていくでしょう。その意識づけに『LIFE』の活用はうってつけです。

チームケア、多職種連携を推進する材料になる

『LIFE』へ入力する必要がある情報は、非常に多岐に渡ります。そこには介護現場で日常的に行っているケア以外にもリハビリの情報や疾病の情報など、医療職が入力しなくてはいけない情報もあります。この項目の多さが『LIFE』への入力による業務負担が多くなっているという声につながってしまうのですが、逆に言うと『LIFE』に介護現場、医療現場の情報が蓄積されているということはチームケアや多職種連携をより一層効率的に推進していくための材料にできるともいえます。

今まで『LIFE』のようなシステムを活用してこなかった事業所では、介護現場の情報を多く持っているのは介護現場だけというのがほとんどだったと思います。多職種連携の場では介護現場が必要だと思われる情報だけを持ち寄り共有する形になるため、医療側が本当に欲しい情報と必ずしも一致しないこともしばしばでした。しかし『LIFE』という同じシステムを共有する形であれば、お互いが同じ情報を見るため認識の齟齬は生じにくくなります。加算算定のためだけに入力するのではなく、チームケアをやりやすくするためのシステムを活用すれば加算の報酬も算定できると考えると必要性の高い業務であることが理解できると思います。

今後の『LIFE』の展望

『LIFE』へデータを入力することは様々な活用の意義があることは分かりました。しかし『LIFE』はこれからより一層の活用が期待されています。それがフィードバック機能です。

今現在データ入力ばかりで必要性を感じない、効果を感じないとお思いの介護事業所もこのフィードバックが開始されると『LIFE』が介護の質の向上に大いに役立つことが分かるでしょう。令和3年度から開始された科学的介護推進体制加算ですが今はいわば「全国からデータを収集している時期」です。厚生労働省は今後の展望として充分なデータが集まり次第、膨大なデータを分析して状態像に応じて最も効果的なケアの指標を導き出し、ケアの根拠として活用することを目指しています。

そして『LIFE』で情報を提出している介護事業所には、提出されたデータを分析し、より効果の高いケアの情報をフィードバックしてくれるのです。このフィードバックは全国から集めた情報を分析した平均値ですので、介護事業所が単体で情報を分析するよりも客観性に富んだ根拠として活用できます。また介護職員の経験年数に依らないのでベテランが少ない事業所においても効果の高いケアを導き出しやすくなります。つまり『LIFE』はフィードバックが開始されるフェーズに移ってからが活用の本番であるともいえます。ならば今のうちから『LIFE』を業務に浸透させてしまうことが介護事業所として質の高い介護を提供するための地盤づくりになるといえます。

『LIFE』を最大限活用していくには

『LIFE』はこれからが本格的に活用できるシステムであることが分かりましたが、それでもやはり「入力の手間」や「業務負担が増えた」という事実も否めないところもあります。

しかし介護保険制度では今後の法改正で新設される加算や見直される加算にも『LIFE』の活用を求めてくるであろうというのが専門家の見方です。それならばやはり、『LIFE』を活用することはこれからの介護現場にとって当たり前のことなんだと考えて、既存のシステムを見直していくことが最も効率的であるといえます。

『LIFE』への入力はオンラインで行うことが推奨されていますが、最も効率的なのが記録システムと連動させることです。今現在紙媒体で記録している事業所や『LIFE』に対応していない電子カルテなどを使っている事業所においては『LIFE』のサイトにアクセスし、新たに必要な情報を入力する必要があります。これは非常に手間がかかるものであると言わざるを得ません。しかし『LIFE』と連動した介護記録ソフトであれば最初に入力さえすれば新たに同じ情報を入力する必要はありません。また最初の入力だけを行えば、毎月同じ情報を入力する必要はありませんから、利用者ごとに最初だけの作業と考えると非常に効率的です。

それと同時に今後も『LIFE』を活用することが前提であると考えると、介護業界のシステムの電子化を図っていくことが『LIFE』の活用だけでなく介護現場の業務負担の軽減にもつながることが期待できます。介護記録ソフトひとつで記録に関する業務のほとんどを一体的に行うことができれば業務の効率化、ひいては利用者へのケアを提供できる時間の確保につながり、結果的に質の向上が見込めるでしょう。

NDソフトウェアの「ほのぼのNEXT」は『LIFE』に完全対応した介護記録ソフトです。ほかにも介護計画書や日々のケアの記録もパソコンやタブレット、スマホから入力、閲覧ができるため、記録に係る業務の大幅な効率化をお手伝いできます。介護事業所様の効率的なシステムづくりに豊富なラインナップを揃えておりますのでぜひお気軽にご相談ください。

【ほのぼのNEXT】
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まとめ

新設された『LIFE』は今後の介護業界のスタンダードになるという見方が大勢を占めます。利用者に選ばれる質の高い事業所づくり、利用者本位の質の高いケアを提供できる事業所づくりのためには『LIFE』を最大限活用できる環境を整えていくことが、これから先も安定した運営につながります。今のうちに『LIFE』の活用を業務に浸透させ、より良いケアを目指していきましょう。

当コラムは、掲載当時の情報です。

参考URL

2021 年度(令和 3 年度)介護報酬改定に関するアンケート調査

科学的介護情報システム(LIFE)による 科学的介護の推進について

ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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