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NDSコラム

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需要が高まる?専門性発揮!「児童発達支援管理責任者」の仕事

2022/11/15

障がいを抱える18歳未満の方を対象にADLの自立訓練や学習支援等の日常生活、社会生活に必要な能力の支援を行う障がい児支援は、法の整備が進んでいることもあり年々事業所数が増加しています。それに伴い不足しているのが事業所の要である「児童発達支援管理責任者」の存在です。利用者一人ひとりのニーズに合わせ最適な支援を提供するために必須である児童発達支援管理責任者に求められる役割や仕事内容、障がい児支援の現場の現状について解説します。

障がい児支援の利用数は年々増加

放課後等デイサービスや児童発達支援センターといった障がい児を支援するサービスの利用数は年々増加しており、平成26年度から令和元年度で約2.3倍と大幅な増加が目立っています。その背景に、近年は情緒障がい、自閉症、学習障がい、注意欠陥多動性障がいを抱える児童の増加や就業する女性の増加があります。女性の就業率については、20~44歳の方で平成20年から令和元年にかけて約10%程度上昇しており、それに伴い障がい児を支援するサービスの利用数も増加していると考えられます。

障がい児支援事業所の役割は大きく分けて日常生活や社会生活を円滑に進めるために必要な支援を行う「発達支援」心理的、物理的な支援を通じて家族の心身の負担を軽減する「家族支援」子どもや家族が必要な支援を地域で受けられるよう関係機関と連携する「地域支援」の3つに分けられます。

放課後等デイサービスの増加が顕著

障がい児を支援するサービスの中でも、特に放課後等デイサービスの増加は顕著で平成26年度から令和元年度で見ると多くの都道府県で事業所数が2倍以上となっています。

放課後等デイサービスとは学校に就学している障がい児の授業終了後や休業日に、生活能力向上のための訓練や社会との交流促進を図るなど、子どもの健全な育成を目指すだけでなく、子育ての悩み相談や保護者の時間を保障しエンパワメントを高めるといった保護者支援も提供するサービスです。障がいを抱える子どもの教育や日常生活の支援を家族や学校だけが担うのではなく、放課後等デイサービスといった支援事業所と共に子どもを支援していけることがニーズの増加の背景となっています。

障がい児支援事業所に必要な「児童発達支援管理責任者」とは

年々増加している障がい児支援事業所には、「児童発達支援管理責任者」(略称:児発管)という専門職が必要です。児童発達支援事業所には必ず1名以上の配置が義務付けられており、大変重要な仕事です。

児童発達支援管理責任者の仕事内容

児童発達支援管理責任者の仕事は業務を円滑に進めるために必要な根幹部分を担っています。具体的な内容を以下に見てみましょう。

個別支援計画の作成

児童発達支援管理責任者の主な仕事であるといえるのが個別支援計画書の作成です。障がいを抱える子どもは、当然一人ひとり個性があり、生活で抱える悩みがあり、こう生活したいという希望があります。その一人ひとり違うニーズに対し、適切な支援を提供できるように作成するものが個別支援計画書です。

その子どもに合った計画を作成するためには、その子どもの発達段階やADL、性格や価値観などの個性、家庭の環境など様々な面を知らなくてはなりません。膨大な情報を集め、適した支援を明確にするためのアセスメントを行い、最も適した計画を作成することは児童発達支援管理責任者にとって大変重大な仕事であるといえます。

保護者への相談支援

子どもの保護者は皆が皆そうだとは言い切れませんが、子どもの障がいについてやはり悩みを多く抱えやすいものです。中には子どもが障がいを抱えているのは親である自分のせいだと自らを責めてしまい、子育ての悩みや自分自身の悩みを必要以上に抱え込んでしまう方もいます。

児童発達支援管理責任者はそうした家族の良き相談相手となり、悩みに寄り添い、必要な助言や指導を行います。家族からすると誰に聞けばよいのか分からなかったり、悩みを打ち明けてよいものかと悩んだりすることは大きなストレスとなってしまいます。それが親と子どもの関係にヒビを入れてしまうことや、子どもにとって悪い影響を与えてしまうことも。障がいを抱える子どもだけでなく、その親にもしっかり目を向けることは、児童発達支援管理責任者の大切な仕事です。

他の指導員への指導

児童発達支援管理責任者は、児童支援の現場で働く指導員への指導も期待されています。現場で働く指導員も、子どもにどのように接すればよいかの悩みを多く抱えやすいです。指導員の中で明確な答えが出ないまま指導してしまうことは、場合によっては子どもに不適切な応対をしてしまうこともありますし、指導員自身のストレスともなってしまいます。

アセスメントを通じて個別支援計画書を作成する立場の児童発達支援管理責任者は、いわばその子どものことを何よりも理解している存在であり、指導員にとっては自分の疑問に答えてくれる存在であるともいえます。計画書を作成する裏方だけの存在ではなく、現場をリードしていくことも重要な仕事です。

その他の事業所業務

児童発達支援管理責任者は業界の人手不足もあり事業所の管理者との兼任が非常に多いのが現状です。個別支援計画書作成のための事務作業以外にも請求業務や日々の書類管理、指導員のシフト作成や場合によっては運行表の作成など事務全般に関わることも少なくありません。事業所全体のことを知り、事業所運営のための業務に最も多く関わることが多いのが児童発達支援管理責任者といえます。

児童発達支援管理責任者になるための要件

先述の通り、児童発達支援管理責任者の仕事内容は非常に多岐に渡り、なおかつ非常に重要な仕事です。それもあって、児童発達支援管理責任者になるためには有している資格に応じて3~8年の実務経験や基礎研修、実践研修の受講が必要など一定の要件が求められます。

また児童発達支援管理責任者となった後も5年ごとに更新研修を受ける必要があります。

誰でもすぐになれるわけではない非常に専門性の高い資格であることが分かります。

今後ますます需要は高まる

障がい児支援を提供する事業所は今後も増加が見込まれているため、それに伴って事業所ごとに1名以上の配置が義務付けられている児童発達支援管理責任者の需要は高まっていくものと考えられます。資格を持つ者が増えないと当然事業所は増えません。事業所が増えないと支援を必要とする子どもに支援が行き届かないことにつながります。児童発達支援管理責任者は、需要が見込まれる障がい児支援の分野においてその専門性を期待されている、非常に将来性の高い資格なのです。

児童発達支援管理責任者の現場の声

児童発達支援管理責任者の仕事は専門性が求められると同時に非常に将来性のある資格ですが、実際の現場では「仕事がきつい」との声がしばしば聞こえます。その理由として最も多いのが先述した通り仕事の多さです。しかし「仕事がきつい」の声につながっている理由のほとんどが業界の慢性的な人材不足による兼務によって起こるものだと思われます。

児童発達支援管理責任者の仕事そのものには「子ども一人ひとりに寄り添い、深く理解して最適な支援を考えることがやりがいである」との意見が多く非常にやりがいのある仕事であることは間違いありません。自身の作成した計画が子どもたちの教育や自立につながっていったり、子どもの笑顔につながっていったりすると考えると、とても魅力的です。

質の高いサービス提供を可能にする環境づくりを

児童発達支援管理責任者の仕事の専門性を最大限に発揮し、そのやりがいを最大限に享受するためには、慢性的な人材不足からくる兼務の多さ、それに伴う業務量の多さについて改善していくことが必要です。

支援員を採用し人手不足を解消することが最も早い解決なのですがそう簡単にもいきません。ならば今行っている業務の中で作業内容は同じまま、かかる負担を減らす効率化が最も現実的な解決方法であるといえます。

子どもへの直接支援は時間をかければかけるだけ質の高さを追求しやすくなるため不適切ですが、直接支援に関わらないバックヤード業務、つまり事務作業はICTを活用すると最大限効率化することが可能です。事務作業を紙媒体で行っている場合、同じ情報を別の記録に転記する、一人ひとり違うファイルを用意する、紙の量が膨大に必要、すべて手作業で記録する時間がかかる、欲しい情報を探すまで時間がかかるなど作業量はどうしても多くかかってしまいます。しかしそのすべてをパソコンやタブレット上で行えば情報はすべて入力するため負担が減るばかりか同じ情報は自動で転記でき、なおかつ子ども一人ひとりのファイルを用意しなくてもパソコン、タブレットの中にすべて格納することが可能です。

さらには毎月必要な請求作業も日々の支援記録を入力していれば、情報を連携させることであっという間に終わらせることも可能です。機械化で効率化できる作業を最大限効率化していくことで、子どもへの支援の時間を確保し児童発達支援管理責任者の専門性を最大限に発揮できるのです。

NDソフトウェアでは障がい福祉事業所様の様々な業務をトータルサポートする「ほのぼのmore」をご用意しております。日々の支援記録から個別支援計画書、請求業務に至るまで様々な事務業務を電子化できるため、事業所様の業務効率化をお手伝いいたします。記録はタブレットで入力・確認が行えます。導入から使い方までスタッフが手厚くサポートいたしますので、ご興味のある事業所様はぜひお気軽にご相談ください。

【ほのぼのmore】
https://www.ndsoft.jp/product/disability-welfare/features02

まとめ

児童発達支援管理責任者は障がい児支援の要ともいえる非常に専門性の高い仕事であると同時に、今後も増加が見込まれる障がい児支援において非常に将来性の高い仕事でもあります。人手不足の中でも質の高い支援を提供していくためにはICTを活用した最大限の業務効率化を図り、児童発達支援管理責任者だけでなく支援員全体が働きやすい環境を整えていきましょう。

当コラムは、掲載当時の情報です。

参考URL

障害児通所支援の現状等について

障害者総合⽀援法対応版「ほのぼのmore」

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