NDソフトウェア株式会社
NDSコラム

介護支援ソフト「ほのぼの」シリーズのNDソフトウェアです。介護業界・障がい福祉業界の、トレンドや情報を発信しております。

「ほのぼのmore」ユーザーに聞いた!気になる4つの質問(障がい福祉サービス編)【後編】

2023/10/30

前回のコラムではNDソフトウェアの障害者総合支援法対応版「ほのぼのmore」をお使いのユーザーがシステムの導入前に抱えていた課題と「ほのぼのmore」を選んだポイントを紹介いたしました。
今回は「ほのぼのmore」をお使いのユーザーが導入後に取り組んだ運用の工夫と導入した結果実感できた効果をユーザーの声から紹介いたします。

「ほのぼのmore」導入後に取り組んだ運用の工夫

システムの導入時には現場の理解や新たなシステムを受け入れられる体制づくりが非常に重要です。いかに便利なシステムでも現場で働く職員がシステムを使いたいと思ってもらえなければ、その機能は活かすことができません。「ほのぼのmore」をお使いのユーザーは、運用のためにどのような工夫をしたのかを見てみましょう。

システムに慣れる環境づくりと丁寧な指導

やはり職員のパソコンスキルの差が一番の課題だったのではないかと思います。すぐにシステムに慣れる職員もいれば、あまり得意ではない職員もいます。パソコンが苦手な人にとっては、新たに覚えなければならないことが増えてしまいます。パソコンができる数人の職員に負担がかからないようにしました。パソコンが苦手な職員には、できるようになるまで丁寧に根気よく指導を行いました。できないことができるようになるというのは誰にとっても嬉しいことです。職員間の雰囲気もポジティブになったように思います。 最初は、手書きを徐々になくし、パソコンやプリンターの位置などハード面を増設し、職員が電子記録に慣れるような環境づくりに努めました。

社会福祉法人 岐東福祉会 障害者支援施設 はなみずき苑様

障がい福祉の業界で働く職員の中には、やはりパソコンだけでなく機械そのものが苦手という人も少なくありません。今までは手書きで記録などを行ってきた職員にとって、パソコンが使えるか否かという点は非常に大きな分岐点です。システム化を喜ぶ職員もいれば、どうしても遠ざけてしまう職員もいます。そのため、無理にシステム化を進めた場合、パソコンが使える職員にのみ記録の負担がかかり、業務負担のアンバランスが生じてしまいます。これでは根本的に業務効率化を図ることができたとはいえません。パソコンは世に浸透して長くなりますが、だからといって「できて当たり前」というスキルではありません。車の運転と同じですね。運転する必要が生じて初めて覚えるものなのです。職員一人ひとりのスキルに合わせ懇切丁寧に根気強く指導をしていくことも大切です。そして、一度に手書きを無くしてしまうのではなくステップを踏みながら、徐々にシステムに慣れていくことができる環境づくりに努めたことも素晴らしいですね。

段階的な導入

当施設ではいきなり全ての記録をシステムに切替えせず、徐々に職員の方が主体になって記録をシステムで行えるように進めていきました。

直接介助を行う生活支援課においては、個別支援の記録などをケアパレットiPadを使って記録を行ったり、医務課などでは通院やバイタル中を情報共有していたり、総務課では預かり金サービス、請求事務において活用させていただいております。また他の施設とも請求事務などクラウドでつながっている関係で効率よく対応させて頂くことができております。

社会副法人県西福祉会 障害者支援施設 足柄療護園様

システムを急に導入した場合によく生じる現場の問題に「急に何もかもシステム化されたことで使い方がわからない」という混乱です。一度にすべてのをシステムに切り替えると何をどうすればいいのか、完了するのかかが見えず疲弊してしまいます。

職員が負担に感じないようにシステム化を進めるためには、事前に十分な期間を設けトレーニングしたり、「必要な部分だけシステムを利用する」ということが有効です。それぞれの部署ごとにシステム化によってより効率がアップするする業務だけを先行で導入し、その操作に十分に慣れたらさらにシステム化の範囲を広げるという段階的な導入です。まったくの五里霧中だと何から手を付けていいか分からず混乱するばかりでシステムに嫌悪感を覚える人もいますが、ひとつの業務に絞って利用することで慣れてくると、物足りなくなりもっと効果的に使いたいと欲が出てくるため、職員自らシステム化を推進する動きにも繋がりますので、段階的な導入は非常に効率的といえます。

その場でシステムに記録する習慣づくり

パソコンが得意な職員から先行的にシステム化を進め、パソコンが苦手な職員に教え合うことでシステム化を広めていきました。ケースや食事、入浴といった項目から始め、手書き内容を徐々にシステム化し慣れてもらいました。手書きのようにその場であったことを記録できるようにパソコンの台数を増やし運用しています。

社会福祉法人光道園様

こちらの場合も計画的かつ段階的に導入を進めた事例ですね。先行的にシステムに慣れた職員がいることで、パソコン操作の説明も、システムに応じた教え方ができるようになります。さらにはパソコン操作を教えるという役割を担うことで指導力の向上につながることも期待できます。

また、あとで記録するのではなく、その場ですぐに記録できるようにパソコンの台数を増やす支援をしたのは効率的ですね。台数が増えることで、その場で記録ができるようになるため、メモ帳などの紙に記録した後、転記する作業の負担が減り、ケアの提供→すぐに記録という質の高い習慣づくりに役立ちそうです。

「ほのぼのmore」導入後の効果

ユーザーそれぞれが自事業所に合った運用の工夫をしシステム化に順応できるよう努めても、それによる効果を実感できなければやはり「ほのぼのmore」を導入して良かったという感想には至りません。では、実際にユーザーは「ほのぼのmore」を導入したことでどのような効果を得られたのかを見てみましょう。

記録時間、事務時間の大幅な短縮

請求面では、代理受領通知を発行できる点は良いです。これまではメモしておいたものを後からわざわざ作らないといけなかったのが、自動的に月ごとに分かれて出来上がっていますので、ここは業務効率化が図れた点です。

記録については各事業所にPC1台、iPad1台を配置していますので、基本的に手書きのものはなくなりました。面接記録等一部残っているものもありますが、今後、システムに移行していこうと思っています。各事業所に1台ずつあることで、PCとiPadで同時に仕事を進めていても、お互いにフォローし合って記録が出来ます。日々の記録も誰が打ち込んでいないのか一覧でわかり、細かな内容もどんなことが書いてあるのかすぐに分かります。ある事業所では、3つの部門があり、ファイルも3冊あったのですが、なかなかそれらを読む機会がありませんでしたが、PCでもiPadでも全員分見れますので、いつでもどこでも情報共有が出来るようになりました。ケース記録の種別が分かれていてソート出来るのも便利です。

また、権限設定も細かく出来ますので、施設長はここまで出来るけど一般職員だとマスタは触れないといったことが可能です。システム内での電子押印機能は今後やっていきたい部分です。

システム化で事務に係る時間は圧倒的に減りました。特に請求処理です。以前はこの日のこの時間に請求処理をしようと予定していたり、月末は残業していましたが今は基本的に定時で帰れていると思います。

パートさんにも記録を入力してもらえているのも大きいと思います。iPadを使いこなしています。そうするといろんな人の目線の記録が出来上がってきますし、一石二鳥です。今はみなさん個人でスマホを使っていますので、50代、60代の方も全く問題なくiPadで記録をされています。

社会福祉法人 紡様(就労継続支援事業所B型・地域活動支援センター・グループホーム・特定相談支援)

請求に関する業務、記録に関する業務の大幅な効率化を図ることができているようです。手書きがなくなったことでペーパーレス化も推進できていますね。

また権限を細かく設定することで管理者のみが閲覧できる記録や職員全員が操作できる部分など事業所にあった使いやすさを実感できているようです。

請求業務はシステム化していない場合、一日がかりや数日がかりで行う非常に負担の大きい業務です。システム化により定時で帰ることができるようになったのは非常に大きな効果といえるでしょう。

また50代や60代の職員であってもスマホに慣れている方は多いですので、タブレット端末ならば抵抗なく操作できる方が多いです。そういった方々が積極的に記録してくれることで記録の質も大きく向上していることがわかります。

記録の参照が容易になった

メリットは、PCですぐに検索できる点です。病院に行く前の資料であるとか、過去の書類をひっくり返さなくても済みます。万が一の介護事故の際にも、すぐにPCで確認ができます。全てが介護記録に入力されていますので、安心して介護記録を見直せます。紙だと資料を探し出すのに時間がかかるなど、迅速に対応することが難しくなってしまいます。当局による指導監査のときにも大変助かります。 手書きの介護記録と比較しても、統一感がありますし、以前よりも文書の質が向上していると感じます。 私たちの施設は、内部で複数の事業に分かれており、それぞれで記録を入力していました。今回のシステム導入によって他の事業の記録も共有することができ、利用者への支援に役立っています。 少しユニークな使い方として、音声入力のVoice funを利用者が活用しています。日中の生活支援のときに、PCで詩や小説などの創作をしている方が私たちの施設にいらっしゃいます。ところが、病気の症状が進行してしまい、手でのキーボード入力ができなくなってしまいました。私たちはもう一度以前のように自由に作品を書いてほしい、そんな思いを持っていました。このVoice funを導入することによって、キーボード入力ができなくなっても、音声で入力できるようになりました。今後、広報誌にも掲載したいと思っています。

社会福祉法人 岐東福祉会 障害者支援施設 はなみずき苑様

「ほのぼのmore」での記録の運用が非常に便利になる点のひとつに、過去の記録の参照が容易であることが挙げられます。

紙媒体では必要な記録をファイルから遡って探しますが、「ほのぼのmore」では該当の日付を検索すればとても簡単に確認することができます。

新たに記録する時も、以前の記録を参照することで、どのような様子であったかが瞬時に分かりますので一貫性のある記録にも役立てることができます。

また音声入力機能である「Voice fun」は声で入力できるため、手を使わずに記録できる便利なシステムですが、利用者様の活動にも活用しているのはとても面白い取り組みですね。

写真データも活用したデータ連携が便利になった

基本的には利用者様の個別支援の記録、リハビリ記録、他活動の記録に使用しています。便利と思う点は利用者間でデータが引用できる点、操作がしやすい点が便利かなと思います。突発的な生活変化の記録や食品や水分などは、紙の記録を使用しています。利用者さんの傷が出来た際にカメラで写真を撮ったり、あと申し送りはメモ帳機能を使用したりしています。便利と思う点は、写真を iPad間で転送できる点です。

記録や事務作業が効率化されただけでなく行政などへの報告資料がすぐに作成できるようになり、バイタル記録の情報共有がスムーズにできるようになったことが電子化のメリットだと思います。また、他の職員からは利用者様の記録が電子化されたことで一人一人の状況把握がしやすくなり身体拘束解除の検討が行いやすくなった、バイタル記録の推移など記録の後追いがしやすくなったと聞こえてきます。

社会副法人県西福祉会 障害者支援施設 足柄療護園様

多職種が関わる障がい福祉の仕事では、各職種が同じ情報を共有してケアに活かすことが有効ですが、紙媒体ではデータの共有や認識にズレが生じる、スピーディーな連携ができないなどの欠点があります。「ほのぼのmore」ではすべての職種で情報の共有ができるため、常に最新の利用者状況を共有できることにつながり質の高いケアの提供が可能になります。また、文字だけでは分かりにくい情報、例えば利用者の拘縮具合やポジショニング指導などはiPadで写真を撮ることで視覚データとしても共有できる点は非常に有効ですね。

さらに行政とのやり取りに必要な書類においてもマスタで設定し作成できるため、一から作る手間が大幅に削減できる点も大きな効果といえます。

転記が大幅に減り、二度手間がなくなった

拠点間の情報連携はもちろん、転記などの二度手間のない「ほのぼの」シリーズを導入し、情報共有が行え、業務がスムーズになり、これまでの課題が改善されています。

よく使う文章をマスタ化することで記録業務は効率化が図られ、持ち帰りの作業がなくなりました。統計資料も登録した情報をもとに作成できるため、内部理事会の資料作成や監査資料で役立っているほか、事務所での各種調査でも活用しています。

社会福祉法人光道園様

「ほのぼのmore」をはじめとする「ほのぼの」シリーズでは日々の記録情報を報告書に連携することができるため、日々の記録ができていれば、各種報告書等は転記の必要がなく迅速な作成が可能です。さらに日常の記録においてもよく使う文章は定型化してしまうことで入力の手間を減らし、記録のスピードアップが実現可能です。

これらの機能を最大限に活かし、業務の効率化と無駄な残業がなくなり、ライフワークバランスの正常化にも効果が出ているようですね。

サポート体制が整っており実地指導に関する機能が充実

実施指導では、都度受給者証を更新しているのか、外出や外泊の登録がきちんと行われているかどうかなどのチェックを受けます。「ほのぼの」シリーズは、情報確認メニューで受給者証の期限が切れるなどアナウンスしてくれるため、都度システム上もきちんと修正するという作業の漏れがなくなり、大変重宝しています。 また、うちの施設は利用者の外泊や外出が多いため、請求システムで自動算定機能があるのも大変助かっています。

バージョンアップ版に同梱されてくる対応項目一覧は常に確認しています。関係する機能については、要望していた機能が改善されており、良くなっているので、とてもありがたいです。

社会福祉法人 山形県身体障害者福祉協会 社会就労センター 山形県リハビリセンター様

実地指導が行われる際は、個別支援記録が整備されているか、受給者証が正しく更新されているか、管理体制が適切か等とても多くのチェックが入ります。正しく行えているつもりでも、思わぬ抜けがあったなどは誰しもが経験のあることではないでしょうか。

指摘されないように、すべての利用者の記録類、書類をチェックし直すという手間は想像以上に大変です。しかし「ほのぼのmore」では受給者証が切れている利用者についてアナウンスするなど、実地指導にも関連する機能が充実しています。「ほのぼのmore」の活用により見逃しがちなミスを漏らしにくくし、安心して実地指導を迎えられる体制を整えられることは事業所にとって非常にありがたいですね。またユーザーの声を積極的に反映し都度バージョンアップを行っているサポート体制についても高評価を得ているようです。

法人内でのワンストップサービスが可能になった

どの事業所からもご利用者様の情報共有が可能となり、法人内における事業所の利用履歴も一目瞭然、居宅で受けた相談から通所・ショートステイ・施設入所に至るまで、共通のご利用者様情報が把握できるため、無駄がなくなり、大幅に業務効率化が図れました。

職員数が1,080名にもなりますので、これまで情報の一元管理は課題のひとつでしたが、「ほのぼの」シリーズを導入したことで、その問題を一気に解決することができました。また、どの事業所でも同じ情報を把握できるため、法人内にてスムーズなワンストップサービスの提供が可能になりました。

社会福祉法人 池田さつき会様

障がい福祉、介護福祉両方を展開する法人においては、障がい福祉と介護福祉の基本の法律が異なるため情報共有が困難になる場合が非常に多く、書類を別々に作成する手間も発生しやすいです。また事業所数は多くなればなるほど関係機関との連携も困難になります。「ほのぼの」シリーズでは障がい福祉、介護福祉双方に幅広く対応していますので、様々な業種の必要な機能を備えながら情報の一元化も実現させることができます。

あらゆるニーズに応えられるよう「ほのぼのmore」を活用し、情報の一元化と情報共有を図り効率化が行えているよい事例ですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

障がい福祉サービスの事業形態、事業規模によって多少の違いはありますが「ほのぼのmore」導入前の課題には情報共有が難しい点や情報が点在し一元化されていないこと、転記が多いことによる効率の悪化、などが挙げられました。

「ほのぼのmore」を選んだポイントはまさにその課題である情報共有や情報の一元化が図れるだけではなく、サポートへの安心感、コストパフォーマンスに優れている点などがポイントだったようです。

運用の工夫として計画的かつ段階的にできることから少しずつ進めたり、パソコンに不慣れな職員に得意な職員が教えたりとユーザーごとに様々な工夫をしていましたね。

「ほのぼのmore」を導入して得られた効果は記録の転記が減った、記録業務や記録の参照が容易になって記録の質が上がったという業務に直結する効果だけでなく、報告書や資料の作成が容易になった、統計が簡単になり活用しやすくなったなどの声がありました。

「ほのぼの」シリーズを活用することは障がい福祉サービスを提供する事業所様の業務効率化を図り、利用者の満足度、職員の満足度を大きく向上させるきっかけになるといえます。ぜひご検討くだされば幸いです。

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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