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AIケアプランとは?必要とされる背景と導入するメリット
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#ICT #ケア・記録 #コミュ・情報共有 #仕事 #働き方 #多職種連携 #居宅 #新人教育・育成 #特養 #短期入所(ショートステイ) #老健 #補助金 #訪問介護 #訪問入浴 #訪問看護 #通所リハ #通所介護(デイサービス)2026/02/18
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介護分野において、厚生労働省が推進しているように「生産性向上」は重要なテーマです。そのような中、ケアマネジャーの業務のあり方も転換が求められています。
特にケアマネジャーにとって大きな負担となっているのは、ケアプランの作成業務です。利用者一人ひとりの状態に合わせたサービスプランの作成に加え、医師や介護事業所、家族との調整など、多くの時間と労力がかかるためです。また、そのクオリティは利用者のQOL(生活の質)を左右するため、精神的なプレッシャーも小さくありません。
それにもかかわらず、ケアマネジャー個人の経験やスキルに依存している部分が大きいのが現状です。この属人性の高さが負担感や不安感につながっています。
こうした課題を解決するための手段として、AIを使ったケアプランの作成に注目が集まっています。
本記事では、AIを使ったケアプランが必要とされる背景、導入によるメリット、関連制度の最新動向についてわかりやすく解説します。
目次
ケアプラン作成にAIができること
AIは膨大なデータをもとに、ケアマネジャーの業務をさまざまな形で支援できます。例えば、次のような活用が可能です。
- ケアプラン作成の支援
- サービスプランの適正化
- 利用者の状態変化の予測
このようなAIを活用してケアプラン作成を支援するツールは、AIケアプランと呼ばれています。
AIケアプランが必要とされる背景
ケアプランは、支援する方針と具体的な介護サービスをまとめた計画書です。その作成は主にケアマネジャーが担っていますが、介護現場では課題が顕在化しています。まずは、AIケアプランが必要とされる背景として、ケアプラン作成業務を取り巻く課題について整理します。
ケアマネジャーの人手不足の深刻化
高齢化により、介護サービスの利用者は増える一方で、ケアマネジャーの担い手が十分に確保できていないのが現状です。実際に厚生労働省の調査によると、令和4年度のケアマネジャーの数は183,278人で減少傾向にあります。

【図1】 厚生労働省 / 幅広い世代に対するケアマネジャーの人材確保・定着に向けた取組について
また、人手不足の懸念材料はケアマネジャーの年齢構成です。60歳以上の割合が増加する一方で、45歳以下の割合は減少しています。すでに60歳以上の割合は全体の30%を超えており、この世代がリタイアすると人手不足は一層加速すると懸念されています。

【図2】厚生労働省 / 幅広い世代に対するケアマネジャーの人材確保・定着に向けた取組について
ケアマネジャーの人手不足は、すでに事業所の運営にも影響を及ぼしており、一般社団法人日本介護支援専門員協会の「介護支援専門員の効果的な人材確保の取り組みに関する調査研究事業報告書」によると、人材を確保できずに閉鎖に追い込まれるケースも発生しています。このまま人手不足が加速すれば、介護サービスを必要としているにもかかわらず、ケアマネジャーが見つからずに介護保険サービスを利用できない、いわゆる「介護難民」が発生するリスクも指摘されています。
ケアマネジャーの業務過多
ケアマネジャーの担い手が増えない大きな要因のひとつとして、業務過多が考えられています。その主な業務は、次のとおりです。
- ケアプランの作成
- 介護保険に関する相談対応
- 医療機関や介護サービス事業者との連携・調整
- モニタリング
- 介護保険の給付管理
- 要介護認定の申請代行や訪問調査
さらに、厚生労働省の調査によると、本来の業務範囲を超えた以下のような対応も求められている実態が明らかになっています。
- サービス調整などを伴わない家族からの電話対応や時間外の相談
- 書類の代読・代筆
- 入院や通院時の付き添い・送迎
- 介護保険制度以外の行政手続きの代行・支援
このような業務負担を背景に、ケアマネジャーの人材確保が困難になっています。2026年1月〜3月の統計調査によると、ケアマネジャーの有効求人倍率は4.45倍となっており、人材不足が深刻とされる介護職員の5.28倍に匹敵する水準に迫っています。
経験の差によるケアプランの質のばらつき
ケアプランは、利用者一人ひとりの心身の状態や生活環境、本人や家族の希望を踏まえて作成されます。しかし、その内容や質は、ケアマネジャーの経験やスキルによって差が出やすいのが実情です。
経験豊富なケアマネジャーであれば、多角的な視点から問題を整理し、将来を見据えたケアプランを作成できます。一方、経験が浅い場合、「どこに着目すべきか」「どのようなサービスの組み合わせが適切か」といった判断に悩む場面も少なくありません。
経験の差によるケアプランの質のばらつきは、利用者が受けられる介護サービスのばらつきにつながる恐れがあることから課題となっています。
AIを活用する前に押さえておきたい注意点
AIは利便性に優れた技術のため、ケアマネジャーの課題解決の手段として期待が寄せられています。しかしその一方で、使い方を誤ればリスクを高める危険性もあります。
重要なのは、AIはあくまで人の判断を支援するツールであり、最終的な責任は人にあるという点です。AIの提案をそのまま鵜呑みにするのではなく、専門職としての知見と照らし合わせ、内容の妥当性を確認する姿勢が求められます。
また、AIを活用するにあたっては、次のようなリスクにも注意が必要です。
- 個人情報の漏洩
- セキュリティリスク
- ハルシネーション(AIが誤った情報をもっともらしく出力する現象)
- 著作権侵害
- 法的リスク
こうしたリスクを回避するためには、運用ルールやガイドラインを整備したうえで活用することが重要です。
AIケアプランを導入するメリット
AIは、適切なルールのもとで正しく運用することが重要です。運用体制を整えたうえで活用すれば、そのメリットを十分に生かせます。
AIケアプランも同様で、導入することで得られる主なメリットは次の3つです。

業務効率化
AIケアプランの作成支援機能により、ケアマネジャーの書類作成にかかる時間を短縮できます。その結果、限られた人員でも多くの業務をカバーしやすくなるため、人手不足や業務過多の軽減が期待できます。
負担軽減
ケアプランの作成は、さまざまな情報を整理しながら判断する必要があり、ケアマネジャーにとって負担の大きい業務のひとつです。AIケアプランを活用すれば、それらの情報をAIが分析したうえで提案するため、重要な情報の見落としを防げます。これにより、作業負担だけでなく心理的な負担も軽減され、離職防止も期待できます。
ケアプランの均一化
AIケアプランは検討すべき視点の抜け漏れを防ぎ、一定の水準以上のケアプランを作成するのに役立ちます。ケアマネジャーの経験の差による品質のばらつきを抑え、事業所全体のケアマネジメントの底上げができます。
このようにAIケアプランは、ケアプラン作成に関する複数の課題に対して、効果的にアプローチできる支援ツールです。
エヌ・デーソフトウェアが提供する「ほのぼのNEXT」ではAIケアプランの機能を在宅ケアマネジメント基本システム(AI)に標準搭載しています。
自立支援につながるサービスプランを提案したり、利用者の約1年後の要介護度やADL・IADL・認知症の状態を予測したりします。

つまり、AIによる支援を受けて「作成したケアプランで利用者の状態がどのように変化するのか」をケアマネジャーが確認しながら、最適なサービスプランの組み合わせを目指せます。
ケアプランデータ連携システムにも対応
「ほのぼのNEXT」は、ケアプランデータ連携システムにも対応しており、情報共有の円滑化にも貢献します。
ケアプランデータ連携システムへの加入は「前提」になりつつある
公益社団法人国民健康保険中央会が運営する「ケアプランデータ連携システム」は、業務効率化や事業所間連携の基盤として、今後ますます重要な役割を担うことが見込まれています。すでに「加入するかどうかを検討する段階」から、「加入していることが前提となる段階」へと移行しつつあると言えるでしょう。
ここでは、なぜケアプランデータ連携システムへの加入が「前提条件」になりつつあるのか、その理由と関連制度の最新動向を解説します。
ケアプランデータ連携システムとは
ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所との間で、ケアプランをオンラインでやり取りできる仕組みです。令和5年4月から本格運用が開始されました。この仕組みを活用することで、紙やFAXなどのやり取りがデジタル化され、転記ミスや記載にかかる時間の削減により担当職員の負担を軽減できます。
厚生労働省はこのシステムの活用を推進しており、年間21,000円かかるライセンス料を1年間無料で利用できるフリーパスキャンペーンを実施しています。キャンペーンの申請期間は、2025年6月1日から2026年5月31日(2026年1月時点での予定)です。
なお、本キャンペーンはフリーパスの実施期限を延長する予算を盛り込んだ令和7年度補正予算の成立により、2026年度中も無料で利用できる見通しです。このように厚生労働省が活用を強く推進していることから、生産性向上や事業所間連携の基盤として、今後さらに重要性が高まると見られています。
補助金・賃上げ支援と連動する制度設計
令和7年度補正予算案には、介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業が盛り込まれました。この事業による支援内容は以下のとおりです。
①介護事業者に対する幅広い賃上げ支援
②協働化等に取り組む事業者の介護職員に対する上乗せ
③介護職員の職場環境改善の支援
このうち②については、訪問・通所サービスにおいて、処遇改善加算の取得とケアプランデータ連携の加入・加入見込みが支給要件となっています。
接続サポートに対する補助制度
ケアプランデータ連携システムは、今後、より多くの介護情報をやり取りできる「介護情報基盤」へと統合される予定です。この介護情報基盤とケアプランデータ連携システムの接続サポートを一体で受ける場合、国民健康保険中央会の補助制度により、補助率100%(上限あり)の助成金が交付されます。
介護情報基盤は、今後のケアプランデータ連携システムの中核となる重要なプラットフォームで、2026年4月1日以降、準備が整った市町村から順次運用が開始される予定です。つまり、介護事業所にとっては、いずれ対応が必要になる仕組みだと言えます。だからこそ、補助制度が利用できるタイミングで導入を進めておくことは、費用面・準備面でメリットがあります。これからケアプランデータ連携システムに加入する際は、この補助制度の活用も検討しましょう。
まとめ
人手不足や業務負担の増大といった課題を抱える介護現場において、AIケアプランは、業務効率化と負担軽減、ケアの質の向上を同時に実現できる有効な手段です。一方で、個人情報の漏洩、ハルシネーション、著作権侵害などのリスクにも注意が必要です。そのため、適切な運用体制を整えたうえで、ケアマネジャーを支援するツールのひとつとして活用することが望ましいでしょう。
これからの介護業界では、業務効率化と負担軽減がますます重要なテーマになります。そうした流れの中で、それを支えるケアプランデータ連携システムについても、制度面から「加入していることが前提」となりつつあります。
そこで、両方に対応した「ほのぼのNEXT」を活用し、これからの制度や現場の変化に備えた環境づくりを進めてみてはいかがでしょうか。
当コラムは、掲載当時の情報です。
参考URL
一般社団法人日本介護支援専門員協会 介護支援専門員の効果的な人材確保の取り組みに関する調査研究事業報告書
図1 厚生労働省 / 幅広い世代に対するケアマネジャーの人材確保・定着に向けた取組について
図2 厚生労働省 / 幅広い世代に対するケアマネジャーの人材確保・定着に向けた取組について
社会福祉法人全国社会福祉協議会 中央福祉人材センター 福祉分野の求人求職動向(令和7年1~3月 職業紹介実績報告)
公益社団法人国民健康保険中央会 ケアプランデータ連携システムについて
厚生労働省老健局老人保健課 介護保険最新情報 Vol.1460
介護情報基盤ポータル 介護情報基盤の活用のための介護事業所等への支援(概要)
ほのぼのNEXTはケアプランデータ連携に対応!
2025年4月30日リリースした
「ケアプランデータ連携標準仕様V4.1」の
システムベンダ試験も実施済み
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