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AIが変える介護の未来!温かなケアを守るための先端技術の活用例
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#ICT #ケア・記録 #コミュ・情報共有 #仕事 #働き方 #多職種連携 #居宅 #新人教育・育成 #特養 #短期入所(ショートステイ) #老健 #補助金 #訪問介護 #訪問入浴 #訪問看護 #通所リハ #通所介護(デイサービス)2026/02/13
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介護AIとは、AIを活用した介護の業務効率の向上や負担軽減を図るシステムの総称です。近年、介護業界で注目を集めています。本記事では、介護AIで何ができるのか、どのような活用が進んでいるのかに加え、導入のメリット・デメリットについてもわかりやすく解説します。
目次
介護施設でAIを使ってできること・できないこと
AI技術が急速に進歩していることから、「介護の業務のほとんどをAIがサポートできるのではないか」と感じる方もいるかもしれません。しかし、AIには得意・不得意があります。活用する際は、AIで補える領域と人の手でしか対応できない領域を正しく把握することが重要です。具体的に、介護AIでできること・できないことは以下のように整理できます。
介護AIでできること・できないこと一覧
| できること | できないこと |
|---|---|
| ・データの分析や傾向の把握 ・異常の検知やリスクの早期発見 ・事務作業や記録業務の効率化 |
・非言語コミュニケーションの理解 ・言動の奥にある感情や背景の理解 ・独創的なアイデアの創出 |
AIは、記録業務の効率化や各種センサーを活用したリスクの早期検知などを得意としています。一方で、データ化しにくい非言語コミュニケーションや言動の奥にある感情や背景を理解することは苦手です。
AIが得意な業務はAIに任せ、人にしかできないケアに人が集中できるように活用することが重要です。このような役割分担を意識することで、業務効率を高めながら、より質の高い、温かみのある介護・ケアの提供につながります。
活用する前に押さえておきたいAIの注意点
AIは、介護職員が負担に感じている業務を代替・支援できます。たとえば、移乗や排泄ケアといった介護技術の勉強会の実施は、介護職員にとって負担の大きい業務のひとつです。忙しい日常業務の合間を縫って勉強会の資料を準備するのは容易でないためです。実際に、資料作成の業務を自宅に持ち帰っている方も少なくありません。
しかしAIを活用すれば、勉強会の資料もわずか数分で作成できます。準備にかかる時間と労力を削減できる点は大きなメリットです。
一方で、AIの活用には注意すべき点もあります。代表例はハルシネーションと呼ばれる現象です。ハルシネーションとは、AIが事実とは異なる内容を、あたかも正しい情報であるかのように生成することを指します。つまり、勉強会の資料をAIが生成すると、資料の中に誤った情報や不正確な説明が含まれる可能性があります。
誤った情報が含まれるのは軽視できない問題です。勉強会では疾病やケアの方法について扱うことも多く、不正確な情報をもとにしたケアを提供すれば、利用者の不利益や安全上の問題につながりかねません。AIには、他にも以下のようなリスクがあります。
- 個人情報の漏洩
- プライバシーの侵害
- 著作権の侵害
- 法令違反
AIが出力した内容をそのまま使用するのではなく、最終的には必ず職員自身の目で内容を確認し、評価と判断を行うことが重要です。AIはあくまで「支援ツール」であり、責任ある判断を代替できません。介護施設でAIを真のパートナーとして活用するためには、この姿勢を共有しておく必要があります。
介護現場で進むAIの活用例

介護業界ではさまざまな領域でAIの活用が進められています。ここでは、代表的なサービスについて、「どの業務を支援・代替できるのか」「導入にあたっての課題は何か」という2つの視点からわかりやすく解説します。
AI見守りシステム
AI見守りシステムとは、各種センサーやカメラとAIを組み合わせ、利用者の状態変化や行動を検知・通知する仕組みです。
介護施設では、自力で立てない利用者が無理に立ち上がろうとして転倒するケースが少なくありません。このような事故を防ぐには、立ち上がり動作の初期段階で気づき、職員がすぐに駆けつけることが重要です。しかし、従来のセンサーだけでは動作がある程度進んでから検知することも多く、介護職員が急いで駆けつけても間に合わないというケースがありました。
一方、AI見守りシステムは、従来のセンサーや単純な通知機能を超えて、より高度なケアや安全管理を実現できます。具体的には以下のとおりです。
1. 転倒・事故の予防と早期対応
- 転倒予兆検知 :歩行パターンや動作の異常をAIが解析し、転倒のリスクを事前に通知。
- 即時アラート :転倒やベッドからの転落をリアルタイムで検知し、スタッフに通知。
2. 行動・状態の自動モニタリング
- 離床・徘徊検知 :夜間の離床や危険エリアへの移動を自動検知。
- 長時間動作なし検知 :体調不良や意識障害の可能性を早期に把握。
3. 健康状態の推定
- バイタル連携 :心拍・呼吸・睡眠状態をAIで解析し、異常を通知。
- 体調変化の予測 :過去データから体調悪化の兆候を予測。
4. ケア業務の効率化
- 記録の自動化 :離床時間や睡眠時間などを自動記録し、ケアプランに反映。
- 異常検知の優先度付け :AIが緊急度を判断し、スタッフの対応を最適化。
5. 感情・認知状態の把握(先進機能)
- 表情解析によるストレスや不安の推定。
- 認知症の進行度や行動パターンの分析。
つまり、AIによって「見守り」から「予防・予測・業務支援」へ進化するのがポイントです。
記録業務の自動化
センサー連携や音声入力でAIを活用して、介護記録の作成を自動または半自動で行う仕組みです。介護現場では記録業務が職員の負担になっている場合が多く、記録業務に時間を奪われることで、利用者と向き合う時間が減ることもあります。
記録業務の自動化は、これらの課題の改善に有効です。AI記録機能があるシステムを導入することで、ケアの内容をリアルタイムに近い形で記録でき、入力の手間や記録漏れを減らせます。
排泄ケアの支援
排泄ケアは、介護スタッフにとって負担の大きいケアのひとつです。突然失禁が増えたり、トイレの回数が頻回になったりと予期せぬ変化が起こることも少なくありません。
こうした利用者の変化の背景には、心身の状態や生活環境など、さまざまな要因が関係しています。そのため、適切に対応するには専門知識や長年の経験が欠かせません。経験の浅い介護職員にとっては、原因を整理して対応策を検討すること自体が難しい領域でもあります。
こうした現場の課題に対する解決策のひとつとして、AIを活用した排泄ケア支援への期待が高まっています。専門知識やベテラン職員の知見をAIに学習させ、状況に応じた支援のヒントを生成するというアプローチです。
エヌ・デーソフトウェアでは、介護特化型生成AIソリューション「教えて!KAiGO」の第一弾として、排泄ケアの支援を目的とした「教えて!排泄ケア」のトライアル版を2025年12月17日から提供しています。誰もがベテラン職員の視点を参考にしながら最適なケアを検討できるようにすることで、利用者のQOL(生活の質)向上や介護職員のスキルアップ、業務効率化を目指しています。
ケアプラン作成支援
ケアプランの作成は専門性が高く、経験の浅い職員にとっては難しく、作成に多くの時間を要します。そこで、AIによるケアプラン作成ができるシステムがあります。AIが類似ケースのデータを参考にたたき台を自動生成することで、作成時間の短縮と質の向上が可能です。最終的な判断は人が行う必要がありますが、業務負担の軽減と一定水準以上のケアを安定して提供するための支援ツールとして期待されています。
送迎ルートの作成
デイサービスにおける送迎は、重要な業務のひとつです。その効率化には適切な送迎ルートの作成が欠かせません。しかし、利用者数や送迎車両の台数が増えるほど選択肢も多くなり、ルート作成に時間がかかってしまいます。加えて、キャンセルや追加の利用などで、突然変更が必要となることも日常茶飯事です。そのため、担当者は多くの時間を費やし、ルートの作成や変更に明け暮れています。
そこで役立つのが、AIによる送迎ルートの作成です。移動時間や走行距離などを考慮した最適なルートを自動で生成できるため、送迎ルート作成にかかる負担を大幅に軽減できます。また、カーナビやスマートフォンと連携することで、デイサービスのドライバー・介護職員にありがちな次のような不安の解消に役立ちます。
- 送迎場所がわからない
- 道順が覚えられない
- 送迎中に何かあったらどうしよう
一方で、利用定員数が少ない小規模な介護施設では、送迎ルートの作成がそれほど複雑ではないため、導入しても期待したほどの効果が得られない可能性がある点に注意が必要です。
コミュニケーションロボット
言語処理技術の発達により、AIは文章や会話の内容を理解し、状況に応じた受け答えができるようになってきました。こうした技術を活用して開発されているのは、コミュニケーションロボットです。利用者の話し相手として活用することで、孤独感の軽減やメンタルケアにつながることが期待されています。
AIを搭載しているわけではありませんが、人に楽しみや安らぎなどの精神的な働きかけを行うことを目的にしたメンタルコミットロボットも利用者の心を癒す存在として、多くの介護施設で導入されています。
介護AIを導入するメリット
介護AIを導入することで、次のようなメリットが期待できます。
利用者の安全性の向上につながる
介護AIを活用することで、体調変化の兆候や転倒リスクの高まりを早い段階で察知できます。早期の対応が可能となり、利用者の安全性が高まります。
利用者のQOLが向上する
介護AIの活用は標準化・最適化されたケアの提供につながり、利用者のQOL向上に寄与します。
介護職員の業務を軽減できる
記録業務やケアプランの作成など、これまで時間や手間がかかっていた業務を軽減できます。加えて、利用者と向き合う時間をより多く割けるのもメリットです。
介護職員のスキルアップにつながる
生成AIの活用により、ベテラン職員の知見や専門的な考え方を誰でも取り入れられるようになります。経験の浅い職員がベテラン職員の視点を学びながら業務に取り組めるため、実務を通じてスキルアップができます。
業務の属人化を防止できる
ベテラン職員の経験やノウハウといった暗黙知をAIに学習させることで、「あの人にしか対応できない」といった属人化を防げます。
介護AIのデメリットや問題点
一方で、介護AIには導入前に理解しておくべきデメリットや問題点もあります。
費用がかかる場合がある
無料の生成AIサービスが普及していることから、工夫次第で費用をかけずに介護AIを導入することもできます。しかし、専用のデバイスを購入したり、既存のシステムを入れ替えたりする場合は費用が発生します。そのようなケースでは、費用対効果を検証したうえで、導入を進めましょう。
リスクがある
AIには、ハルシネーションや個人情報の漏洩、著作権侵害といったリスクがあります。こうしたリスクを避けるためには、運用ガイドラインを策定するとともに、AIの出力内容を必ず人が確認し、最終的な判断を行うことが重要です。
介護AIで介護現場やケアはどう変わるのか
介護AIが本格的に普及したとき、介護現場は人とテクノロジーの役割分担がより明確になると考えられます。
| 介護AI | データをもとにリスクの早期発見や支援の提案、記録業務の支援などを担う |
|---|---|
| 介護職員 | 介護AIが不得意とする人にしかできない領域を担う |
この役割分担が進めば、介護の仕事は「時間に追われながら業務をこなす」ことから「利用者と向き合う時間を大切にする仕事」へと変化するでしょう。特に排泄ケアや見守りなど、心身の負担が大きい業務をAIが支援することで、介護職員は働きやすくなります。これは離職率の低下や人材の定着にもつながり、結果として介護施設の質の向上や持続性を高めることにも寄与します。
まとめ
介護AIは、利用者と介護職員の双方にとって、より良い環境をつくるための技術です。費用面や運用面の課題、ハルシネーションのリスクなどといった注意点もありますが、それらを正しく理解したうえで活用すれば、介護現場のあり方を大きく変える可能性を秘めています。
大切なのは、「AIに何を任せ、人は何を担うのか」という役割分担を意識することです。テクノロジーを上手に取り入れながら、人にしかできないケアの価値を高めていくことが、これからの介護業界において重要な視点と言えるでしょう。
当コラムは、掲載当時の情報です。
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