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介護保険制度における令和4年度の法改正について

2022/03/16

令和3年度に施行された介護報酬改定では、いくつかの項目において経過措置が設けられていたものや実質令和4年度からの適用となるサービスがあります。
該当する項目について解説いたしますので、内容を確認し、適切な備えをしていきましょう。

令和4年度から適用される法改正

令和3年度介護報酬改定で見直しが行われた内容について、介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)の廃止の経過措置終了と、予防訪問リハ、予防通所リハ、予防訪問看護の12月超減算が実質適用開始となります。

介護職員処遇改善加算の見直しと一部廃止

旧法において、介護職員処遇改善加算は要件に応じて(Ⅰ)~(Ⅴ)までの5段階の区分が設けられていましたが、令和3年度介護報酬改定では上位区分の算定が進んでいることを踏まえ、(Ⅳ)及び(Ⅴ)の廃止が決定しました。しかし、令和3年度以前に(Ⅳ)もしくは(Ⅴ)を算定している事業所においては1年間の経過措置が設けられていました。

令和3年度末、つまり令和4年3月31日で完全廃止される加算ですので、現在も(Ⅳ)もしくは(Ⅴ)を算定している事業所では、上位区分である(Ⅰ)~(Ⅲ)を算定できる体制を整えることが求められます。

介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)の算定には、それぞれ以下のキャリアパス要件と職場環境等要件を満たすことが必要です。

キャリアパス要件

  1. 職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備すること

  2. 資質向上のための計画を策定して研修の実施又は研修の機会を確保すること

  3. 経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること

職場環境等要件

賃金改善を除く、職場環境等の改善を行うこと。以下①~⑥それぞれを1つ以上実施。

  1. 入職促進に向けた取り組み
    例:法人の経営理念や育成方針の明確化、中途採用の幅広い仕組みの構築など

  2. 資質の向上やキャリアアップに向けた支援
    例:介護福祉士実務者研修受講やその他研修の受講支援、上位者等のキャリア面談の機会確保など

  3. 両立支援・多様な働き方の推進
    例;有給休暇が取得しやすい環境整備、職員の実情に応じた柔軟な勤務シフト導入など

  4. 腰痛を含む心身の健康管理
    例:負担軽減のための技術習得支援、介護ロボットやリフト等の導入など

  5. 生産性向上のための業務改善の取り組み
    例;タブレット端末やインカム等のICTの活用や見守りセンサー等の導入による業務負担の軽減など

  6. やりがい・働きがいの醸成
    例:モチベーション向上に資する地域との交流実施、ミーティング等の実施による介護職員の気づきを踏まえた職場環境やケア内容の改善など

介護職員処遇改善加算算定要件

  • (Ⅰ)キャリアパス要件①+②+③および職場環境等要件
  • (Ⅱ)キャリアパス要件①+②および職場環境等要件
  • (Ⅲ)キャリアパス要件①か②および職場環境等要件

介護職員処遇改善加算は職場環境を改善していくきっかけにもなり、また介護職員の待遇改善に繋げるために大いに役立てていきたい加算です。現行で(Ⅳ)もしくは(Ⅴ)を算定している事業所だけでなく、現在(Ⅱ)や(Ⅲ)を算定している事業所においても上位区分を算定できるように要件を満たしていくことが求められるでしょう。

一部予防サービスにおける12月超減算の適用

令和3年度介護報酬改定で、予防通所リハビリテーション、予防訪問リハビリテーション、予防訪問看護サービスにおいて、連続して12カ月以上の長期利用の場合の評価が見直され、減算が図られることになりました。

なお、令和3年度の時点ですでに長期利用されている方であっても対象となる利用開始月は一律に令和3年度4月からです。つまり、令和3年度4月から長期で利用されている場合、令和4年度4月より減算が適用されることとなります。

各サービスにおける減算単位数は以下の通りです。

予防通所リハビリテーション

要支援1の場合20単位/月減算
要支援2の場合40単位/月減算

予防訪問リハビリテーション

5単位/回減算

予防訪問看護

理学療法士等が利用開始日の属する月から12月超の利用者に指定介護予防訪問看護を行った場合5単位/回減算

令和4年度から減算の対象者がいるサービス事業所は、新たなサービスコードで請求する用意を整えておくことが必要でしょう。

まとめ

令和4年度の介護保険制度では、介護職員処遇改善加算(Ⅳ)および(Ⅴ)の廃止と、介護予防サービスにおける通所リハ、訪問リハ、訪問看護で12月連続利用の際の減算が図られます。

該当する事業所は、早い段階から対応を進めスムーズに令和4年度を迎え入れることができるよう環境を構築していきましょう。

当コラムは、掲載当時の情報です。

参考URL

厚生労働省:令和3年度介護報酬改定の主な事項について

ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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