NDSコラム

人材 2020/03/02
【令和2年最新版】介護保険制度の見直しに関する最新動向

令和元年12月27日(金)に、厚生労働省が主催する第89回社会保障審議会介護保険部会が開催され、その中で「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」が提案されました。そこで今回は、この資料を基に介護保険制度の見直しに関する最新動向をご紹介します。


 

介護保険を取り巻く現状と予測

 

 
介護保険制度が創設されてから20年がたち、サービスの利用者は制度を創設した時と比べて約3倍になっています。
2025年には団塊の世代が75歳以上に、2040年には団塊ジュニア世代が65歳以上になります。
政府は、「介護離職ゼロ」を目指して、仕事と介護を両立できる環境整備に力を入れてきました。
 
また、高齢化に伴い介護サービスを提供している事業所も増えています。
しかし、介護関係職の有効求人倍率は、平成30年度で3.95倍を記録しており、今後も介護人材の不足は深刻化していくとみられています。
 
地域包括ケアシステムの構築を推進するためにも、「介護予防・健康づくりの推進」「保険者機能の強化」など、多彩な観点を踏まえながら見直しを進めることが必要です。
 

「地域共生社会の実現と2040年への備え」のための介護保険制度改革

 

 
地域共生社会を実現するために、2017年には社会福祉法などの改正が行われました。
更に、高齢者と障害児者に対して、同一の事業所でサービスを提供することができるように、介護保険と障害福祉両方の制度で共生型サービスに対する改正が行われています。
社会福祉基盤の整備を推進するために、本資料で提言された軸となる取り組みとその方向性をご紹介します。
 

介護予防・健康づくりの推進

介護保険制度の基本は、「被保険者が要介護状態になることを予防する」だけではなく、「要介護状態になった場合に可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を送れる」ことです。
「全世代型社会保障」実現のために、高齢者をはじめとした意欲を持つ方々が、社会の中で役割を担って活躍できる仕組みづくりが必要です。
住民主体の「通いの場」の取り組みを推進するだけではなく、地域のつながり強化や、自立支援につながる質の高いケアマネジメントを実現するための環境整備にも力を入れる必要があります。
更に、地域包括センターについても、ニーズの増加が見込まれることから機能や体制を強化する必要があります。多様な就労・社会参加ができる環境整備を推進し、介護保険制度が介護予防だけではなく、健康づくりに関する取り組みを強化し、健康寿命の延伸を目指すことが大切です。
 

保険者機能の強化

政府はすでに、全市町村が保険者機能を発揮して、自立支援・重度化防止に取り組むように制度化を行っています。
 
データに基づいて課題分析と対応を行い、取り組み内容や目標を介護保険事業(支援)計画へ記載するだけではなく、適切な指標による実績評価をし、インセンティブ交付金の付与も実施します。
先進的な取り組みを行っている埼玉県・和光市や大分県では、「認定率の低下」や「保険料の上昇抑制」といった効果があがっています。
 
更に、データの利活用を推進するために、システム間の連結解析を進められるよう、制度・システムそして環境の整備を進め、国や自治体で活用することにできるようにするのが重要です。
 

地域包括ケアシステムの推進

2040年までの介護サービス利用者数の推計では、都心部を中心に2040年まで保険者が増え続ける一方で、ピークを過ぎて減少に転じる保険者もあります。
こうした地域差の問題に対応できるよう、地域の実情を踏まえながら工夫介護サービス基盤の整備を進める必要があります。
 
また、高齢化が進展する中で、介護と医療の両方のニーズがある高齢者の増加が予想されています。地域包括ケアシステムを構築し、重度の要介護状態になったとしても住み慣れた地域において、自分らしい暮らしを最後まで続けられる支援体制が必要不可欠です。
 

認知症施策の総合的な推進

認知症の方の数は、2012年に約462万人、2025年には約700万人となると推計されています。
2025年には、65歳以上高齢者の約55人に1人が認知症になると見込まれています。
 
認知症施策には、「行政や事業者そして専門職、職能団体などが横断的に協働し取り組み行っていくことが重要」と本資料では指摘しています。また、「共生」「予防」を実現するためには、認知症の方が尊厳と希望を持って生きるだけではなく、国民の理解を深めるための普及の推進も大切です。
 

持続的な制度の構築・介護現場の革新

介護職を取り巻く人材確保の問題に対しては、現在「職員の処遇改善」「多様な人材の確保と育成」「離職防止と定着促進」「介護職の魅力向上」「外国人人材の受け入れ」など、多彩な取り組みが行われています。
 
2018年には、「介護現場革新会議」が創設されました。
こちらでとりまとめられた基本方針を受け、「介護現場での業務の効率化モデルを普及させる」「介護職の魅力を認識し仕事として選択してもらえるように学校などへ働きかけを行う」といった事業が実施されています。
 
本資料では、「人的制約がある中で質の高いサービスが提供できる環境を整備していくことが重要」と指摘しています。
 

おわりに

介護業界を取り巻く問題に対して、政府は急ピッチで法整備や関係事業の立ち上げを行っています。本資料のような意見をもとに新しい取り組みや指針が決められるので、是非目を通してください。
 

 

 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
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