NDSコラム

人材 2020/02/25
【令和2年最新版】地域共生社会推進に関する最新動向

令和元年12月26日に、厚生労働省が主催する第88回社会保障審議会介護保険部会が開催され、『「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」(地域共生社会推進検討会)の検討状況について』という資料が提示されました。日本は高齢化が進行し、「共同体機能の脆弱化」と「人口減による担い手の不足」という2つの大きな課題を抱えています。そのため、従来の制度・分野ごとの縦割りや支える側と支えられる側という関係を超え、人と人そして人と社会が繋がり合う仕組み作りが求められています。そこで今回は、この資料を基に地域共生社会推進に関する最新動向をご紹介します。

伴走型支援と地域住民の気にかけ合う関係性によるセーフティネットの構築

 

 
地域共生化社会においては、支援を必要としている本人を中心に「伴走」する意識が重要になります。
個人が自律的な生を継続していけるように、「具体的な課題解決を目指すアプローチ」と「つながり続けることを目指すアプローチ」の両軸を組み合わせる必要があるのです。人と人とのつながりそのものが、「セーフティネットの基礎」になるといえます。
 

伴走型支援

伴走型支援では、「エンパワーメント」と呼ばれる、一人ひとりが多様で複雑な問題を抱えながらも生きていこうとする力を高めて、個人が主体的に自らの生き方を追求することができる「自律的な生」を支える支援を行います。
この時大切なのが、「支える」「支えられる」という一方向の関係性ではなく、支援者と本人が支援の中で人として出会い互いに学びあって変化をすることです。
 

地域住民の気にかけ合う関係性

専門職による伴走支援は大切ですが、一人ひとりの人生や生活は多様で複雑です。そのため、社会にかかわる経路も多様であることが望ましいといえ、専門職による伴走支援のみを想定するのはそぐいません。
 
地域の実践においては、専門職による関わりの下で地域住民が出会うことで、地域住民同士の気にかけ合う関係性が生じ広がっている事例がみられます。
 

新たな事業の枠組み

 

 
市町村の包括的支援体制の構築の中で、市町村による「新たな事業」がスタートしています。新たな事業は、実施を希望している市町村の手あげに基づく任意事業という立ち位置です。
 
新たな事業では、既存事業の財源を一体的に交付するので、市町村の裁量が高まります。世代や属性を限定しない場や居場所(コミュニティカフェ等)を常設型で設置するだけではなく、当該居場所を拠点とし市町村全域で地域づくりを応援するコーディネーターを複数配置することもできるようになります。
 
そこで重要になる3つのポイントをご紹介します。
 

断らない相談支援

「様々な相談を断らずに受け止め、解決に向けた対応ができるための支援体制を構築します。具体的には、介護・障害・子ども・困窮といった問題に対して、従来の個別対応ではなく、相談者本人や世帯の属性や世代を問わずに、一体的に相談支援が出来るようになります。
 
支援関係者同士を調整し、支援に継続的につながり続けられる役割を強化することで、一人で抱え込んでいた複合的な課題が、支援員とのやり取りを通じて解きほぐされ、寄り添った継続的支援が実現できるようになります。中でも注目したいのが「多機関協働の中核」と「専門職による伴走支援」という新たな取り組みが増えた点です。
 

参加支援

参加支援では、社会とのつながりや参加の支援を行います。「断らない相談支援」と一体的実施し、就労支援や居住支援だけではなく居場所機能の提供等、多様な社会参加に向け多彩な支援を実施します。
 
また、「狭間のニーズにも対応する参加支援」を新たにスタートし、本人のニーズに応じて既存の地域資源(例えば商店・企業・農家等)に働きかけを行い、本人と地域資源の間を取り持つ役割を果たし、社会とのつながりを回復する支援を実施します。和歌山県では、「制度の狭間にある福祉課題・生活課題解決への協働プロジェクト推進委員会」を立ち上げました。単独の法人や事業所のみでは対応するのが難しい課題を、委員会参画した法人や施設が力を出し合って対応することで解決を図っているのです。これにより、従来の厚生労働省の通知では該当しなかった地域活動の実施が可能になり、よりニーズに即したサービスを提供しています。
 
相談機関は、世帯全体に関わる複合的な課題を包括的に受け止め、ニーズに対応したスピーディーな支援を提供し、世帯全体を立て直す見通しを立てられるようになります。
 

地域づくりに向けた支援

地域において多様な繋がりの育成を支援するために、「ケアし支え合う関係性を広げ、交流や参加の機会を生み出すコーディネート機能」を構築します。異なる団体や施設・支援者をつなぎ、多様な主体の連携や協働を支援することで、より効果的な支援を行うことができるようになります。
 
更に、「住民同士が出会い参加することのできる場や居場所の確保を行う事業」を実施。
地域住民の交流の場や助け合いの場となる居場所を設けることで、地域社会からの孤立を防ぎます。
 

大阪府門真市の「ゆめ伴(とも)プロジェクトin門真~認知症になっても輝けるまちをめざして~

厚生労働省が主催した「第8回健康寿命をのばそう!アワード(介護予防・高齢者生活支援分野)」で、厚生労働省大臣最優秀賞を受賞したのが、大阪府門真市の「ゆめ伴(とも)プロジェクトin門真~認知症になっても輝けるまちをめざして~」です。認知症になっても夢を持って輝けるまちを実現するために、認知症の人と地域の人が協働で運営する「ゆめ伴カフェ」や、認知症の人や地域住民が手作業や会話を楽しむ「ゆめ伴サロン」など、多彩な取り組みを行っています。
 
これにより、家族以外の地域住民とのかかわりを持つ機会が増えた他、「BPSDが改善された」という変化もみられました。
 

おわりに

地域共生社会推進に関する最新動向をご紹介しました。多様化するニーズと積算する課題を解決するために、縦割り式の支援ではなく地域ぐるみで場を作る地域共生社会。
 
既に多彩な自治体が積極的な取り組みを行っています。
実例の紹介等が資料にありますので、より具体的に知りたい方は是非資料に目を通してみてください。

 

 

 

 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
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