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NDSコラム

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最適な介護記録システムを選ぶための5つのポイント

2023/11/22

慢性的な人材不足に悩む介護業界では、業務負担をいかに軽減していくかを考えることが大切であり、介護記録システムを導入することは業務を効率化して負担を減らす手段として期待されています。
しかし介護記録システムは様々な種類があり、自身の介護事業所に適したシステムを導入しないと業務の効率化には繋がりません。また費用もかかるため簡単に導入できるものではなく、なかなか導入を検討する段階へ踏み切れない方も多いと思われます。
介護記録システムをすでに導入している事業所においても、事業所が望む業務効率化にあまり役立っていない等の理由で他の介護記録システムへの入れ替えを検討したいが、同じ失敗をしてしまうのではないかと考えてなかなか決断できないと考える事業所も多いのではないでしょうか。
今回は業務効率化を図りたいと考える際、事業所に合った介護記録システム導入を前向きに検討していくために必要なポイントについて解説します。

介護記録システム導入を選ぶ際のポイント5選

自身の介護事業所にはじめて介護システムを導入する、または入れ替えを検討する際、ある程度具体的な業務効率化のイメージができていないと、どれを選べばいいかが分からず結局頓挫してしまうことが考えられます。

介護記録システムの導入は事業所の業務負担を軽減するための手段であり、導入そのものが目的ではありません。どの業務を省力化したいのか、効率化を図りたいのかを把握し、その課題を解決する手段になる介護記録システムを選択することが重要です。

また介護記録システムは決して安価ではないため、導入には予算を立てる必要があります。その際もただ金額を見るのではなく、各メーカーの介護記録システムでできること、できないことを比較した上で希望に最も合うものを選ぶことが大切です。そのため各メーカーの価格や機能を確認しながら、利用のイメージと予算のすり合わせを行うのがよいでしょう。

では、介護記録システムを選択する際、どのような点に注意して選べば良いか考えたいポイントを5つ紹介します。

1.記録作業を減らす・最適化することができるか

利用者の観察記録や計画に沿ったケアの提供結果など毎日膨大な量の記録が必要な介護現場では、記録作業や時間の効率化は事業所全体の業務負担の軽減に大きな意味を持ちます。

介護記録システムの導入は、膨大な記録を手書きではなく電子化することでスピードアップや省力化など、記録の手間を減らすことが大いに期待できますが、介護記録システムを導入したからといって何もかもが自動的に効率化するわけではありません。自身の事業所の形態では、どのような環境で記録作業ができれば効率化になるかを考えておくことが大切です。

例えば記録をする場所の問題です。パソコンで記録を入力する場合、利用者の見守りをしながら記録ができる環境なのか、利用者の居室や在宅に伺うのが主な業務なのかによって記録業務に適したネットワークやハードウェアの環境は変わってきます。

効率化を促進するためにどこででも記録ができる環境を整える場合、まずはWi-Fi等のネットワーク環境の整備が必要となります。その次に、ノートパソコンで記録するのが良いのか、スマホやタブレットで記録するのが良いのか、業務内容や場所、職員の皆さんの状況によって適切なものが明確になるでしょう。ネットワーク環境を整えることで、離れた場所でも手軽に記録することができ効率化に繋がることが期待できます。

また、近年はBCP対策として自然災害時等の情報保護の観点からもペーパーレスが推進されており、介護記録システムの運用次第では極力紙での記録を減らしペーパーレスに近付けることは可能です。しかし、これもまた事業形態や介護職員の年齢層など様々な要因から、一気にペーパーレス化を進めるのも適切でない場合があります。例えばペーパーレス化を進めるための機能がたくさん備わっているからといってそれらをすべて活用しようとすると介護職員がそれらを使いこなせない、事業所の環境に馴染まないといったことも考えられます。そうなるとかえって業務の効率は悪化し、負担増となることもあります。事業所全体を把握し、記録を電子化することで効率化する部分と、紙媒体のままのほうが適している部分とを知っておくことが介護記録システムを選択する際の判断材料として役立ちます。

2.情報共有が思い通りにできるか

介護の仕事は必ずチームを組み、チーム全体でケアにあたることが求められます。チーム全体でのケアを円滑に進めるために大切なのが情報共有であり、情報共有の精度を高くすることはそのままケアの精度を上げることに繋がると言っても過言ではありません。さらに職員同士のコミュニケーションが活発になることで働きやすい環境をつくり、職員の満足度向上、離職防止にもつながることが期待できます。

介護記録システムを導入していない事業所では一人ひとりに個別に連絡する、連絡ノート等に記入して閲覧を呼びかける等で情報共有を図っているところも多いと思われますが、速度、精度、効率に関しては情報が全員に行き渡る伝達速度も遅く、また必ず全員が見たという確認ができない、見落とすことがある、意図が正確に伝わらないことがある等の問題もあるのが現状です。事業規模が大きくなる、職員数が多くなるほど情報共有の効率化はその重要性を増します。現状の業務での情報共有方法が、介護記録システムの機能で効率化を図ることができるかどうかは重要な選択の判断材料です。

また職員間の情報共有だけでなく、利用者の家族等に素早く連絡、情報提供ができるかも事業所全体の信頼に直結し、質を向上させることに役立ちます。管理者が会議等で外出中の場合や、サ責も現場に出る機会の多い訪問系サービス等でも、外出先で必要な情報が見られるのか、必要に応じて連絡できるシステムを備えているのか等も合わせ、自身の事業所に最適な情報共有の機能は必ず確認するとよいでしょう。

3.記録以外の機能、他のツールとの連携など活用範囲に幅があるか

介護記録システムを導入して業務の効率化を図りたい箇所として、記録であるならば同じ内容を何度も転記するような場面はなるべく減らしたいでしょう。記録以外では、例えば入所施設であれば見守りカメラやベッドセンサー等で夜間の見守り時の職員の負担軽減を図りたい、利用者の安全精度を高めたいと考えている事業所もあるでしょう。

また直接ケアに関わる業務の範囲だけでなく、介護保険請求や経営資料の作成等の事務作業の多くを効率化したいと考えている事業所は多いでしょう。そしてこれらがすべて同一のシステムでできれば、業務効率化の推進に大きく役立ちます。

介護記録システムは各メーカーで機能の幅が異なりますので、検討する際は最終的にどこまでITを活用した業務効率化を推進したいのかをある程度イメージした上で、事業所に合った機能を備えているシステムを選ぶことが業務効率化には大切です。

効率化を図りたい箇所ごとに違うメーカーのシステムを導入してしまうと情報の連携ができない、コストが結果的に高くなる等のデメリットが生じるので気を付けましょう。

4.記録の活用イメージがつかめるか

介護事業所では、日々の記録は重要であることは度々聞く話だと思いますが、なぜ記録が重要なのでしょうか。その意味を事業所の介護職員は正しく理解できているでしょうか。

記録は利用者の日々の健康状態等の記録と提供したケアの記録、加算等で必要な記録等様々な目的で書かれ、ケアの質に深く関わります。

例えば毎日のバイタル測定や食事量等日々の健康記録の場合、ただ記録するだけでは数字の羅列に過ぎません。しかし、前日や先月と比べて「以前とどう違うか」を比較し利用者の状態変化に気付くためには大変重要な情報なのです。普段の状態を知るためには普段の記録を積み重ねることが必要です。提供したケアについても、自分たちが行ったケアが利用者にどのような影響を与えたかは数日程度では何も分かりません。毎日の記録を積み重ねることで少しずつの変化に気付くことができるのです。こうした変化を見える形にすることで利用者の健康状態の把握や異常の早期発見にもつなげやすくすること、提供したケアを評価できる形にすることでさらに良いケアに修正していくことに役立てることができ、結果的にケアの質が向上することにつながります。

ケアの質の向上は、利用者の満足度だけでなく職員の自信、やりがい、離職率の低下にもつながります。つまり記録の意味を正しく理解して記録を活用していくことは利用者、職員、ひいては事業所の質全体を高め、安定した経営につながっていくのです。

このように記録は非常に大切なのですが、手書きで記録している場合は、過去の記録の振り返りが困難となります。もっと記録を活用していきたいのに記録や計画書の確認に手間がかかる等で活用できていないことが悩みであるという事業所がとても多いのではないでしょうか。記録の意味を理解し、必要な情報が詰まっていることがわかると記録の質も向上し、同時に記録確認のしやすくなることで過去の記録と照らし合わせ、利用者の状況をより細かく把握し、ケアの質にも繋がることに大いに役立つといえます。

ほかには、経営資料の作成においても膨大な情報を探してはExcel等に打ち込みグラフ作成する手間がかかりすぎて、重要であることは理解しながらも簡素なもので済ませてしまっている事業所も多いのではないでしょうか。

介護記録システムの機能次第では、介護計画書や過去の記録を用意に参照、出力できる、経営分析に役立つデータを手軽に検索、統合できる等記録を有効活用できる機能を備えています。

日々の業務で記録をさらに活用してほしい、経営に役立てたいという目標を介護記録システムが達成する機能を有しているかも介護記録システムの選択には大切です。

5.コストは事業所規模にあっているか

介護記録システムは、構築したいシステムや規模によって料金体系が大きく変わります。なるべく費用を抑えたいと考え、価格だけで導入してしまうと結果的にかかっているコストの割に想定した効率化に繋がらないことがでてきてしまいます。

先述した選定のポイントも踏まえ、介護記録システムの活用で自身の事業所の効率化を図りたい部分と範囲、必要な機能を整理してから、それをカバーできる介護記録システムを選ぶことが大切です。

介護記録システムで効率化したい部分や規模が大きいほど、初期の導入費用は当然高くなりやすいですが、中長期的にみて効率化によって期待できる生産性の向上、ケアの質の向上、人員不足の解消がシステム化したことによって軽減できれば結果的にトータルでのコストは低く抑えられることに繋がります。コストばかりを考えてとにかく安いものを選ぶのではなく、あくまでも目的はケアの質を向上させるために必要な業務効率化の手段として最適な介護記録システムを導入し、利用者、職員の満足度を高めることです。それが職員の離職防止につながり事業所の評価にもなります。

介護記録システムの選択にお悩みなら

介護記録システムを選択する際に知っておきたいポイントや、確認しておきたい機能については介護記録システムのメーカーによって対応の可否は色々と異なってきます。介護記録システムで多くの部分を業務効率化したいと考えるほど、それらすべてをカバーできる介護記録システムの選択に悩むことでしょう。

NDソフトウェアが提供している介護記録システム「ほのぼの」シリーズはタブレット操作が可能、スマホで情報共有ができる、記録・計画作成・請求まで多くの機能が一気通貫でできる等、前述のポイントをすべて踏まえており、多くのユーザーに好評をいただいております。サポート体制も充実しており導入や運用の悩みにも丁寧に対応していますので、選択にお悩みでしたらお気軽にご相談ください。

まとめ

介護事業所は施設サービスか在宅サービスかによって業務内容や規模も大きく異なるため、介護記録システムに期待する機能も異なり、それに伴い費用も変わってきます。

介護記録システムを選択する際に知っておきたいポイントを踏まえて事業所の現状を正しく把握し、事業所に合ったシステムを選択しましょう。

またパンフレット等で情報だけを見るだけでなく、実際にシステムをみて、システムに期待する効率化についてメーカーの担当者から話を聞きながら選定することが大事です。介護記録システムのメーカーの多くがデモに応えていますので、気軽に相談することをおすすめします。

NDソフトウェアの「ほのぼの」シリーズもデモの相談を受け付けていますので、お考えの際はお気軽にご相談ください。

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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