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NDSコラム

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介護ソフト選定時のよくある失敗5例と回避方法

2023/12/26

介護業務の効率化に役立つことを期待して介護記録ソフト導入をしたものの「もっとよく調べて導入すれば良かった」と後悔された方や、導入検討中で「全然決めきれなくて困っている」というお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。介護記録ソフトの選定や運用には準備段階から多くの時間、労力を要しますが、そのコストに見合った分の成果が出せなかったとなると多くの後悔が残ってしまいます。
しかし忙しい業務の中じっくりと選別する時間はない、またはベストな介護記録ソフトを選べるほどITに詳しい人がいないなどから、どれが良いのか決めきれずに躊躇してしまう方や、十分に情報を集める時間がないまま決めてしまった方も少なくないでしょう。
介護記録ソフトは非常に多くのメーカーがあり、選定に失敗しないポイントを抑えておくことが成功に導くコツです。
今回は、介護ソフト選定時のよくある失敗例と、その回避方法をご紹介します。

失敗例1:使用感を見ないまま決めてしまう

介護記録ソフト導入の検討を始めてどのソフトにするか検討する場合、最初はおそらくインターネットでの検索でしょう。見知った製品名で検索する、まとめサイトや比較サイトを見てから気になる製品を調べ、特長を見ることが一般的かと思います。

メーカーのサイトには製品の特長を丁寧に紹介してくれますので、非常に分かりやすいです。しかし「百聞は一見に如かず」のことわざ通り、その情報だけで判断、決定してしまうと失敗してしまう可能性が高くなります。製品の紹介画面や営業の話を見たり聞いたりしていると良さそうだったのに、実際に導入してみると使用感が想像と違った、運用の仕方がイメージ通りにいかなかったなど、想像やイメージと実際との間に大きくズレが生じ思うように運用できず、失敗してしまうことは少なくありません。

【回避方法】デモを必ず見る

介護記録ソフトの導入を成功させるためには、選定の段階から実際に体験することがとても大切です。メーカーの多くは無料デモを実施しており、製品の購入前に実際に触れてみることができます。紹介文からイメージした使用感と、実際に触ってみた実感のズレを正したり、運用のイメージをさらに具体的にしたりしていくことに大いに役立ちます。選定に時間的余裕があるのであれば、介護記録ソフトが多く出展する展示会に参加してみるのも有効です。事業所に合った介護記録ソフトの選定には、デモを見る、実際に触れてみることは欠かせないステップです。

ですが、時間がない場合は体験することもできませんし、展示会まで足を運ぶことも困難です。その場合でも製品紹介だけで決めてしまわずに、時間を節約しながら実際の使用感をイメージできる体験版や営業が訪問してくれるデモンストレーションなどで必ず触れておくことをおすすめします。

失敗例2:上層部だけで決めてしまう

介護記録ソフト導入は介護事業所や法人にとって大きなプロジェクトですので、プロジェクト委員には法人の役員層や事業所の管理職などの役職が参加している場合が多いでしょう。しかし上層部だけで決めてしまうと失敗しやすいです。

実際に現場が求めている業務改善と上層部が考える業務効率化の考えが乖離し、現場の職員からは「求めていたのはこれじゃない」という不満が噴出しやすくなります。その結果、必要最低限の記録しか書いてくれず作業効率に繋がらなかったり、結局手書きのままの運用を変えられないとなることもしばしばです。

【回避方法】実際に使う職員も選定に参加する

介護記録ソフトは実際に使うのは現場の職員たちです。便利か便利でないか、使いやすいか使いにくいかという判断は、現場での業務やケアにあたる職員と一緒に行うことが望ましいです。安いものではないので、当然経営層も入って選定が行われると思いますが、現場から見た使いやすさや求める機能、職場環境や業務の状況、職員の技術レベルやニーズに耳を傾けると同時に、導入する際にかかる費用について現場サイドに理解してもらうことも必要です。決して安いものではないからこそ、導入、運用を経てどのように業務効率化を目指し、ケアの質の向上にあててもらうかを意識した費用対効果を理解いただきながらお互い納得して選定することが大事です。

介護記録ソフトは導入することが目的ではなく、介護現場の負担軽減や時間削減などで効率化を図り、ケアの質や事業所の質を向上させる手段として活用することが最終的な目的です。経営層と現場の職員が参加すると、意見の食い違いや双方の希望を満たす製品を見つけるまで時間がかかりますが、実際に使う職員目線を大事にすることで、導入した後の使いこなしも早くなりますし、「すごく使いやすかった」という情報が共有されれば他の職員のモチベーションアップにもつながるでしょう。

忙しい日々の業務の中から現場の声を取り入れることや、選定に現場の職員にも参加してもらうことは容易ではありませんが、選定のための定例会議を設けて事前に予定を調整する、選定をスムーズにするために事前アンケート等で現場の声を集めておくことで少しでもスムーズに進められるよう工夫しましょう。

失敗例3:機能だけで決めてしまう

介護記録ソフトを機能だけを見て決めてしまうと、失敗につながってしまうケースがよくあります。介護記録ソフトには計画書や報告書の作成機能、グラフの作成機能など非常に多くの機能がありメーカーによっても違いがあります。選定の段階では多機能であることや先進技術を駆使している等の情報は魅力的に映ることでしょう。しかしそれだけで決めてしまうと結局、機能は豊富だが誰も使いこなせない、実際の現場の業務に活用することがない等の事態に陥ってしまいます。もっとシンプルで良かった。機能よりも使いやすいものにしてほしかったといった現場からの不満も噴出しやすい例です。

【回避方法】機能よりも効率化を実現する運用が可能かをチェックする

介護記録ソフトはどんな機能があるかよりも、導入して自分たちの業務が効率化したいもっとも大きな部分がどこなのかを見極めて、それを実現させることができるよう運用することが大切です。介護記録ソフトは様々な機能がありますが、それらをすべて使いこなそうとするよりも、いち早く業務に介護記録ソフトを活用し、業務の効率化を実感していくことがが最優先です。介護記録ソフトの導入始めは現場が新たな環境に馴染めていません。手探りで運用しようとすれば職員の疲弊は大きなものとなってしまい、結果的に導入したことで業務についていけなくなる職員が出てきてしまうおそれもあります。

そのような事態を回避するために重要なことは、メーカーのサポート体制です。

メーカーのサポート体制は各メーカーによって様々です。導入時のサポートを行っている、導入後も電話応対や訪問しての応対がある、緊急時でも対応してくれるなどサポートとひと言で言っても内容は変わってきますので、どのような形でサポートしてくれるのかを確認することは大切な要素です。

機能だけで選ぶのではなく、記録のしやすさや報告書等のフォーマットの見やすさ、見落としがちなサポート体制をメーカーが整えているかは必ず確認することをおすすめします。 もちろん機能面に目を向けるのは悪いことではありません。必要最低限な機能だけを持った介護記録ソフトを選定してしまうと、さらに効率化を図りたい時に機能が存在せず、ソフト自体を入れ替える必要が出てくる可能性があります。ゆくゆくはどこまで業務効率化に介護記録ソフトを活用したいのかを十分に考えた上で、それまでをしっかりサポートしてくれる体制が整っている介護記録ソフトメーカーを選ぶとよいでしょう。

失敗例4:1社だけで判断してしまう

即断即決は事業のスピード感には大切な要素ではあります。しかし介護記録ソフトの選定においてのそれは高いリスクを伴います。

「他の事業所で使っているという話を聞いたから」や「インターネットで検索して評判が良かったから」という判断基準だけで選定に十分な時間を取らず1社のみで決めてしまうと、事業所内に実際に導入した際に前評判通りにいかず「こんなはずじゃなかった」という事態に陥りがちです。

【回避方法】最低2~3社の話を聞く

介護記録ソフトの選定には1社を十分に吟味するのではなく、必ず最低でも2~3社の話を聞くことがおすすめです。

もちろん多ければ多いほど良いですが、介護記録システムソフトは非常に多くのメーカーがありますので、あれもこれもと手を伸ばしてしまうと10社以上が候補に挙がることもしばしばです。しかしそれでは選定に労力と時間を要してしまうため、これまでのチェック項目をもとに一次選定を行い、最終的に2~3社に絞ってデモを聞くとスムーズに進みます。

なぜ1社で決めてしまうのが危険かというと、介護記録ソフトにはメーカーごとに強み、弱みが存在するためです。自身の介護事業所に必要な機能を備えていたからだけで比較もせずに決めてしまうと、例えばサポート面が充実していないという弱みがあった場合、ITに強い職員がいない事業所にとって致命的なリスクになりかねません。

多くのメーカーの中から事業所に合ったものを選び、比較することにはどうしても労力を要しますが、それでも失敗を避けるためには必ず1社で決めずに複数のメーカーを選定し、実際に話を聞いてみる、提案を受けてみることが大切です。

失敗例5:金額だけで決めてしまう

よくある失敗例が、金額だけで決めてしまうケースです。介護記録ソフトにかかる費用は決して安くはありません。月額費用が必要なソフトや、使用権を購入するソフト、ソフトそのものを購入するなどメーカーによって必要な導入と運用の費用は違います。

初期費用の安さや、提示された金額を交渉し大幅に値下げしてくれたからなどと、金額が決定的な要素になってしまうと、先述したチェック項目を見ることができず、検討が不十分となってしまうでしょう。結果として事業所にとってベストな介護記録ソフトを導入できずに失敗を招いてしまうのです。

【回避方法】事業所に合った内容かを重視する

介護記録ソフトの導入に必要な費用は事業規模や運用の規模、さらにはサポート体制の充実度などで大きく変わってきます。

小規模の事業所で、なおかつITに詳しい職員がいるのであれば費用は比較的安価に抑えられるかもしれません。しかし実際に介護記録ソフトを活用して大幅に業務効率化を図りたいと悩む事業所は複数の事業所を展開している、中規模~大規模な事業所である場合が多いでしょう。その場合、選定に最も重視すべき要素は金額よりも事業所に合ったソフトであるかどうかです。また費用についても初期費用の安さだけで判断せず、1年使った場合、5年使った場合のランニングコストはどれくらいかかるかも考慮する必要があります。月額費用は毎月規模に応じて定額の使用料を支払い続けます。長い目で見た場合、初期費用が多くかかっても使用権購入やソフトの購入のほうが安く抑えられることもあります。

サポートの有無についても、サポートが充実しているほど保守料やサポート代で金額は上がってきます。だからとなるべく安いものを選んでしまうと十分なサポートが受けられず、いざという時に困ったり、法改正時にソフトが対応せず使い物にならないなど事業の運営に大きなダメージとなります。サポートにかかる費用は事業所の「いざ」に備えた保険料と考え、事業所の体制や職員のスキルに合わせてサポートに必要な工数と費用を照らし合わせ、判断できるでしょう。その他、介護分野だけでなく障がい分野にも対応しているか、事業所に合ったソフトにカスタマイズや設定ができるかなども費用に応じた業務効率化の成果としてあらわれやすいといえます。

決して安価ではない介護記録ソフトですので金額は大きな判断基準ではありますが、事業所に合ったソフトか、ランニングコストは適切か、サポート体制は整っているか、事業展開に応じた拡張性があるか。これらを希望通りにクリアする介護記録ソフトを見極めて選定することこそが最も重要です。

まとめ

介護記録ソフトを選定する際の失敗しやすいポイント5つとその回避方法についてご紹介しました。

介護記録ソフトは多くの種類がありますので選定に悩む方も多いと思われますが、気になるメーカーや詳しく知りたいメーカーにはまず話を聞いてみることが大切です。

NDソフトウェアはサポート専門のスタッフが導入時から導入後もしっかりサポートする体制が整っていることが大きな特長で、介護分野、障がい分野双方のサービスに広く対応しています。

無料のデモンストレーションも実施しておりますので、NDソフトウェアの介護記録ソフトを活用することでどのような業務効率化の実現が可能となるのかお気軽にお問合せください。

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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