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NDSコラム

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早期退職を防ごう!
介護における新人教育の心得を解説(その1)

2020/05/11

介護業界に新しく入ってきた新人さんには、事業所によって様々な新人教育や研修を行いますよね。でも一所懸命に教えたのに早期退職してしまって続く人が少ない…教えた分の時間を返してほしい!なんて意見もちらほら聞かれます。ですが新人さんにとっても、最初に受ける新人教育や研修はとても大事なスタートライン。そこでつまずいてしまっては続けるモチベーションが保てなくなってしまうのです。どうすれば新人教育や研修を効果的に行えるのか、そして新人さんが続けていけるようになるのか。新人教育でぜひ意識してほしい心得を解説します。

 

新人教育や研修の内容はどんなものがある?

介護の経験がない新人さんが介護職として働けるようになるには、十分な新人教育、研修が必要です。ひと言で新人教育、研修といってもその内容は非常に多岐に渡ります。どのような内容の教育、研修が行われるのかを見てみましょう。  

業務の流れを覚える

介護の仕事といっても、デイサービスや特養などの3~5交代のシフト制であったり訪問介護のような時間制であったりと、事業所の形態は様々です。中でもシフト制のところでは、各シフトにより業務内容や時間、曜日ごとにやらなくてはいけない仕事が変わるため、覚えるのは大変です。特に介護経験がない新人さんは施設業務と介護業務を両方覚えなくてはいけませんのでなおさらです。そのため、多くの介護事業所では新人教育の担当が一定期間新人さんを担当し、OJTとして業務の流れを教えています。  

介護技術

介護の仕事ですので、どのような業種であっても利用者に対して何かしらの介護サービスを提供する必要があります。食事、排せつ、入浴の生活三大介護から、移動、移乗、ベッドからの起き上がりなど非常に多くの介護技術を覚える必要があります。この技術をしっかり教えられないと、身体を痛めてしまったり、事故を起こしてしまったりと新人さんが続かない原因を作ってしまうことになります。  

介護保険制度

要介護認定の仕組みから、要介護度の説明、利用者がどういう経緯で介護サービスを使っているのか、介護保険制度上自分たちが行わなくてはならない仕事とはどういうものなのか。そういった介護保険制度を最初にしっかりと教えている事業所もあるようです。どちらかというとOFF-JTが多いようですね。  

理念教育

事業所がどういう介護方針で利用者と接しているのか、そのために守らなくてはならないことは何なのか。といった事業所や法人の理念教育をまず教えているところも多く聞かれます。事業所の統一目標を達成させるためには、同様の目的意識を持つことが必要です。そのために事業所や法人の理念を理解しておく必要があるということですね。  

接遇・ビジネスマナー

介護職は様々な人と接する機会が多い仕事です。同じ事業所の職員や利用者はもちろんのこと、利用者の家族とも連絡を取り合う必要もあります。さらに他事業所の看護師や医師などの医療職やケアマネージャー、関係業者など非常に多いのです。その際にトラブルを招かないように必要になるのが接遇やビジネスマナーです。特に若い新人さんは電話の応対や敬語などが不慣れな方が多い傾向があります。別の業界の経験がある年代の方でも、利用者さんやその家族さんとの話し方は不慣れな方は多く見られます。一人の職員として応対できるようになるため、接遇・ビジネスマナーを新人教育で行うのですね。  

記録

介護業界や医療業界は記録が非常に重要な意味を持ちます。自分たちが行ったケアの証拠にもなりますし、目標達成のために活用するツールでもあるからです。介護業界に初めて入ってきた新人さんは、記録というものの存在意義がまだ理解できていません。記録がなぜ必要なのか、どのような記録が必要なのかを新人教育や研修でしっかりと行う必要があるのです。  

専門知識

利用者とひと言で言っても持っている病気や障害などによって対応方法は全く違ってきます。声をかける行為ひとつ取っても、認知症があるかどうかで気を付けるべきポイントは変わってくるのです。また、感染症などの知識と対策も覚えておく必要があります。 その専門知識がないまま介護業務にあたると思わぬトラブルや事故を招きかねません。そこで介護業界でよく触れるであろう疾病の特徴や感染症の基礎知識などを研修の段階で教える必要があります。   新人教育介護  

新人教育、研修にまつわるよくある話

介護業界の新人教育や研修でよくある話とはどのようなものでしょう。比較的よくある話がやはり、研修の効果が思うように出ないことです。新人さん、教育担当と共に困惑してしまう場面が多く見られます。 一例を挙げてみました。  

担当が日替わりで、言ってることがバラバラ

決まった教育担当がいない場合、新人さんはその日の職員に付いて教わることになります。その際に「あの人と言ってることが違う」となるケースが非常に多く聞かれます。新人さんが困惑してしまう最たるケースです。  

教え方は「見て覚える」

特に介護技術の面で多く聞かれますが、新人さんが職員について仕事を教えてもらおうとしても「こうやるんだよ」と動きだけを見せられるケースです。新人さんはよく分からないまま動きだけを真似ることになります。もちろん、上手くいかないことのほうが多いです。  

教える時間が短い

人手が足りない事業所は、新人教育に割ける時間がそう多くない場合が多いです。新人さんに早く一人立ちしてもらうために各業務内容を一度説明したら、そこからは新人さんが一人でやらなくてはならないといった話も聞きます。覚えることがいっぱいですので、新人さんは覚えきれず、ミスを繰り返してしまいます。  

「分からないことは?」と聞いても分からないことが分からない

教育担当が新人さんに唐突に「分からないことはある?」といったことを聞くのですが、新人さんから特に返事が返ってこない場合があります。それは、「分かっている」のではなく「分からないことだらけで、何が分からないことなのか具体的に分からない」状態です。おそらく今日一日教えたことは新人さんには響いていません。  

新人さんからの質問に教育担当が答えられない

もちろん新人さんから教育担当者に質問されることも多々あります。その際に起こってしまう場合があるのですが、教育担当自身が質問に答えることができない場合があります。新人さんは満足な理解が得られず困惑します。これは、教育担当自身が「見て覚える」を受け継いできた場合に多く発生します。   次回はこちらの続き「早期退職を防ごう!介護における新人教育の心得を解説(その2)」をおおくりします。 新人教育、研修の成功例と失敗例や新人さんを育てるための新人教育担当の心得についての内容になりますのでお楽しみに!  

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当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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