NDSコラム

仕事 2020/06/11
心身に快適な入浴のために!
入浴介助の手順や注意点を解説(その2)

介護職は、利用者の心身の状態に応じてシャワー浴や個別浴、機械浴といった入浴方法を提供し、安心、安全な入浴介助に努める必要があります。適切な入浴介助を行うことができれば、利用者は清潔が保持できるだけでなく、心身のケアにも繋がることが期待できます。今回は、利用者が気持ちよく入浴できるために介護職が知っておきたい入浴介助の手順や事故防止のために気を付けたい注意点を解説します。「心身に快適な入浴のために!入浴介助の手順や注意点を解説(その1)」の続編です。是非あわせてお読みください。

入浴方法に応じた入浴介助の手順

注意点を守ったうえで、利用者の状態に応じた入浴方法別の入浴介助手順は以下の通りです。
 

 

普通浴(個別浴・一般浴など)

① 脱衣室から浴室へ移動します。介護職は移動を邪魔しないようになるべく利用者の後方へ立つようにしましょう。マヒがある利用者の移動には転倒予防のため必ずマヒ側に立つようにします。
 
② シャワーチェアに座ります。座る前にシャワーチェアにお湯をかけ温めるようにしましょう。座ったら座位が安定しているかどうかを確認します。
 
③ かけ湯で体を温めます。シャワーの温度が適切か利用者の手で確認してもらい、介護職員の手を介して利用者の全身にシャワーをかけ温めていきます。かけ湯の順序は末梢(指先)から中枢(体の中心)の順です。心臓への負担を軽減することができます。
 
④ 頭、体を洗います。利用者が自分の力を最大限使えるように、できるところは洗ってもらうようにしましょう。介護職は洗い残しがないかを確認し、できないところ、不十分なところを介助します。お尻を洗う時は立ち上がる必要があるため転倒に注意します。
 
⑤ 浴槽に入ります。またぐ際に片足立ちになるため転倒に十分注意します。マヒがある方は浴槽のフチにイスを置いて座ってもらい、健康な側から入ってもらい、マヒ側を職員が介助することで安全に入浴することができます。浴槽に入ったら体が浮いてこないように手すりや浴槽のフチを持ってもらうようにしましょう。
 
⑥ 5~10分で上がってもらいます。急激に立ち上がると立ちくらみなどを起こしやすくなるため、ゆっくりと体を起こしてもらいます。一旦浴槽のフチに腰かけてもらえば安全に上がることができます。
 
⑦ 脱衣場へ移動し、十分に水気を乾かしたうえで服を着ていきます。体調確認と水分補給を忘れないようにしましょう。
 

シャワー浴

 

 
① 脱衣室から浴室へ移動します。移動が困難な場合は車いすで浴室に入りシャワーチェアへ移乗する方法や、キャスター付きのシャワーチェアに移乗して脱衣室から浴室へ移動する方法などがあります。
 
② かけ湯を行っていきます。シャワー浴の方は浴槽へ浸かることがないため、十分に体を温めることができるようやや長めにかけ湯を行いましょう。
 
③ 頭、体を洗っていきます。普通浴と同じく、利用者自身でできるところはなるべく自分で洗ってもらいます。お尻を洗う際に立位が困難であれば、体を傾けてお尻が半分浮いた状態にすれば介助しやすくなります。
 
④ 再度かけ湯を十分に行い脱衣室へ移動します。体が冷えやすいため手早く乾かすようにしましょう。
 

機械浴

 

 
機械浴は寝たままで入るストレッチャータイプやシャワーチェアに乗ったまま入るタイプなど色々なものがあります。一般的な機械浴としてストレッチャータイプの介助方法を解説します。
位が困難であれば、体を傾けてお尻が半分浮いた状態にすれば介助しやすくなります。
 
① 車いすなどで脱衣室へ移動し、服を脱いでいきます。マヒのある方の着脱は「健康な側から脱ぎ、マヒ側から着る」という「脱健着患」が原則です。
位が困難であれば、体を傾けてお尻が半分浮いた状態にすれば介助しやすくなります。
 
② ストレッチャーへ移乗を行います。利用者の状態に応じた移乗方法で行います。この際にストレッチャーのストッパーがしっかりとかかっていることを必ず確認してください。ストレッチャーが動いてしまうと転落などの事故に繋がります。ストレッチャーへ移動したら手足が適切な位置にあることを確認し、安全ベルトを装着します。
位が困難であれば、体を傾けてお尻が半分浮いた状態にすれば介助しやすくなります。
 
③ かけ湯を行います。コミュニケーションが可能であれば必ず湯音を確認してもらいましょう。困難な場合は介護職の二の腕あたりで適温かを確認するようにしましょう。
位が困難であれば、体を傾けてお尻が半分浮いた状態にすれば介助しやすくなります。
 
④ 頭、体を洗っていきます。ストレッチャータイプは仰向けの状態で洗うことが多いため、特に髪を洗う際は顔や耳に水が入らないように注意します。介護職の手で耳を覆う、利用者の目にタオルをかけるなど工夫すれば防ぐことができます。背中を洗う際などはベルトを外して利用者に横を向いてもらう必要があります。転落を防ぐために、必ず職員がいる側へ向いてもらい介助を行うようにしましょう。
位が困難であれば、体を傾けてお尻が半分浮いた状態にすれば介助しやすくなります。
 
⑤ 浴槽へ入っていきます。ストレッチャーが下降するタイプや浴槽が上昇するタイプがありますが、機械の動作時には必ず、安全ベルトを装着できているか、ストレッチャーのストッパーがかかっているかを確認してから操作を行います。また、利用者の手足が巻き込まれることがないよう軽く押さえておくなどの注意が必要です。
位が困難であれば、体を傾けてお尻が半分浮いた状態にすれば介助しやすくなります。
 
⑥ 寝たままの状態で浴槽に入ることで浮力の影響を強く受けます。安全ベルトをした状態でも利用者の体は動きやすくなっているため、浴槽へ入ったら介護職は目を離さないようにしましょう。
位が困難であれば、体を傾けてお尻が半分浮いた状態にすれば介助しやすくなります。
 
⑦ 5~10分で上がり、最後にかけ湯を行います。脱衣室へ移動して、手早く水気を拭き取っていきましょう。利用者は皮膚が弱いため、ゴシゴシとこするのではなくポンポンと軽く叩くように拭き取っていくとよいでしょう。
位が困難であれば、体を傾けてお尻が半分浮いた状態にすれば介助しやすくなります。
 

まとめ

入浴は利用者にとって大きな楽しみであり、入浴はリラックス効果やリハビリなど心身のケアに大きな意味を持ちます。
その一方で入浴介助には事故のリスクが高く、利用者の体調管理や状態の把握が不十分だと重大な事故を起こしうる側面もあります。暑くなってくるこれからの季節に快適に入浴していただけるよう、普通浴やシャワー浴、機械浴といった利用者の状態に応じた入浴方法と注意点を守った適切な入浴介助を提供しましょう。

 
※コラムの内容については、掲載当時のものです。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
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