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梅雨の時期の介護事故を防ぐためのリスクマネジメント(2)

2020/06/04

6月~7月頃の梅雨の時期は雨が多く、すっきりとしない天気が続きます。そんな梅雨の時期は介護施設で起こる色々な事故について注意が必要な時期でもあります。事故を予防するためのリスクマネジメントが不十分だと利用者の生命に関わる重大な事故に繋がるおそれもあります。

そこで今回は梅雨の時期に起こりやすくなる介護事故と予防するためのリスクマネジメントについて解説します。「梅雨の時期の介護事故を防ぐためのリスクマネジメントについて解説(その1)」の続編です。是非あわせてお読みください。

介護事故,
ヒヤリハット,転倒事故,介護記録

梅雨の時期の介護事故を防ぐためのリスクマネジメント

梅雨の時期をはじめ、介護事故を防ぐためには事故に繋がるかもしれない状態をいち早く把握して対策を講じるためのリスクマネジメントが必要です。そのためには梅雨の時期に起こりやすい事故の特徴を認識して予防に努めることのほか、介護事故には至らなかったが「ヒヤッとした」「ハッとした」ことを共有するためのヒヤリハットの活用や、利用者の日々の健康状態を把握するための介護記録、介護職間の情報共有を密にすることが重要です。

転倒事故は床をしっかりと乾燥した状態にする

梅雨の時期に起こりやすい転倒事故の多くは床が濡れていることによるものです。
職員は「床が濡れている」と認識して対応できたとしても、足もとが見えにくい、歩行に障害がある高齢者はそれに気付けず転倒事故に至ってしまうためです。転倒事故を防ぐためには、床が乾燥している状態を保つことが必要です。新型コロナウイルス対策で床を消毒液などで清掃している、普段の清掃で水拭きをしている介護施設は、湿式清掃のあとに乾いたモップや雑巾で乾式清掃を行うことが重要です。介護職は特に問題ないことであったとしても、高齢者なら転倒事故に至るかもしれないという「~かもしれない」を意識するようにしましょう。
そのほかにも、職員が出勤する際の靴をそのまま介護施設内でも使用しているケースがありますが、雨の日などは濡れた靴底が廊下を濡らすことになってしまいます。極力は施設内外の靴は分けたほうがよいでしょう。

脱水症や低ナトリウム血症は
発汗状態と水分量の把握をする

介護施設などで暮らす高齢者は普段から私たち以上に活動している方はあまり多くありません。そのため脱水状態になっていたとしてもひと目では分かりにくい状態であることもしばしばです。
特に脱水症や低ナトリウム血症が心配される梅雨の時期や夏においては、利用者一人ひとりの水分摂取量を把握する、汗を異常にかいているかもしくは全く汗をかいていないといった発汗状態の把握が必要です。脱水症、低ナトリウム血症は意識の混濁が見られるため、利用者の意識レベルが正常であるかを適宜把握して介護記録に残しておくとよいでしょう。

食材は使い切る、冷凍する、
よく洗い火を通して食中毒を防止する

梅雨の時期は高温多湿の影響で細菌が増殖しやすいため、食材や料理が傷みやすい状態です。
細菌が種類によっては冷蔵保存でも死滅せず増殖できるため、冷蔵庫に入れておいたからといって鮮度が良い状態を保ち続けるのは困難です。食材は可能な限りー18℃以下で冷凍保存するか、必要最低限の食材を買い、早いうちに使い切るとよいでしょう。
また調理の際は腸炎ビブリオやカンピロバクターなどの細菌が肉や魚に付着している場合があります。これらは流水でしっかり洗い火を中心まで通すことによって死滅しますので、調理前に食材を水で洗い、必ず火を通すようにしましょう。

定期的にシーツ類を交換し、寝具をなるべく乾燥させる

疥癬などを防ぐために、寝具はなるべく清潔なものを使用することが望ましいです。シーツ類を最低でも1週間に1回は交換するようにしましょう。マットレスや布団などは天日に干すと乾燥できて良いのですが、季節的に梅雨の時期は干すことが困難な場合が多いです。可能であれば布団乾燥機を使うと雨の日であっても寝具を乾燥させることができるため効果的です。ない場合でもベッドに敷きっぱなしにするのではなく定期的に立てかけて干すと湿気がこもることを防げるでしょう。

利用者の皮膚状態を観察する、清潔で乾燥した状態を保つ

オムツかぶれや皮膚疾患を防ぐには、利用者の皮膚状態を適宜観察することが必要になります。特にオムツかぶれは、介護職がオムツを当てる際に摩擦させてしまうとすぐに発生してしまいます。正しいオムツの当て方を学ぶことももちろん重要ですが、オムツによって蒸れた状態を作らないために交換のたびに清潔な濡れタオルなどで清拭を行い、乾いたタオルで軽く拭いて湿気が残らないようにすることが特に重要になってきます。水虫を予防するためには、入浴後は指の股はしっかりと乾燥するまで靴下を履かないようにする、就寝時には必ず靴下を脱いでもらうことが必要です。
その他の利用者においても入浴時や更衣時に皮膚の異常がないかを観察し、介護記録に残しておくと職員間で共有できるため有効です。必要に応じて画像で残しておけると文字で伝えるより分かりやすく、手間もかからないために有効です。「Care Palette」は画像としても残せるほかにもそのまま記録としても使えるため業務の手間が省けて便利です。

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職員間の情報共有は正確に、確実に

換気のために窓を開けることは必要なことですが、誰が、いつ、どこの換気を行ったかの情報共有ができていないと、利用者が外へ出てしまうという事態に繋がります。予防のためには情報共有を確実に行う必要があります。その日勤務している介護職間で確実に情報を共有するためには申し送りノートなどを活用することが考えられますが、出勤時に確認したらそれからの情報は申し送りノートなどに書いたとしてもなかなか共有されないのが実情ですが、タブレット端末を使ったデジタルインカム「ほのぼのTALK++」を使うと新しい情報でも全員で共有できるため有効です。

まとめ

梅雨の時期に介護施設で起こりやすい事故と、事故を防ぐためのリスクマネジメントについて解説しました。雨が多く、高温多湿になる時期は床が滑りやすく転倒事故に繋がりやすいほか、オムツかぶれなどの皮膚疾患、脱水症状や食中毒といった利用者のQOLや生命に直結する事故が起こりやすい特徴があります。それぞれの特徴を把握したうえで職員全員がリスクマネジメントに努めるためには常日頃の適切な管理のほか、タブレット型端末やデジタルインカムを用いた利用者の観察記録や職員間の情報共有が非常に効果的でしょう。介護施設全体で事故予防に努めるためにぜひ参考にしてみてください。

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当コラムは、掲載当時の情報です。

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