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梅雨の時期の介護事故を防ぐためのリスクマネジメント(1)

2020/06/01

6月~7月頃の梅雨の時期は雨が多く、すっきりとしない天気が続きます。そんな梅雨の時期は介護施設で起こる色々な事故について注意が必要な時期でもあります。事故を予防するためのリスクマネジメントが不十分だと利用者の生命に関わる重大な事故に繋がるおそれもあります。そこで今回は梅雨の時期に起こりやすくなる介護事故と予防するためのリスクマネジメントについて解説します。

梅雨の時期に起こりやすくなる介護事故

雨が降ったり曇りがちだったりと、すっきりとしない天気が続く梅雨の時期は、気温と湿度が高くなります。そのような状態で起こりやすい事故には以下のものがあります。  

転倒事故

梅雨の時期は湿気が高いため床が水分を多く含みやすく、滑りやすい状態です。高齢者は筋力の低下や関節の拘縮により歩行時に足が上がりにくく、かつ小刻みな歩行のため床を滑るような歩行になりがちです。居室や廊下が濡れている状態だと、軽く滑っただけでもバランスを崩しやすくなり転倒事故に至ります。   介護事故,
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脱水

高温の環境では、体温の上昇を防ぐため人間は汗をかき、気化熱によって体温を下げようとします。しかし高温多湿の状態では湿度が高いので、周りに水分が多い状態になるため気化熱の作用がうまく働きません。その結果体が余計に汗をかき、水分が不足する状態に陥る状態や、体の中の電解質のバランスが崩れて水分中のナトリウムが低くなるという低ナトリウム血症に陥ることもあります。いずれも命を落とすこともある危険な状態で、特に高齢者は自律神経のコントロールが働きにくくなるため危険な状態に陥りやすいです。  

食中毒、カビ

気温、湿度が高い環境は、細菌が増殖するのに非常に好条件となっています。そこに食材や皮脂汚れなどの栄養素があると、細菌は増殖を始めます。細菌が増殖した食物を経口摂取してしまうと、食中毒を引き起こし、腹痛、嘔吐や下痢といった症状が現れます。症状によって、高齢者は脱水症状に陥ることもあり、生命に危険が生じます。また、施設内が不潔な状態だとそこからカビが発生しやすくなります。気管支疾患などの疾病がある利用者はカビの胞子を吸い込んでしまうことによって喘息や肺炎などの症状を引き起こす恐れがあります。やはり生命に危険が生じる状態ですので注意が必要です。  

オムツかぶれ、皮膚疾患

オムツ対応の方の排泄物を長時間交換できない状態になると、オムツ内は非常に蒸れた状態になります。すると皮膚がふやけてオムツや寝具などの摩擦で皮膚がかぶれてしまいます。これがオムツかぶれです。特に高温多湿の梅雨の時期になると介護施設で頻繁に発生しやすくなります。
そのほかにも蒸れることで引き起こしやすいのが皮膚疾患です。特に代表的なのが水虫です。介護施設は日中に靴下、靴を履いて長時間過ごす場合が多く、足もとが蒸れやすい状態といえます。その結果足の指の股がふやけて破れ、細菌が繁殖することで水虫になってしまうのです。
もうひとつ、高温多湿の状態で発生しやすいのが疥癬(かいせん)です。疥癬とは、高温多湿の環境でヒゼンダニなどのダニが大量発生し、皮膚に寄生することで強い痒みが生じる状態です。布団の中の皮脂汚れや髪の毛などを栄養に繁殖するため、梅雨の時期に寝具や寝衣を長期間交換せず不潔な状態にすることで発生しやすくなります。 水虫や疥癬は人から人へと感染しますので、注意が必要です。このような症状が出ている場合は、医師や医療機関への診察を受けましょう。  

離設

梅雨の時期に起こりやすい介護事故として、利用者が施設から出てしまう「離設」があります。梅雨の時期は真夏に比べ比較的気温が低いことがあり、介護施設内の換気として窓が開け放たれている環境になっていることが多いのです。どの場所の窓を何時に開けた、何時に閉めたといった情報共有が職員間で有効に行われなかった場合、職員が気付かない間に利用者が外へ出しまうといったことや、開けた職員が退勤してしまったために誰も気付かず、夜間でも開きっぱなしになった結果離設に至るケースもあります。歩行に障害がある方や認知症の方は交通事故に遭うおそれもあるため細心の注意をしながら防ぐ必要がある介護事故です。
次回はこちらの続き「梅雨の時期の介護事故を防ぐためのリスクマネジメントについて解説(その2)」をおおくりします。梅雨の時期の介護事故を防ぐためのリスクマネジメントの内容になりますのでお楽しみに!

当コラムは、掲載当時の情報です。

 

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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