NDSコラム

仕事 2020/07/27
介護施設や介護事業所の職員に
給付される慰労金について解説

新型コロナウイルス感染症は今もなお収束する兆しを見せず、全国に疲弊感が見えていますね。そんな中、今もなお医療従事者は最前線で感染拡大防止に努めています。東京都ではブルーインパルスの感謝飛行を行うなど、医療従事者を元気づける動きもありましたね。さらに、感染拡大防止に努める医療従事者に「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)」として慰労金を給付することも話題になりました。

そして先日、介護施設や介護事業所も重症リスクの高い高齢者への感染拡大予防に努めていることから慰労金が給付されることが決定しました。この慰労金とはどのような方が対象で、どのように給付されるものでしょう?
今回は介護施設や介護事業所に給付される慰労金について解説します。
 

介護施設や介護事業所に支給される慰労金とは?

この度の慰労金とは、厚生労働省が「介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業等及び職員に対する慰労金の支給事業」として打ち出した支援策のひとつです。
介護サービスは高齢者やその家族の生活を支えるために必須であり、高齢者の健康を守るために欠かせないサービスです。今後も感染拡大防止策に努めながら事業継続していけるよう必要な環境整備などを行えるよう支援するとともに、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めてくれた介護事業所、介護施設に対して慰労金を給付するというものです。
支援策は3つで、
 

①感染症対策支援事業

新型コロナウイルスの感染予防に努めながら、今後も介護事業を継続していけるように必要な物品や感染拡大防止のための環境整備、ICT導入支援などの必要な支援を行うものです。
 

②サービス再開に向けた支援

今もなおサービスの利用を休止している利用者のサービス利用再開に向けてアセスメントやニーズ調査、サービス調整などに係る費用などを支援するというものです。
 

③介護施設・事業所に勤務する職員に対する慰労金の支給

新型コロナウイルスの感染発生や濃厚接触者に対応した介護事業所や介護施設に勤務し対応を行った職員に対して20万円を支給し、感染者や濃厚接触者がいなくても感染予防に努めたとして、その他の事業所に勤務する職員には5万円を支給するというものです。20万円が給付される対象者は、通所介護や施設介護などは感染者や濃厚接触者の発生日以降に勤務した者が対象です。また、訪問介護事業所については新型コロナウイルスの感染者、濃厚接触者に対し直接サービスを提供した訪問介護員が20万円支給の対象者となります。
 
つまり、多くの介護事業所や介護施設に勤務する職員が5万円、最大で20万円の給付を受けることができるのです。また、この慰労金は非課税対象ですので税金はかかりません。非常にうれしいですね。
 

慰労金の給付対象の介護施設や事業所とは?

感染予防に努めた介護施設、介護事業所で勤務した職員が慰労金の給付対象となり、対象は特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護施設系サービスや訪問介護、デイサービス、ショートステイなどの居宅サービス、グループホームや小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスといった介護保険の全サービス以外にも有料老人ホームや養護老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの特定施設入居者生活介護サービスも広く対象となりますが、対象外となる場合もあります。この度の慰労金は利用者と接する機会が多いとされる介護施設、介護事業所が対象となっています。つまり、物理的に高齢者と関わらない業種においては残念ながら対象外となります。例としては完全に隔離された場所で事務作業のみを行う事務員や、業務として高齢者と顔を合わせる機会のない福祉用具レンタル事業所などは給付の対象外となってしまう場合があります。もちろんレンタル事業所等であっても高齢者と接する機会がある場合はその職員は支給の対象となりますので確認が必要です。
 

慰労金の給付対象の職員とは?

慰労金の給付対象となる職員とは、介護職だけに限らず「その施設や事業所に勤務し、利用者と接する機会のあるすべての職員」とされています。
つまり介護職以外でも運転手や看護師、調理員などであっても利用者と接する機会があった人はすべて対象になります。
また雇用形態にも特に定めはなく、常勤非常勤は問いませんし派遣や業務委託契約で勤務する者もこの度の慰労金の給付対象となります。しかし、残念ながらボランティアさんはこの度の慰労金の給付対象外です。
 
「利用者と接する機会」とは単に身体介護のことを指すのではなく同じ空間で過ごす、顔を合わせて話すなども機会として対象になりますので、介護職員以外にも多くの職員が慰労金の給付対象になるのです。
 
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慰労金が給付される対象期間

慰労金の給付対象の条件としての期間が指定されています。
各都道府県によって変わりますが、勤務する事業所の所在地の都道府県で感染1例目が出た日か、クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の乗船者の受入日のうち早い方を1日目として6月30日までを対象期間としています。また、岩手県は公式では感染者が0となっているため全国的に緊急事態宣言が出され、岩手県も対象となった4月16日からを対象期間としています。
 
対象期間内に「10日間以上勤務した職員」が慰労金の支給対象となります。この10日間の考え方はあくまでも勤務に従事した日数のことであり、短時間勤務など時間数は問わないものです。また対象となる複数の事業所にまたがって勤務した者も、合算で10日以上であれば問題ありません。
 
産休や育休、年次有給休暇など実質勤務していないものについては日数の対象外となりますのでご注意ください。
 

慰労金の申請方法はどうする?

この度の慰労金は各職員個人ではなく介護施設や事業所が対象者をとりまとめ、都道府県に申請することが基本となります。
まず、雇用されている職員や派遣、業務委託で勤務している職員についても同様に、勤務先である施設や事業所に「代理受領委任状」を提出します。これはいわば「事業所が一旦私たちの代わりに一括で慰労金を受け取ってください」とお願いするものですね。そして委任を受けた事業所は「慰労金受給職員票」をまとめ、都道府県に給付申請します。
この代理受領委任状や慰労金受給職員票は詳細が決まり次第、各都道府県で発表するとのことですので詳細を待ちましょう。厚生労働省が例として挙げている様式がありますので参考にしてみてください。
 

令和2年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)に係る交付申請書はコチラから >>>
 

事業所は、不正受給などを防ぐためにも提出された代理受領委任状や作成した慰労金受給職員票を適切に保管する必要があります。また、職員に支給を行った際はその日付と金額を慰労金受給職員票に記入する必要があります。
都道府県からの支払い方法は各都道府県が定める方法によるとされていますが、各法人の口座に振り込まれることは決定しております。支払い元が国保連になるかどうかは現状ではまだ明確にはなっていませんが、公設である地域包括支援センターや養護老人ホームは申請は事業所で行いますが給付は職員ごとに振り込み口座を記載して申請し、都道府県が直接給付するものとしています。
 

退職者は慰労金を受け取れない?

さて、ここまでは介護事業所や介護施設に従事する職員を対象に給付される慰労金について解説してきましたが、では新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者が発生している事業所で従事していた、緊急事態宣言中に勤務していたが現在では退職や離職をしてしまった方の場合、この度の慰労金はどのような扱いになるのでしょうか。
 
ご心配はいりません。現在退職してしまった方でも対象期間と対象者に該当していれば慰労金の給付対象となります。
申請方法は、給付対象となる事業所に申請を委任する方法と、直接都道府県に申請する方法があります。
どちらの場合でも対象事業所で従事していた勤務期間の証明書を取得する必要があり、申請した事業所や施設等で適切に保管する必要があります。事業所や法人に問い合わせてみるとよいでしょう。
 
対象要件を満たしているが現在は廃業してしまった法人、事業所に従事していた場合は都道府県が直接給付を行うとしています。該当する方は都道府県に直接申請する必要があります。申請方法については詳細が決まり次第確認してみましょう。
 

医療保険と介護保険 両方の指定を受けている事業所はどうすればいい?

このたびの慰労金は医療保険指定事業所、介護保険指定事業所において新型コロナウイルス感染症の拡大防止に努めた者への慰労として支給されるものです。
では、医療保険と介護保険の両方の指定を受けることの多い訪問看護ステーションなどに従事する職員は、両方から慰労金を受け取ることができるのでしょうか。
 
答えは、残念ながらできません。
この慰労金は同一人物が複数回の給付を受けることは禁止されています。そのため複数の事業所にまたがって勤務している職員はいずれかひとつの事業所で申請しなくてはなりません。訪問看護ステーションのような医療と介護、両方の指定を受けている事業所においては医療分か介護分、いずれか一方で申請することとされていますので注意しましょう。
 
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まとめ

介護サービスは高齢者やその家族の生活を守るために今や必須のサービスです。さらに高齢者は新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクが高いとされているため、介護施設や介護事業所で従事している職員は様々な感染予防対策を行いながらも高齢者の安全を守っています。今後も必要とされる介護サービスを継続していくために厚生労働省は支援策のひとつとして介護施設や事業所に勤務する職員への慰労金の給付を行います。
対象職員は介護職に限らず利用者と物理的に関わる職員が広く対象となります。非課税対象ですので、これからも利用者の健康と安全を守る介護の仕事を続けていくために気兼ねなく有意義に使いましょう。
 
参考URL:
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)のうち
新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業の実施について

「介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業等及び職員に対する慰労金の支給事業」について
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分) に関するQ&A(第1版)

 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
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