NDSコラム

健康 2020/07/30
高齢者の熱中症に注意!
予防に効果的な対策や食事について解説

本格的に夏が近づき、そろそろ暑さも本格的になりそうですね。昨今は最高気温が40℃に達するところも出るなど、全国的に夏の暑さは厳しい傾向があります。そんな時に気を付けたいのが熱中症です。特に高齢者の熱中症になりやすく場合によっては命さえ落としかねない危険な症状です。
熱中症を予防するには環境整備や適切な体調管理がとても重要です。そこで今回は熱中症を予防するために気を付けたいポイントや、熱中症予防に役立つ食事について解説します。

熱中症とはどんな症状?

熱中症とは、体温が上昇することで体内の水分や塩分のバランスが崩れたり体温調節機能がうまく働かなくなったりすることで起こる病気です。
長時間熱い場所にいることで体温が上昇すると、人間は体温を下げるために汗をかきます。
汗が蒸発する際に気化熱という作用により体温を下げる働きをしているのです。汗の中には水分のほかに塩分やカリウム、水溶性ビタミンという水に溶けやすいビタミンも同時に流れ出しており、それらが多量に失われることによって脱水症状や低ナトリウム血症をはじめ、体に様々な影響を及ぼすのが熱中症なのです。重度の場合は死に至ることもあります。
 
熱中症の症状には以下のようなものがあります。
 
・めまい、立ちくらみ
・手足のしびれ
・筋肉のけいれん、こむら返り
・気分不良
・体のほてり
・異常な発汗、または汗をまったくかかない
・頭痛、吐き気
・強い発熱
・けいれん
・倦怠感や虚脱感
・意識障害
 

高齢者は熱中症になりやすい

一般的に熱中症とは、炎天下で長時間過ごすことで起こりやすいイメージがありますが、実は熱中症は65歳以上の高齢者の室内で熱中症になってしまうケースのほうが多いです。
その理由には以下のことが考えられます。
 

暑さを感じにくい

高齢者は加齢とともに暑さを感じにくくなる傾向があります。熱のこもった室内に長時間いて体内の温度が上昇したとしても、それを自覚できないがために気付かない間に熱中症に陥ってしまうのです。
 

脱水を起こしやすい

高齢者は加齢の影響で体内の水分量が減少します。つまり、若年層と同量の汗をかいた場合、水分量が少ない高齢者のほうが体内の水分が不足する状態になるということです。これにより高齢者は脱水状態に陥りやすくなり、結果として熱中症にかかりやすくなるのです。
 

熱中症が重度化しやすい

熱中症は軽度であれば症状は目まいや立ちくらみなどですが、高齢者の場合は体内の熱が上昇していることに気付きにくいことに加え、細胞内の水分量も減少しています。そのため、熱中症の影響により腎障害や脳血管疾患などの症状を併発することがあります。つまり高齢者の熱中症は命に関わる状態になりやすいのです。
 

冷房などを適切に使用できない

高齢者は暑さを感じにくい、認知機能の低下により計画立った行動が取りにくい、ADLが低下しているなど様々な理由で適切に冷房などの空調機器を使用できず、室内環境に熱がこもりがちになる場合があります。一人暮らしの高齢者が熱中症で緊急搬送されるケースが多いのはこうした影響もあります。
 

必要な栄養が不足しやすい

夏になり暑くなってくると私たちも食欲が減退してきます。高齢になると一日の食事摂取量は少なくなる傾向があるため、体内に必要な栄養素も少なくなりがちです。その影響でエネルギーの交換効率が落ち代謝がうまく働かない、疲れが取れにくい、電解質が不足するなどといった状態になりやすく、結果熱中症になりやすくなってしまうのです。
 

熱中症の予防対策とは?

 
高齢者の熱中症を予防するために普段の生活で気を付けるべきポイントは以下の通りです。
 
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こまめに水分と塩分を補給

体温を下げるために人間は汗をかきますので、汗を出すためのこまめな水分補給が大切です。ですが、こまめに水分を摂っているにも関わらず熱中症になってしまうケースがあります。
それは、汗をかく時に水分と同時にナトリウム(塩分)も流れ出てしまうためです。ナトリウムは体内の細胞や筋肉などの水分量を調節する働きがあります。このナトリウムが少なくなってしまうことを低ナトリウム血症といい、場合によっては昏睡状態にも陥ってしまう危険な状態です。それを防ぐためにも、水分だけでなくこまめな塩分補給も大切なのです。
また、水分補給のタイミングは「喉が渇いたと感じる前」が良いとされています。「喉が渇いた」と自覚する時は、もうすでに体内の水分量が不足している状態であり、軽い脱水症状が始まっているためです。また、高齢者は喉の渇きを自覚する働きが衰えやすくなるため、喉が渇いたと自覚する頃には熱中症にかかってしまっている場合もあります。水分や塩分補給のタイミングは少量ずつ回数をこまめに行うとよいでしょう。
 
しかし、心疾患や腎疾患など高齢者の疾病により一日の水分摂取量が制限されている場合もあります。そのような利用者に過不足なく水分を摂取していただくには介護職間の情報共有が必須になります。誰が、いつ、どれくらいの量を提供しどれくらい飲んだかを正確に記録し、職員間で共有できるようにするためにはその場で記録でき、管理や閲覧が簡単な「記録の電子化」が非常に有効です。
 
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室内の温度、湿度を調整する

熱中症は、室内にいてもかかります。特に湿度が高い状態だと汗をかいても気化熱の効果が発揮されにくくなるため有効に体温が下がらず、さらに汗をかき脱水症状に陥ります。室温が28度以上、湿度が70%以上になると熱中症に警戒が必要な目安です。室温計、湿度計を設置し、適切に空調を使用するとよいでしょう。
 

熱を逃がしやすい服装にする

高齢者は認知機能の低下などにより、季節感のない服装になりがちです。特に袖口が絞ってある肌着などを着ると衣服内に溜まった熱が逃げにくくなり、体温を上昇させることになります。利用者の好みを確認しながら、綿などの通気性のよい素材や熱を逃がしやすい形状の服を着ていただくようにしましょう。
 

無理な運動を避ける

夏は気温、湿度が高いためちょっとした運動でも体内の温度は上がりやすくなります。寒い季節に比べて汗をかきやすくなるため無理な運動は脱水症状などを引き起こし、熱中症に陥りやすい状態です。高齢者の運動はなるべく室内にとどめ、体に無理のない範囲でのレクリエーションやリハビリを行いましょう。
 

直射日光を避ける

夏の強い直射日光にあたると、体表面の温度が急激に上昇します。その結果、血管が急激に膨張し血流が増えることで目まいや立ちくらみなどを起こすという熱中症の症状が現れます。脳血管疾患などを引き起こすおそれもありますので外出時には帽子を被る、窓はカーテンやすだれで仕切るなどして直射日光が当たらないようにしましょう。
 

就寝環境を整える

人間は寝ている最中にも多量の汗をかきます。つまり起床時は体内の水分が失われている状態です。この時に急激に動くと、くも膜下出血や脳梗塞、心筋梗塞などを起こしやすくなります。室内の環境に熱がこもった状態だと寝ている最中に脱水症状などの熱中症の症状に陥っていることもあるため就寝時にも冷えすぎない範囲で室温、湿度をコントロールする必要があります。また、就寝時と起床時の水分補給も大切です。
 

栄養管理を行う

夏は食欲減退期で、あまり積極的に食事を摂りたがらない高齢者は少なくありません。
だからといって食事摂取量が減ってしまうと、体の機能を維持するために必要な栄養や熱中症を予防するために有効な栄養が足りずにさらに熱中症へのリスクが高まってしまいます。
熱中症を予防するためには必要なエネルギーや栄養素がしっかり摂れているかの栄養管理が非常に有効なのです。
 
熱中症対策,栄養管理

 

熱中症予防に有効な栄養素

熱中症になりにくい体を作るためにぜひ摂取したい栄養素です。
多く含まれる食材を紹介しますが、食材にアレルギーがある場合や、内服薬の関係で摂取が困難な食材がある場合などは、サプリメントや他の食材で代替可能かどうかを管理栄養士や医師に相談しましょう。
 

ビタミンB1

ビタミンB1は、炭水化物や脂質、たんぱく質がエネルギーに変わるのを助ける働きがあります。効率よくエネルギーに変えることで代謝が良くなり熱中症になりにくくなります。
 
★★ビタミンB1が多く含まれる食材★★
・豚肉
・大豆、味噌
・モロヘイヤ
・玄米
・きのこ類
 

ビタミンC

ビタミンCには抗酸化作用があり、細胞の働きを正常に保つ効果があります。酸味があるものが多いので食欲が減退する時期にも抵抗なく食べやすい食材が多いです。
 
★★ビタミンCが多く含まれる食材★★
・赤・黄色のピーマン
・じゃが芋、さつま芋
・キウイ
・レモン
・アセロラ
 

カリウム

カリウムはナトリウムと同様に細胞内の浸透圧調整や血圧の調整など、体の恒常性機能を維持する働きがあるミネラル成分です。カリウムが不足すると細胞内の脱水を起こしやすくなります。
 
★★カリウムが多く含まれる食材★★
・海藻類
・バナナ
・アボカド
・ほうれん草
・さつま芋
・豆類
・肉、魚
 

クエン酸

クエン酸は、疲労の回復や、疲れやすくなる物質「乳酸」の蓄積を防ぐ効果があります。また、カリウムなどのミネラル成分の吸収をサポートする働きもあるため体がだるくなりやすい夏にはぜひ摂取していきたい栄養素です。
 
★★クエン酸が多く含まれる食材★★
・酢
・レモンやみかんなどの柑橘類
・梅干し
 

計画的な献立や摂取量の管理を行うことが大事!

いくら熱中症を予防するために体に必要な栄養素とはいえ、食事全体の栄養バランスが崩れてしまっては意味がありません。摂取したい栄養素だけでなく、様々な栄養素もバランスよく摂取できるように日々の食事の献立作成は計画的に行っていく必要があります。ですが栄養バランスを考えた献立作成は非常に手間がかかるものです。ついついお決まりのメニューの繰り返しになってしまうことも多いのではないでしょうか。
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まとめ

暑さが本格的になると毎年のように発生する熱中症。基礎体力や体の調節機能が低下した高齢者が熱中症になるケースは非常に多くなっています。時には命も落としかねない熱中症を予防するためには体温の上昇を防ぎ、水分や塩分が失われないように水分補給や室内環境の整備が必要なほか、普段の食事から熱中症になりにくい栄養素を意識した献立の作成が重要になってきます。
難しい栄養管理や面倒な献立作成は「給食栄養管理システムSuper Ver.2」ならば簡単にでき、「ほのぼのNEXT」との連携が可能なため利用者ごとの栄養管理、体調管理が効率的に行えます。
食欲減退時期だからこそ効率的に栄養摂取をして、厳しい夏を乗り切りましょう。

 
参考URL:
環境省 熱中症 環境保健マニュアル2014
一般社団法人日本気象協会 熱中症ゼロへ

 
※コラムの内容については、掲載当時のものです。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
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