NDソフトウェア株式会社
NDSコラム

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大切なデータを災害から守る!
帳票類のICT化で災害対策

2020/08/06

近年、台風や大雨などの自然災害が各地で甚大な被害をもたらしています。令和元年9月に千葉県で発生した台風15号は約64万軒が長期の停電に見舞われました。さらに今年、令和2年の7月にも九州地方を襲った「令和2年7月豪雨」の影響で大規模な範囲で浸水するなど日本全国で今、災害対策の重要性が指摘されています。

介護事業所が災害に見舞われた際は、利用者と職員の人命を守ることが何よりも大切ですが、その次に守るべきものが利用者の状態に関するデータやサービス記録などの帳票類の情報です。これらのデータは利用者へのケアを行う際に必要な既往歴や服薬情報など非常に重要なデータであり、それを基に提供されたケア記録はもちろん、利用者に関するデータは事業所運営に必要な介護報酬の請求にも必須なものです。もし失ってしまえば正確に介護報酬を請求し、受け取ることが困難になってしまい、経営に大きな影響を与えます。 大切なデータを守るためにはデータの慎重な管理が求められており、災害対策にはデータのICT化と万が一に備えるためにバックアップを取ることがBCP対策(事業継続対策)として求められています。ですが、事業所内でICT化したデータをバックアップして管理するにはITに詳しい人間が必要なのではないかとの考えが根強く、導入方法が分からないといった意見も見られます。そこで今回は災害対策に必要なICT化の方法について解説いたします。   ICT化,災害対策,バックアップ,BCP対策  

近年、大規模な災害が頻発している

近年の日本は台風や大雨などによる自然災害が毎年のように発生しています。2018年7月の西日本豪雨では広島県、岡山県を中心に土砂災害や床上浸水するなど大きな被害となりました。2019年には九州北部を襲った令和元年8月の前線に伴う大雨、9月には令和元年東日本台風が発生し、各地で甚大な被害が生じました。
浸水や土砂崩れによって介護施設が孤立状態になってしまうケースもたびたび報道されており、高齢者や介護職の命を災害から守るための十分な災害対策や、いざ災害が発生した際の被害を最小限に抑え、事業所の運営を滞らせないためのリスクマネジメントとしてBCP対策を図る必要性が指摘されています。  

災害時に被る介護事業所のリスクとは

介護事業所が大雨や台風などの災害に見舞われた際、最優先で守るべきものは利用者および職員の命であることは間違いありません。そして介護事業所が次に優先して守らなくていけないものは「情報」といえます。介護事業所の情報には以下のものが考えられます。 ・利用者の基本情報データ
・利用者のケアに関する計画や提供記録、状態記録
・施設運営に必要な契約書、重要事項説明書等の書類
・事故報告書や会議記録など現場管理に必要な書類
・介護保険請求に必要な実績票などの書類
どのデータも失ってしまうことで業務に相当な支障をきたしてしまうものばかりです。特に介護保険請求に必要な情報が失われてしまえば、介護報酬の請求が困難になってしまうおそれもあります。復旧までにかかる時間も相当の日数を要しますので、介護事業所の運営を継続するのに非常に大きなリスクとなります。災害対策として各種データをいかにして安全にかつ慎重に管理するかは大きな課題といえるでしょう。  

帳票類はICT化でのデータ管理がおすすめ

介護記録などの帳票類は災害に備えてICT化してデータ管理しておくことが非常に有効です。紙媒体での情報管理は、帳票の種類ごとにファイルを作成して管理する必要があります。何種類もある介護事業所の帳票類を、災害時にすべて持ち出しながら避難することは困難を極めます。人命を最優先に避難する中で紙媒体の記録を持ち出すことは諦めざるを得ないでしょう。また、紙媒体は一枚二枚では軽いとはいえ何百枚何千枚となると重量的にもかなりの重さになります。段ボールに詰め込んだ帳票類を抱えながら安全なところまで迅速に避難することは難しいといえるでしょう。
ほかに、紙媒体での情報管理は大雨による浸水や洪水時などの水害時に流されてしまいやすいことや濡れてしまうことで紙がふやけて破れる、インクがにじむなどして読めないものになってしまうことが挙げられます。建物の1階で帳票類を管理している場合に水害の影響を受けてしまうと帳票類はほぼすべてが失われてしまうと考えてもよいでしょう。
これらの被害を防ぐために帳票類をICT化してデータ管理することが非常に有効になります。ICT化することで情報はすべて電子記録としてデータ保存されます。 ハードディスクドライブなどへデータを一括集中して管理すれば避難行動時に持ち出すものは最小限で済みますし、利用者に関する記録や運営に必要な書類など紙媒体でなら数百枚~数千枚以上にも及ぶ量をすべて含めてもせいぜい1~2㎏の重量で済むのです。ICTを活用していくことは防災への備えとしても非常に効果的なのです。   ICT化,災害対策,バックアップ,BCP対策  

ICTでのデータ管理方法とは?

介護事業所の帳票類をICT化してデータ管理しようとする場合、事業規模に応じた環境の構築が必要になります。  

スタンドアロン型

パソコン一台のみで管理する形です。すべての情報を一台に記録していくため、難しいネットワーク構築などは不要です。最も運用しやすい形ではありますが、複数台のパソコンを使う事業所である場合はネットワークを構築しないとパソコンごとに情報を保存していくことになるため不向きです。小規模の事業所に向いているといえます。  

ネットワーク型

一括で情報を管理するサーバーと複数のパソコンをネットワークで繋ぎ、すべてのパソコンがアクセスできるようにする形です。事業規模によってネットワークの構築方法が変わり、事業所内のみだけでなく離れた事業所間でのネットワーク構築も可能です。  

クラウド型

クラウド型は事業所や法人でサーバーを置かずにネット上にあるクラウドサービスを契約することで、離れた場所のサーバーにネット経由でアクセスし情報をやり取りする方法です。例としては世界中で使用者の多いgoogleのGmailは、パソコンからgoogleにあるメールサーバーにアクセスすることで受信や送信を行うクラウド型メールサービスです。
これらのネットワーク環境を自力で構築し管理運用していくにはただ接続すればよいものではなく、アクセス権の設定やセキュリティ対策などが必要なためネットワークやインターネットの知識は必須で、サーバーの管理ができる者やネットワークに詳しい者が必要ですが、クラウドサービスはネット上のサーバーと契約し、アクセスする形ですので比較的導入が容易なネットワーク環境といえます。
「ほのぼの」シリーズonlineプラットフォームは各種帳票類のICT化からクラウドネットワーク環境その他ネットワーク環境の構築、管理運用までを一括して行えるため難しい知識やサーバー管理者などを置く必要はありません。ICT化をお考えの介護事業所にピッタリのサービスです。

バックアップはとても重要!

記録など帳票類のICT化を図った場合、情報はすべてパソコン内への保存やサーバーへの保存を行うことになります。自事業所でネットワークを構築した場合、水害などでパソコンやサーバー自体が水没するなどの被害にあった際はすべてのデータが失われるリスクは非常に高くなります。せっかく災害対策としてICT化したのにこれでは元も子もありません。
そのようなパソコンやサーバーの災害対策として「バックアップ」を取ることはとても重要です。バックアップとは記録媒体のデータをもしもの時に備えて別の場所にも保存しておくことです。万が一災害など不慮の事故でデータが失われたとしても、バックアップを取っておくことでデータの復旧が可能になります。
しかし、自事業所でネットワークを構築した場合は自力でバックアップを定期的に行わないといけません。いつ来るか分からない災害に備えて常日頃から行う必要があり、いざという時にはデータが古かった!必要なファイルを保存していなかった!なんてことも…。 定期的なバックアップは忙しく常にデータが更新、蓄積される介護事業所にとっては負荷のかかる作業ともいえます。  

バックアップに便利なサービス

事業所内の大切なデータを守るために必要なバックアップですが自力で行う場合は定期的に行う、どのデータをバックアップするのかを明確にするなど煩雑な作業が必要になり、結果的に疎かになりがちです。そのような時はバックアップを代行してくれるサービスなどを利用すると大切なデータを確実に守ることに役立つほか、事業所が災害に遭ったとしても離れた場所でデータを保存してくれているため確実な復旧が可能です。
「ほのぼの」シリーズをお使いいただいている事業所様はオンラインバックアップサービスを利用することで、週に一度のフルバックアップの指定や一日単位で更新ファイルなどの差分バックアップが指定可能です。事業所様の大切なデータを守るのに非常に便利なサービスです。

まとめ

近年、大雨による浸水や洪水などの水害が多く発生しています。水害は人命を危険にさらすだけでなく介護事業所の運営に必要な帳票類の情報が失われるなど甚大な被害が出てしまいます。情報が失われると通常のケアが困難になる、介護報酬の請求が困難になるなどの弊害が発生してしまうため、情報の適切かつ慎重な管理が求められています。 いざという時の防災としても帳票類はICTを活用しデータ管理していくことが非常に有効です。
「ほのぼの」シリーズonlineプラットフォームなら複雑なネットワーク環境の知識も必要なくICT化が実現できます。大切なデータを守るためのバックアップもクラウドで行うことができるためリスク分散に効果的です。皆様の安全安心な事業所運営を応援させていただきます。

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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