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NDSコラム

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自宅や介護施設で病院受診ができる?
オンライン診療とは

2020/08/24

新型コロナウイルス感染症の拡大はまだまだ収束の兆しを見せません。介護施設等においてもクラスターが各地で発生しており、医療機関や介護福祉事業所はより一層の感染予防策への取り組みが重要視されています。そのような中、感染拡大防止のための取り組みとして病院に行かずとも診察を受けることができるICTを用いた診察方法である「オンライン診療」の需要が高まっています。このオンライン診療とはどのように行われるもので、どのような方が診察を受けることができるのでしょうか。新型コロナウイルス感染拡大予防で需要が高まる「オンライン診療」とはどのようなものかを解説します。

オンライン診療とは?

オンライン診療とは病院や診療所に行かなくてもスマートフォンやタブレット端末で予約、診察、処方箋の発行から決済までを行えるサービスです。2018年4月より保険診療が可能となりました。従来は実際に顔と顔を合わせて診察する「対面診療」が主でしたが、条件に合えば画面越しでも診察を受けられることになったのです。  

オンライン診療のメリット

オンライン診療のメリットは以下が挙げられます。  

待ち時間の大幅な短縮

オンライン診療は、病院に行く必要がありません。予約をした時間にスマホやタブレット端末の画面越しで診察を受けるため、病院での待ち時間が大幅に短縮されます。処方箋を出してもらったり、会計をしたりの際も対面診療では待ち時間が発生することが多いですが、オンライン診療には待ち時間はありません。病院で長時間待機する体力がない人には大変便利な診療スタイルといえますね。  

外出先など、自宅以外でも診察を受けられる

オンライン診療は、パソコンやスマホ、タブレットといったインターネットに繋がる端末があれば、職場や外出先など自宅以外でも診察を受けることができます。仕事が忙しくて普段病院へ行けない人などには自身のちょっとした空き時間を活用してどこでも診察を受けることができるのはとても便利なのではないでしょうか。  

二次感染や院内感染のリスクがない

オンライン診療は病院や診療所まで行く必要がありませんので他者との接触を必要最小限にまで減らすことができます。そのため二次感染や院内感染にかかるリスクがありません。基礎体力が低下しやすい高齢者にはとても安全な診療スタイルです。  

オンライン診療はどこまで診察が可能?

  オンライン診療
オンライン診療はあくまでも対面診療の補完という位置付けです。そのため原則として初診は対面診療が必要となります。その後の診療を「オンライン診療で行いたい」という意思を明確に示し、医師が以降の診察はオンライン診療で問題がないことを確認したうえで可能になります。オンライン診療は画面越しでのやり取りになるため、視診と問診が主になり触診などは行えません。つまりオンライン診療は「視診と問診で診察が可能なもの」が対象になります。具体例としては糖尿病や高血圧症といった慢性疾患や生活習慣病などがオンライン診療の対象となると考えられます。また、例外として禁煙外来は初診からオンライン診療が認められます。疾患によってオンライン診療が可能かどうかは判断が分かれますので希望する際はかかりつけ医に相談するとよいでしょう。  

オンライン診療のやり方は?

オンライン診療を受けようとする時の手順は以下の通りです。  

病院のサイトやアプリから予約

オンライン診療を受ける際、まず必要なことは予約です。オンライン診療を実施している医療機関によって、病院のサイト上から直接予約できるものや、病院に直接電話して予約を行うもの、スマホやタブレットにアプリをインストールしアプリ上から予約を行うものなど各医療機関によって実施スタイルは異なりますのでオンライン診療を受けようとする医療機関に、予約方法やどのアプリを使用するのかの説明を受けましょう。サイト上やアプリで予約を行う際は、保険証や問診票など必要な情報を入力し、診察希望日時の予約を画面上で取ります。使用するアプリによっては使用料や手数料がかかる場合がありますので医療機関に確認しておくことをおすすめいたします。  

指定日時に医師から発信

予約した時間になると医師から発信があり、パソコンやスマホ、タブレットを用いたビデオ通話が開始され、オンライン診療が始まります。この際に必ず本人確認が必要になります。ビデオ通話であることが必要ですので、自身も必ずスマートフォンやカメラ、マイク機能をつけたパソコンなどの通信機器を用いないとオンライン診療はできませんのでご注意ください。オンライン診察は視診、問診が主になるため医師との対話が重要になります。落ち着いて話ができる静かな環境が適していますので、極力個室で行うことが望ましいでしょう。  

診療が終われば決済

ビデオ通話が終了するとオンライン診療も終了です。引き続き画面上で決済を行います。クレジットカード決済や銀行振り込みなどオンライン診療を実施している医療機関によって決済方法が変わる場合がありますので事前に確認しておくとよいでしょう。確定申告時の医療費控除や高額医療費控除申請に領収書を希望する場合、送料を負担することで後日送ってもらうことができます。必要な方は領収書を希望する旨を事前に伝えておきましょう。  

薬はどうやって受け取る?

オンライン診療で薬が処方された場合の薬の受け取り方法ですが、まず診察を受けた病院内で薬が処方された場合は自宅へ薬を郵送して受け取ることが可能です。しかし薬局での処方が必要な場合は医師の処方箋が必要になります。この処方箋を薬局に提出し薬が処方されるのですが、原則としてこの処方箋は「原本」である必要があります。そのため薬局で処方する必要がある際は、病院から処方箋の原本が郵送で届いた後にその原本を薬局へ持参し処方を受けるという流れになります。また、抗がん剤や麻薬、向精神薬といった安全管理を要する医薬品や、薬の効果や安全性を適宜モニタリングする必要がある薬などはオンライン診療で処方することはできませんので注意が必要です。  

新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン診療が受けやすくなった

オンライン診療
オンライン診療自体は非常に利用しやすいものではあるのですが、現段階では診察を受けられる項目や処方できる薬の種類が限られており、また処方箋に関しても自宅まで郵送された処方箋の原本を持って薬局へ行き処方を受けるというプロセスが必要です。
しかし2020年4月、新型コロナウイルス感染症の影響を受け院内感染や感染予防を目的として診察対象や診察方法の拡大、処方箋の取り扱いの緩和などオンライン診療に時限的な措置が設けられました。  

初診でもオンライン診療が可能になった

オンライン診療が可能であると医師が認めた場合、対面診療を行っていなくても初診からオンラインで診察を受けることが可能になりました。しかし、あくまでも時限的な措置であるため、処方される薬は7日間を限度としています。また、従来のオンライン診療と同様に麻薬や向精神薬などの安全管理を要する医薬品は処方できませんので注意しましょう。  

電話でもオンライン診療が可能になった

オンライン診療は視診と問診で行うものとしていましたが、ICTを使える環境にない方はオンライン診療を受けるにはどうしてもハードルが上がってしまいます。そこで時限的な措置として、電話での診療が可能と判断される場合には電話でのオンライン診療が認められました。電話でオンライン診療を受けようとする際は、アプリなどで予約をすることができませんので、予約の段階から病院と電話口でやり取りすることになります。場合によっては保険証の情報や問診票などをFAXでやり取りする必要がありますので、診察を受けようとする医療機関に確認してみましょう。  

処方箋を病院からFAXすることで薬の受け取りが可能になった

薬局で薬を処方してもらう場合は処方箋の原本が原則として必要でしたが、この度の時限的な措置で病院からFAXされた処方箋を原本として処方してもよいと認められました。その後可能な時期に原本を薬局へ提出する必要がありますが、処方箋を自宅へ郵送するか、薬局へ直接郵送するかを選べますので、直接薬局へ郵送を希望する場合はその旨を伝えておきましょう。これらの措置により迅速な処方が可能になりました。また本人が薬局へ行かずとも電話で薬の説明を受け、薬は自宅へ配送することもできます。もちろん直接薬局へ出向き受け取ることもできますので、薬の受け取り方について病院や薬局へ確認するとよいでしょう。   これらの措置により高齢者施設で過ごす方などもオンライン診療を受けやすくなりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染予防のための一時的な措置であり、収束した後には従来のオンライン診療のシステムに戻ることには留意が必要です。  

オンライン診療の注意点は?

病院に行かずに診察を受けられるのが便利なオンライン診療ですが、いくつかの注意点があります。  

新型コロナウイルス感染疑いはオンライン診療できない

新型コロナウイルスの感染が疑われる場合はPCR検査や重症度の判定などを行う必要があり、画面上では診察が困難となるためオンライン診療を行うことはできません。しかし、すでに新型コロナウイルスの感染が確認され、入院せずに自宅療養している方についてはオンライン診療で問題ないと判断される場合はオンラインでの診察、薬の処方が可能です。  

症状によっては対面診療を求められる

オンライン診療を実施可能と判断された場合でも、その後の経過や新たな症状次第で医師が対面診療による診察が必要と判断したら、オンライン診療を続けることはできません。  

必ず身分証明書、保険証を用意しておく

オンライン診療では本人の確認を画面越しに行う必要があります。診察前に必ず本人確認が行われますが、その際に健康保険証や運転免許証、マイナンバーカードなどの身分証明を提示することを求められます。この際に本人確認が取れないとなりすましによる虚偽の診察の疑いもあることからオンライン診療を続けることが困難になるおそれがあります。外出先からの診察や介護施設の利用者等、オンライン診療を受けようという際には必ず本人を証明できるものを用意しておきましょう。  

まとめ

新型コロナウイルス感染症が再び拡大しつつある中で、介護施設にもクラスターが発生するなどより一層の感染拡大予防の必要性が求められており、病院に行かずとも診察を受けられる「オンライン診療」の需要が高まっています。新型コロナウイルス感染拡大予防の時限的な措置としてICTを用いたスマホやタブレットなどのテレビ通話以外にも電話でのオンライン診療も可能となり、介護施設の利用者も二次感染などのリスクを避け安全に病院受診ができるようになっています。 積極的にオンライン診療を活用し、新型コロナウイルス感染拡大予防に努めることが重要です。
参考URL:
オンライン診療の適切な実施に関する指針
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について
新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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