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NDSコラム

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サービス提供責任者(サ責)とは?仕事内容、やりがいについて

2020/09/17

在宅で介護を受けながら生活を続ける要介護者に対し、訪問介護員が自宅へ伺い介護サービスを提供する訪問介護事業所には「サービス提供責任者」という役職があります。介護業界では略して「サ責」と呼ばれることが一般的です。サ責は訪問介護事業所における非常な重要な役割を担うポジション。どのような仕事内容で、どのような人がサービス提供責任者になれるのでしょうか。また、どのようなやりがいがあるのでしょうか。

今回は訪問介護事業所の要ともいえるポジション、サービス提供責任者について解説します。

サービス提供責任者とは?

サービス提供責任者とは略してサ責とも呼ばれる、訪問介護事業所の人員基準において一定数の配置が必要な役職であり、サービス提供責任者という資格ではありません。
訪問介護事業所の運営の大部分を担うことの多い、要ともいえる役職です。

サービス提供責任者の仕事内容

サービス提供責任者の仕事内容は訪問介護事業所の運営に必要な書類の作成から訪問介護員の調整、指導など非常に多岐に渡ります。
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訪問介護計画書の作成

訪問介護事業所の利用者の日常生活の状況や生活に対する希望を踏まえ、自立支援に向けた目標の設定、目標を達成するための具体的なケア内容や期間などを設定した計画書を作成します。この計画書はケアマネージャーが作成した居宅介護計画書に沿う必要があります。
作成した訪問介護計画書を利用者及び家族に説明するとともに同意を得、署名捺印をもらうこともサービス提供責任者の大切な仕事です。

利用申し込みの調整

訪問介護の利用を希望する利用者がサービスを利用できるように契約や日程の調整、意向の把握などのために自宅へ伺い利用者、家族と面談するなどの調整を行います。新規の利用者がスムーズに訪問介護を利用できるために迅速な行動が求められます。

利用者の状態変化の把握

作成した計画書通りのケアを提供することで利用者にどのような変化が生まれているか、また利用者本人にサービスに関する意向に変化はないかなどを定期的に把握する必要があります。状態の悪化や意向の変化などが見られた際は利用者の希望に適した新たな訪問介護計画書を作成します。

多職種との連携

高齢者の自立した生活を目指すケアは、ケアマネージャーを中心に多数の事業所が各々の専門サービスを提供することで達成を目指すものです。訪問介護事業所だけで達成できるものではありません。サービス提供責任者はケアマネージャーが開き、利用者に関わる事業所が参加するサービス担当者会議などに出席し、情報共有を図ることが重要です。

訪問介護員への指示、伝達

サービス提供責任者は、作成した訪問介護計画書に沿って提供されるケアの目標やケアの内容を訪問介護員に指示し、利用者の情報や状況を正確に伝達します。 訪問介護員がバラバラにサービスを提供してしまうことがないように情報の指示や共有を図る仕事です。

訪問介護員のサービス実施内容の把握

訪問介護員が指示した通りにサービスを提供できているか、利用者に適切なケアを提供できているかの実施状況、実施内容を把握します。職員への聞き取りや、時には職員とともに利用者宅へ同行訪問することもあります。

訪問介護員の労務管理

訪問介護員の休み希望や能力に応じてのシフト表作成など、各種の労務管理を行います。訪問介護員の仕事に関する満足度に直結する仕事といえますね。

訪問介護員への研修や技術指導

訪問介護員は資格要件に介護職員初任者研修以上が必要であると定められています。つまり、無資格者は訪問介護の業務に従事することはできません。初任者研修修了者はある一定の介護の知識、技術があるといえますが、やはり経験年数によってスキルにはバラつきが出てきます。計画に沿って利用者へのケアを提供する際に大切なことは、すべての訪問介護員が同じケアを提供できることです。1人だけ違うケアをしてしまっては計画通りにサービスが提供できているとはいえません。サービス提供責任者は訪問介護員の知識や技術の向上に励む傍らで訪問介護員個々に対して利用者宅へ訪問し研修や技術指導を行ったり、事業所内で研修や技術指導を行ったりのOJTを行います。
このように、サービス提供責任者の仕事内容は事務作業から実務までと非常に幅広いことがわかります。
大きくまとめると、サービス提供責任者の仕事とは以下の4つが仕事内容といえます。

①訪問介護計画書の作成や計画書通りのケアを提供できるよう訪問介護員に指示をする「訪問介護事業所のサービス品質管理」
②訪問介護員の能力や希望に考慮しつつ日程調整やシフト管理を行う「労務管理」
③事業所内研修や同行訪問での技術指導など訪問介護員を育てる「育成指導」
④最適なサービス提供のためにケアマネージャーをはじめ関係職種と情報の共有を図る「多職種協働」

訪問介護事業所の運営に留まらず訪問介護員の育成なども担う、まさに訪問介護事業所の要ともいえる役職というのもうなずけます。
これらの仕事を円滑にこなしていくには作業効率を上げていくことが何よりも重要です。ICTを用いたシステムを活用することでサービス提供責任者の仕事の大部分は効率化され、空いた時間を指導や利用者宅への訪問などに有効活用できるようになります。
弊社の「Care Palette Home/Nurse」は予定、実績から記録までをスマホやタブレットで入力でき、オンライン上での共有も簡単という訪問介護事業所様のお悩み解決に役立てる訪問系サービス向けアプリです。ぜひご活用ください。

サービス提供責任者のやりがいとは?

仕事内容が非常に多岐に渡るサービス提供責任者ですが、その仕事のやりがいとはどのようなものでしょうか?サービス提供責任者はケアマネージャーとは違い現場業務に出る機会の多い役職です。
現場業務もこなしながら書類作成や労務管理も行う必要があるなど、非常に多忙な立ち位置です。
しかしサービス提供責任者は自身の作成した介護計画書通りのケアを提供するために訪問介護員に情報の伝達や指導を行い、利用者の自立支援へのケアを図ります。多忙な分、訪問介護員が適切なケアを提供できる職員として育つ喜びと、その結果計画に沿ったチームケアを提供できる喜びの達成感はサービス提供責任者には無上の喜びとなります。
訪問介護事業所になくてはならない役職だからこそ、忙しいながらも利用者、訪問介護員、多職種に必要とされるサービス提供責任者はやりがいを感じることの多い仕事といえるでしょう。

また、訪問介護の仕事は利用者宅にほぼ毎日のようにサービスを提供する場合が多く、在宅介護において最も利用者に身近であり利用者の日常生活に密接した介護サービスといえます。在宅生活を続けていけるのは訪問介護事業所のサービスがあってこそといっても過言ではなく、訪問介護サービスに強く感謝する利用者、家族は少なくありません。自分たちの仕事が利用者の在宅介護生活を支えているという喜びは訪問介護員も感じるものですが、その中心として事業所運営を担うサービス提供責任者にはことさらに強いやりがいと感じられることでしょう。

サービス提供責任者になるための要件とは?

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サービス提供責任者とは資格名ではなく役職の名前ですが、サービス提供責任者になれる人には一定の要件があります。以下がサービス提供責任者になるための要件です。
①介護福祉士
②実務者研修修了者
③(旧)訪問介護員1級
④(旧)介護職員基礎研修修了者

(旧)となっている訪問介護員1級や介護職員基礎研修は、現在は廃止された資格であり新たに取得することはできませんが、廃止前に取得していた人はサービス提供責任者になることができます。
したがって、現行の要件で見ると介護福祉士、実務者研修の修了がサービス提供責任者になるために必要な要件ということです。以前は初任者研修の修了者も一定の実務経験があれば役職に就くことが認められていましたが、現在では廃止されています。サービス提供責任者の質の向上を図ることに強い期待が寄せられているのが分かりますね。

サービス提供責任者の配置基準

訪問介護事業所にはサービスを利用者の人数に応じて必要な、配置しなくてはならないサービス提供責任者の数が定められており、直近3ヵ月の利用者の数が40人を増すごとに1人以上の常勤のサービス提供責任者を置く必要があります。
・40人以下 1名
・41~80人以下 2名
・81~120人以下 3名
・121人~160人以下 4名
・161人~200人以下 5名

つまりこのように利用者の数に応じてサービス提供責任者の数も必要になります。
平成27年度の改正で特定の条件を満たした場合に限り、40人ごとに必要であったサ責が50人ごとでもよいとするなど基準の緩和が図られ、訪問介護事業所の運営がやりやすくなりました。
その基準とは以下の要件をすべて満たす場合です。
① 常勤のサービス提供責任者を3名以上配置している
② サービス提供責任者の業務に主として従事する者を1人以上配置している
③ サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている場合

②に関して、サービス提供責任者は訪問介護員との兼務や管理者との兼務を担っていることが多いため、1人をサ責の業務に集中させて効率化を図ろうというものですね。サ責は訪問介護員や管理者との兼務が認められていますが、管理者、サ責、訪問介護員の3つを兼務することは禁止されています。
③はサ責の業務内容が多忙なため、情報管理のICT化などで業務を効率化した場合に要件として認められます。訪問介護におけるサ責は書類の管理や訪問介護員の調整、日程の調整など煩雑な事務作業が必要です。そのうえで訪問介護員のマネジメント業務にもあたる必要があるため業務の効率化は円滑な運営を可能にしながら人員基準の緩和も図ることができる最重要課題といってもよいでしょう。
さらに訪問介護の業務は訪問介護員が単独で動く形になりやすいため、サ責と訪問介護員や訪問介護員同士のコミュニケーションを図りにくいことがあげられます。そのため利用予定がキャンセルになったにも関わらず訪問介護員への連絡が円滑に行えず時間を無駄にしてしまうこともしばしば。訪問介護業務の効率化や利用者へのケアを有効に行うためには綿密なコミュニケーションや情報提供の迅速さが求められます。トラブルの回避や質の高い介護の提供のためにはコミュニケーション方法を工夫することが必要です。
弊社の「Care Palette Home/Nurse」ではスマホやタブレットでタイムスケジュールの管理やお知らせの配信ができるため、離れた場所でも最新の情報を確認できます。さらにサ責側は誰が見たかを確認できるため、情報共有に無駄がありません。サービス提供責任者、訪問介護員ともに業務の円滑化に必要な機能が揃っているおススメのアプリです。

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まとめ

訪問介護事業所にはサービス提供責任者、略してサ責という役職があり、訪問介護事業所の質の高いサービスのための品質管理からスタッフの労務管理や育成、関係職種との連携までを仕事内容とするきわめて重要な役職です。サービス提供責任者が有効に機能することで利用者は在宅生活を続けることができるといっても過言ではなく、スタッフをまとめあげて質の高いケアを提供していくことや、提供したケアの結果利用者が在宅生活を続けていけることを実感できることがサ責の大きなやりがいといえます。
今後もサービス提供責任者の需要は高まっていくものと思われます。ICTなどを活用して業務の効率化を図りながらスタッフや利用者の笑顔を作っていくサ責にぜひ挑戦してみましょう!

参考URL:
訪問介護における サービス提供責任者について

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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