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NDSコラム

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介護職の仕事とはどんな仕事?
やりがい、魅力についても解説

2020/09/24

超高齢化社会の到来に伴い、日本における介護サービスの需要は年々高まり続けています。支援が必要な高齢者に対して介護サービスの提供を業としている人は「介護職」と呼ばれます。介護の仕事は「きつい」というイメージを持つ方もいらっしゃるかとは思いますが、対人支援の専門職としてのやりがいが非常に大きい仕事でもあります。

今回は介護職が行う介護の仕事とは具体的にどのような仕事内容で、介護職のやりがいとはどのようなものなのかを解説します。

介護職の仕事とは?

介護職が行う介護の仕事とは、高齢や疾病により心身の機能の低下や障害を持つ方に対し環境に応じ、生活に必要な様々な支援を行うものです。生活環境は利用者によって異なり、自宅で生活を続ける方は自宅での生活を続けられるように、施設で過ごす方は安心安全かつ意欲的な生活ができるようにと利用者に応じた最適な介護サービスを提供します。
ひと言で介護職といっても業種は非常に多岐に渡り、利用者宅へ訪問し介護サービスを提供する訪問介護や日中に通ってもらい入浴やレクリエーションなどを提供するデイサービス、特別養護老人ホームなどの介護施設に入所した利用者に生活全般の支援を行う施設系サービスなど、業種ごとに特徴が分かれます。

すべての介護職の仕事に共通することに、介護を必要とする人にただ介護サービスを提供するのではなく「その方が望む暮らしを実現させるために必要な介護サービスを提供する」という目的があります。
つまり介護職の仕事とは自分の力だけでは望む生活を送ることができずに支援を要する状態である利用者に対し、望む生活を実現させるための「解決手段としての介護サービス」を提供できる専門職といえます。

介護職に大切なことって?

介護職としての仕事を行っていくには、何点かの必ず守るべき大切なことがあります。そのすべてが守られなければ利用者の人権を侵害してしまったり、逆に利用者の心身機能を低下させてしまったりすることもあります。

尊厳を守る

介護職が利用者に介護を提供していくにあたり、必ず守るべきことは「利用者の尊厳」があります。尊厳とは誰しもが一人の人間としての誇りを持てることです。日常生活に介護が必要な方々は、元来介護をしてほしい人ではなく介護されざるを得ない人たちであることを介護職は念頭に置かなければなりません。たとえ介護が必要な状態になったとしても尊厳ある生活を送っていただけるよう、介護職のケアがないと生活できない人と認識するのではなく、利用者の尊厳を守るためにケアをしているという意識が大切です。
普段の接し方や言葉遣い、口調には十分に気を付けて利用者を一人の人間として、年長者として捉えるようにしましょう。

プライバシーを保護する

介護現場で利用者にケアを提供していくには、利用者がどのようなケアを望んでいるのか、どのようなケアが適切なのかを分析しなくてはなりません。そのためには利用者の生活史や現在の生活環境など、様々な情報を収集する必要があります。なかには本人が本来は話したくない情報もありますし、重大な個人情報が含まれている場合もあります。
介護職は、それらすべての情報は「最適なケア」のために収集したものであり、その目的以外には一切使用しないという意識を強く持つことが大切です。私たちが自分のプライバシーを大切にしているように、利用者のプライバシーを侵害から守ることも介護職の大切な役割です。

自立支援の介護

介護職の仕事はただ漫然と介護サービスを提供しているのではなく、介護を通して利用者の自立支援を図っていくことが大切な仕事です。自立支援とは「一人でなんでもできるようになること」ではなく、本人の有する能力に応じた生活の仕方や必要な支援を自らの意思で選択することです。簡潔にいえば、利用者が自らの生活方法を自ら獲得していくことといえます。望む生活を獲得するためという目的の過程に「できることを維持する」「できるかもしれないことをできるようにするため一人でやってもらう」「できないことは介助で安全に気を付けて行う」というケアが存在するのです。介護職は、利用者をただお世話するという認識ではなく、できない部分だけ支援を受ければ自分の意思で生活ができると利用者に自信を持っていただけるようなサービスを提供する意識が大切です。

多職種協働(チームケア)

介護職は介護サービスを通して利用者にケアを提供しますが、利用者の自立した生活のためにはリハビリ職や医療職といった介護職以外の力も必要です。それぞれの専門職が力を合わせ一人の利用者の生活を守っていくという意識が大切です。
そのために介護職はただ介護のことだけを知っていればいいのではなく、それぞれの専門職の領域や役割を理解し、様々な職種が協力し合うことでケアが成り立っていることを理解する必要があります。リハビリはリハビリ職、医療は医療職を信頼してケアにあたるからこそ介護は介護職にという専門意識が芽生えるのです。

介護職のやりがいや魅力

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介護の仕事は世間的には「きつい」というイメージを持つ方もいらっしゃるかと思います。確かに介護の仕事は楽とはいえない部分が大きいかと思いますが、それに余りあるやりがいや魅力に溢れています。
まず介護職の最大の魅力は、人の生活や人生を直接守り、支えることといえます。介護を必要とする方々は程度に差はありますが、ほぼ日常的に支援を要します。介護職はそのような方々に介護サービスを通して毎日関わっていく仕事であり、介護職の毎日の関わりを通して利用者は生活を続けていきます。もちろん利用者の人生は利用者が主役であり介護職はそれを支える立ち位置なのですが、自分たちが介護サービスを提供することで人の役に立つ、それも生活を支えるという根本的な部分で役に立てることは大きな喜びを感じられる要素といえます。
そして利用者の生活を支えるために適切なケアの方法を考え、ケアを実践していくことで利用者が望む生活を獲得できていくことを実感できる時が介護職の大きなやりがいを感じられる時です。利用者が前向き、意欲的に生活を送ることができるようになると、笑顔が見られる、コミュニケーションが活発になる、食事量が増える、自ら動けるようになりたいという意識が芽生えるなど、心身機能に良い変化をもたらします。それらは介護職が利用者の望む生活の獲得のため、利用者の尊厳のため、自立支援のためを大切にしたケアを行ってきた結果であり、その成果を「人が元気になっていく様子」で確認できることが介護職のやりがいであり、対人援助職の専門である介護職の魅力といえるでしょう。

介護職に向いている人とは?

介護職にはどのような人が向いているでしょうか。先述しましたが、介護職とひと言でいっても業種は多岐に渡り、それらによって向き、不向きは大きく異なります。 介護職全般を通して向いているといえる人は、やはり「人の役に立つことに喜びを感じる」人でしょう。どのような業種であれ介護の仕事の目的が利用者の生活を支えていくことですので、それを喜びと感じられる人は介護職に向いているといえます。
逆にあえて向いていない人を挙げるならば、介護職はチームで介護を行う機会が多く、さらに介護方法は利用者ごとに適切なケアを分析し、計画を立てて行われています。これを介護過程といいますが、この介護過程に沿った介護を提供できない人は向いていないといえます。他人の意見を聞かず、計画に沿わず、自分の方法だけを実践してしまうと、利用者のケアに大きな支障となってしまうため、場合によっては思うような結果が出ないことで利用者が元気をなくしてしまう、体が弱ってしまうこともあるためです。
ただ、利用者の望みを第一に自分が思う最適なケアを考えられることは悪いことではありません。介護職として大切なことを守って利用者のためのチームケアができるようになると、職員にも利用者にも心強い介護職になりますね。
その他業種ごとでは、訪問介護など利用者の居宅へ訪問する業種では、一人の利用者に対して一人で介護を提供する機会が多く、身体介護のほかにも掃除、洗濯、料理といった家事の割合が多くなります。そういった家事が好きな人や一人の利用者と集中して関わりたい人には向いているといえるでしょう。
デイサービスなどの通所系では比較的元気な利用者も多く、交流などの楽しみを求めて利用される方が多くいらっしゃいます。したがって、人とコミュニケーションを取ることが好きな人や人と楽しい時間を過ごしたいと考える人には向いているといえるでしょう。
ただ、楽しい時間が好きだからと自分だけが一方的に話してしまう性格の方は少し注意が必要かもしれません。
特別養護老人ホームやグループホームなど施設に入所した利用者に介護を提供するサービスでは生活全体で関わり、またそれが長期的な関わりとなることがほとんどです。そのため、計画に沿った介護をじっくりと提供していきたい人には向いているといえるでしょう。また、施設系は施設内の職員が主に関わるケースが多いため、自分たちの仕事が直接成果として見えやすいともいえます。計画をチームで実践し、その効果を確認しながら調整しつつ目標達成を目指すことに達成感を感じる人は向いているでしょう。

介護職には女性が多い?

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介護業界全体で見た介護職員の性別の割合は、女性就業者が多く、男性の介護職員は少ないのが現状です。
平成31年3月18日、厚生労働省の「介護分野の現状等について」では施設サービスや通所サービス等の男女比は男性職員約24%と4人に1人の割合です。訪問介護にいたっては男性職員の割合は約9.5%と10人に1人を下回るデータが出ています。男性には介護の仕事は向いていないのでしょうか?
そんなことはありません。確かに介護の仕事は生活を支える仕事であり、家事や料理、掃除洗濯など男性より女性のほうが得意としている内容は多いといえます。しかし、直接介護を提供するにあたって同性でないと嫌がる利用者や同性とならばコミュニケーションが円滑に取れる利用者など、男性の介護職員のニーズは高いのです。男性は女性と比較して体格が大きく力が強いこともニーズに挙げられる一つです。これからの利用者像は多種多様に変化していくものと思われますので、介護サービスとしても多種多様の人材を広く求めているのが現状で、男性の介護職員を歓迎している介護サービスはとても多くなっています。 ぜひ男性も介護職として頑張っていただきたいと思います。

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まとめ

介護職の仕事は利用者の尊厳や権利を守り、利用者の望む生活を達成するためのケアを提供することで生活自体を直接支えていく仕事です。人の生活に直接深く関わるため、自分たちの仕事が人の笑顔を作っていったり、心と体を元気にしていったりする姿を目の当たりにできることが非常に大きな魅力であり、やりがいといえます。 また、介護サービスは訪問系、通所系、施設系など業種が多岐に渡るため男女問わず多くの人に適性がある仕事でもあります。利用者の生活、人生を支えるという対人援助の専門職である介護職に、ぜひ積極的にチャレンジしていただけるよう願っています。

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参考URL:
介護分野の現状等について

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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