NDSコラム

仕事 2020/12/07
人工知能を活用して
ケアプラン作成を支援!
「AIケアプラン」とは?

わが国において昨今成長著しいIT分野ですが、介護業界へICTやAIを活用していく動きが急速に拡大しています。介護業界は以前より人材不足が懸念されていました。高まり続ける介護のニーズに対し、それを担う介護職の人数が圧倒的に不足しており、それに伴い介護業界全体の業務負担は年々増しています。

そこで解決策として大きな期待が寄せられているのがテクノロジーを活用した業務の適正化や介護負担の軽減で、そのひとつにケアプランの作成を支援するためにAIを活用しようという動きがあります。ケアプランの作成にAIを活用するとはどのような方法になるのでしょうか。
 

介護業界にはテクノロジーの活用が期待されている

2000年の介護保険制度が施行されてから、日本の人口の高齢者比率は年々増加しています。それに伴い要介護者数も増加の一途を辿り、2040年頃までは増え続けることが見込まれています。しかし、15~64歳のいわゆる現役世代は2025年以降急激に減少してくると予想されており、かねてより人材不足が懸念されていた介護業界では増え続ける介護ニーズに対し働き手が完全に不足するという事態になることが大変大きな問題となっています。介護職の賃金を上げるための施策は色々と打ち出されてはいるのですが、増え続ける業務負担に対しての有効な解決策が見出せていません。そこで今大きな期待が寄せられているのが、テクノロジーの活用なのです。
 
ここ数年、IT技術の大きな進歩により通信技術や人工知能の性能が大幅に向上し、介護分野においても見守りセンサーや見守りロボ、介護記録の電子化やインカムなど様々な場面でテクノロジーを活用した機器が誕生しており、実際にパイロット事業としてテクノロジーを活用している事業所では大幅な業務の効率化を図ることができたと立証されています。
 
介護業界は今後もさらなるテクノロジーを活用した機器の導入を推進することが必要であるとの方針を打ち出しており、今後はテクノロジーを活用した事業所を評価する加算の新設なども検討されています。
10月30日に実施された、社会保障審議会(介護給付費分科会)の「居宅介護支援・介護予防支援の報酬・基準について(検討の方向性)」でも、「論点①逓減制について、居宅介護支援費(Ⅱ)・(Ⅲ)の算定状況、また、経営状況や報酬体系の簡素化等の観点を踏まえ、質の高いケアマネジメントを実施するため、ICTの活用や事務職員の配置等の一定の要件を満たした場合の取扱い等について検討してはどうか。」という議論が今まさになされており、AIケアプランの効果やAI活用についてますます注目されています。
 

AIを活用したケアプラン作成支援の実用化の必要性

 
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介護保険制度では、ケアマネジメントの質を上げ生産性の向上を図ることが喫緊の課題とされており、ここ数年ケアプランの作成支援にAIを導入しようとする試みを積極的に行ってきました。AIの強みを活かし根拠を明確にした質の高いケアプランの作成を支援していくことでケアマネージャーの業務効率化に繋げるだけでなく、利用者や家族との良好な関係構築やエンパワメント、さらに意思決定支援等の対人援助業務に集中できることで利用者の自立支援にも繋がることが大いに期待されています。
ケアプランは介護保険制度における要介護者支援の要ともいえます。それを担うケアマネージャーの業務を効率化し、質の高いケアプランの作成を支援するためにはAIを活用し、AIの強みとケアマネージャーの専門性を融合させていくことが必要です。
 

NDソフトウェアの「AIケアプラン」

ケアマネージャーの業務効率化と質の高いケアプラン作成を支援するツールとしてNDソフトウェアではこの度、AIケアプランを搭載した新しい「在宅ケアマネジメント基本システム(AI)」をリリースいたしました。
AIケアプランは膨大なデータに基づき利用者の現状を分析することで、利用者にとってより改善の可能性の高いサービスプランを予測します。ケアマネージャーの経験と合わせて利用者を分析することで改善志向のケアプランを立てられているかを確認するためや、利用者、家族に客観的データとして示すことのできる根拠としての活用、さらにデータに基づく予測からケアマネージャー自身の新たな気付きの機会としても活用でき、より質の高いケアマネジメントの実践に繋げられるものとなっています。ほのぼのNEXTでは「認定調査票」「居宅サービス計画ガイドライン」で登録した利用者の情報と容態が似ている人を探し、約1年後要介護度の改善の可能性が高いサービスプランを提案します。また、ケアマネージャーが作成した利用票のプランによる約1年後の要介護度の状態予測も可能です。
 
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AIケアプランの活用方法

AIケアプランを有効に活用していくには、AIの計算結果を正しく理解することが必要です。AIケアプランでは現在以下の項目を考慮して計算されています。
 
・要介護度認定調査の基本項目
・要介護度区分
・年齢
 
この項目の膨大なデータをAIが学習し、入力された利用者データから約一年後の状態の「維持」「改善」「悪化」の可能性をパーセンテージで表示し、そこから改善の可能性が高いサービスプランを提案します。この提案されるサービスプランは、利用者にとってそのサービスが最適であるというものではなく、あくまでもビッグデータに基づく客観的データであるという理解が大切です。AIそのものは決して万能ではなく、AIケアプランが提供するものは利用者の情報と一致するデータにおいて、状態が改善した方が使っていたサービスの傾向としての提案であり、客観的データの統計と分析の結果の改善率が高かったサービスを参考資料のひとつとして提示するものです。膨大な客観的データの分析から提示されるサービスの傾向といった客観的指標と、ケアマネージャーが分析した利用者像や利用者とその家族の希望、地域の介護サービスや社会資源とを総合して考えていくことでより質の高いケアプランを作成する強い助けとなります。
 
また「悪化」の可能性を予測するデータからも様々な利用者像の分析に役立てることが可能で、基本項目の悪化予測の客観的データを通して現在の利用者の生活レベル全体を読み解くヒントとして活用することができます。自身が立てたケアプランとAIケアプランが提案するサービスを照らして考えることで改善志向に足りなかった視点に気付きを得ることで補完することができ、方向性の確認を行うことができます。
 
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AIケアプランの活用事例

AIケアプランを実際に有効活用する場面は以下のような一例が挙げられます。
 

要介護度区分が改善した人が使っていたサービスプランを参考にする

AIケアプランは要介護度区分が「維持」「改善」した人が使っていたサービスプランを学習しています。そのため、実際には居宅介護であるにも関わらずグループホームなど別のサービスを提案することがあります。この計算結果は誤りではなく状態像に近い方が実際に状態が維持、改善した際に使っていたサービスです。つまり、在宅介護であってもグループホームで受けるサービスの環境が要介護度の改善に効果があったと理解し、グループホームに近い環境を整える必要があるとの考えに繋げることができます。
このように、AIが提案してきたサービスをキーワードとして参考にすることもAIケアプランの活用方法です。
 

本人、家族とケアマネージャーとの共通認識として活用する

ケアマネジメントを実施する際本人、家族とケアマネージャーとの間には認識の違いがしばしば見られます。ケアマネージャーの経験から「このままでは悪化の可能性が高い」と感じており、AIケアプランも同様の計算結果であっても本人や家族はそれを認識しておらず「その必要はない」と考えてしまうケースなどです。この認識のズレが生じてしまうと、利用者にとって最適なケアプランを作成することは困難になってきます。
AIケアプランは膨大なビッグデータを基に分析結果を提示しますので、客観性の高いデータです。この結果を本人、家族と共有していくことで「悪化の可能性が高い」ことを共通の認識として話し合い、改善案を提案しやすくなるでしょう。
 
反対に最適なサービスであることを提案しても本人、家族がなかなか受け入れない場合もあります。この際もAIケアプランが計算した「維持、改善の可能性が高いサービス」として客観的データを提示することで必要なサービスであることの共通認識として活用できます。
 
近年、「AI」という言葉は一般的に浸透してきています。膨大なデータをAIという人工知能が解析し、客観的事実に基づく最適な結果を提案してくれることは、ケアマネージャーの強い味方になるだけでなく、本人や家族にとっても前向きなケアに意欲的に取り組むために信頼できるツールとなるでしょう。
 

まとめ

近年のテクノロジーの進化によりICT技術やAI技術は目覚ましい躍進を続けています。介護業界は介護ニーズの高まりに対応していくことが重要で、そのためには介護保険制度の要であるケアマネージャーの作成するケアプランの質を向上させること、ケアマネージャーの業務の効率化を図り利用者に向き合う時間を確保することが喫緊の課題とされています。そのためにはケアプランの作成支援として積極的にAIを活用していくことが有効であるとの見方がされており、今後ますますAIを活用したケアプラン導入は推進されていくと見られています。NDソフトウェアがリリースした「AIケアプラン」をぜひともご活用いただき、業務の手助けにするとともに最適なケアプラン作成にお役立てください。
 

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参考URL:
介護分野をめぐる状況について
AI を活用したケアプラン作成支援の実用化に向けた 調査研究
厚生労働省:第190回(R2.10.30)社保審-介護給付費分科会/資料7:居宅介護支援・介護予防支援の 報酬・基準について(検討の方向性)
厚生労働省 AI戦略フォローアップについて (厚生労働省の主な取組状況)
AIエンジン
提供元:株式会社シー・ディー・アイ「SOIN」
エヌ・デーソフトウェア株式会社と株式会社シーディーアイとの資本業務提携

 
※コラムの内容については、掲載当時のものです。
 
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
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