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NDSコラム

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介護レクの新しい形
「オンラインレクリエーション」とは

2020/12/24

今年は新型コロナウイルス感染症が世界中に多大な影響を及ぼした一年であったといえるでしょう。未だ完全収束を見せない新型コロナへの警戒の中ではありますが、やはり年末年始は私たちにとって少し特別な空気を感じさせるものです。それはもちろん介護施設を利用される高齢者の方にも同じことです。そんな介護施設では毎日のように様々な介護レクが行われているかと思いますが、今年は外出する機会や外部から誰かを呼ぶことも難しくなり、介護施設内で提供される介護レクが主となっているのではないでしょうか。そんな今、ICTの進歩により新しい介護レクの形である「オンラインレクリエーション」が増加しています。

新型コロナ感染症の拡大による外出の自粛、面会の制限で介護施設の介護レクが制限される中、ICTの進歩により可能となったオンラインレクリエーションは介護施設と利用者だけでなく利用者と家族が楽しめるものとして提供が可能なだけでなく、その可能性を見出した様々な事業者が参入するなど大きな期待が寄せられています。今回はただ今増加中の「オンラインレクリエーション」とはどのようなものかを解説します。

介護事業所では日々の介護レクが大きな役割を持つ

特別養護老人ホームやグループホームなどの介護施設やデイサービス、ショートステイなどの介護事業所を利用される方々へ提供するサービスとして、「介護レク」は非常に大きな役割を担っています。介護が必要な高齢者は移動の機会が少なくなることや移動する能力の低下などにより閉じこもりがちな生活になりやすくなるためストレスが溜まり心身のバランスを崩してしまうことや、移動機会の減少による筋力の低下、刺激の少ない生活を送ることで認知症の発症や進行リスクが高まるなどの状態に陥りやすくなります。介護事業所が提供する介護レクは利用者の機能訓練を狙いとした運動の機会や、楽しいゲームなどを行い他者とのコミュニケーションを活発にしたり笑顔を引き出したりしてストレス発散や生活に刺激を与える機会、脳を使うプログラムを提供して認知症の予防を図るなど、利用者の心身の健康を守り、向上させていくために非常に重要な意味を持っています。介護施設内で提供される介護レク以外にも動物園や公園へ出かけるなど外出することで生活に張りを持っていただくものや、バイオリン演奏や手品などが得意な方、地元の学校の吹奏楽部などにお願いし介護施設で利用者の前で披露してもらうなど、特別なイベントとしての介護レクが提供されることもあり、利用者には大変喜ばれるものとなっています。

新型コロナで増加中の「オンラインレクリエーション」とは

日常実施する介護レクにおいて、介護施設では定期的に外部から楽器演奏をしてくれる、踊りを踊ってくれる、体操をしてくれるなどのレクリエーションを行う方を招くところもありますが、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大もあり感染予防の観点からもそういった活動はほぼ実施できないものとなりました。介護施設を利用する方も同様に感染予防のために極力の外出を控えるなど生活の中でストレスが溜まりやすい環境になっています。

そこで新たに行われている介護レクの形に「オンラインレクリエーション」というものがあります。オンラインレクリエーションとは離れた場所とオンラインで映像を繋ぎ、リアルタイムで体操や演奏などを提供しようというものです。レクリエーションプログラム配信者が配信する動画にアクセスして視聴するテレビのような一方的に視聴する形以外にも、ZOOMなどを通じることでこちらからの反応を伝えることが可能な双方向のコミュニケーションを行えるものなど、新型コロナウイルス感染症の拡大とICTの進歩により需要が拡大している、新たな介護レクの形として注目を集めています。介護施設で提供される介護レクだけでは味わえない新鮮さを、オンラインを通して体験できることは利用者の生活に大きな刺激となり、生活不活発病の予防やQOLの向上に役立つことが期待できます。

オンラインレクリエーション実施の例

オンラインレクリエーションは介護施設や介護事業所から離れた場所でも実施できることが強みです。そのため介護施設内で提供される介護レクとはまた違う刺激や体験が可能です。オンラインレクリエーションには現在個人、法人問わず様々な事業者が参入しています。現在提供されているオンラインレクリエーションのサービスの一例を以下に挙げます。

漫才などのお笑い

オンラインで介護施設と配信側とを繋ぎ、画面を通して漫才などのお笑いを提供している事業者があります。介護施設側もカメラを通して利用者の様子を配信者に見せることで芸人の方にも利用者の反応が分かり、利用者に触れた話題などでさらに笑いを生み出していくなど、双方向のコミュニケーションが可能となっています。利用者は普段なかなか見ることがないリアルタイムのお笑いを鑑賞できるのでよい刺激になりそうです。

体操

ヨガやストレッチといった一般向けから、介護予防体操や認知症予防体操など高齢者向けの体操などを配信している方が多くおられます。動画にアクセスして視聴する一方向のものは動画サイトなどで多く見られますが、オンラインレクリエーションでは、リアルタイムでの配信や、双方向コミュニケーションで利用者の反応を見ながら実施していることもあります。体操は利用者にとって体を動かす非常に貴重な機会です。オンラインレクリエーションといういつもと違う環境で実施する体操は心身によい刺激が期待できそうです。 介護レク,オンラインレクリエーション,介護レクリエーション

楽器演奏

演奏をするにあたり楽器の数によって演奏者の数も増えるものですが、オンラインレクリエーションでは離れた場所での提供が可能なため、新型コロナウイルス感染症の利用者への感染リスクにはなりません。生演奏で聴く懐かしい歌や当時の流行歌などは利用者のこころの安定やストレス緩和に大きく繋がることが期待できます。演奏者と利用者は双方向コミュニケーションで反応を見ることができますので、鈴を鳴らすなどして一緒に参加している一体感を作り上げることができます。
以上のようなオンラインレクリエーションを提供してくれるサービスを利用する以外にも介護施設が提供できるオンラインレクリエーションもあります。離れた場所でも映像と音声を繋ぐことができることを活かした介護レクは、年末年始の時期でも面会に来ることができない家族と利用者を繋ぐ機会として活用できます。例えば同じカルタを用意し、利用者が読み上げることで孫たちが札を取るなどすれば同じ空間で楽しめることでしょう。ほかにも福笑いでは同じ絵柄のものを、同じペースで進めてお互いに完成を見せ合って楽しむ。コマを同時に回して、回る時間の長さを競うなど「オンライン面会」や「オンライン帰省」で交流を深めつつ同じ遊びを楽しむことは利用者にとって大切な時間を提供できる機会となることが期待できます。

オンラインレクリエーションを実施できる環境を整えよう!

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介護記録をICT化した場合などは記録媒体にタブレット機器などを用いることができますので、テレビ等に接続すればオンラインレクリエーションを実施できる環境を整えることができますのでおすすめです。業務改善に取り組むのと同時にますます増加すると思われるオンラインレクリエーションを取り入れ、利用者の楽しみや心身機能の向上に努めていくことは質の高いケアのために有効といえます。

NDソフトウェアではICTを活用した介護記録ソフト「Care Palette(ケアパレット)」をご用意しております。介護記録をタブレット機器に入力するだけでなく音声での入力も可能なため記録業務の大幅な効率化を図れるほか、日常の介護レクの様子を動画撮影で残しておくことで家族に介護施設での様子を分かりやすく見てもらうことができます。ぜひご可活用ください。

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まとめ

2020年は新型コロナウイルス感染症対策に介護施設は多大な影響を受けました。利用者は外出の機会が減少し、施設内で過ごすことが多くなってしまいました。そんな中でも利用者の生活に刺激や楽しみを持ってもらうために介護レクを提供することは重要な意味を持ちます。面会制限や外出の自粛など社会情勢が大きく変化したことと、ICTの技術が進歩したことによる新しい介護レクの形「オンラインレクリエーション」はいつもの介護レクとは違う新鮮さを味わえたり離れた場所にいる家族と面会しながらも同じ遊びを楽しめたりと様々な楽しみ方が可能で、これからもますます需要が高まっていくものと期待されています。利用者の生活に楽しみを持ってもらえるよう、オンラインレクリエーションを活用しながらよりよい年末年始を過ごしましょう。

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当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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