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NDSコラム

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子育てしながら介護職との両立などのポイント

2020/12/21

介護業界は慢性的な人材不足が悩みです。理由としては採用が困難であること、離職率が高いことが多く挙がっており、離職してしまう介護職の理由として常に多く挙がるのが「結婚・出産・妊娠・育児のため」となっています。なぜ介護の仕事は妊娠や育児をしながら続けることは困難だといわれているのでしょうか。また、介護の仕事を続けていけるようにするにはどのように両立させていくことが必要なのでしょうか。結婚・出産・妊娠・育児を理由に介護の仕事を離職しないための両立のポイントと、貴重な人材を離職させないために介護事業所はどのような環境を整備すればよいのかのポイントを解説します。

出産・育児などが介護の仕事を続けられない理由になっている

介護業界は年々増加する介護ニーズに対し介護職の人材が不足していることが大きな問題となっています。2025年に到来するといわれている超高齢化社会と介護ニーズを解決するには介護業界全体で人材の確保と離職の防止を図っていくことが何よりも重要です。
しかし現状では介護業界全体の離職は一定の高い割合で推移しており、なかなか人材が定着しないのが実際のところです。なかでも介護の仕事を離職する理由として常に上位に挙げられるのが「結婚・出産・妊娠・育児のため」となっており、男女比において女性が多い介護業界で妊娠や育児を理由に介護職を離職せざるを得ない方がいるという現状は、人材確保の観点からは非常に大きな課題といえます。

介護職と育児は両立が難しい?

介護の仕事は一般的なイメージとして「忙しい」「休みがとれない」「夜勤がある」など育児をしながら続けていくには難しいと思われるところもありますが、働く介護事業所の環境次第では、育児をしながら介護職を続けていくことは難しいことではありません。それでも離職理由に育児等が多く挙がってきてしまうには、以下の理由が多いようです。

人手不足で休みが取れない

妊娠中や子育てをしながら勤務する場合、急に自身や子どもの体調不良などで出勤できないことがどうしても出てきます。介護事業所によっては慢性的な人手不足で人員に余裕がない場合、急な休みに対応できないこともあるなどを理由に介護の仕事を離職せざるを得なくなります。

残業をすることができない

子どもを保育園に預けながらの勤務などではお迎えの時間が決まっているため残業をすることが困難になってきます。しかし現場での介護業務にあたりながら記録業務などを後回しにし、残業として記録を書くことが常態化してしまっている介護事業所などではどうしても働き続けることが難しくなってしまうのです。

体力・精神的に負担が大きい

介護の仕事は身体介護といった体力を使うものや認知症対応といった精神的に集中力を要するものもあります。子育て中も子どもの世話や家事などで体力、精神力を要するため体がついていかなくなり、介護の仕事を離職せざるを得なくなる方が多いようです。

ダブルケア

近年の女性の社会進出等に伴う晩婚化により結婚から出産、育児の時期と親の介護の時期が重なってしまうことをダブルケアといいます。介護の仕事を続けていきたいと思っても育児と介護両方をこなしていくにはどうしても負担が大きく、介護の仕事をあきらめてしまうのです。また男女問わず親の介護を理由に仕事を離職せざるを得なくなる場合があり、それを「介護離職」といいます。国は「介護離職ゼロ」を目指し労働環境の改善などを呼びかけています。介護の仕事を続けながら自身の親の介護を続けていくことができる環境づくりが必要です。

シフト制で働くことができない

介護の仕事は多くがシフト制で勤務します。今までなら早出や遅出、夜勤などの勤務もできていた方が結婚や出産によりシフト制で働けない環境になってしまうことがあり、勤めていた介護事業所を離職せざるを得なくなるのです。
子育てなどを理由に介護の仕事を離職してしまう背景には「心身の負担」と「労働環境」が大きく関係しているともいえます。しかし先ほど述べたように介護の仕事は様々な業種や働き方があり、自身に合った労働環境や条件で勤務することができれば妊娠や育児とも両立させやすい仕事である部分も多くあります。そのためには結婚、妊娠、出産、育児と介護の仕事を両立させるためのポイントをしっかりと押さえておくことが重要です。

介護の仕事を離職しないために!妊娠や育児と仕事を両立させるためのポイント

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近年はライフスタイルや価値観が多様化し、結婚、妊娠、子育てをしながらでも自身の仕事は続けたい女性も多くいらっしゃいます。また教育や親の介護にかかる費用などを捻出するために夫婦共働きをしなくてはならない方もいらっしゃると思われます。どのような理由であっても介護の仕事を続けていけるよう、介護事業所は働く方々の様々なニーズを汲み取るよう意識したり体制づくりを行ったりすることが大切です。介護事業所が意識したい介護の仕事と自身の生活を両立させやすいポイントをまとめてみました。

残業が発生しない業務体制づくりを意識しよう

介護職員の中には育児しながら働く人や親の介護をしながら働く人など様々な事情を抱えながら働いている人がいます。そういった方々は保育園の迎えやデイサービスから帰ってくる時間などに合わせて勤務を終了しなければならず、慢性的に残業が発生する介護事業所では働きにくくなってしまいます。普段の業務で残業が発生しやすい事業所は、なぜ残業が発生してしまうのか業務体制を見直し、勤務時間で適切に業務を終えることができるよう適正化を図ると働く介護職員にとっては育児や親の介護との両立がとてもやりやすくなります。

ニーズに応じた勤務体制

介護の仕事は特別養護老人ホームなどの比較的介護度が高く身体介護を要する場面が多い事業所や、通所介護や訪問介護など日中に集中して業務が発生する事業所など様々な勤務形態があります。例えば特別養護老人ホームで働いている職員が妊娠している場合などは、長時間の勤務や重介護度の身体介護は身体の負担にも繋がり悪影響を及ぼすかもしれず、介護職員の事情次第では勤務を続けることが困難になる場合があります。離職を防ぐためには介護職員の実情に応じて心身に負担の少ない業務を担当してもらう、時短勤務をしてもらい負担を軽減するなどニーズに応じた勤務体制を整備できれば、介護職員にとって非常に働きやすい事業所となるでしょう。

産休、育休、介護休暇などの体制を整備する

介護事業所によっては妊娠中であっても負担のない働き方ができる、パート職員であっても籍を残したまま産休に入ることができる、親の介護のために介護休暇を設けるなど出産、育児やダブルケアに理解のある事業所がたくさんあります。なかには託児所を置いている介護事業所もあり、そうした体制づくりをしている介護事業所では育児や親の介護を抱えている方は大変に働きやすくなります。介護の仕事を離職せずに負担なく働いてもらうために、それぞれのニーズに合わせた制度や体制を整備しておくことはとても有効です。

離職しない働きやすい環境を整備しよう

結婚、妊娠、出産、育児などを理由に介護の仕事を離職しないようにするには、本人たちだけの問題ではなく介護事業所側も積極的に離職を防ぐほかにも介護の仕事と両立できる事業所として働きやすい職場環境を整備していくことが非常に重要です。
特に介護の仕事と子育て等を両立させていこうとする方々には、心身の負担をいかに軽減させるかを考えた環境づくりが大切です。人材不足の中でも業務の無駄がないように適正化を図り、慢性的に残業が発生しないような労働環境を整えていくことで、多くの介護職の負担を軽減し働きやすい職場となります。それにより介護の仕事を離職してしまう方を減らすことができれば人材不足も解消されていくといえるでしょう。

ICTを活用した業務効率化が有効

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介護の仕事は利用者へのケアというものは対人援助が欠かせません。質の高いケアを提供することと利用者へのサービスを効率化していくことは不適切ともいえます。利用者には質の高いケアを提供し、そのなかで業務の効率化を図っていくためには直接利用者と関わらない部分の業務に関して検討する必要があります。

特に介護職の負担として大きいものに挙げられるのがケアの提供記録や介護記録などの記録業務です。これらは日々のバイタルや食事量、排せつ、睡眠時の様子や介護計画に沿ったケアの提供記録など様々な記録を残す必要があり、介護職にとって残業に繋がりやすい業務ともいえます。この記録類を大幅に軽減するにはICTを活用した介護記録の電子化が非常に有効です。
NDソフトウェアの「ケア総合記録システム」は介護記録に関する業務を電子化しタブレット端末やパソコンに入力することで大幅な時間削減を可能にします。入力が簡単になるだけでなく、一度入力した情報は介護日誌や申し送り、介護記録などに転記が可能なため同じ情報を何度も入力する必要がありません。また「Care Palette」を活用すれば介護記録を音声入力でできるなど記録にかかる手間をさらに簡単にでき、IT機器に不慣れな方でも扱いやすくなるため精神的な負担の軽減にも役立ちます。 職場環境を整備し、多くの介護職が働きやすいようICTを活用した業務効率化を図るためにぜひご活用ください。

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まとめ

結婚、妊娠、出産、育児や親の介護などを理由に介護の仕事を離職してしまうことは、介護の仕事を辞めた理由として常に上位に挙げられる問題です。介護業界の人材確保と介護職が自分の仕事と生活を両立させていくために介護事業所は、どのような方であっても働きやすい環境づくりをしていくことが非常に大切です。そのためには介護記録等に積極的にICTを活用し業務をシステム化することで心身の負担を軽減していくことで効率化を図ることが重要です。多くの介護職が働きやすい職場を整備していくことで安心して働けるようになり、介護の仕事を離職してしまうことを防ぐことができるでしょう。

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当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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