NDSコラム

仕事 2020/12/17
介護ロボットやICT機器を
どのように活用していくのか
令和3年度介護報酬改定の検討の方向性とは

令和3年度の介護報酬改定に向けて、現在活発な議論が行われている最中です。大きな議論のひとつに介護人材をいかに確保していくか、介護現場の革新を図るかというものがあり、その中で介護ロボットやICT機器を積極的に活用していくべきであるとの意見が強く出されています。介護ロボットやICT機器は介護ニーズの増大が見込まれる中、慢性的な人材不足が続く介護業界において業務の効率化や介護職の負担を減らすために大いに期待が寄せられていますが、その活用は慎重に行うべきとの意見もあります。介護ロボット、ICT機器といったテクノロジーの活用に対し、令和3年度介護報酬改定でどのような意見が議論されているのかについてまとめました。

 

介護ロボット、ICT機器の積極的活用が議論されている

介護保険制度は令和3年度4月に介護報酬改定を迎えます。それにあたり今現在報酬体系の見直しや新たな評価基準の検討などの議論がなされているところです。介護業界の人材確保や介護現場の革新がひとつの大きなテーマとして意見が交わされており、そのなかの大きな議論のひとつが介護ロボットやICT機器の積極的な活用です。介護業界は慢性的に続く人材不足をいかに解消し人材の確保に繋げるかが課題となっており、近年のITの進化により発展を続ける介護ロボット、ICT機器、AIなどを積極的に活用していくことを解決の糸口にできる可能性に大いに期待を寄せています。
 
従来の方法では負担が大きいものとなっていた重度の身体介護を、移動用リフトや起き上がり補助装置といった介護ロボットを活用することで介護職の負担軽減、腰痛軽減を図ろうというものや、見守りセンサーや業務における記録類を、ICTを活用し電子化するなどで業務の効率化を図ろうというもの、ケアプランの作成にAIを補助的に用いることで効率的かつ質の高いケアプランを目指せるなど、今までの介護業界の業務を大きく変える可能性があります。令和3年度介護報酬改定ではこの介護ロボットやICT機器の活用をいかに推進し、そのためにどのような評価を行うべきであるかといったことが前向きかつ積極的に議論されているのです。
 

介護ロボット、ICT機器導入の活用と効果について

 
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介護業界を大きく変える可能性のあるこれらのテクノロジーですが、平成30年度介護報酬改定において夜勤の見守りを要する介護施設等において、見守りセンサーを一定の割合で活用して業務の効率化を図った場合、夜勤職員配置加算の基準の緩和を図る方針が打ち出されました。ベッドセンサーや見守りカメラなどは夜間の見守り業務にかかる介護職の負担を軽減できているとの評価がなされております。
 
これらのテクノロジーの活用は現在の業務の効率化を図り、捻出された時間を利用者のための質の高いケアに役立てられるために必要なものであるとし、サービスの質を高めるケアのためには見守り業務にかかる時間をベッドセンサーや見守りカメラで効率化する、職員間の情報共有や記録業務をデジタルインカム、介護記録ソフトなどで効率化するなどに介護ロボットやICT機器を有効活用することが重要だとされています。
 
これらの介護ロボットやICT機器は万能ではなく、あくまでも職員の補佐やサポートであり頼りすぎないことが大事ではありますがモデル事業においてその有用性が実証されております。見守りセンサーは介護職員の負担やストレスを大きく軽減できた以外にも利用者の行動パターンの把握や事故発生時の分析にも役立つという回答が得られているほか、利用者自身も導入後にゆっくり休めたと答える方が増えるなど、ケアの質の向上に寄与するものであることが分かっています。さらにデジタルインカムや介護記録ソフトといったテクノロジーを活用している介護事業所においても業務の効率化を図った結果利用者に直接ケアを提供できる時間が約1.2倍増加させることができています。
このように業務の質、ケアの質を向上させるための介護ロボットやICT機器の活用を有効にするためにどのように推進するかといった意見が出ています。
 
介護報酬や人員基準、加算などに介護ロボットやICTを組み込もうとする議論は今までの介護報酬改定ではここまで積極的にされてきませんでした。介護現場の人材不足解消や質の向上のために介護ロボットやICT機器の活用は必須ともいえますので、ぜひ積極的な推進を期待したいですね。
 

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令和3年度介護報酬改定の議論の方向性

令和3年度介護報酬改定に向けてなされている議論の方向性としては、介護ロボットやICTの活用は先述したように慎重な検討がされているものの積極的な姿勢を見せています。人員基準の緩和を図るだけでなく人材を確保していく方向性でとの意見も強く出ています。人員基準ではなく活用した事業所を加算として評価するべきとの意見もあり、今後の方向性に引き続き注目が必要です。
 
また、介護ロボットやICT機器を活用することを評価する体制をつくるのは効果が立証されてからでもよく、まずは過疎地域や小規模の事業所なども含む多くの事業所でも機器を導入できるように支援する体制をつくったほうがよいのではないとの意見も出ていますね。今現在でも介護ロボットやICTの導入に活用できる補助金はありますが、小規模な事業所でも導入しやすくなるとさらに推進を後押しする形になります。どのような方向に進むのか楽しみですね。
 
利用者への直接的なケアではない部分のICTの活用では介護記録の簡素化、事務作業の効率化が議論されており、中でも新型コロナウイルス感染症が猛威を振るったことで積極的に推進されたテレワークやオンライン会議はこれからのウィズコロナの時代においても活用していくべきだとの意見が出されている一方で、対面でないことで情報量が不足する事態があってはならないため活用方法を慎重に検討する必要があるという意見も出ています。しかし介護記録や運営に必要な請求情報などのICTを活用した電子化やテレビ電話などを用いたオンライン会議は全体の方向性としては業務の効率化を図るための重要な取り組みとされているようです。ほかケアの質の向上を図るために職員間の情報共有の効率化も必要との意見が出ています。ICTを活用したインカムは導入事例においても一定の効果を上げており、それらを活用している事業所において評価する必要があるのではないかとの議論がされています。
 
また新たな評価として検討されている項目のひとつに「ノーリフティングケア」の推進が挙げられます。ノーリフティングケアとは介護職の腰痛による離職を防ぎ人材の定着を図るために介護ロボットや福祉用具を活用し、利用者を「押さない・引かない・持ち上げない・ねじらない・運ばない」というケアを実践するというものです。利用者、介護職ともに無理な介助をしないことで利用者の褥瘡の予防や変形、拘縮の防止、介護職の腰痛予防から離職率の低下、仕事へのやりがいを見出せるための施策として期待されています。
 
すでにモデル事業としてノーリフティングケアを実践している事業所では半年間で腰痛を訴える介護職員が25%減少、離職率も約3%減少するなどの成果が出ています。
この腰痛予防の観点から介護ロボットやICT機器を活用して業務改善、人材の定着を図る取り組みを推進する事業所を評価してはどうかとの意見が出ています。
腰痛は介護職の悩みの種となっています。それが解消されると仕事へのやりがいも見出しやすくなりますし、不安を抱えながら身体介護を行う精神的な負担も改善されることが期待できますね。
 

介護ロボット、ICT機器を活用した環境に対応していくことが重要

 
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令和3年度介護報酬改定に向けての方向性はまだ議論中のものであり、今後方向性の変更などが生じる可能性があります。しかし介護ロボットやICTの活用は加算の算定や報酬体系の評価基準に必要なものではなく、利用者へ質の高いケアを提供するために業務の効率化を図るもの、そして介護職の業務や腰痛などの負担を軽減し職場への定着を図るものが本来の目的ではないかと思われます。
介護業界全体の課題を解決していくためには介護ロボットやICTを活用していくことはとても有効かつ重要な方法となっていくと思われますので、介護施設や介護事業所はその環境に柔軟に対応し整備していく姿勢が求められるようになるでしょう。令和3年度介護報酬改定に向けて自身の介護施設、介護事業所の業務の見直しを行い、積極的に介護ロボットやICT機器の導入を検討してみるのもよいのではないでしょうか。
 
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まとめ

令和3年度介護報酬改定に向けての方向性として、介護人材の確保やケアの質の向上の取り組みとして介護ロボットやICT機器を活用していくことが活発に議論されています。これらのテクノロジーを活用していくことは業務の改善を図り、利用者と介護職員両方にメリットのあるものとして大きな期待が寄せられていますが、導入には前向きなものの慎重に検討するべきであるとの意見もあり現段階ではどのような方向性に向かうのかは不確定です。今後の動向に注目しながら、テクノロジーを活用した介護施設、介護事業所の環境整備を検討していくことが必要であると思われます。
 
※コラム内容における情報などは検討がされている段階です。今後の議論において変更が生じることもありますのでご注意ください。
 

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参考URL:
令和3年度介護報酬改定に向けて (介護人材の確保・介護現場の革新)
介護人材の確保・介護現場の革新(検討の方向性)

 
※コラムの内容については、掲載当時のものです。
 
 
 
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