NDSコラム

仕事 2021/01/25
介護施設等への
BCP策定義務化に対応するために
BCP対策や防災対策のポイントを解説

令和3年度介護報酬改定にて、介護施設等のBCP策定を義務付ける方針で議論が進んでいます。BCPとは「事業継続計画」のことで、介護施設や介護事業所は防災対策をはじめ様々な場面を想定してのBCP対策を講じることが必要になると見られています。昨今の自然災害や新型コロナウイルス感染症から利用者、職員、介護施設を守っていくためにBCP対策や防災対策を今一度見直すことが求められます。

BCP対策とは?

BCPとは「Business Continuity Plan」の略で「事業継続計画」のことです。
災害など不測の緊急事態が生じた場合に、事業を継続できるよう計画を立てるための対策をBCP対策といいます。
つまり自然災害などの緊急事態が生じた際に介護事業所等が被害を被っても事業を継続できるように必要な対策をあらかじめ立てておくことです。
緊急事態には当然自然災害も含まれるため、防災対策もBCP対策のひとつといえますが、BCP対策はそのような状況下でも事業を継続できるようにするための対策ですので災害のリスクをなくす、被害を最小限に止めることを目的とする防災対策とは少し意味が違うことに注意しましょう。BCPには自然災害のほかにも感染症、事故、紛争やテロ、その他の事業継続を脅かすすべての事態を含みます。
 

令和3年度介護報酬改定で介護施設等のBCP策定が義務付けられる運び

令和3年度の介護報酬改定に向けた議論が進められている最中ですが、基本的方針のひとつに「感染症や災害への対応力強化」が掲げられています。現在の方向性としては感染症対策として委員会の開催、指針の整備、研修の実施等、訓練の実施を義務づけるとのことで議論されています。また介護福祉サービスのすべてを対象に感染症や災害が発生した場合の業務継続に向けた計画等の策定、研修の実施、訓練の実施等を義務づけるとしています。
つまり「感染症対策の計画を立てること」「BCO対策を策定しておくこと」が介護施設、介護事業所において義務化されることとなりそうです。現在の意見としては「3年間の経過措置期間を設ける」と議論されています。
 

介護施設等のBCP策定が義務付けられる背景とは?

令和3年度介護報酬改定で防災対策、BCP対策の策定を義務づける方針が打ち出された背景にはやはり新型コロナウイルス感染症の感染拡大、近年発生頻度の増している自然災害が背景にあります。
現在も感染拡大を続ける新型コロナウイルス感染症は介護施設でのクラスターも発生するなど全国で猛威を振るい、介護施設は感染対策に様々な工夫を行いながらサービス提供体制の確保に努めました。新型コロナウイルス感染症は基礎疾患のある方や高齢者が重症化しやすいという特性があるため、今後もより一層の感染防止策に努めながら必要なサービス提供体制を確保することが必要との見方からこの度のBCP策定を義務づける動きとなったようです。
 
またここ数年発生が頻発している豪雨災害も介護施設が被害に遭うなど深刻なダメージをもたらしました。2011年の東日本大震災から注目されだしたBCP対策ですが、さらに豪雨や台風による災害への対策にも目を向けられることとなり、災害発生時の安全確保やサービス提供体制の確保の必要性が増したこともこの度のBCP策定を義務づける動きとなっています。
 
介護サービスは利用者やその家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、感染症や災害が発生した場合であっても利用者に対して必要なサービスが安定的かつ継続的に提供されることが重要です。感染拡大や自然災害が身近な問題となってきたからこそ、介護施設や介護事業所は社会の維持に必要な介護サービスを継続できるようBCP対策、防災対策をしっかり定めておくことが重要です。
 

BCP対策の策定で考えておきたいポイント

 
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BCP対策の基本的な目的は以下の3つです。
・従業員を守る
・事業を守る
・事業所の価値を高める
 
自然災害や感染症など緊急事態の発生時はまずは職員、利用者の命をどう守るかを考えることが必要です。緊急事態を想定した避難訓練や感染症の研修などで正しい知識を共有しておく必要があるでしょう。
次に災害などが発生した際に必要な介護サービスの提供体制を確保する、もしくは早急に回復させることのできる対策は考えておく必要のあるポイントです。ケアに必要な利用者の情報を守る、必要な医療体制や備蓄の確保の指針を定めておくことが必要になると思われます。
そして、BCP対策をしっかり策定しておくことは介護事業所として信頼されるために重要な要素となっていくと思われます。いざという時の備えをしっかりと取っている介護施設、介護事業所は利用者や家族の信頼に繋がります。安心、安全なケアの提供が必要であるのと同時にBCP対策をしっかり策定することで緊急時にも安心という信頼は、事業所の価値を大いに高めるでしょう。
 
現在令和3年度介護報酬改定に向けた議論では介護施設や介護事業所のBCP対策の策定に向けたガイドラインの作成が進められているようです。介護施設や介護事業所のBCP対策にどのような項目が盛り込まれるのか注目です。
 

介護施設の防災対策を改めて確認しよう

 
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昨今頻発している豪雨被害や台風被害、地震などの自然災害は職員、利用者ともに命にかかわるほか介護サービスの提供体制が困難になるおそれが強いです。事業所で定めている防災対策について今一度職員間で共有しておくことが重要です。
 

ハザードマップの確認

災害には豪雨、台風などによる風水害や地震、火災、地域によっては火山の噴火なども考えられます。それぞれの災害が発生した際、事業所がある地域のどこが危険であるかを予測し、避難経路や避難先を表示するハザードマップを全職員で再確認し、共通認識を持っておくことはいざという時の素早い行動に繋がります。
 

避難訓練、消火訓練の実施

災害発生時や火災発生時は、初動をどのように取るかで被害の範囲が大きく変わってきます。先述したハザードマップと合わせ、地震が発生した際を想定した安全確保や迅速な避難の訓練や介護施設内で火災が発生した際の初期消火、通報訓練は定期的に行うことで身に付きます。利用者、職員の命を最優先に守るために事業所での訓練計画を見直すことも必要でしょう。
 

非常時の連絡体制の確認

災害発生時には、職員間の連絡、情報共有が円滑に行えなくなることがしばしば見受けられます。緊急時には迅速な対応が必要となるため連絡手段や連絡網の再確認は重要です。以前に作成していたけど退職した職員の名が残っていたりや新しい職員の名が入っていないということがないよう、定期的に見直すようにした方が良いでしょう。
介護を必要とする高齢者は自力での安全確保が困難な場合が多いため、安全確保や安否確認など職員の迅速な連携が大切な命を守るために必要です。
 

備蓄の確認と定期的な更新

災害時にはしばしばライフラインが滞る事態が発生します。先の豪雨被害でも利用者、職員が介護施設内で孤立するケースが見られました。その際は救助が来るまでの間は外部供給に頼らず事業所内の備蓄で過ごすことになります。
数日間を想定した量の防災食や水、防寒具などの備蓄をしていても、長期間備蓄している間に賞味期限が切れることも考えられます。リストを作成し賞味期限を管理するか定期的に目視で確認するなどし、期限切れにならないよう注意しましょう。また、施設の非常電源や発電機がある場合は作動するかどうかを定期的に確認しておくことも必要です。
 
介護施設で食事の提供が断たれるかもしれないリスク、利用者の状態に合わせた食事提供の必要性を踏まえ、いざという時に備えるためのおすすめの非常食が「UAA食品 美味しい防災食・美味しい非常食」です。
一般的に非常食として備蓄される機会の多いレトルト食は保存期間が2~3年程ですが、こちらはUAA(ウルトラアントエイジング)製法により、なんと5年以上の間の長期保存が可能です。また、常温のままでも出来立てに近い味に仕上げているのでライフラインが止まってしまった場合にも温めなしでも「美味しい食事」を提供できます。熱湯が用意できる環境ならばラーメンなどの麺類も楽しむことができます。
利用者の状態に合わせて噛み切りやすい「やわらか食」や飲み込みやすい「ムース食」などもあり、個別対応にも適した非常食といえます。非常時に備えつつ、食事の楽しさを提供するのにおすすめの非常食です。
 
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ケアに必要な情報の確保

災害発生時においても介護施設では継続的なサービスを提供することが利用者の生活を守るためには必要であり、サービスの提供には利用者の情報が必要です。利用者に関する情報は適切なケアのために必要なほか、介護保険請求で報酬を受け取る際にも必要です。
つまり介護保険サービスという仕事には利用者の情報は命を守る意味でも事業を守る意味でも大切なものです。しかし情報をカルテなどの紙媒体で管理している場合、水害や火災などの災害によっては消失してしまうことも考えられます。いざという時に備え利用者の情報をどう守るかは事業継続のためにとても重要なことです。
災害時に情報を守るためには紙媒体ではなく、介護記録類をICTでデータ管理することが非常に有効です。利用者一人ひとりの大切な情報を手のひらに収まるサイズの記録媒体で持ち出すこともできるため、緊急時における情報の確保が非常に容易になります。またICTを活用したバックアップサービスを利用すれば記録媒体が失われた状態であってもデータの復元が可能になりますので非常時に備えた情報管理の対策として大いに役立ちます。
 
NDソフトウェアではICTを活用した介護記録ソフト「ほのぼの」シリーズや財務会計、給与管理、人事管理といったバックオフィスソフトをお使いの事業所様の大切なデータを守るためのオンラインバックアップサービスをご提供しております。定期的に自動でバックアップを行うため、万が一データを消失した際でも最新のデータを復元することができます。
また「ほのぼの」シリーズのシステムを外部のサーバーに構築し、オンラインで利用できる「onlineプラットフォーム」なら、事業所のパソコンなどでデータを管理する必要がないため災害時も大切なデータを失わず安全に管理が可能です。利用者様へのサービス提供確保と、事業継続のために必要なデータ管理の安全性を大きく高めることができます。ご検討の際はぜひご相談ください。

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まとめ

昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大や豪雨、台風、地震などの自然災害で社会の維持に必要なサービス提供体制が困難にならないよう必要な措置を講ずるとして、令和3年度介護報酬改定では介護施設、介護事業所にBCP対策の策定を義務づける方針が打ち出されています。緊急事態が発生した際でも利用者、職員の命を最優先で守るとともにサービスの提供や事業の継続に必要な情報を、オンラインバックアップなどICTを活用した方法で適切に管理するなど災害対策と事業継続のためのBCP対策を講じることで守っていきましょう。
 
 
参考URL:
厚生省:第195回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料
運営基準の改正等の概要(案)

感染症や災害への対応力強化 (検討の方向性)
令和3年度介護報酬改定に関する審議報告
企業における情報セキュリティガバナンスの あり方に関する研究会 報告書 参考資料
 
※コラムの内容については、掲載当時のものです。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
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