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NDSコラム

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チームケア、多職種連携を円滑にする「介護リーダー」の役割とは

2021/01/14

介護施設の仕事において必ず求められるのが「チームケア」や「多職種との連携」です。利用者のケアとは一人で行うものではなく、介護施設というチームやその他医療職や他業種との関わりの中で提供されるものだからです。このチームケアや多職種連携を円滑にするために必要な存在が「介護リーダー」です。介護リーダーがしっかりと機能することで利用者にとって質の高いケアを提供することが可能になるといってもよいでしょう。今回はチームケア・多職種連携を円滑にするために重要な「介護リーダー」の役割について解説します。

介護施設の仕事はチームケア・多職種連携が必須

通常介護施設での仕事は必ずチームを形成します。介護職員一人で利用者のケアにあたることは基本的にあり得ません。介護施設全体で決められた介護計画書に沿ったケアを介護職員全員が共有しながら同じケアを提供する必要があるのです。介護職員一人ひとりがバラバラの介護をしてしまうと、利用者は効率的なケアを受けられないばかりか心身機能が低下しADL、QOLを著しく下げてしまうことにもなります。そして一人の利用者のケアには介護施設だけでなく医療職や他業種も関わることがほとんどです。それぞれの各分野が専門性を発揮されて初めて利用者にとって最適なケアが提供できるといえます。そのためには各サービスが利用者の情報を等しく共有しながらケアにあたる「多職種連携」が必須です。

令和3年度の介護報酬改定ではリハビリテーション計画書の様式の変更が提言されており、質の向上、生産性の向上のためにリハビリテーション、機能訓練、口腔ケア、栄養ケアが一体なってサービス提供されることが必要との意見が出ています。そのためにはリハビリ職だけでなく管理栄養士、介護職らがそれぞれ連携を取りケアの実施にあたることが必要になると思われます。事業所間で連携して一人の利用者のケアを実施するには介護施設は事業所内の全介護職員が同じ意識でケアにあたるチームケアを徹底することが重要です。この介護施設内のチームケアや多職種との連携を円滑にするために必要な役割が「介護リーダー」です。

介護リーダーとは

介護リーダーとは介護主任とも呼ばれることもあり、介護現場の中心となりチームケアや多職種との連携を行う非常に重要なポジションです。特に必要な資格などはありませんが、高い専門知識や技術を持ち、介護現場の業務が円滑に行えるようにするほか利用者のケアの質を高め最適な介護を提供できるようにすることが求められます。

一般的に介護リーダーの役割は

・現場の介護業務を最適に行えるように調整する司令塔
・医療職や他業種との連携を中心になって担う・利用者の家族との連絡の窓口
・介護職員の指導・育成を行い事業所のケアの質を高めていく教育

以上が介護リーダーの担う仕事です。
介護施設によっては介護職員の勤務表の作成やシフト管理を行う場合もあります。現場の介護を最適に行えるようにするには利用者一人ひとりの介護計画書の内容を把握している必要があるため、介護計画書の作成を一手に担うこともあるなど、自身も現場で介護を提供するだけでなく介護計画書や介護記録の管理といった事務作業も介護リーダーの大切な仕事です。

またチームケアを円滑にするためには介護職員間の情報共有がしっかりと行えていることが大変重要になります。介護リーダーは介護職員が円滑に情報共有を図ることができるよう情報伝達することや、介護職員が質の高いケアを提供できるよう必要な知識、技術の指導や意識を高めるための助言を行うことも重要な役割です。

介護リーダーに求められる能力

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介護リーダーになるには特別な資格は不要ですが、介護事業所全体をマネジメントしていく視点が必要です。そのためにはある程度の経験年数が必要になってくるポジションといえます。
介護リーダーに求められる能力は具体的には以下の通りです。

介護の知識、技術

介護リーダーは自身の事業所全体のケアの質を高めるために必要な調整、マネジメントを行うことが求められます。そのため介護リーダーは適切な介護方法や疾患、障がいに応じた対応方法などに広く精通していることが必要です。介護職員は介護リーダーが適切な情報を与えてくれるからこそ安心して働けるようになるともいえます。
介護の現場では介護事故や急変といった突発的な事態が起こり得ます。経験の浅い職員などはその際に慌ててしまい適切な対応が取れない場合があります。介護リーダーは事態に合わせて的確な判断をする能力が求められます。介護リーダーが落ち着いて判断してくれることは介護職員にとっては大変心強いものです。

コミュニケーション能力

介護リーダーの役割としてチームケアを円滑にするための職員間の情報共有、多職種連携がありますが、その際に必要になるのがコミュニケーション能力です。介護リーダーはチームケアのために介護職員全体の情報共有、意識を統一して導いていく必要があります。
すべての職員に正しく情報を伝えるために介護リーダーは職員一人ひとりに合わせた豊かなコミュニケーション能力が求められるのです。多職種連携においても利用者の事業所での様子を伝えるためや事業所間での認識の統一のためには相手と円滑に意思の疎通を図る必要があります。

また介護職員とのコミュニケーションを円滑にするために介護リーダーに求められるものが「観察力」です。介護職員が悩んでいる時など、様子の変化をつぶさに感じ取れると早い段階での対応が可能です。これは利用者も同様であり、常日頃からの観察が適切な対応に繋がるのです。 観る力、聴く力、伝える力は介護リーダーに必須の能力といってもよいでしょう。

指導を適切に行えるリーダーシップ・人間力

介護リーダーは介護職員を適切に指導・教育していくことも大切な仕事です。介護計画に沿ったケアを全職員で統一して提供するためには職員全員が同じケアを提供できる能力を持つ必要があるためです。介護現場で働く職員は経験年数や年齢などにバラつきが大きい傾向があります。
介護リーダーはその職員それぞれ何ができて何ができないのか、どう指導すれば効果的なのかを的確に把握し、指導にあたる必要があります。その指導を・教育を行う際に非常に重要になるのが「リーダーシップ」です。介護リーダーがいかに適切な指導・教育を行ったとしても、指導を受ける介護職から人間的に慕われていないと教育効果は思うように出ません。
介護の仕事、介護リーダーとしての役割を自身で明確に意識し、介護職員に信頼されることが大切です。個人の感情を全面に出してしまったり、人によって態度が変わってしまったりといった姿を見せてしまってはすべての職員に信頼される介護リーダーにはなれないかもしれません。客観的かつ公正な対応を全うする人間力がリーダーとして信頼されるために必要であり、介護職員を導いていくリーダーシップとなるのです。

介護リーダーに求められる能力は一朝一夕で身につくものではありません。日本介護福祉士会では介護リーダー育成のための研修を定期的に開催しています。介護リーダーとしての知識、技術、資質を学ぶために受講するのも一考でしょう。

チームケア・多職種連携を円滑にするために必要なこと

チームケア・多職種連携を円滑にし、質の高いケアのために介護リーダーは様々な調整を行いますが、職員の数や関連事業所の数が多くなればなるほど意思の疎通、情報共有は統一が難しくなってくるのが実際です。職員間の情報共有のために連絡ノートを活用する、職員一人ひとりに伝えていくなどしてもやはり見た、見ていない、聞いた、聞いていないというバラつきは生じてしまいます。事業所内外の連携や利用者の状態などの情報共有をいかに円滑に効率的に行えるようにするかは介護リーダーの役割を十二分に発揮するために大変重要であり、ケアの質の向上にも大きく関わってきます。介護職員としても介護リーダーに相談しやすい環境であることは分からないこと、悩んでいることなどを聞きやすい環境であるため効率的な指導が可能になります。これらを円滑に、適切にしていくためにはチームケアコミュニケーションの方法を効率化することがカギとなります。多職種連携における情報共有も同様であり、同じ利用者に様々な業種が関わる場合はチームコミュニケーションとして同じ情報を共有できることが重要です。

連携を効率化してケアの質を向上させよう

介護リーダーの役割である多職種連携の効率化や連絡ノートや口頭伝達で生じてしまう情報共有、意思の疎通のバラつきを無くし、チームケアコミュニケーションを円滑にしていくには情報を一元管理できるシステムや連携を効率化するためのシステムを活用することが有効です。
NDソフトウェアの「ほのぼのNEXT :全老健認証済 R4システム」はICTを活用し介護施設の利用者情報などの管理がタブレット端末上で行えるシステムです。介護計画書やリハビリ計画書を端末上で作成できるほか閲覧、評価が多職種で共有できるため意思の疎通が容易にできます。さらにレーダーチャートで利用者のADLの「できる」「できない」をグラフで可視化しますので、利用者の状態の把握や認識の統一、介護計画の作成に大いに役立てることができます。また掲示板システムを活用して職員間の申し送りや連絡事項を共有できるので見逃し、聞き逃しを防ぐことができます。
さらにチーム内でのコミュニケーションを円滑にするためにはスマートフォンをデジタルインカムとして使う「ほのぼのTALK++」がおすすめです。離れた場所にいる職員でも声と文字でやり取りが可能ですので伝えたいことを即座に発信することができます。聞き逃した場合でもスマートフォンに文字情報として残るため確認が容易にできます。通話には首にかけるタイプのワイヤレス型スピーカー「ネックスピーカー」を用いますので手が塞がる心配もありません。チームコミュニケーションを効率化しケアの質を高めていくためにぜひご活用ください。

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まとめ

介護リーダーは利用者のケアの質を高めるために多職種連携やチームのマネジメントを行う重要なポジションです。介護リーダーにはリーダーシップ、コミュニケーション能力、指導力など様々な能力が求められます。そして介護リーダーの役割を発揮し成果を上げていくためには多職種間、介護職間の情報共有の効率化がとても重要です。ケアの質を高めるために情報共有にはICTを活用したシステムを取り入れることがチームコミュニケーションの効率化に有効です。

当コラムは、掲載当時の情報です。


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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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