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NDSコラム

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コロナ禍における高齢者の介護予防や見守りへの取り組みについて

2021/03/03

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束の兆しを見せないなか、まだまだ落ち着く素振りを見せません。感染を予防するためには外出の自粛が有効といえますが、高齢者にとって外出を自粛することは身体機能の低下や精神機能の低下などから介護リスクが高まることが懸念されます。また自宅で過ごすことが多くなることにより地域の高齢者を見守る目が行き届かないことから安否を確認しにくいことなども考えられます。そこで厚生労働省が通知を出した介護保険最新情報Vol.918では、地方自治体が地域に暮らす高齢者の健康と安全を守るために行っている様々な取り組みを紹介しています。

介護事業者にとっても高齢者の日々の見守り、観察を行っていくことは非常に大切なことであり、健康を守るために専門職の視点から絶えずアセスメントを行うことが重要です。今回は介護保険最新情報Vol.918で紹介されている地方自治体の取り組みと介護事業所が気を付けたい日々の観察についてお話しします。

新型コロナウイルスの影響は高齢者にとって大きなリスク

新型コロナウイルスの感染症の感染拡大が止まないなか、飲食店の休業要請やテレワークの推進など外出の自粛を呼び掛けて感染拡大を食い止めようという試みは、高齢者の生活にも多大な影響を及ぼします。
高齢者は加齢による免疫力の低下や基礎疾患を併せ持つ場合が多いため感染の際に重度化しやすいため積極的に外出を自粛することは感染予防には有効といえますが、外出を控える期間が長くなりすぎることにより運動機能の低下や認知機能の低下から心身機能全体が低下する生活不活発病を招くおそれが考えられます。
生活不活発病は高齢者にとって全身の機能低下を招きやすいため免疫力の低下から感染リスクを増加させやすいほか、要介護状態になるリスクが増加してしまうなどのリスクも増加させます。また改善にも長い月日を要します。新型コロナウイルスの感染を予防することと、生活不活発病にならないことを両立させることが高齢者には求められます。

コロナ禍だからこそ重要になる「介護予防」と「見守り」

地域で暮らす高齢者の感染を予防しつつ生活不活発病に陥らないようにするには、高齢者の自助努力だけでは不十分な場合があります。その際に重要になるのが第三者による「介護予防」と「見守り」というアプローチです。
生活不活発病の発生を防ぐには家にいながらにして活動量を増やす、もしくは安全に配慮した外出の機会を設けることが有効です。しかし地域で暮らす高齢者の方々はなかなかその機会を自分で作れないことがしばしばありますので、その際はボランティアや行政などによる介護状態になることを防ぐための介護予防に寄与する支援が必要となるのです。
また、自宅から外出しない期間が増えることは、高齢者への見守りの目が行き届かないことにも繋がります。見守りの目が行き届かないことは、高齢者の暮らしの困りごとや体調変化の異変に気付きにくくなり、生活不活発病やその他の感染症、疾患の異変を察知しにくくなります。高齢者の生活状況を定期的に見守れる機会をつくることは地域で暮らす高齢者の健康と安全を守るために必要といえるでしょう。

介護保険最新情報から見る地方自治体の取り組み

厚生労働省は介護保険最新情報Vol.918で、地方自治体が地域で暮らす高齢者の健康と安全を守るために行っている取り組みを紹介しています。 どのような取り組みを行っているのかを一部見てみましょう。

地域包括支援センターによる見守り

山形県新庄市は、1人暮らしの高齢者の自宅を市の職員と地域包括支援センターの職員が訪問し困りごと相談窓口や介護予防に関するチラシ、地域包括支援センターの案内を配布しつつ生活状況の把握に努めています。
訪問の結果、見守りが必要と考えられる方には地域包括支援センターが継続して見守りを行い、支援が必要と考えられる方には介護サービスなどの利用に繋げられるようにしています。
地域で暮らす高齢者にとって定期的な訪問から必要な支援を提案してくれることは大きな安心に繋がりますね。

生活支援コーディネーターによる電話での見守り

栃木県さくら市は生活支援コーディネーターと認知症地域支援推進員が1人暮らしの高齢者宅等に電話し、健康状態、食事、買い物、誰かと話す機会があるか等の生活状況を把握し必要に応じて配食サービスや自宅でできる体操等の情報を提供しています。
何かしらの支援が必要と考えられる高齢者には地域賦活支援センターと連携し情報を提供することで包括支援センターの職員が対応しています。生活状況を把握できた高齢者のうち1割が何かしらの悩みを抱えていたとのことで、高齢者の生活の安心安全を守ることに大きな役割を果たせているといえます。

外出の楽しみと買い物支援がセットの移動カフェの実施

和歌山県紀の川市では民間の業者と連携し定期的に移動カフェを開催。そこで移動スーパーとして買い物ができるといった外出の機会と買い物支援をセットで提供しています。
地域で暮らす高齢者にとって外出する機会が減少してしまっている中で定期的に集まれる機会を設けることで生活不活発病の予防や、お互いの見守りに繋がっています。

高齢者が多いマンションでオンラインを活用した取り組み

大阪府大阪市の高齢化率が高く1人暮らし世帯も多いマンションで、住民それぞれが抱える今後の生活や介護、医療への不安等を解決するために住民で活動を立ち上げ、マンションの集会室を活用し、住民が集えるカフェや介護や医療の知識を学ぶための「在宅医療勉強会」等を開催しています。その取り組みを医師、看護師、地域の社協、生活支援コーディネーターが支援しています。さらにZOOMを活用した勉強会、コロナ質問会、お茶会なども積極的に挑戦することが住民のモチベーションアップにも繋がっています。

官民連携のスマートフォンを活用した健康増進支援

沖縄県宮古島市では地域の携帯電話会社と行政が連携し、スマートフォンアプリを活用した高齢者の健康増進を支援しています。市内の店舗で体組成と血圧を計測することができ、アプリのインストールや使い方のフォローも行っており、健康に関する各種データ計測と歩数促進イベントなどを通じて健康状態の見える化を進めることで参加者の健康意識向上を図っています。

介護事業所の定期的な観察が高齢者にとって大切

介護保険最新情報,厚生労働省,バイタルサイン 地域で暮らす高齢者の健康と安全を守るために地方自治体や民間業者が連携して様々な取り組みを行っていますが、介護事業所は支援が必要な方々の健康と安全を守るためにその専門性を最大限に発揮することが重要です。
介護事業者が高齢者の方の健康と安全を守るのに最も必要なことは「毎日の観察を継続すること」といえます。
目、耳、鼻などの感覚器を用いた利用者の健康状態の把握は、「何か様子が違う」「昨日に比べ変化している」という気付きに非常に重要です。細かな変化に気付けるようにするには常日頃からの観察を続けていないと以前との違いに気付けません。
また高齢者の体調を管理し健康状態を把握するためには熱、血圧、脈拍、呼吸の数値化されたバイタルサインや血中酸素飽和濃度を計測するパルスオキシメーターでしっかりと計測し、記録を重ねていくことが重要です。
バイタルサインは高齢者一人ひとりで微妙に平均値が変わりますので、その方にとっての平常値を常に把握し記録していくことが異常に気付くためには欠かせません。
しかし昨今のコロナ禍で非接触式の体温計やパルスオキシメーターの需要が高まるとともに海外からの比較的低価格なものが出回っています。場合によってはこれらの機器は粗悪なものもあり、計測結果が一致しない、そもそも人体用に作られていないなどの問題も時折見られます。新型コロナウイルス感染症を予防するためにも、国内で認可が下りている信頼できる製品を活用していくことが高齢者の健康と安全を守るためには重要です。

NDソフトウェアの介護記録ソフト「Care Palette(ケアパレット)」は日本精密測器株式会社(NISSEI)のバイタル測定器と連動し、計測されたバイタル値を自動で記録ができます。測定結果をメモに書き、さらに介護記録に転記するといった二度手間を短縮できるため大幅な効率化に繋げられるほか、端末にて過去の記録をその場ですぐに参照できるため健康状態の把握にお役立ていただくことが可能です。さらに音声入力機能が標準装備されているため、音声で素早く入力でき、記入漏れを防ぐことにも繋がり、記録業務の大幅な効率化に繋げられます。ご利用者様へ質の高い健康管理をご提供いただくお手伝いに、ぜひご活用ください。

★オススメ商品

まとめ

新型コロナウイルス感染症が収束を見せないなか、厚生労働省は介護保険最新情報Vol.918で各地方自治体は地域で暮らす高齢者の健康と安全を守るために取り組んでいる事例を紹介しています。地域で暮らす高齢者の介護予防や見守りの目で健康を守るとともに、介護事業所は介護が必要な方々の健康と安全を守るために質の高い観察と記録を続けていくことが重要です。 参考URL:
介護保険最新情報Vol.918

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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