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介護テクノロジー利用の重点分野が「9分野16項目」へ!導入事例と補助金についても解説

2026/02/26

介護テクノロジー利用の重点分野は、人材不足解消や生産性向上の対策として、重要性が高まっています。また、2026年6月に実施される処遇改善で、最上位区分を獲得し、職員の給与を最大化するためには、テクノロジー活用による生産性向上が必須要件となりました。しかし、介護施設の管理者や実務担当者のなかには、以下のような悩みをかかえている方が多いでしょう。

  • 何を導入したら本当に業務効率化できるのか
  • 費用はどのくらいかかるのか

適切なテクノロジー導入は、初期費用こそかかりますが、長い目で見れば職員の定着率向上や採用コストの削減に直結するため、費用対効果のある投資といえます。

そこで本記事では、6分野13項目から9分野16項目に拡大された介護テクノロジーの重点分野について、事例を交えて解説します。コスト面の不安を軽減させる補助金についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

介護テクノロジー利用の重点分野とは

介護テクノロジー利用の重点分野とは、厚生労働省と経済産業省が定める「介護現場で優先的に導入すべき技術」の指針です。これまでは「ロボット」と呼ばれていましたが、2025年からはICTやAIを含む「介護テクノロジー」へと名称が変わりました。機械だけでなく、データを扱う介護ソフトも対象に含まれるようになったのが大きなポイントです。

施設運営の視点では、テクノロジー活用を起点とした「稼働率向上から始まる経営の好循環」をつくることが重要です。テクノロジーで業務を効率化し、余力を生むことで入退所調整やケアの質向上に注力でき、結果として稼働率が高まります。経営が安定すれば職員の処遇改善や定着につながり、各種加算の取得も目指しやすくなります。

2026年度からは経過措置が終了し、生産性向上委員会設置が義務化されます。制度に合わせた体制を整えることが安定経営のカギとなります。

介護テクノロジー利用の重点分野

2025年度より、重点分野は「9分野16項目」へ拡充されました。これらを活用することで、業務効率化や生産性向上推進体制加算の算定、人員基準緩和といった経営メリットが得られます。

(★は新しく追加された分野)

分野 項目
1. 移乗支援 ①装着型
②非装着型
2. 移動支援 ③屋外型
④屋内型
⑤装着型
3. 排泄支援 ⑥排泄予測・検知
⑦排泄物処理
⑧動作支援
4. 見守り・コミュニケーション ⑨見守り(施設)
⑩見守り(在宅)
⑪コミュニケーション
5. 入浴支援 ⑫入浴支援
6. 介護業務支援 ⑬介護業務支援
7. 機能訓練支援(★) ⑭機能訓練支援
8. 食事・栄養管理支援(★) ⑮食事・栄養管理支援
9. 認知症生活支援・ケア支援(★) ⑯認知症生活支援・ケア支援

参考:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の全体図と普及率」

1. 移乗支援(装着型・非装着型)

引用:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の定義」

装着型のウェアラブル端末や、アーム等の非装着型機器で移乗介助を補助します。最大のメリットは腰痛予防です。力仕事の負担を減らすことで、女性や高齢スタッフでも安全にケアできるようになり、離職防止や雇用維持に貢献します。
代表例:マッスルスーツ、Hugなど

2. 移動支援(屋外・屋内・装着型)

引用:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の定義」

外出を支える屋外型や、トイレ移動等を助ける屋内型、脚力を補助する装着型があります。利用者の自立した移動をサポートすることで、ADL(日常生活動作)の拡大と転倒リスクの低減を両立します。
代表例:ロボットアシストウォーカー、aLQ(アルク)など

3. 排泄支援(予測・検知・処理・動作支援)

引用:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の定義」

膀胱の膨らみを検知する予測センサーや、水洗ポータブルトイレなどがあります。排泄タイミングの可視化により「空振り」の誘導を削減でき、業務効率化と尊厳の保持を両立します。データは排泄支援加算の根拠としても活用可能です。
代表例:DFree、キューレットなど

4. 見守り・コミュニケーション(施設・在宅・コミュニケーション)

引用:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の定義」

ベッド上の動きを検知するセンサーや会話ロボットで、夜間の巡回を効率化できます。夜間の人員配置基準の緩和や、生産性向上推進体制加算の要件にもなっています。
代表例:眠りSCAN、aamsなど

5. 入浴支援

引用:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の定義」

浴槽へのまたぎ動作を補助するリフトや、洗身・洗髪を自動で行う機器です。滑りやすく事故リスクの高い浴室での業務負担を軽減し、安全に対応できる環境を整えます。
代表例:wellsリフトキャリー、シャワーオールなど

6. 介護業務支援

引用:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の定義」

記録や情報共有、請求業務等を一元管理する介護ソフトです。手書きや転記の手間をなくし、記録の時間を短縮させられます。LIFEとのデータ連携により、科学的介護推進体制加算の算定もスムーズになります。
代表例:ほのぼのNEXT

7. 機能訓練支援

引用:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の定義」

センサーやVRを用いて、身体機能の評価やリハビリ計画の作成・実施を支援する新分野です。専門職が不足している施設でも質の高い訓練を提供でき、客観的データの蓄積により個別機能訓練加算の算定業務も効率化されます。
代表例:curara®、Treeなど

8. 食事・栄養管理支援

引用:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の定義」

食事摂取量を画像AIで自動記録したり、誤嚥リスクを検知する機器です。毎食発生する記録業務を自動化し、正確なデータに基づく低栄養状態の早期発見を支援します。栄養マネジメント強化加算の取得にも役立ちます。
代表例:、GOKURI、ほのぼのNEXT(栄養ケア・マネジメントシステム)など

9. 認知症生活支援・ケア支援

引用:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の定義」

認知症の方の行動パターンをAIが分析し、BPSD(行動・心理症状)の予兆を検知したり、ロボットとの対話で情緒を安定させたりします。「なぜその行動をとるのか」がデータで可視化されるため、根拠に基づいたケアが可能になります。
代表例:OriHime、NICOBOなど

介護分野におけるテクノロジーの活用例

介護現場でのテクノロジー活用は、業務の効率化とケアの質向上を同時に実現します。ここでは、実際に導入し、効果の高かった2つの事例を紹介します。

事例1:介護ソフト×音声入力

記録のために事務所へ戻る移動やPC入力の手間により、残業が常態化し、多職種間の情報共有にもタイムラグが生じていました。 この課題に対し、スマートフォンで操作できる「介護ソフト」と「音声入力」を導入し、その場で記録する体制を整備しました。

結果として、記録時間が大幅に短縮され残業が減少。情報がリアルタイムに共有されることで、看護師やリハビリ職との連携もスムーズになり、迅速な判断が可能になりました。

最近では、すべてを音声にするのではなく、チェック項目はタップ操作、記述に時間のかかるケース記録は音声入力するといった使い方もできるようになりました。テクノロジーをより便利に利用する運用が進んでいます。

事例2:見守りセンサー

従来の夜勤業務では、定期的な巡回が利用者の安眠を妨げてしまうことがあり、職員の負担も大きいという課題がありました。そこで、心拍や離床を遠隔で確認できる「見守りセンサー」を導入。画面で状態を把握し、必要な時だけ訪室する運用へと切り替えました。

その結果、不要な訪室が削減され、業務効率が劇的に向上。巡回によって利用者を起こしてしまうこともなくなり、生活リズムの改善にもつながりました。

介護テクノロジーの導入には補助金の活用が必須

どのような機器があるかわかっても、気になるのは「導入費用」ではないでしょうか。そこで活用したいのが、令和7年度も約97億円の予算が計上された「介護テクノロジー導入支援事業」です。

本事業は、現場の負担軽減とケアの質向上を目的としています。補助額は、以下のように項目によって定められています。

  • 介護ロボット:移乗・入浴支援機器は1台上限100万円、その他は30万円が上限
  • ICT:職員数により最大250万円まで補助
  • パッケージ型導入(複数のテクノロジーを連動させる):最大1,000万円

補助率は通常1/2ですが、「第三者による業務改善支援」や「収支改善分の賃金還元」などの要件を満たせば3/4まで引き上げられます。申請には委員会の設置や計画策定が必須となるため、自治体の公募情報をこまめに確認しましょう。

よくある質問

介護テクノロジー導入を検討する際によくある疑問をまとめました。気になる他施設の導入状況の実態や、失敗しない機器選びに役立つ公的な資料について解説します。

介護テクノロジーを導入している割合は?

分野により普及率は大きく異なります。2024年6月に厚生労働省と経済産業省から発表された普及率は以下の通りです。

  • 見守り:30.0%
  • 入浴支援:11.2%
  • 介護業務支援:10.2%
  • 移乗支援:9.7%
  • 移動支援:1.2%
  • 排泄支援:0.5%

介護テクノロジー便覧とは?

厚生労働省などが発行する、重点分野の機器を網羅した公式カタログや事例集のことです。
介護現場で活用されるテクノロジー便覧

補助金対象の確認や、自施設の課題に合った機器を失敗なく選ぶための、公的なガイドブックとして活用されています。

まとめ

2025年度より、介護テクノロジーの重点分野は「9分野16項目」へ拡大されました。今後は、ロボットだけでなくICTやAIを含むデータ活用が業務の効率化や人材定着のポイントとなります。補助金を活用すれば費用負担も軽減されます。制度改正を追い風に、持続可能な施設運営を目指しましょう。

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当コラムは、掲載当時の情報です。

参考URL

厚生労働省 介護テクノロジー利用の重点分野の全体図と普及率

厚生労働省 令和6年度介護報酬改定の主な事項について(P37) 生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり

厚生労働省 「介護テクノロジー利用の重点分野」の定義

厚生労働省 介護テクノロジー導入支援事業

ライター 織田 さとる ケアマネジャーや生活相談員、介護福祉士として20年以上の実務経験をもち、現在は特別養護老人ホームの副施設長として勤務。これまでの経験を活かし、介護・福祉分野の記事を数多く手がけている。
ケアマネジャー/社会福祉士/介護福祉士/公認心理師など
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