NDSコラム

人材 2020/05/25
新型コロナウイルスで介護事業所の
経営は厳しくなっている?
事業継続に活用したい給付金や制度を紹介

新型コロナウイルスの影響がやや減少傾向にある最近ですが、依然として予断を許さない状況には変わりありません。その新型コロナウイルスの影響により全国の介護事業所が営業の自粛や様々な制限を余儀なくされ、経営状況が非常に厳しい状態にあります。この困難な状況を乗り切るためにも、国が打ち出している様々なコロナウイルス対策や給付金などの制度を利用する必要があります。今回は介護事業所が置かれている経営状況と、それを乗り切るために利用を考えたい制度を紹介します。

 

新型コロナウイルスの影響で約50%の介護事業所に影響がある

新型コロナウイルスの影響で全国に緊急事態宣言が出されたことにより、介護事業所は営業の自粛や感染拡大予防策の徹底など、様々な対応に追われました。一般社団法人全国介護事業者連盟が4月2日から4月10日の間に行ったアンケート「新型コロナウイルス感染症に係る 経営状況への影響について『緊急調査』(※1)」によると、全国の介護事業所のうち実に49%の事業所が「新型コロナウイルスにより経営に影響が出ている」と答えています。
 
さらに、「影響を受ける可能性がある」と答えた事業所は44%にのぼります。すでに影響が出ている事業所と合わせて93%の事業所に何らかの影響を及ぼしているといえます。
 

 
事業所別では通所介護の82%が「影響がある」と回答しており、すでに経営状況が厳しくなっていることが分かります。そのほかにも訪問介護で31%、有料老人ホームで29%、特別養護老人ホームで23%、グループホームで6%が「影響がある」と回答しており、通所介護ほどの影響は少ないように思われますが、6割前後が今後「影響が出る可能性がある」と回答しています。グループホームにおいては88%が今後「影響が出る可能性がある」と回答しており、経営状況が厳しくなっていることが伺えます。

 

 

新型コロナウイルスが介護事業所の経営に与える影響

同アンケートによると、全国の影響が出ている介護事業所の多くが前月と比較して1割以上の減収であると回答しています。こちらの調査結果は4月上旬のものですので、全国に緊急事態宣言が出される前のものとなっており、現段階での経営状況はさらに厳しくなっているのではないかと推測されます。新型コロナウイルスが全国の介護事業所に与えている影響は以下の通りです。
 

稼働率の低下により売り上げが減少している

新型コロナウイルスの影響で利用者が通所介護や訪問介護の利用を控えているという回答が多く、それが稼働率の低下に大きな影響を及ぼしています。さらに、有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの入所型施設においてもショートステイの営業自粛による稼働率の低下や、新規利用者獲得のための営業活動や施設見学などが行えないため、新規利用がないことにより稼働率の低下を招いているとのことです。
在宅サービス、施設系サービス問わず新型コロナウイルスが介護事業所の経営に与えている影響は大きいといえるでしょう。
 

衛生用品などの支出で経費がかさんでいる

介護事業所において感染予防策としてマスクやアルコール消毒剤などの衛生用品を常備してあることは珍しくないことですが、このたびの新型コロナウイルスの影響は非常に大きく、全国でマスク、アルコールや次亜塩素酸ナトリウム消毒液などが品薄状態となりました。介護事業所もその影響を受け感染を予防するために必要な衛生用品が手に入りにくくなり、全国的に価格が上昇する状態になりました。
もちろん介護事業所としては利用者や介護職への感染予防に必要な道具であるため、価格が上昇した状態でも購入しなくてはなりません。それが支出増となり経費が多くかかってしまっているのです。
ほかに経費がかさんでいるものとして、人件費が挙げられています。介護事業所は運営に必要な人員基準が定められています。基準を満たす人員を確保していたとしても、稼働率が低下している経営状況においては人件費が多くかかり、収入が減っているのに対し人件費の支出が変わらないことが影響として挙げられています。
収入増が見込みにくいコロナ禍においても支出は増えていることが経営状況を厳しくさせているというのが伺えます。
 

営業継続が困難になるかもしれない不安

新型コロナウイルスが全国の介護事業所に与えている影響として「人員の確保」が大きな課題となっているようです。特に影響が大きいのが学校の休校により子どものいるパート職員が出勤できないというもの。その分の人員を確保しようにも足りず、残されている介護職への負担が大きくなっているのです。
ほかに、今後事業所で感染者が出た場合などで人員が抜けてしまうことによって介護職が確保できず、事業が継続できないかもしれないことに不安を感じている介護事業所が多く見られます。
 

介護事業所の厳しい経営状況を乗り切るには

売り上げの減少、経費の増加、人員不足と現在新型コロナウイルスの影響で多くの介護事業所の経営状況は厳しいものとなっています。この厳しい状況を乗り切るためには、持続化給付金をはじめ国が打ち出している様々な制度を利用していく必要があるでしょう。
介護事業所の厳しい経営状況を乗り切るために利用できる制度は以下のものがあります。
 

 

持続化給付金

持続化給付金とは新型コロナウイルスの影響が大きい事業者に対し、事業の継続を図るための給付を行うというものです。(※2)個人事業主で最大100万円、法人で最大200万円の給付を受けることができます。介護事業所は法人である必要があるため、200万円が給付の上限となりますね。
申請方法はオンライン申請が基本となっています。随時窓口も開設する予定とのことですが、予算を使い切ってしまうと早期に終了するおそれもあります。前年同月と比較して50%以上収益が落ちている事業者が対象となりますので、該当する介護事業所厳しい経営状況を乗り切るためにぜひ利用したい制度です。
 

人員基準の臨時的な取り扱い

厚生労働省は、新型コロナウイルスの影響で介護事業所の人員基準が一時的に満たせなくなることを考慮し、臨時的に人員基準の緩和や報酬の算定要件の拡大措置といった柔軟な対応をとっています。(※3)
訪問介護ならば45分のサービスであるところを感染防止の観点から20分でサービスを終えた場合でも45分として算定可能とする、初任者研修以上の資格を持っていない介護職でも相応の経験があるならば訪問介護員として従事してもよいなどの対応が認められています。
通所介護においては、利用者宅へ訪問してサービスを提供した場合はその提供時間に応じて報酬の算定が可能とされているほか、事業所を休業している際に代替場所として公民館などを利用した際もサービス提供として算定可能、人員基準を満たせない場合でも減算としないといった対応が認められています。
ご自身の介護事業所に応じた人員基準等の臨時的な取り扱いを最大限利用し、収益の維持に努めることが必要です。
 

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金

新型コロナウイルスの影響による学校の休校で、出勤できなくなった職員に対し、有給休暇として賃金を支払った事業者に対して助成金が出る制度です。事業所ごとではなく、法人が申請する必要があることに注意が必要です。
人員が不足している厳しい状態に、さらに人件費で経営状況が悪化しないように活用したいですね。
なお、申請期限は6月30日までとされていますので利用を考えている事業者は早めに申請したほうがよいでしょう。
 

その他融資制度を活用する

新型コロナウイルスの影響で経営状況が厳しい事業者に対して、日本政策金融公庫(※4)や自治体で様々な融資制度が設けられています。実質無利子で利用できるものもありますので、現在の介護事業所の厳しい経営状況を乗り切るためには資金繰りに行き詰まる前にいざという時に備えて融資を受けておくことも必要な選択肢となるでしょう。
 

まとめ

新型コロナウイルスの影響により介護事業所は非常に厳しい経営状況にあることが分かりました。
介護サービスは停滞していた経済を回していくためには必要不可欠なサービスです。厳しい経営状況を乗り切るために持続化給付金をはじめ様々な制度を利用して、事業の継続を図っていきましょう!
 
参考:

 
※コラムの内容については、掲載当時のものです。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
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