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NDSコラム

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自宅で介護する「在宅介護」の特徴や受けられるサービスとは?

2020/10/05

私たちの多くは自宅という拠点を持ち、そこで社会活動や日常生活を営んでいます。そうして愛着を持った土地、地域で暮らし続けたいと願うことはごく自然なことといえます。しかし、高齢などにより日常生活に介護を要する状態になった方は時に自宅で暮らし続けることが困難になってしまう場合もあります。

介護が必要になっても自分の家で暮らし続けたい人は、自宅で介護を受けながら生活する「在宅介護」を行っていく必要がありますが、在宅介護を支える介護サービスにはどのようなものがあるのでしょうか。また、在宅介護を続けていくために本人や家族が注意するポイントとはどのようなものでしょうか。

在宅介護とは?

在宅介護とは文字通り「在宅で介護を受ける」こと。介護が必要な状態になると要介護度によって差はありますが日常生活に常に何かしらの支援が必要な状態になります。常に介護が必要な状態になった場合、施設などに入所し介護サービスを受けることが選択肢のひとつではあります。しかし自身が暮らしてきた愛着のある家での生活を続けることを願う方もおられ、そのような方は生きる意欲を支えるために施設などには入所せず自宅で介護を受けながら生活することもひとつの選択肢といえます。要介護者本人の希望を最大限尊重し、支えるために2000年の介護保険施行時から様々な在宅介護サービスが創設され、利用者の自宅での生活を支援するサービスが提供されています。

在宅介護の特徴

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在宅で介護を行っていく在宅介護ですが、その特徴として大きなことはやはり「住み慣れた家である」ことがあげられるでしょう。使い慣れた家財や居室などの空間は心を落ち着かせ、情緒的に安定した生活を続けることができます。
ほかに、家族と同居しながら在宅介護を行っている場合は家族の顔が常に見られる環境にあるため、これもまた安心感や情緒の安定に深くかかわってきます。要介護者が落ち着いて過ごせる環境が整っているという点で在宅介護を希望する方が増えてきています。

在宅介護が本人や家族の負担になる?

一方で在宅介護が負担を与えてしまうケースもあります。まず在宅介護は家族の環境や介護力により大きな差が生まれてしまいます。昨今では少子高齢化や核家族化、女性の社会進出などライフスタイルの変化により介護が必要な方の割合に対し介護を担う方の割合が少なくなっています。それに比例して要介護者を在宅で介護するための単純なマンパワーが不足してしまう場合があります。家族は自身の仕事や場合によっては子育てを行いながら介護にもあたる必要があるため、介護に対する負担が大きくなってしまうことがあるのです。要介護度が高くなるほど介護依存度は上がるため、必要な介護量も増加します。これにより在宅での介護を継続できないケースは決して少なくありません。

さらに、家族にとって要介護者は「介護を必要とする人」以前に「家族」であり、その近すぎる距離感が逆にストレスになることも。
反対に、離れた場所に住む家族の元へ通いながら介護を行うケースもあります。生活空間が離れた生活はストレスを溜めこまないためには有効ですが、移動にかかる時間や費用は距離によっては負担となり他県への移動ともなると、まる一日を介護のために費やすこともしばしばです。
その結果、自宅での生活を続けたいという本人の気持ちを尊重したいのに在宅介護自体を継続していくことが難しくなり施設入所などの選択肢を選ばざるを得なくなってしまうのです。
しかし今現在、特別養護老人ホームは原則として要介護度3以上が入所の基準になっており、それでも多くの待機者がいます。つまり、在宅介護を行っている人の中には在宅介護を継続することが困難な状態になりながらも在宅介護を続けざるを得ない方もたくさんおられるということです。

これでは在宅介護はただ負担を増すだけの介護スタイルになってしまいます。
そこで積極的に活用していきたいのが在宅介護を支えるための訪問介護や通所介護、短期入所介護などの介護サービスです。それらの介護サービスの中から利用者と家族の環境やニーズ、悩みごとから最適な方法を提案してくれる心強い存在に介護支援専門員、通称ケアマネージャーがいます。

在宅介護の要、ケアマネージャー

在宅介護サービスを使おうとする際、まず必要になるのが「在宅介護サービスを使いながらどのような生活を送っていきたいのか」などの援助方針や必要な在宅介護サービスの利用計画などを定める「居宅介護計画書」です。
ケアマネージャーは利用者、家族の希望を把握したうえで必要なサービスの設定や計画書の作成、各事業所との調整を行ってくれる大変心強い存在です。自身の在宅介護の条件などをしっかりと伝えることでケアマネージャーは最適なプランを提案しやすくなりますので生活環境や生活の希望、介護サービスの希望などをしっかりと伝えることが在宅介護の環境を整えるためには必要なことです。

在宅介護は「頑張りすぎない」のがポイント

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在宅介護を行っていく際、まず考えるべきことは「介護者が自分の時間を確保できること」といえます。在宅介護は要介護者との距離が近すぎることや食事や排せつ等のお世話や移動などでストレスが増すなど介護負担が大きくなりやすいことが特徴です。さらに在宅介護を選択した家族は「自分がしっかりと介護を頑張らなければ」と考えてしまう方も多く、それが余計にプレッシャーとなり必要以上に頑張りすぎる傾向があります。しかし介護というものはいつまで続くのかが明確にはできません。いわばゴールの見えないマラソンを走り続けるようなものです。はじめは勢いよく走りだしたとしても長続きせずに必ず疲れ果ててしまうことになります。その結果介護うつに陥る、燃え尽き症候群になるなど自身の体調を崩してしまったり、追い詰められて虐待してしまったりということも現実としてあることです。

そのためにも、在宅介護を始める段階で「自分の時間を確保できること」をしっかりと考えておく必要があるのです。時間の確保の仕方は生活環境や介護環境によって大きく異なります。平日頑張って週末はショートステイを利用してもらい離れる時間を作ることが適している方もいれば、日中は毎日外出してもらい夜だけ介護する方もおられます。家事にかかわることはすべて訪問介護に任せることもひとつでしょう。
自分のライフスタイルや介護環境、要介護者のニーズなどと合わせて適切な介護サービスを選択し、頑張りすぎないことを前提に在宅介護を行っていくことが長く続けていく大切なポイントです。

在宅介護はたくさんの居宅介護サービスによって支えられていますが、それらの介護サービスに精通し利用者と家族のためのケアを事業所と調整してくれるのがケアマネージャーであり、まさに在宅介護の要ともいうべき存在です。それゆえにケアマネージャーは事業所と利用者の居宅を行き来しながら情報をまとめ、書類を作成するなど非常に多忙です。今後ますます増えると思われる在宅介護を支えていくには、ケアマネージャーの業務の効率化を図っていくことが必須になっていきます。そのひとつとしてICT化、システム化がお勧めです。

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まとめ

生まれ育った地域、住み慣れた家で暮らし続けることを願う人は多く、それは介護が必要になっても変わることはありません。しかし介護依存度が高くなるほど自宅での生活は困難になりやすく、自宅で介護を行う家族には大きな介護負担となることもしばしばです。在宅介護を長く続けていくためには、在宅生活を支援するための居宅介護サービスを有効に使い、自身が頑張りすぎない、1人で抱え込まないことを意識してサービスを積極的に使いながら介護の悩みがあればサービス事業所やケアマネージャーに相談するなど、気楽に続けていける環境を作っていくことが大切です。

また、住み慣れた地域で暮らせるように在宅介護を充実させることは国の方針でもありますが、少子高齢化、核家族化、女性の社会進出におけるライフスタイルの変化など、介護を取り巻く環境は昔と比べ大きく様変わりしています。新型コロナウイルス感染症の影響で介護業界も在宅勤務化が進んでいるなど、介護サービスにおいても大きな転換期を迎えているといえます。ますます在宅介護が増えていく中で、心強い存在であるケアマネジャーを支えていくために業務改善が必要になってきます。ケアプランの作成や相談支援など、多くの業務をシステム化することでケアマネジャーの負担を軽減し、在宅介護を支える業務に専念する環境整備が重要になってくるでしょう。

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参考URL:
厚生労働省 各介護サービスについて

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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