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NDSコラム

介護支援ソフト「ほのぼの」シリーズのNDソフトウェアです。介護業界・障がい福祉業界の、トレンドや情報を発信しております。

障がい者の就職に役立つサービスや仕事に役立つICT技術を紹介

2020/11/02

私たちは自身の生活のためや自分のやりたいことの実現のためなど、様々な理由で仕事をし生計を立てています。それは障がい者の方も例外ではありません。
就職し、仕事をしていくことは障がいのある方にとって生活のためだけでなく、生きがいや自己実現に繋がる行為としても非常に重要な社会参加です。

「障害者雇用促進法」や「障害者総合支援法」という法律により、障がいのある方でも健常者と平等に社会で生活できるよう理念のもと、近年は障がい者を対象とした求人も増えています。福祉分野においても、障がい者施設で働く障がい者を募集するなど就職の幅は広がってきています。
希望する仕事や適した仕事に巡り合うためにはスキルアップや就職するために役立つサービスをうまく利用することが効果的です。また、雇用する事業者は障がい者でも能力を最大限発揮できるよう様々な手立て、工夫を行っていくことが求められています。 今回は、障がい者の就職に役立てたいサービス、事業者が障がい者の力を活かすために整備したい環境のポイントを解説します。

障がい者を雇用する事業者が増えている

昭和35年に施行された「障害者の雇用の促進等に関する法律」通称「障害者雇用促進法」は雇用において障がい者が障がいのない者と変わりなく平等に就職でき、自立した生活を営めるよう必要な措置を講ずると定めており、障がい者の雇用の促進のために度々改正を重ねてきました。その成果もあり平成30年までに15年連続で障がい者の雇用数は最多を更新し続けるなど、平等な雇用のために障がい者を積極的に採用しようという事業者は年々増加しています。さらに近年はITの進化もありテレワークやデスクワークなど個人の特性や能力を活かしやすい労働環境も整ってきたことも追い風となっています。
また令和元年の改正において、短時間労働以外の労働が困難な障がい者の雇用を促進するよう支援するとされたことにより、長時間の労働が困難な障がい者であっても就職の機会が大きく広がりました。
近年では障がい者施設の職員として障がい者を採用する福祉施設も増加しており、自身の特性、能力、希望に合致した就職先は以前に比べると非常に見つけやすくなったといえるでしょう。

障がい者が活躍している仕事の一例

仕事には多様な仕事があり障がい者、健常者に関わらず個人の特性や得手不得手などによって大きく違いが生じます。

事務職

事務職は一般企業でパソコンなどを使いデータの入力や電話対応などの事務作業を行います。体力に自信がない方でもデスクワークなら能力を活かすことができますし、体を使う機会は少ないので負担が少ないことが大きな特徴です。

清掃業

店舗やビル、一般家庭の清掃やゴミ出しなどの軽作業を行います。比較的同じ作業を繰り返すことが多いため環境の変化に対応しにくい方でも取り組みやすい仕事といえます。

クリエイティブ職

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ゲームデザイナーや画家、作曲家、シナリオライターなどのいわゆるクリエイティブ職は感性を最大限に発揮する仕事ですが、自身の興味があることには特にこだわり抜く方がその特性を活かすには最適な職業といえるかもしれません。さらに最近はパソコンなどの機器を用いてテレワークでのやり取りが増加するなど移動の機会が少なくなり、自宅で作業する環境が合う人には適正があるといえます。

工場などでの作業

工場などに勤務し組み立てや箱詰め、機械の操作などを行います。同じ作業を繰り返すことが多いですが、仕事を手順化してこなすことが得意な方にとっては取り組みやすい仕事です。また、他者に積極的に関わることが苦手な方でも黙々と取り組める仕事が多いため精神的に楽な環境で働きやすいといえます。

障がい者施設や介護施設での業務

障がい者施設や介護施設には様々な業務があり、障がいのある方や健常者に関わらず、個人の特性に応じた働き方が多種多様です。事務仕事やマッサージ、掃除や洗濯など、利用者の生活を支えるためには多くの力を必要としますので、多様な人材を積極的に採用している施設が多くあります。

障がい者の就職に役立つ方法にはどんなものがある?

障がいのある方が就職し仕事をしていくために積極的に活用したい方法には様々なものがあります。

ハローワーク

求職登録を行い、就職のために必要な活動方法などの相談、指導を受けることができます。どのような仕事が自分に向いているか分からない方などの相談にも応じてくれるので気軽に相談してみるとよいでしょう。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターとは就業に関する相談や就労継続に関する相談以外に、日常生活や地域生活に関する相談、助言などを受けることができます。必要に応じてハローワークや職業訓練など関連施設への連絡調整も行ってくれるなど、障がい者の社会生活の大きな助けとなるサービスです。

障害者職業センター

障害者職業センターは都道府県に主に設置され、障害者職業カウンセラー等が配置されており就職や職場復帰を目指す障がいのある方、障がい者雇用を検討している或いは雇用している事業主の方、障害のある方の就労を支援する関係機関の方に対して支援、サービスを上記のハローワーク、障害者就業・生活支援センターと密接に連携を取り提供しています。

障害者職業能力開発校

障害者職業能力開発校は職業能力開発促進法に基づき、国が設置する職業能力開発施設です。一般の能力開発校での訓練が困難な障がい者が就職に必要な技能や技術の習得するための職業訓練を受けることができます。

就労移行支援事業所、就労継続支援事業所

就労移行支援事業所とは、事業所内で作業や就職に必要な企業での実習などを行いながら一般就労を目指すための事業所で、就労継続支援事業所は事業所と雇用契約を結び就労の機会を得ながら一般就労を目指すA型と、雇用契約を結ばずに事業所内で生産活動の機会を得、就労に向けて必要な技能、技術の習得を目指すB型とがある事業所です。
これらは「障害者総合支援法」に定められた障がい福祉サービスであり、障がい者の就労支援だけでなく日常生活を支援するサービスなど様々な事業所が展開されています。
各機関いずれも一般就労を目指す方や障がいであることをオープンにして就職したい方など様々な相談に応じてくれますのでまずは自身の希望を関係機関に相談してみるとよいでしょう。

障害者総合支援法とは?

先述した「障害者総合支援法」とは、正式名称を「「障害者の日常生活及び社会生活を総合的 に支援するための法律」といい、障がい者、健常者分け隔てなく社会で共生できるよう社会参加の機会の確保や社会的障壁の除去に資することが理念として掲げられています。前身となる法律に「障害者自立支援法」がありましたが、ただ自立のみを支援するのではなく基本的人権を享有する個人としての尊厳が重視され、社会参加を含めて障がい者を総合的に支援しようという法律に変わりました。
これにより障がい者のニーズに合わせて訪問系や入居系、就労支援など様々な障がい福祉サービスが展開されるようになりました。
この障がい福祉サービスは利用者のニーズ合わせた自立支援や社会参加を達成することを目指すものです。事業所は利用者の特性やニーズに合わせて個別のサービスを提供する必要がありますが、個々に合わせたサービスの提供だけでなく、それらを適切に記録として管理しなくてはなりません。様々なサービスごとの情報の記録量は膨大であり、悩みの種でもありました。そこで最近の障がい福祉サービスでは支援をより適切に行うために施設のICT化、事務作業や記録の効率化が進んでいます。弊社の「Care Palette(ケアパレット)」は利用者ごとのサービス計画書の管理や食事、入浴、排泄などの入居系サービスに必要な記録をタブレット端末一台で入力、管理ができるため大幅な効率化につなげることが可能です。また、「ほのぼのmore」は障がい福祉サービス全般に対応しており様々なサービスを利用する利用者の情報や提供記録を一元管理できるためスケジュール管理から請求までをまとめて管理することができるため効率的です。

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障がい者が働きやすい環境を整えよう

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障がい者の方が特性に応じた能力を最大限に発揮するためには雇用する事業者側が障がいの特性に配慮した環境を整備していくことも大変重要です。特に近年求人が増加している障がい福祉施設などの福祉サービスは情報の記録や共有が大切な仕事のひとつですが、文字を書くことが苦手な方や複雑な動作が困難な方にはどうしても難しい仕事になってしまいます。しかし、ICT機器を活用した環境を整備していくことで障がいのある方でも記録作業や操作が簡単に行うことができ、仕事の幅を広げることが可能です。文字を書くことが苦手な方には「音声入力支援システムVoicefun」を活用して文字を言葉で入力すれば負担は劇的に改善します。利用者情報や記録の管理は「ほのぼのmore」を活用することでタブレットに簡単入力でき管理が楽になるため複雑な作業の大部分が簡素化されます。
障がい福祉分野は常に人材不足が悩みとなっていますが、障がいの方の特性に応じたICT機器などを活用した環境整備を図っていき働きやすい環境、力を発揮しやすい環境を提供すれば障がいのある方も負担なく働ける貴重な人材となるでしょう。

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まとめ

障害者雇用促進法、障害者総合支援法に基づく平等な社会の実現、障がい者の自立支援や社会生活の促進のために国は様々な支援を行っており、年々障がい者を雇用しようとする事業者は増加しています。近年はICT技術の進歩もありテレワークや在宅ワークの求人が増加するなど就職の幅が広がりました。さらに文字入力ができない方でも音声入力が可能になり、障がいのある方の就職のために色々な機関で必要な訓練を受けることができます。専門機関に相談、助言等を受けるなど自身に合った仕事探しをすることが自身の特性に合った仕事を見つけるために重要です。

参考URL:
障害者雇用をめぐる現状・課題と対応(改正法の概要)
障害者総合支援法が施行されました

当コラムは、掲載当時の情報です。

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ライター 寺田 英史 短期入所生活介護にて13年間勤務し職責者、管理者を歴任。
その後、介護保険外サービスを運営。その傍らで初任者研修、実務者研修の講師としても活動中。

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