NDSコラム

仕事 2021/03/19
介護労働実態調査からみた
介護事業所におけるICT活用の現状とは

厚生労働省は2025年、2040年の介護ニーズ増大や介護の質の向上への取り組みとして介護業界のICT活用を積極的に推進しています。また近年の新型コロナウイルス感染症の影響から介護施設などでも積極的にITテクノロジーを活用することにより極力の接触を減らす手立てを講じることも推奨しています。公益財団法人介護労働安定センターが行った「令和2年度介護労働実態調査」では新型コロナウイルス禍において介護事業所がどのようにICTを活用しているかの中間報告がなされています。現在の介護事業所のICT化への取り組みの実態はどのようなものか、介護労働実態調査をもとに解説します。

 

介護業界にICTの活用の期待が高まる

介護業界は慢性的な人材不足が長年の懸念材料であり、処遇の改善など様々施策を実施してきましたが未だ解決には至っていません。2025年には団塊の世代が後期高齢者になり介護ニーズが増大すると見込まれており、2040年までは需要が拡大し続けると見られています。それに伴い高齢者のさらなる自立支援や重度化の防止に取り組む必要があるとし、多職種連携の強化やケアの効率化を図ることで介護の質の向上が必要とされています。
また昨今の新型コロナウイルス感染症は高齢者や基礎疾患を持つ方が重度化しやすいこともあり、介護業界は従来の感染予防対策に加えさらなる取り組みが必要とされました。そこで厚生労働省が大きな期待を寄せているのがICT機器やAIといったITテクノロジーを活用したケアの質の向上に資する効率化や接触を減らすといった取り組みです。介護業界のICT化の必要性はますます高まっているといえます。
 

介護労働実態調査からみた新型コロナウイルスの影響やICT活用の現状とは

公益財団法人介護労働安定センターが行った「令和2年度介護労働実態調査」の中間報告で介護事業所の新型コロナウイルス感染症により生じた影響やICT化への取り組みの現状が報告されています。
 

4割以上の事業所で事業収益が減少

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新型コロナウイルス感染症の影響などにより前年と比較して事業収益が減少したと答えている事業所は感染の多かった地域で46.2%、少ない地域でも26.9%に上りました。収益が増加したと答えた事業所は感染の多少にかかわらず10%を割り込むなど、新型コロナウイルスの影響により経営に大きな打撃を受けたことが分かります。
 
収益が減ったと答えている理由として挙げられているのは「マスク等、資材の価格高騰での経費圧迫」が上位を占めています。2020年春からの新型コロナウイルスの影響でマスクやアルコール消毒液などの不足が全国的に広がり、その影響で価格が高騰したことが介護施設等の経費の増大につながったといえます。価格の高騰は幾分か落ち着いてきたとのことですが2021年1月の段階でも多くの介護事業所で経費が圧迫されていると答えています。
厚生労働省は感染症対策の徹底支援としてかかり増し費用の交付や慰労金の支4給などの支援を行っていますが、慰労金を申請したと回答した事業所は9割を超えたのに対しかかり増し請求を申請した事業所は半数以下でした。
 

事業所運営で特に苦労した点は「シフト調整」と「他事業所との連携」が上位

新型コロナウイルス感染症禍での事業所運営で特に苦労した点として感染の多かった地域の事業所での介護職員のシフト調整が最も多く、周囲の事業所との連絡・連携が次いで多く挙げられました。感染の多かった地域では濃厚接触疑い等が職員に出た場合出勤できない事態が発生する等、シフト調整が流動的になりやすいものであったことが考えられます。また施設間の往来を制限する介護事業所も多かったことから、従来の顔を合わせての連携が困難になったことが考えられます。
 

今後、重要な対策については「感染予防資材の備蓄」「職員の体調管理」が上位

感染の多い地域、少ない地域にかかわらず今後重要な対策として回答が多かったものは「感染予防資材の備蓄・管理」「職員の体温・体調管理」が8割を超えました。次いで「職員への定期的な感染症対策研修」が多く挙げられ7割前後に上っています。多くの地域で今もなお使い捨てゴム手袋、不織布マスク、消毒用アルコールが不足しているとのことで、新型コロナウイルスに備えた備蓄はまだ十分ではないと見られます。
また感染の多い地域、少ない地域ともに6割以上が現在の職場で働きたいと考えていますが、新型コロナウイルス感染禍で働くことへの「心理的な不安」や自身が感染しないか、感染源にならないか、利用者が感染してしまわないかが不安であるとの回答も多く挙げられました。介護事業所としての備蓄や感染対策に努め介護職員が安心して働ける環境を構築していくことが今後の課題といえます。
 

コロナ禍でのICT導入は「導入していない」が最多の回答

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コロナ禍においてICTを導入したか否かの質問に対し「導入していない」と答えた介護事業所が最多で感染の多い地域で約43%、感染の少ない地域で約53%でした。また新たに導入したと回答した事業所がどのようなICT機器を導入したかについては「オンラインミーティングツールによる会議」が最も多く挙げられました。しかし感染の多い地域では33%、感染の少ない地域では18.8%と低い水準となっています。
その他導入されたICT機器では「モバイル・タブレット端末で利用者情報を共有」「オンラインミーティングツールによる利用者とご家 族の面会」「職員間・事業所内情報共有ツールの導入」の順に回答が多く挙げられましたがいずれも2割に満たないもが現状でした。対して今後必要と思われる対策でもICT機器の導入はオンラインミーティングでの面会やICT機器によるケア時間の削減や人員不足の解消と答えた事業所が2割~4割に上るなど、今後のICT導入への関心は決して低くないことがわかります。
 
ICT機器の導入はオンライン面会やオンライン面談など接触を極力減らした状態での対話が可能であり、利用者のこころの安定や多職種連携に活用されることが期待されています。また職員間の情報共有を円滑にする、ケアの効率化を図るにもICT機器を効果的に活用することで業務を効率化し負担を減らせることが立証されています。
コロナ禍での介護職員の不安や利用者への感染リスクを予防していくためにも積極的な活用が望まれます。
 
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さらに、社員間のやり取りを文字と音声で行うことができる「ほのぼのTALK++」はiOS端末をデジタルインカムとして活用でき、イヤホンではなく首にかけるタイプのスピーカーである「ネックスピーカー」を使用することでコードが邪魔になったり、イヤホンで耳が痛くなることがなく、離れた場所にいても効率的な情報共有が可能です。その他にも介護事業所様の実情に応じたICT化のお手伝いを積極的にさせていただきますのでぜひご相談ください。
 

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介護施設や事業所でのICT活用の今後の展望

現状ではまだICTを導入、活用している介護施設、介護事業所が少ないという結果ですが、厚生労働省、介護保険制度の今後の展望としては積極的なICTの活用が求められています。
現在わが国では既存のアナログシステムを積極的にデジタルに移行させ、新たな企業価値を構築していくデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。医療・介護業界においても医療データの活用へのニーズが高く、医療データや健診データの分析を基に保険事業の効率化を図るデータヘルス計画が推進されているなどICTを活用したシステムの導入はますます需要が増すものと見られます。介護分野も今後はデータベース活用などデジタルトランスフォーメーションへのニーズが加速していくと考えられ、既存のアナログシステムを積極的にデジタライズしていくことは業務の効率化を図るだけでなく介護施設、介護事業所としての価値を高めていくことにも繋がるものと思われます。
 

介護事業所の実情に応じたICT化に積極的に取り組もう

新型コロナウイルス感染症の感染予防対策と介護の質の向上に資するICT機器の活用、企業価値を高めるためのデジタルトランスフォーメーションへの取り組みなど、介護施設や介護事業所が利用者と介護職双方の安全を守り、質の高いケアとともに信頼される事業所となるためには既存のアナログなシステムを積極的にデジタル化し、業務の効率化や新たなシステムを構築していく重要なフェーズとなっているといえます。まずは介護施設や事業所の業務の流れを洗い出して整理し、実情や展望に応じてICT化を図ることができる部分から積極的にデジタライズしていくことが今後の情勢の変化に対応していくためには必要となるでしょう。
 
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まとめ

介護労働実態調査の中間報告ではコロナ禍において新たにICTを活用している事業所が約半数であるなど、まだまだ積極的なICT化は図られていないことがわかりました。しかし今後必要な対策としてもICT化には関心が寄せられていることもわかりました。介護業界も含め日本全体がデジタル化に大きく舵を切ろうとしている現在、介護事業所が安心と安全なサービスを提供することができ、質の高いケアを提供できる信頼される事業所となるためには積極的なICTの導入が求められます。
 
 

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参考URL:
公益財団法人 介護労働安定センター:令和2年度介護労働実態調査(特別調査) 「新型コロナウイルス感染症禍における介護事業所の実態調査」中間報告
 
※コラムの内容については、掲載当時のものです。
 
 
お読みいただきありがとうございました。
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