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第3回 介護施設利用者の幸せと介護職員の幸せの関係性について
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2024/11/29
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第2回はこちら: 第2回 組織の3つの課題
今回のテーマは「施設利用者の幸せが介護職員の幸せか?」です。「利用者の幸せが私たちの幸せです」という理念を掲げていている介護施設もあると思いますが、決して理念を批判するわけではありません。「施設利用者の幸せ=介護職員の幸せ」なのかということについて今回は心理的な観点からお話ししたいと思います。
介護職員に必要な優しさは母性
介護職員にとって重要なのは、優しさ、つまり母性です。母性を持って日常生活に困っている人にケアを提供するのが介護の基本です。この優しさ、つまり愛情を他者へ提供するためには、まず介護職員自身が誰かから優しくされた経験が必要です。心理学的には、コップの水のように、自分の心に注がれた愛情が溢れ出て他者への愛情となっていくのです。
職員自身の気持ちが満たされていないのに、他者に優しく接することは難しいです。リーダーの皆様にお伝えしたいのは、リーダーが現場のスタッフに優しく接することで、そのスタッフが利用者に優しく接するようになるということです。また、リーダー自身が優しくされているかどうかも重要です。これは職場の上司やご家族などのプライベートも含めた関係性にも関わることです。
「利用者の幸せ=介護職員の幸せ」なのか
「利用者の幸せが私たちの幸せ」という考え方は非常に高尚ですが、実際の介護現場では、利用者からの感謝の言葉を頂くのが難しいことがあります。そのため、利用者の「ありがとう」だけを介護職員の仕事のエネルギー源やモチベーションにするのは組織活動としては破綻していくので、とても危険です。まずはリーダー自身の気持ちが満たされることで、現場のスタッフとも優しいやり取りができるようになり、利用者にも優しく接することができる雰囲気が組織全体で生まれます。個人ではなく、組織の仕組みとして、職員一人ひとりが満たされるようになっていくことが大事です。リーダーもプライベートを大切にし、残業をしないよう工夫し、自分自身を満たすことを考えてみてください。
本日は、「介護施設利用者の幸せと介護職員の幸せの関係性について」お話しました。第4回は「チームワークの作り方」です。ぜひご一読ください。
第4回:
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当コラムは、掲載当時の情報です。
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