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第9回「新人育成 職員の心の変化」
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2025/02/03
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第8回はこちら: 第8回「新人育成の仕組みを作ろう」
今回は新人育成をする上で把握しておいた方がよい、新人職員の心の変化について解説します。新人職員の心は四段階で変化していきますので、この変化を理解し、新人育成の仕組みとして教育のプログラムをつくることが大切です。
新人職員の心の変化 四段階

新人が初日から1ヶ月ほどの間にどんな気持ちで職場にいるかというと、一段階目に「ここにいてもいいのか」という不安を抱えています。これは居場所不安とも表現されますが、新人は何も知らない状態で仕事に来ており、役に立たなければいけないという心理にあります。新人が雑用を一生懸命しているのは、居場所を確保するためです。新人が自己紹介で「現場の皆さんに迷惑をかけないように頑張ります」と言うのも、この居場所不安の心理から来ています。それを和らげるためにも最初の段階では新人に後片付けや掃除などの簡単な作業をしてもらい、職場に馴染んでもらうことが重要です。職員も厳しい目や態度ではなく、温かく迎え入れる姿勢を心がけることが大切です。早い段階で新人歓迎会や食事会を開くのも良い方法です。このように歓迎する雰囲気を作ることで、新人は安心感を持ち、業務も覚えやすくなります。
二段階目に、職員とうまくコミュニケーションがとれるかどうかという不安が出てきます。先輩職員に質問しても良いのか、この人はどんな人だろうなど、新人は職場の雰囲気を見ながら不安を感じていますので、他の職員と良好な関係を築くことが重要です。
そしてようやく三段階目に、利用者とうまくコミュニケーションがとれるかどうかという不安が出てきます。新人が利用者からのリクエストに対応する際も、他の職員に確認しなければなりませんので、職場の人間関係が良好でなければ、利用者とのコミュニケーションもうまくいきません。職員との関係がうまくいっている前提が大切です。
最後の四段階目に、新人が業務慣れてきたら、仕事や職場への未来の不安が出てきます。次第に愚痴が出てくるのは現場が見えてきて職場に慣れてきた証拠ですが、不満や不安が長引くと退職の原因になります。
どんな業界や業種でも新人の心理はこの4段階が繰り返されるため、この心理を理解し、教育プログラムを作ることが大切です。
まとめ:心の変化を理解して、安心感を提供する職場づくりをしましょう
新人の心の変化は、居場所の不安から始まり、職員や利用者との関係を模索する過程を経て、最終的に業務に慣れ自分自身と職場の不安を克服すると、再び最初の「居場所の不安」に戻ってくるサイクルを繰り返します。4段階の不安を乗り越えて頑張ろうと決意した新人の新たな心の変化としては、例えば、現場をより良くしたいという意識が生まれて周りに同意を求めたり、利用者により良いケアを提供したい、という目標が生まれてきます。現場リーダーはこのサイクルを理解し、各段階に応じた適切な支援を行うことで、新人が安心して成長できる職場環境を作り出すことが可能です。
新人教育においては、このサイクルを理解し、まずは一段階目と二段階目の不安を早く取り除き、その後業務に関わってもらうステップを踏むことが長続きするコツと言えるでしょう。一段階目や二段階目の不安を抱えたまま業務を教えても身につかず、離職に繋がりやすくなりますので、まずは新人を歓迎して迎え入れ、最初の不安を軽減する環境づくりに取り組んでいきましょう。
今回は、「新人育成 職員の心の変化」について四段階で解説しました。第10回は「曖昧な言葉を置き換えるPart1」です。ぜひご一読ください。
第10回はこちら:近日公開予定
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当コラムは、掲載当時の情報です。

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